う。
Ⅳ. 新潟県集積企業 の課題 一中越集積を中心 に して ‑
以上 の集積地域企業論 ・集積地域論及 び 「地域 ビジネス情報 ネ ッ トワークシステム」論 に基 づ いて、
地域的 には中越集積、業種面で は機械 ・金属産業 を中心 に して新潟県集積企業 の課題 を次 に考 えてみよ う。何故、 中越地域であ り機械金属産業論 なのか。 中越集積 は新潟県 の中で戦略的な位置を占めてお り、
機械 ・金属産業 は同集積 の中軸 をな しているか らである。
1.中越集積 の戦略性
中越集積 は、新潟県集積 において中心 的位置 を占めると同時 に関越 ベル ト地帯 における主要集積 の一 つで もあ るとい う点で、新潟県 ・日本海地方集積 と関東地方集積双方 の クロスポイ ン トをな してお り、
その意味で戦略性 を帯 びた集積地域 で ある。 それ はまた、中越集積地域企業 の経営革新 に とって今後不 可避 とな るであろ う同集積地域 の広域化 ・高度化 にとって も不可欠 な戟略性 で もあ る と言 え よ う。 (要 す るに、 中越集積 は新潟県 の環 日本海拠点性 を支 え る集積地域 で あ る とい うこ とで あ り、 また同県 の
「拠点性」 は以上 の観点 か ら再定義 を要す るとい うことで もあ る。)
2.機械 ・金属産業の重要性 と企業情報 ネ◆ッ トワークシステム (1)基盤的技術部門における先端性 と連関性
機械 ・金属産業就中その基盤的技術部門は、先端性 と連関性双方を兼ね添えている。 それは、一方に おいて、技術体系すなわち技術 ヒエラルキーに関 しては基盤技術、中間技術、特殊 (先端)技術 という 三層の中で基底層 に位置 しなが らも (図10[1]参照)、‑技術水準すなわち技術 レベルの面では生産 ・ 加工 レベル、開発 ・システムレつル、製品開発 レベルという3レベル全てに関わっている (図10[2]
参照)。その意味でそれは、一方でその技術水準が中間技術層 は無論のこと先端技術層 にも決 して引け を取 らないという点で先端性を伴 った部門であ り、 しか も他方ではそれが基盤技術であるという特性に 因 り業種を越えた広範な産業 ・技術連関を持ち連関効果が最 も高 い部門で もある。
図10 技術における体系性 と先端性
[1].\技術 ヒエラルキー ・モデル [2]技術 レベル ・モデル
そこでまず基盤的技術部門における連関性の重要性を強調 しておかなければな らない。それは産業全 体のあ り方すなわち産業構造 ・産業組織 ・産業集積のいずれにも関わるか らである。 基盤的技術部門は 現在 もなお産業構造 は無論のこと産業組織や産業集積の中軸的位置を占めて早るが、就中後者の産業組 織 ・産業集積 との関連性について とくにその重要性が強調 される必要がある。 何故か。第一 に、 自律的 産業造 は梶野が広 く分厚な産業組織 によって支え られなければな らないが、基盤的技術部門 は、その広 範な技術連関性故 に」 こうした重層的産業組織の形成 に貢献 しているか らだ。第二 に、重層的産業組織 を生み出す技術連関性 は同時に集積地域 にとって不可欠な中堅 ・中小企業の社会的分業 ⊥それはまた逆 に産業組織の裾野を広 げそれを分厚な ものにす る上で不可欠なのであるが‑を可能 にす るか らだ。 この ように、基盤的技術部門は、その広範な技術連関性故 に中堅 ・中小企業を中心 とする社会的分業 によっ て支え られているという点で、産業組織 ・産業集積 においてはその役割が とくに大 きいのであるが、そ の連関性の重要性 は正 にこの点 にあると言えよう。
(2)先端性 ・連関性 と企業情報 ネ ッ トワ‑クシステム
次 に注 目すべ きは、基盤的技術部門の先端性 と連関性 との関係及び両者 と企業情報 ネ ッ トワークシス テムとの関連性 についてである。 上記の技術 レベル ・モデルにおけるレベルアップは、基盤的技術部門 の場合、加工機能の高度化 と専門化を通 じて行われる。だがその高度化 ・専門化が設計 ・開発 に結びっ くためには二つの条件を充たさなければな らない。一つは内的条件である。すなわち集積地域の基盤的
