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教育活動全体を通じて行う指導 第1節 指導の基本方針第1節指導の基本方針

ドキュメント内 中学校学習指導要領解説道徳編 (ページ 108-124)

(「第1章 総則」の「第1 教育課程編成の一般方針」の2 再掲)

2 学校における道徳教育は,道徳の時間を 要 として学校の教育活動全体を通じかなめ て行うものであり,道徳の時間はもとより,各教科,総合的な学習の時間及び特 別活動のそれぞれの特質に応じて,生徒の発達の段階を考慮して,適切な指導を 行わなければならない。

……〔中略〕……

道徳教育を進めるに当たっては,教師と生徒及び生徒相互の人間関係を深める とともに,生徒が道徳的価値に基づいた人間としての生き方についての自覚を深 め,家庭や地域社会との連携を図りながら,職場体験活動やボランティア活動,

自然体験活動などの豊かな体験を通して生徒の内面に根ざした道徳性の育成が図 られるよう配慮しなければならない。その際,特に生徒が自他の生命を尊重し,

規律ある生活ができ,自分の将来を考え,法やきまりの意義の理解を深め,主体 的に社会の形成に参画し,国際社会に生きる日本人としての自覚を身に付けるよ うにすることなどに配慮しなければならない。

学校における道徳教育は,道徳の時間を 要 とし,各教科,総合的な学習の時間及びかなめ 特別活動など教育活動全体を通じて,生徒一人一人の道徳性の育成を図るものである。

各学校においては,生徒が自分とのかかわりで道徳的価値をとらえ,そのことにあわ せ自己理解を深め,道徳的価値を自分なりに発展させていくように,教育活動全体を 通じて行う道徳教育と,それらを補充,深化,統合する道徳の時間の指導とが,十分 に関連をもって機能するようにしなければならない。

学校の教育活動全体を通じて行う道徳教育は,それぞれの活動の特質に応じて展開 される。そのための全体を通じての指導の基本方針としては,特に次の諸点が挙げら れる。

(1) 各教科,総合的な学習の時間及び特別活動の特質に応じた道徳性の育成を図る 各教科,総合的な学習の時間及び特別活動には,それぞれ固有の目標や内容がある。

しかし,それらはすべて,生徒の豊かな人格の形成につながるものである。したがっ て,教育活動全体を通じて行う道徳教育では,それぞれの教育活動の特質に応じて,

道徳的な心情や判断力,実践意欲と態度などの道徳性の育成に努める必要がある。

(2) 教師と生徒の信頼関係と生徒相互の人間関係の充実を図る

学校教育のあらゆる場を通して,教師と生徒の信頼関係をはぐくみ,生徒相互の人 間関係の充実を図ることは,道徳教育の基本である。教師には,すべての教育活動に おいて,一人一人の生徒に温かく接し,共に考え,悩み,夢や感動を共有するという 基本姿勢が求められる。そして,各教育活動の特質に応じて生徒相互の交流を深め,

互いに節度をもち,伸び伸びと生活する中で,認め合い,助け合い,励まし合い,協 力し合う態度を育てることが重要である。

(3) 自らの人間としての生き方についての自覚を深める指導を充実させる

中学生の時期は,自己を見つめ将来における自分の生き方について強い関心をもつ ようになる。その際,人生の意味をどこに求め,いかによく生きるかという問題は,

人間とは何かということについての探求とともに深められるものである。また,将来 に向けて自らの進路を選択する大事な時でもあることから,自己のもつ個性の発見や 伸長を図りつつ,自らの人間としての生き方についての自覚を深める指導が求められ る。更に,キャリア教育との関連を図り,自己の個性・能力・適性を理解するととも に,それらを生かすための啓発的体験と,将来の充実した生き方を支える道徳的価値 の自覚を深める道徳の時間の指導が大切である。

(4) 豊かな体験活動の充実と他者とのかかわりの中で自らを振り返る指導を充実させ る

生徒は,学校の内外における様々な体験や学習活動を通して道徳性をはぐくんでい る。学校教育全体において,各教育活動の特質に応じて,望ましい勤労観・職業観の 育成を図る職場体験活動やボランティア活動,自然体験活動など,生徒の豊かな心を 育てる実践的活動を一層充実させる必要がある。そして,人間理解や他者理解を深め 共に学ぶ楽しさや自己の成長に気付く喜びを大切にし,各教科等の学習においても自 らの生き方に直接かかわることを実感できるようにするなど,道徳教育に資する学習 を充実させなければならない。特に,将来について考え,進路選択の時期を迎える中 学校の時期においては,職業や働くことの意義を理解し,望ましい勤労観・職業観を はぐくむ職場体験活動は,道徳的価値に基づいた人間としての生き方について考える 上でその意義が深い。それらの学習と道徳の時間における道徳的価値の自覚を図る学

