テストの結果,1回目のテストよりも,2回目のテストの方が良い点数を取ってい る人が4人,同じ点数の人が2人,点数が下がった人が2人いた.8人の平均では 0.65点上がった.テストの結果を見ると2日経過した後の2回目のテストでも点数の 下がっている人は少なく,同じ点数もしくは,それ以上の点数を取っている.
6.3.2. 整理機能なしの場合のテスト結果
本節では整理機能なしのアプリケーションの場合における,テスト結果の比較をお こなう.1回目のテストと2回目のテストに関しては整理機能ありの場合と同様であ る.1回目と2回目のテストの点数とテスト間の差を表した結果を表 6.6,グラフで 表したものを図6.8に示す.このテストはすべて整理機能なしのアプリケーションで 講義メモを作成してもらっているが,被験者 01,04,05,08 が「話すと考える」, 被験者02,03,06,07が「見ると聞く」についての映像を視聴した.
表6.6 整理機能なしのテスト結果 被験者番号
テスト結果 01 02 03 04 05 06 07 08 平均 1回目のテスト結果 [点数] 14 7 18 10 11 16 6 6 11.000 2回目のテスト結果 [点数] 14 7 15 8 9 14 5 3 9.375 差分(2回目-1回目)[点数] 0 0 -3 -2 -2 -2 -1 -3 -1.625
テスト結果(整理機能なし)
-5 0 5 10 15 20
被験者01 被験者02 被験者03 被験者04 被験者05 被験者06 被験者07 被験者08
点数
整理機能なし1回目 整理機能なし2回目 差分
図6.8 整理機能なしのテスト結果
テストの結果,1回目のテストよりも,2回目のテストの方が良い点数を取ってい る人はいなかった,同じ点数の人が2人,点数が下がった人が6人いた.8人の平均 では 1.65 点下がった.テストの結果を見ると2日経過した後の 2 回目のテストでも 点数の上がっている人はおらず,ほとんどの人の点数が低下していた.
6.3.3. アプリケーション間の比較
本節では整理機能がある場合と整理機能がない場合のアプリケーション間の1回 目と2回目のテスト結果の差分について述べる.1回目のテストと2回目のテストの 差分を被験者間でどの程度差があるのかを比較した.その結果を表 6.7,グラフに表 したものを図6.9に示す.
表6.7 アプリケーション間の差分 被験者番号
テスト結果 01 02 03 04 05 06 07 08 平均 整理機能ありのテスト結果
差分 [点数] 1 2 -1 0 4 0 -2 1 0.625
整理機能なしのテスト結果
差分[点数] 0 0 -3 -2 -2 -2 -1 -3 -1.625
差分(機能あり-機能なし)
[点数] 1 2 2 2 6 2 -1 -4 2.250
整理機能ありとなしの差分
-2 0 2 4 6 8 10
被験者01 被験者02 被験者03 被験者04 被験者05 被験者06 被験者07 被験者08
点数
整理機能あり となしの差分
図6.9 アプリケーション間の差分
テストの結果をみると,8人中7人の被験者が整理機能ありの場合に2回目のテス トで高い点数をキープしているのがわかる.全体の平均点としては整理機能ありの場 合2.25点高い点数を取ることができた.
次に1回目のテストと2回目のテストの差分によって,整理機能がある場合とない 場合のアプリケーション間で統計的に差があるかを解析した.ここでの仮説を以下に 示す.
仮説 :整理機能がある場合と整理機能がない場合のアプリケーションで作成され た講義メモからの内容想起に差はない.
対立仮説:整理機能がある場合と整理機能がない場合のアプリケーションで作成され た講義メモからの内容想起に差がある.
以上の仮説を同じ被験者が,2つの異なるシステムを利用し,時間という定量デー タを比較するので,対応のあるt検定によって解析をおこなった. その結果を表6.8 に示す
表6.8 アプリケーション間の差分のt検定結果
対応サンプルの検定
2.250 2.053 .726 .534 3.966 3.100 7 .017 整理機能あり -
整理機能なし ペア 1
平均値 標準偏差
平均値の
標準誤差 下限 上限
差の 95% 信頼区間 対応サンプルの差
t 値 自由度
有意確率 (両側)
解析の結果,t(7)=3.100,p<0.05(p=0.017)により仮説は5%の有意差で棄却さ れる.つまり,整理機能がある場合と整理機能がない場合で講義メモの内容想起に 5%の水準で差があることが言える.またテストの結果からも整理機能がある場合に は点数が上がっている被験者もいるのに対し,整理機能がない場合は点数が上がって いる被験者はいなかった.おそらく,これは6.2章の講義メモの分析から,整理機能 がある場合に書き直した文字や追記によって書き足した情報が,映像の内容想起に役 立ったためだと考えられる.