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技術部門における連関性の広 さと深 さである。 もう一つ は外的条件である。すなわち研究 ・製品開発の 分散化である。 この二つの条件を作 り出す上で重要な役割を担 っているのが情報通信技術である。 まず 後者か ら。 この場合、E‑企業情報 ネッ トワ÷クシステムが決定的な意味を持っ。何故 な らばそれによって 始めで情報共有が可能 にな りまたそれがなければ研究 ・製品開発の分散化はあり得ないか らである。従 っ て企業情報 ネットワークシテムによる研究 ・製品開発の分散化があって始めて加工機能の高度化 ・専門 化が設計 ・開発 に結びつ くのである。そ して前者 について も企業情報 ネットワークシステムが重要な役 割を果た している。研究 ・製品開発の分散化 は、キ∵ ・テクノロジーの新たな組み合せによる 「研究 ・ 製品開発連携」 によって行われるが、それは集積地域内における 「技術 ・生産工程連関」 の連鎖的変動 に否応な く繋がる。そ、して この連鎖的変動が基盤的技術部門の拡大 ・深化に結びっ くか否かはやはり企 業情報 ネットワークシステムのあ り方 に関わっている。そのことは企業情報 ネッ トワークシステムが集 積地域の基盤的技術部門の連関性拡大 ・深化 にとって も重要な意味を持 っているということを示唆 して いる。か くLで情報通信技術 は加工機能の高度化 ・専門化 と連関性拡大 ・深化両面で極 めて重要な役割 を担 っているものと想定 されるのである。
(3)取引関係の水平化 と企業情報 ネットワークシステム
集積地域の基盤的技術部門における先端性 ・連関性 と集積地域企業の取引関係 との関係 も見落 とせな い。それは、抑基盤的技術部門における加工機能の高度化 ・専門化 は同時に同部門の裾野 における幅広 い連関性によって支え られているが、 こうした裾野の広 さはそ もそ も取引関係の水平性 によって始めて 可能になる、(ロ)「研究 ・製品開発連携」 は新製品の叢生 に繋がるが、そのことは集積地域企業 にとって は、独 自製品を保有するということを意味 し、 さらにその販売のための独 自なマーケ ッ トの開拓が必要 になるというこ・とを意味する‑という二つの理由か らである。 そ して この取引関係の水平性を保障 しか つ促進 しているのが これまた企業情報 ネッ トワークシステムでありとりわけ調達システムを重視するネッ
トワーク ・プロセス
( ERP/S CM[ DS CM] )
である。このように企業情報 ネッ トワークシステムは、加工機能の高度化 ・専門化や連関性拡大 ・ 深化 の面 だけではな く、それ らを支える取引関係の水平化 という点で も極めて重要な役割を果た しているのであ る。
(4)企業情報 ネッ トワークシステムの役割
か くLで情報通信技術なかんづ く企業情報 ネットワークシステムの発展 は基盤的技術部門の重要性を さらに高める可能性を秘めていると考えるべ きであろう。 こうした中で、同部門に依拠す る機械 ・金属 産業 における企業間ネットワーク及び ビジネス ・プロセス統合の動 きもまた急展開をみせている。 こう した点を考慮すれば、機械 ・金属産業を中心 とする中越集積の場合 も、同部門におけるネ ッ トワーク ・ プロセスへの積極的な参入を検討すべき時期を迎えていると言えよう0
中越集積の場合、第一段階 として機械 ・金属産業か ら検討すべ し、 とするのは、単 に同集積が機械 ・ 金属を中心 としているというばか りではな く、以上で述べた同産業の今 日的重要性を考慮 しての ことで
もある。
、〜
しノ
3.中越集積企業 の課題
(1) コーデ ィネー ト企業群の創出
