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教育課程の編成

ドキュメント内 幼稚園教育要領解説 (ページ 47-60)

第1章 総説

第2節 教育課程の編成

幼稚園は,家庭との連携を図りながら,この章の第1に示す幼稚園教育 の基本に基づいて展開される幼稚園生活を通して,生きる力の基礎を育成 するよう学校教育法第23条に規定する幼稚園教育の目標の達成に努めなけ ればならない。幼稚園は,このことにより,義務教育及びその後の教育の 基礎を培うものとする。

これらを踏まえ,各幼稚園においては,教育基本法及び学校教育法その 他の法令並びにこの幼稚園教育要領の示すところに従い,創意工夫を生か し,幼児の心身の発達と幼稚園及び地域の実態に即応した適切な教育課程 を編成するものとする。

1 幼稚園生活の全体を通して第2章に示すねらいが総合的に達成される よう,教育課程に係る教育期間や幼児の生活経験や発達の過程などを考 慮して具体的なねらいと内容を組織しなければならないこと。この場合 においては,特に,自我が芽生え,他者の存在を意識し,自己を抑制し ようとする気持ちが生まれる幼児期の発達の特性を踏まえ,入園から修 了に至るまでの長期的な視野をもって充実した生活が展開できるように 配慮しなければならないこと。

2 幼稚園の毎学年の教育課程に係る教育週数は,特別の事情のある場合 を除き,39週を下ってはならないこと。

3 幼稚園の1日の教育課程に係る教育時間は,4時間を標準とすること。

ただし,幼児の心身の発達の程度や季節などに適切に配慮すること。

1 教育課程の編成の基本

幼児は,家庭,地域社会,幼稚園という一連の流れの中で生活してい る。特に,教育基本法第10条で示されているとおり,家庭は子どもの教 育について第一義的責任を有している。幼児が望ましい発達を遂げてい

くためには,家庭との連携を十分図って個々の幼児に対する理解を深め るとともに,幼稚園での生活の様子なども家庭に伝えていくなど,幼稚 園と家庭が互いに幼児の望ましい発達を促すために思っていることを伝 え合い,考え合うことが大切である。

幼稚園では,幼稚園教育要領第1章総則の第1に示す幼稚園教育の基 本に基づき,幼稚園生活を展開し,その中で幼児に育つことが期待され る心情,意欲,態度を育成していく。幼稚園は,そのことにより,学校 教 育 法 第 23条 の 幼 稚 園 教 育 の 目 標 を 達 成 す る よ う 努 め な け れ ば な ら な い。幼稚園においては,幼稚園教育の目標に含まれる意図を十分に理解 して,幼児の健やかな成長のために幼児が適当な環境の下で他の幼児や 教師と楽しく充実した生活を営む中で,様々な体験を通して生きる力の 基礎を育成するようにすることが重要である。

(参考)学校教育法

第22条 幼稚園は,義務教育及びその後の教育の基礎を培うものとして,

幼児を保育し,幼児の健やかな成長のために適当な環境を与えて,その 心身の発達を助長することを目的とする。

第23条 幼稚園における教育は,前条に規定する目的を実現するため,次 に掲げる目標を達成するよう行われるものとする。

一 健康,安全で幸福な生活のために必要な基本的な習慣を養い,身体諸 機能の調和的発達を図ること。

二 集団生活を通じて,喜んでこれに参加する態度を養うとともに家族や 身近な人への信頼感を深め,自主,自律及び協同の精神並びに規範意識 の芽生えを養うこと。

三 身近な社会生活,生命及び自然に対する興味を養い,それらに対する 正しい理解と態度及び思考力の芽生えを養うこと。

四 日常の会話や,絵本,童話等に親しむことを通じて,言葉の使い方を 正しく導くとともに,相手の話を理解しようとする態度を養うこと。

五 音楽,身体による表現,造形等に親しむことを通じて,豊かな感性と 表現力の芽生えを養うこと。

(1) 義務教育及びその後の教育の基礎を培うこと

「幼稚園は,このことにより,義務教育及びその後の教育の基礎を培 うものとする」とは,幼児期の特性を踏まえた幼稚園教育をしっかりと 行うことが,義務教育及びその後の教育の基礎を培うことにつながるこ とを意味している。

幼稚園教育要領では,発達の側面から,心身の健康に関する領域「健 康 」, 人 と の か か わ り に 関 す る 領 域 「 人 間 関 係 」, 身 近 な 環 境 と の か か わ り に 関 す る 領 域 「 環 境 」, 言 葉 の 獲 得 に 関 す る 領 域 「 言 葉 」, 感 性 と 表現に関する領域「表現」としてまとめ,示している。幼稚園では,こ れらに示す「ねらい」が総合的に達成されるよう教育を行うことにより,

