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整流回路・平滑回路

ドキュメント内 電気回路シミュレータQucs説明書 (ページ 94-98)

第 5 章 サンプルシミュレーション 83

5.4 整流回路・平滑回路

5.4.1 整流回路

交流の流れは,正方向と負方向の両方向の流れがあり,この流れを一方向に整えるのに 整流回路がある.代表的な整流回路として半波整流回路(half-wave rectifier circuit)と ブリッジ全波整流回路(full wave rectifier)がある.本節では,両回路を用いた場合のシ ミュレーションについて示す.

半波整流回路とは,整流回路のうち交流電流で正・負いずれかの方向に流れる電流の片 方だけを流すことによって整流を行う回路のことである.半波整流回路は,ダイオードな どを用いて実現される.半波整流回路は,整流素子1個で手軽に整流回路が構成できると いう利点がある.その反面,片方向の流れを遮断して整流しているという仕組み上,脈 流が大きくなりやすいという難点がある.このため,半波整流回路はもっぱら簡易的な,

負荷や容量の小さい整流器に使用されている.半波整流回路のシミュレーション例を図 5.6(a)に示す.

全波整流回路は,入力電圧の正・負に関係なく正の絶対電圧を得ることができる.ブ リッジ全波整流回路のシミュレーション例を図5.6(b)に示す.ブリッジは部品ライブラリ 内に登録されているが,ここではダイオード4個を用いた.

(a) 半波整流回路のシミュレーション例

(b) 全波整流回路のシミュレーション例 図 5.6: 整流回路

5.4.2 平滑回路

平滑回路(ripple filter)とは,整流された電流の中に含まれている脈流をより直流に近 い状態にするための回路のことである.整流回路によって整流された電流は,正・負のど ちらか片方で周期的な波形を描いている.この波形が脈流と呼ばれている.平滑回路は,

コンデンサやチョークコイルなどの性質を利用することによって,脈流の波形をより平坦 に近づけるはたらきを持っている.

コンデンサを利用した平滑回路では,電圧がある値を超えるまではコンデンサが充電さ れ,逆に電圧が一定値を下回ると放電する,というコンデンサの性質によって平滑化を行 う.脈流の電圧が高い部分では充電を行い,低い部分では放電することにより負荷に電流 を供給することで,電圧の上下差をより平坦に近づけている.コンデンサによる平滑回路 を通った電流は,わずかに波打った状態を残しており,完全に直流の状態になるわけでは ない.このとき波形の平均値となる直線から,正方向,負方向に変動している部分がリプ ルと呼ばれる.さらに,交流の成分を遮断する性質を持っているチョークコイルを通すこ とで,リプル(ripple)をほとんど除去し,直流に近い電流を得ることができる.ここで リプルとは,直流の電流の中に含まれている脈動の成分のことである.

平滑回路のシミュレーション例を図5.7に示す.これは図5.6(a)の半波整流回路にコン デンサを加えた回路である.図5.7(a)はR = 10kΩ,C = 1µF,図5.7(b)はR = 50kΩ,

C = 1µF,図5.7(c)はR = 50kΩ,C = 10µFである.抵抗値とコンデンサの容量を変え ることによりリップルの違いがシミュレーション結果より観測できる.

(a) R=10kΩ,C=1µFのシミュレーション例

(b) R=50kΩ,C=1µFのシミュレーション例

(c) R=50kΩ,C=10µFのシミュレーション例 図 5.7: 平滑回路

ドキュメント内 電気回路シミュレータQucs説明書 (ページ 94-98)

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