既存の下水道Centralシステムでは、下水道M/Pの実施により雨水排水路からの汚濁負 荷(RC-M/P)を削減するが、優先プロジェクト(RC-F/S)の実施により60%削減できる。
全体として、優先プロジェクトで削減可能な汚濁負荷量(R-F/S)は下水道 M/Pによる 負荷削減量 (R-M/P) の51%である。
(2) 水質改善効果
優先プロジェクトによってAtares とGuasabacoa での溶存酸素(DO )濃度は1.5 〜2.0 mg/L になり、下水道M/P実施による2.0 〜2.5 mg/L と比較して図3.6に示す。
Atares でのF/SとM/PのDO濃度の違いはAtaresの位置に関連している。Ataresはハバ ナ湾の最奥部にあり、酸素の供給源である海水が他の場所と違い到達しにくいため、
DO 濃度レベルが低くなっている。優先プロジェクトの実施により Matadero 排水路に 関連する誤接続管が解消され、またベルギーおよびイタリアの援助で進められている Agua Dulce 雨水排水路への汚濁負荷は処理された後、Guasabacoa に放流されるため、
雨水排水路経由の汚濁負荷はカットされる。第二期以降の事業計画実施により Atares でのDO濃度はさらに向上し、湾の他の地域でも水質が向上すると期待される。
Atares での現況の水質がDO濃度で1.0 mg/L以下であり、優先プロジェクトにより 1.5
〜 2.0 mg/L への改善は最終目標が 3.0 mg/L であることを考慮すると顕著であり、
Ataresへの汚濁負荷を削減し、Guasabacoaでの水質改善に貢献する。
(3) 環境影響評価(EIA)
環境影響評価調査により、提案した優先プロジェクトは、環境面で健全なプロジェク トである。なお、下水道施設から発生すると考えられる悪臭や汚泥に関連した影響に ついては、適切な防止策や緩和策がとられなければ、部分的に問題発生が考えられる。
施設建設中の悪影響も懸念されるので、EIA調査の結果に基づいて提案された防止策 予防策を今後実施する必要がある。
項目 内容
G-CN4 全汚濁負荷発生量(既存Central System および新規下水道計画区域内)
G-CMN4 全汚濁負荷発生量 (既存Central Systemの実測による推定値および新規下水道 計画区域内算定値)
R-M/P 下水道M/Pによる全汚濁負荷削減量
R-F/S 優先プロジェクト(F/S)による全汚濁負荷量削減量
RC-M/P 下水道M/Pのうち、既存下水道Central Systemの改善計画による全汚濁負荷 削減量
RC-F/S 優先プロジェクト(F/S)のうち、既存下水道Central Systemの改善計画による 全汚濁負荷削減量
G-N4 新下水道計画区域の全域(4処理区)内の汚濁負荷発生量 GN-M/P 新下水道計画区域のうちM/P対象区域内における汚濁負荷発生量
RN-4S 新下水道計画区域の全域(4処理区)内における下水道整備による汚濁負荷削減量の期待値
RN-M/P 新下水道計画区域のうちM/P対象区域内における下水道整備による汚濁負荷削減量の期待値
RN-F/S 新下水道計画区域のうちF/S対象区域内における下水道整備による汚濁負荷削減量の期待値
比較 比率(%)
(RN-M/P)/(G-N4) 35 (RN-M/P)/(RN-4S) 39 (RN-M/P)/(G-CMN4) 20
(RN-F/S)/(RN-M/P) 32 (RN-F/S)/(GN-M/P) 22 (RN-F/S)/(G-N4) 11 (RC-M/P)/(RC-M/P) 100
(RC-F/S)/(RC-M/P) 60 (R-F/S)/(R-M/P) 51
ハバナ湾汚染源対策調査 国際協力機構(JICA)
図3.5 BOD5に関する発生汚濁負荷量と
汚濁負荷削減量との比較
BOD5, kg/d
54,527
39,826
25,037
12,846
17,032
10,262
22,794
11,723
20,515
8,005
2,584 0
10,000 20,000 30,000 40,000 50,000 60,000 70,000
G-CN4 G-CMN4 R-M/P R-F/S RC-M/P RC-F/S G-N4 GN-M/P RN-4S RN-M/P RN-F/S Total Generation
- Central & New
Total Reduction - M/P & F/S
Reduction in Central
- M/P & F/S Generation in New - 4 district & M/P
Reduction in New - potential, M/P & F/S
Case M/P(下水道M/Pを実施した場合)
Case F/S (優先プロジェクトを実施した場合)
ハバナ湾汚染源対策調査
国際協力機構(JICA)
図3.6 下水道マスタープラン(M/P)お よび優先プロジェクト(F/S)を実施し た場合のDO改善効果比較