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−10 −5 0 5 10

−10

−5 0 5 10

x1

x 2

x0 1

x0

−5 ≤ z ≤ 5 2

−1 ≤ w ≤ 1

(a) maximal CPI set for the system (2.4)

−10 −5 0 5 10

−10

−5 0 5 10

x1

x 2

x0 1

x0

−5 ≤ z ≤ 5 2

−1 ≤ w ≤ 1

(b) state trajectories in phase plane for the sys-tem (2.4)

Fig. 2.2: Maximal CPI set and state trajectories in phase plane for the system (2.4)

成するのに対し, 初期状態 x20 に対する応答は拘束条件を破ってしまう. これは Fig. 2.3(a) に示すように x10 が最大CPI 集合に属しているのに対し, x20が最大 CPI 集合に属さない初 期状態であったからであることがわかる. また Fig. 2.3(b)に示す初期状態 x10,x20 に対する 応答からも拘束条件が破られる様子がわかる.

状態フィード バック系 (2.4) に対する拘束条件は, |u| ≤ 5, u = h

0.2 0.5 i

xであった.

これは (2.1) において,D= 0 である系に対応する. そこで |u| ≤5ただし u=h

0.2 0.5 i

x+ 0.7w

として最大 CPI集合を構成する. すなわちつぎの系を考える. ただしここで, 拘束条件およ び外部入力の大きさについては(2.4), (2.11)に対するものと同一とする.

x(t+ 1) =

"

0.1 2.0

0.8 2.0

#

x(t) +

"

2 1

#

u(t) +

"

1 1

#

w(t) (2.12a)

u(t) =−h

0.2 0.5 i

x(t) + 0.7w(t) (2.12b)

この場合 K4 =K5が成立し,最大 CPI 集合はやはり有限回で決定可能である. また (2.12) に対する最大 CPI 集合はFig. 2.4の実線で囲まれる凸多面体となる. なお図中一点鎖線は

(2.12)に対する状態拘束集合であり,点線で囲まれる凸多面体は (2.4)に対する最大 CPI集

合である. (2.12) に対する最大 CPI 集合は, 外乱が直接拘束条件に影響を与えることから,

(2.4) に対する最大 CPI 集合に比較し, 縮小していることがわかる. また (2.12)が拘束を

破ることなく振舞うための必要十分条件は, 初期状態がこの領域の内部に属していることで ある.

2.7. 数値例

−10 −5 0 5 10

−10

−5 0 5 10

x1

x 2

x0 1

x0

−5 ≤ z ≤ 5 2

w = 0

(a) maximal CPI set for the system (2.11)

−10 −5 0 5 10

−10

−5 0 5 10

x1

x 2

x0 1

x0

−5 ≤ z ≤ 5 2

w = 0

(b) state trajectories in phase plane for the sys-tem (2.11)

Fig. 2.3: Maximal CPI set and state trajectories in phase plane for the system (2.11)

つぎに拘束条件および外部入力の大きさが最大 CPI 集合に与える影響をみるため, 集合 Z および 集合 W を変更し(2.4), (2.12)に対する最大 CPI集合を構成する.

まずはじめに拘束条件を2≤u≤5である場合を考える. すなわち (2.3)においてz =u Z ={z ∈ R|

"

1 1

# z

"

2 5

# }

である場合を考える. ただしここで外部入力については |w| ≤ 1 であるとする. この場合 (2.4)に対してはK8 =K9が成立し最大CPI集合が構成される. しかしながら(2.12)に対す る最大CPI 集合は空集合となる. したがって (2.12)に対しては, 常に拘束条件 2≤z 5 が破られるような外乱 w(t) ただし |w| ≤ 1 が存在する. (2.4) に対する最大 CPI 集合を

−10 −5 0 5 10

−10

−5 0 5 10

x1

x 2

−5 ≤ z ≤ 5

−1 ≤ w ≤ 1

Fig. 2.4: Maximal CPI set for the system (2.12)

Fig. 2.5に示す. 拘束条件が厳しくなったことから, Fig. 2.2(a) に比較し, 最大CPI 集合が 縮小している. また拘束条件の非対称性から, 歪んだ最大 CPI 集合がえられている.

−10 −5 0 5 10

−10

−5 0 5 10

x1

x 2

−2 ≤ z ≤ 5

−1 ≤ w ≤ 1

Fig. 2.5: Maximal CPI set for the system (2.4)

最後に外部入力が 101 ≤w≤1, すなわち W ={w∈ R|

"

1 1

# w≤

"

101 1

# }

で与えられる集合により規定される場合を考える. この場合(2.4), (2.12)のいずれに対して もK3 =K4 が成立し最大 CPI集合が構成される. (2.4)に対する最大CPI 集合を状態拘束 集合とともにFig. 2.6(a)に示す. また (2.12)に対する最大 CPI集合を実線で, (2.4)に対す る最大 CPI 集合を破線でFig. 2.6(b) に示す. Fig. 2.2(a) および Fig. 2.4 の場合と比較し, 外部入力の非対称性の影響により,えられる最大 CPI 集合が歪んでいることがわかる.

2.8 まとめ

外部入力を有する線形離散時間システムが拘束を破ることなく動作する条件を考えるた め, 状態拘束集合, 正の不変集合の概念にもとづいて CPI 集合を提案した.

CPI 集合を構成するために,まず状態拘束集合の構成法を示し, この内部に含まれる凸多 面体が CPI 集合となるための条件を示した.

すべての CPI集合をその内部に含む最大 CPI 集合が存在することを示し, この構成法を 提案した. さらに提案手法を用いることにより, 最大 CPI集合が有限回の計算により構成で きることを明らかにした. この提案手法を実現する具体的な計算手順を線形計画法を用いる ことにより示し, 最大 CPI 集合の計算例を示した. このとき外部入力を有する線形離散時 間システムが拘束を破ることなく動作するための必要十分条件は,その初期状態が最大 CPI 集合に属していることである.

2.8. まとめ

−10 −5 0 5 10

−10

−5 0 5 10

x1

x 2

−5 ≤ z ≤ 5

−1/10 ≤ w ≤ 1

(a) maximal CPI set for the system (2.4)

−10 −5 0 5 10

−10

−5 0 5 10

x1

x 2

−5 ≤ z ≤ 5

−1/10 ≤ w ≤ 1

(b) maximal CPI set for the system (2.12)

Fig. 2.6: Maximal CPI sets for the systems (2.4) and (2.12)

3 章 拘束システムのスイッチング状態