習とが響き合うことが大切である。

(5) 社会生活上のきまりや基本的なモラルについての指導を充実させる

学校の教育活動全体を通して,人間としてよりよく生きていくための道徳性を育成 する視点に立って,基本的な生活習慣や社会生活上のきまり,基本的なモラルなどに かかわる道徳的実践の指導を心掛けなければならない。

中学生の時期は,心身の発達に伴い,それまで受け入れてきたことや従来からのし きたりや形に疑問を抱いたり反発したりする傾向が見られる。したがって,一見問題 と思われる行動についても,その行動の背景にある心の状態の把握に努めることが大 切である。そして,保護者や地域社会の積極的な協力を求め,適切な指導が行えるよ う配慮する必要がある。特に,民主主義社会における法やきまりの意義やそれらを尊 重することの意味を理解し,主体的に判断し,適切に行動できるよう,教育活動全体 を通じて繰り返し指導する必要がある。また,日常生活の中で生徒自らが実践できる ように,家庭や地域社会とも連携を図って指導していくことが大切である。

(6) 学校や学級の環境の充実・整備による指導を充実させる

生徒の道徳性の育成において,日々生活する学校や学級の環境が与える影響は極め て大きい。学校や学級内における望ましい人間関係や言語環境を整えるなどして,道 徳教育の基本方針が反映されるような望ましい雰囲気を醸成し,適切な環境を整備す ることが必要である。

第2節 各教科,総合的な学習の時間及び特別活動における指導

(「第3章 道徳」の「第3 指導計画の作成と内容の取扱い」)

2 第2に示す道徳の内容は,生徒が自ら道徳性をはぐくむためのものであり,道 徳の時間はもとより,各教科,総合的な学習の時間及び特別活動においてもそれ ぞれの特質に応じて適切な指導を行うものとする。その際,生徒自らが成長を実 感でき,これからの課題や目標が見付けられるよう工夫する必要がある。

学習指導要領では,各教科,総合的な学習の時間及び特別活動のそれぞれにおいて,

道徳教育の目標に基づき,道徳の内容について,各教科等の特質に応じて適切な指導 をすることとしている。各教科等は,よりよい人格形成のために,各教科等の目標に 基づいてそれぞれに固有の指導を充実させる過程で,道徳性がはぐくまれる。そのこ とを考え,見通しをもって指導することが重要である。

各教科等の指導を通じて生徒の道徳性を養うための視点として,以下の3点を挙げ ることができる。

(1) 道徳教育と各教科等の目標,内容及び教材とのかかわり

道徳教育の目標や内容と各教科等の目標,内容及び教材とのかかわりを通した道徳 性の育成が考えられる。

各教科等の目標や内容には,生徒の道徳性の育成に関係の深い事柄が直接,間接に 含まれている。各教科等において道徳教育を適切に行うためには,まず,それぞれの 特質に応じて道徳教育にかかわる側面を明確に把握する必要がある。それらに含まれ る道徳的価値を意識しながら指導することにより,道徳教育の効果も一層高めること ができる。

(2) 学習活動や学習態度への配慮

各教科等では,それぞれの学習場面において,活動への取組の姿勢がはぐくまれ,

学習態度や学習習慣が育てられていく。その視点から,生徒が学習に興味・関心をも ち,主体的に取り組む工夫をすることや,相互に学び合う思いやりのある協力的な雰 囲気や人間関係をつくるように配慮することは,学習効果を高めるとともに,望まし い道徳性を育てることにつながる。また,基本的な学習習慣,体験的な学習や問題解 決的な調べ方や学び方を身に付ける学習などを重視して,自分の生き方とかかわらせ ながら学習を進めていく態度を身に付けられるようにすることも重要なことである。

(3) 教師の態度や行動による感化

日常の各教科等の指導における教師の態度や行動は,生徒の道徳性の育成に大きな

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