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第Ⅳ章 歩数の計測による消化器内科病棟の看護業務の集中パターンと疲労の

2. 方法

2.1 対象および調査方法

A民間総合病院(2004 年DPC 参加)の消化器内科病棟:長方形・複廊下型・

多床室・80 床(図 1,写真 1)に在籍するスタッフ看護師(患者を受け持つ看 護師)で,交代制勤務を行っている看護師 29 名全員を対象とした(表 1).対 象は平均年齢 28歳,平均経験年数 6 年であった.各看護師に日勤帯 1回,準夜 勤帯 1 回,深夜勤帯 1 回の調査協力を求め,勤務帯ごとの歩数,業務の中断と 衝突,忙しさ感,疲労の自覚症状について調査を行った.調査期間は 2012年 3 月 12日~4 月 26日(平日 33日).表 2 に調査対象者の年齢および経験年数を 示す.

表 1 調査対象病棟概要

表 2 調査対象者数

日勤帯 準夜勤帯 深夜勤帯

平均在院日数 看護体制

勤務者 看護師(全29名) 12~14名 6名 5~6名 勤務時間 8:00~17:00 16:30~0:30 0:00~8:30

休憩時間 60分 30分 45分

主な疾患・治療 胃潰瘍,胆嚢炎,消化器系(胃・大腸・膵臓・肝臓など)

癌,癌術前・後の化学療法 11日 チームナーシング

日勤帯 n=22

準夜勤帯 n=15

深夜勤帯 n=21

20歳代 13 12 13

30歳代 6 2 5

40歳代 3 1 3

2年未満(新人) 6 5 5

2年以上4年未満(一人前) 3 3 4 4年以上10年未満(中堅) 6 6 6

10年以上(ベテラン) 6 1 5

不明 1 0 1

注)経験年数は慣例に従って分けた

注)経験年数は2012年3月12日時点で記載した 経験年数

年齢

27

写真 1 消化器内科病棟

図 1 消化器内科病棟の構造 略図

4950 病室

(2) 病室

(2) 病室

(2) 病室

(2) 病室

(2) 病室

(2) 病室

(2) 病室

(2) 病室

(2) 病室

(2) 病室

(2) 病室

(2) 病室

(2) 病室

(2) 病室

(2) 病室

(2)

カンファレ ンスルー

ラウンジ オフィース オフィース

2050

4950 エレベータ 処置室 階段 洗面書 トイレ 汚物 処理室 処置室

カンファレ ンスルー

カンファレ ンスルー

倉庫 給湯室

浴室・

シャワー

トイレ 洗面所 エレベータ エレベータ

2050

8000 病室

(1) トイレ・

洗面所 病室

(1) トイレ・

洗面所 病室

(1) トイレ・

洗面所 病室

(3) 病室

(3) 病室

(3) 病室

(3) 病室

(3) 病室

(3) 病室

(3)

病室 (3)

病室 (3)

病室 (3)

病室 (3)

病室 (3)

病室

(3) 階段 エレベータ

(㎜)

( ) 内 : ベッド数

7000 7000

7000 7000 7000 7000 7000 7000

7000 7000 7000 7000

病室 ナースステーション (6)

準備室

トイレ介助までの看護動線 ≒ 56

カメラ

28

2.2 調査用紙

無記名の自記式調査用紙で,設問は 1) 作業負荷,2)疲労の自覚症とした.

2.2.1 作業負荷

作業負荷として使用した要因は,身体的な負荷として歩数と静止時間(1分間 の歩数が 0 の時間),精神的な負荷として業務の中断・衝突の発生回数,さらに こうした作業に伴い生じる忙しさ感とした.歩数と静止時間は,1分間ごとの歩 数が計れる歩数計(機器名:Kenz ライフコーダー4 秒版)を用いて測定した.

業務の中断・衝突は,佐藤ら[1]が看護行為のどこが事故発生に繋がるのか,看 護者が関わる医療事故・インシデントの発生要因を明らかにするために使用し た調査用紙にある調査項目 5 項目(123 の細項目)の内,調査結果が報告され た 3 項目(61 の細項目):エラーを起こしそうになった体験回数に関する項目

(15 の細項目),看護行為を行うときに事故防止の観点から実行している行為 に関する項目(23 の細項目),看護行為を行うときにエラーが起こりやすいと 考えられる状況に関する項目(23の細項目)の中の,業務の中断・衝突に該当 する 17の細項目を参考に,類似するものはまとめ,抽象的なものは具体的にす るなどして最終的に 6 項目(Ⅱ章・表 4)を設定し,それぞれの発生頻度を測 定した.なお 6 項目に当てはまる事柄が発生した場合,発生 1 回につき 1 項目 を選択してもらった.忙しさ感については,これまでの仕事で,一番忙しかっ たと思った時を 10として,忙しくないと思った時を 1とした場合,今はどのく らいか尋ねた.また,勤務帯後半の忙しさ感がその日の忙しさ感にならないよ う休憩前と勤務終了直後の 2 回調査し,この 2 回の得点の平均値を算出した.

2.2.2 疲労の自覚症

疲労の測定は,日本産業衛生学会産業疲労研究会 2002 年改訂の「自覚症しら

べ」[2]を用いて勤務開始直前と休憩前(休憩時間に入る直前)と勤務終了直後

に調査した.

「自覚症しらべ」の特徴は,疲労症状の訴えを 5 群に分類し,疲労状況を多角 的に評価できる点にある.質問内容は I 群・ねむけ感(下位項目:ねむい,横 になりたい,あくびがでる,やる気がとぼしい,全身がだるい),II 群・不安定 感(下位項目:不安な感じがする,ゆううつな気分だ,おちつかない気分だ,

いらいらする,考えがまとまりにくい),III 群・不快感(下位項目:頭がいた い,頭がおもい,気分がわるい,頭がぼんやりする,めまいがする),IV 群・

だるさ感(下位項目:腕がだるい,腰がいたい,手や指がいたい,足がだるい,

肩がこる),V群・ぼやけ感(下位項目:目がしょぼつく,目がつかれる,目が いたい,目がかわく,ものがぼやける)である.これら 25 項目は,「まったく

29

あてはまらない/1 点」~「非常によくあてはまる/5 点」の 5 段階評定回答 方式である[2].

2.3 解析方法

統計解析には SPSS Statistics 22 を使用した.作業負荷の勤務帯間の差異を 検討するため勤務帯を独立変数,作業負荷を従属変数とした一元配置分散分析 を行った.また,業務の集中パターンを検討するため勤務帯別の 30 分ごと歩数 の分析を行った.疲労については,勤務時間帯における疲労の変化を検討する ため,勤務前後の疲労得点の差を対応のある t 検定で解析した.また,勤務帯 間の差異を検討するため勤務帯を独立変数,疲労を従属変数とした一元配置分 散分析を行った.有意水準は 5%とした.

2.4 倫理的配慮

本研究は2012 年 2 月10 日,対象であるA 民間総合病院の臨床研究審査委員 会の承認を得て実施した.調査者は対象病棟へ出向いて調査に関する目的と方 法,個人の業務評価を行うものではないこと,匿名性を保障することを文章と 口頭で説明し,同意を得られた対象者のみに調査・測定を実施した.

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