生きる力の基礎を育成している。そして,その成果が小学校につながり,

より豊かな小学校生活が送れるようになる。なお,幼稚園教育は,義務 教育の基礎を培うことはもとより,義務教育以降の教育の基礎,つまり 生涯にわたる教育の基礎を培う重要なものであることを忘れてはならな い。

例えば,幼稚園においては,幼児はそれぞれの興味や関心に応じ,直 接的・具体的な体験などを通じて幼児なりのやり方で学んでいくもので あって,小学校以降の学習と異なり,教師があらかじめ立てた目的に沿 って,順序立てて言葉で教えられ学習するのではない。幼児が,遊びを 通じて,学ぶことの楽しさを知り,積極的に物事にかかわろうとする気 持ちをもつようになる過程こそ,小学校以降の学習意欲へとつながり,

さらには,社会に出てからも物事に主体的に取り組み,自ら考え,様々 な問題に積極的に対応し,解決していくようになっていく。幼児期に多 様な体験をし,様々なことに興味や関心を広げ,それらに自らかかわろ

うとする気持ちをもつことは,幼児期からはぐくむことが重要である。

ここでは例として,このような視点から述べたが,幼稚園においては,

生きる力の基礎の育成を目指し,第2章に示す「ねらい」が総合的に達 成されるよう教育活動を行うことが重要である。

(2) 教育課程の編成の原則

教育課程の編成に当たっては,国立,公立,私立を問わず,すべての 幼稚園に対して,公教育の立場から,教育基本法や学校教育法などの法 令や幼稚園教育要領により種々の定めがなされているので,これらに従 って編成しなければならない。その際,幼稚園の長たる園長は,幼稚園 全体の責任者として指導性を発揮し,全教職員の協力の下,以下の点を 踏まえつつ編成しなければならない。

(ア) 幼児の心身の発達

幼稚園において教育課程を編成する場合には,幼児の調和のとれた 発達を図るという観点から,幼児の発達の見通しなどをもち,教育課 程を編成することが必要である。

(イ) 幼稚園の実態

幼稚園規模,教職員の状況,施設設備の状況などの人的・物的条件 の実態は幼稚園によって異なっているため,教育課程の編成に当たっ ては,このような幼稚園の条件が密接に関連してくる。幼稚園の実態 に応じて,効果的な教育活動を実施するためには,これらの条件を客 観的に把握した上で,特に,教職員の構成,遊具や用具の整備状況な どについて分析し,教育課程の編成に生かすことが必要である。

(ウ) 地域の実態

幼稚園は地域社会を離れては存在し得ないものである。地域には,

都市,農村,山村,漁村など生活条件や環境の違いがあり,文化など にそれぞれ特色をもっている。そのため,幼稚園を取り巻く地域社会

の実態を十分考慮して,教育課程を編成することが大切である。また,

地域の資源(近隣の幼稚園・保育所・小学校,図書館などの社会教育 施設,幼稚園の教育活動に協力することのできる人材など)の実態を 考慮し,教育課程を編成することが必要である。

なお,幼稚園における教育活動が,教育目標に従ってより一層効果 的に展開されていくためには,保護者や地域住民に対して幼稚園の教 育方針,特色ある教育活動や幼児の状況などの基本的な情報を積極的 に提供し,保護者や地域住民の理解や支援を得ることが大切である。

(エ) 創意工夫を生かすこと

幼稚園において,地域や幼稚園の実態及び幼児の心身の発達を十分 に踏まえ,創意工夫を生かし特色あるものとすることが大切である。

2 教育課程の編成 (1) 教育課程の意義

幼稚園は意図的な教育を目的としている学校であり,幼稚園教育の基 本に基づいて展開される幼児期にふさわしい生活を通して,幼稚園教育 の目的や目標の達成に努めることが必要である。このため,幼児の発達 を見通し,その発達が可能となるよう,それぞれの時期に必要な教育内 容を明らかにし,計画性のある指導を行うことが求められる。

このような意味から,それぞれの幼稚園は,その幼稚園における教育 期間の全体にわたって幼稚園教育の目的,目標に向かってどのような道 筋をたどって教育を進めていくかを明らかにし,幼児の充実した生活を 展開できるような全体計画を示す教育課程を編成して教育を行う必要が ある。

教育課程の実施に当たっては,幼稚園教育の基本である環境を通して 行う教育の趣旨に基づいて,幼児の発達や生活の実情などに応じた具体 的な指導の順序や方法をあらかじめ定めた指導計画を作成して教育を行

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