基盤的技術部門 においては加工機能の高度化 ・専門化が集積地域の連関性拡大 ・深化 と密接 に関連 し ているということは、中越集積企業 の今後のあ り方 を示唆 していると言えよう.第‑ に、機械 ・金属産 業を中心 とす る 「ネ ッ トワーク ・コーデ ィネー ト」の担い手 としてのコーデ ィネー ト企業群の創出が重 要である。
それは以下 のプロセスを経て達成 されることが期待 される。 すなわち、抑集積地域内で コーデ ィネー ト企業 と基盤的技術関連企業 との問でその技術連関性 に依拠 した水平的な 「技術 ・生産 ネ ットワーク」
\‑ / /
を形成す る、(a)こうした集積地域 ネ ッ トワークを基盤 に して コーデ ィネー ト企業間でその先端性 に特化 した高度な 「研究 ・製品開発 ネ ッ トワーク」 を広域的に形成す る、再 そ して両 ネ ッ トワークの相乗作用 と累積効果の発揮 を図 る
、
⇔さ らに市場 と開発 のフィー ドバ ックすなわち 「連鎖型開発」 を通 じてその 相乗作用 ・集積効果 を市場 とりわけグローバル市場 に結 びっけてい くために、市場 によ り近 いポジションに位置す るネ ッ トワーク型産業就中流通 システムが果たす役割を重視す る、銅 その役割をサポー トす る情報 ネ ッ トワークシステムの開発 ・整備を進 めるとともにそれに対 して集積地域が支援を行 うーとい
うプロセスである。 ‑J
以上 の観点 に立 った場合、中越集積 にとって とくに重要 なのは、機械 ・金属技術を基軸 に 「研究 ・製 品開発 ネ ッ トワーク」形成 を担 うコーデ ィネー ト企業群を創出す ることである.
(2)地域 ネ ッ トワーク ・プロセスへのアクセス
今後 の方向に関す る第二 の課題 として、地域 ネ ッ トワーク ・プロセスへのアクセスが挙 げ られる。中 越機械 ・金属産業 における基盤的技術連関の優位性及 びその維持 ・発展を考慮するならば、企業情報ネッ
トワークシステムを通 じての 「ネ ッ トワーク ・プロセス」 に対す るアプロ‑チーすなわち製品 ライフサ イクル論 に依拠す るネ ッ トワーク ・プロセスアプローチ (CALS/BPアプローチ) と、 調達 システム を重視す るネ ッ トワーク ・プロセスアプローチ (ERP/SCM lDSCM]アプローチ) とい う二 つの ア
r
プローチーの うち製品 ライフサイクルアプローチをまず重視 しなければな らない。つ ま り、製品 ライフ サイクルアプローチは云わば 「ネ ッ トワーク ・マニュファクチュア リング」 とで も呼ぶべ きものである が、中越地域の基盤的技術連関 は、 こうした 「ネ ッ トワーク ・マニュファクチュア リング」 に極 めて親 和的であ りかっ またそれを必要 としているとい うことだ。
(∋ 『地域CALS』へのアクセス
『地域CALS』アクセスにおいては、産学官協力 による研究 ・開発情報の共有 による基盤的技術 の高 度化 という問題 も重要であるが、 それだけではな く同地域の基盤的技術部門が標準化時代 における 「情 報共有 イ ンフラ」 とい う性格を持っCALSシステムに対 してどのような関係を持つべ きなのか ‑ とい う 問題を早急 に解決 してお く必要があるだろう。 その場合の課題 は二つであ る。 一 つ はCADネ ッ トワー クシステムの高度化 ・融合化 に対 してどのような対応をす るのか という点である。 すなわち、CALSの 中核 システムの一つであるCADネ ッ トワークシステムは高度化 (ソ リッ ド化) と融合化 (CAMネ ッ ト
ワークとの結合) を通 じて現在急速 に発展 しつつあるが、 こうした状況を勘案すれば、 その高度化 ・融 合化が、(1)加工機能の高度化 ・専門化 とどのよ うに関わるのか、(。)またその高度化 ・専門化が 「研究 ・ 製品開発連携」 にどう結 びつ くのか、再 さらに 「研究 ・製品開発連携」が集積地域 における 「技術 ・生 産工程間連関」 を とどのように変化 させ るのか‑とい う諸問題の検討が必要であ り、 またそれ らに対す