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新規性

ドキュメント内 地上/衛星共用携帯電話システム (ページ 56-59)

第 3 章 STICS と呼受入制御

3.1 STICS

3.1.2 新規性

(1)周波数有効利用

STICS では衛星と地上で周波数を共用する。既存の衛星移動体通

信は衛星を利用した通信専用の周波数帯域を使用する。これに対し

て STICSでは同じ周波数帯を地上と衛星両者で使用する[13]。

地上の移動体通信システムではセルラーシステムを使用している。

これは地域をクラスタ構成にして同じ周波数帯を使用する。同じ周 波数帯を使っている地域同士は、電波干渉が十分低い状態になるよ う空間的に分離することにより周波数帯の再利用が可能となる。

衛星システムでは、同じように衛星ビームをクラスタ構成にする が、地上システムとの違いは電波の伝搬損失ではなく、衛星ビームの アンテナ利得の低下分である。アンテナ利得はアンテナボアサイト 方向に利得最大となるように設計するが、アンテナボアサイト方向 からの離角が大きくなるとアンテナ利得は低下していく。これによ り被干渉地域で同じ周波数の干渉が十分小さければ周波数の再利用 が可能となる。

さらに、STICSではこの周波数を地上と衛星で共用する。この仕組

みを以下に説明する。衛星システムでは、7 つの隣接した衛星ビーム

地上携帯基地局

地上携帯電話 衛星

衛星携帯電話

衛星携帯電話 用周波数

地上携帯電話 用周波数

【従来】

地上/衛星携帯電話用周波数

地上携帯基地局

地上/衛星共用携帯電話

【本研究開発】

災害時における情報通信インフラ 日本の領海: 約447万km2

日本の領土: 約38万km2

6割は山岳地域

可住地面積 :約13万km2

地上局による整備の対象となり得るエリア

デジタル・ディバイド対策

:地上携帯電話基地局

:地上携帯電話利用可能エリア

:地上携帯電話が利用不能エリア

:衛星携帯電話利用可能エリア

利用イメージ

新規性

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(セル)を 1 つのクラスタとする。すなわちクラスタ構成 7 のクラ スタ配置である。図 3.1-4 にクラスタ構成を示す。

図 3.1-4 クラスタ構成

横軸を周波数として使用する帯域を示すイメージを図 3.1-5 に示

す。図 3.1-4 の f1のエリアでは、衛星との通信を図 3.1-5 のf1 の周

波数で実施することとする。すると f2~f7 の周波数はこのエリアで は使用されていないので地上システムで使用できる。同様に f2 のエ リアでは衛星との通信を f2 の周波数で実施し、f1、f3~f7 を地上シ ステムで使用する。

図 3.1-5 周波数帯域使用イメージ

ただし、f1 のエリアを衛星通信としたとき、f2~f7 エリアのうち f1 エリアと重なっているかまたは近傍では衛星通信用に割り当てた 周波数帯からの干渉が十分下がる離隔距離(空間ガードバンド)を確 保する必要がある[14]。このように割り当て周波数帯域を地上と衛星

f1 f6

f5 f4

f3

f7 f2

f1

f1以外の帯域

衛星システム

地上システム

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で共用して使用する。あとは、このクラスタ単位でサービスエリアを 覆えば周波数干渉はない。

衛星と地上を同一周波数帯で利用するシステムは米国では、Ligado SkyTerra で Lバンド帯 [11]、ヨーロッパではEutelsat 10A、 EchoStar

XXI で S バンド帯 [12]で実運用されている。日本国内ではまだ実用

例はない。

(2)大型展開アンテナ

既存の移動端末の無線通信性能としては静止軌道上にある衛星と 通信を行えるほどの十分な能力は無い。それは衛星までの距離が

36000km と極端に遠いことにより信号電力が減衰してしまうためで

ある。これに対する技術的な対策として STICS 衛星に大型展開アン テナを搭載することを想定している。地上から衛星へのアップリン ク回線を検討する上で地上側が大きなアンテナを持つ基地局ではな く、携帯可能な移動端末にするためには携帯端末からの出力電力を 上げるか衛星アンテナの利得を上げるかという選択になる。しかし 携帯端 末の 出力 電力を 大き くす ると 電波法 の人 体へ の比吸 収率

(SAR)による上限の規定があるため必然的に衛星のアンテナ利得 を上げる方策が取られる。パラボラ型アンテナの利得は直径の 2 乗 に比例して増加するため、直径の大きい大型アンテナを搭載させる ことになる。展開型の大型アンテナを搭載した衛星は SkyTerra(アン

テナ直径22m)、TereStar(アンテナ直径 18m)の実績がある。STICS

ではアンテナ直径 30m、アンテナ利得 47dBi を想定している。マル チビームを形成する大型展開アンテナでは、各ビームのエッジの利

得 (EOC) を高くし, かつ他ビームへの干渉を小さくすること工夫

が必要になる[15]。

(3)日本領土・領海および排他的経済水域をカバーする衛星ビー

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DBF 技術は電波の位相と振幅をディジタル的に変化させることに より、任意の方向にアンテナの放射パターンを形成する装置である。

ディジタルチャネライザは周波数領域でチャネルの再配置を FFT とディジタルフィルタ技術で行う装置である。この二つのディジタ ル技術を使うことにより、日本領土・領海および EEZ をカバーする 衛星ビームを形成し、各衛星ビームで発生する呼の要求を効率的に 接続することができる。図 3.1-2 に衛星ビーム配置例を示す。

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