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表 9 水処理膜に関する我が国の国家プロジェクト

年度 プロジェクト名 分野 機関

1975~ 茅ヶ崎研究所における実証実験 淡水化 通産省(現経済産業省)・(財)

造水促進センター 1985~1990 水 総 合 再 生 利 用 シ ス テ ム の 研 究 開

発:アクアルネッサンス’90 計画 下水・廃水 NEDO 1991~1993 膜 利 用 新 浄 水 シ ス テ ム 開 発 研 究

(MAC21 計画)

1994~1996 膜利用型新高度浄水技術開発研究(高 度処理 MAC21)

1997~2001 高効率浄水技術開発研究(ACT21)

2002~2004 環 境 影 響 低 減 化 浄 水 技 術 研 究

(e-Water)

2005~2007

安全 で お いし い水 を 目 指し た高 度な 浄 水 処 理 技 術 の 確 立 に 関 す る 研 究

(e-Water)

上水 厚生労働省・(財)水道技術研 究センター他

2009 日本版次世代 MBR 技術展開プロジェ

クト(A-JUMP プロジェクト) 下水 国土交通省 2009~2013 省水型・環境調和型水循環プロジェク

上 下 水 /廃 水 /淡水化 NEDO 2009~

戦略的創造研究推進事業:持続可能な 水利 用 を 実現 する 革 新 的な 技術 とシ ステム

上 下 水 /淡 水 化 JST 2009~ 先端 研 究 助成 基金 最 先 端研 究開 発支

援プログラム:Mega-ton Water System

上 下 水 /淡 水

化 学術振興会 2011 下 水 道 革 新 的 技 術 実 証 事 業 ( B-DASH

プロジェクト) 下水 国土交通省

第2節 諸外国の政策動向

欧州委員会では研究技術開発プログラムとして、1980 年代から水分野の研究開発にとりく んでいる。その後 2002 年からの第 6 次枠組みプログラム(2002 年~2006 年)の中の優先分 野である地球規模変化・エコシステム分野の中に、水処理膜技術に関連するテーマとして、

「欧州および発展途上国における地球規模変化の文脈での統合的都市水管理」)、「膜分離活性 汚泥技術の下水処理における発展」、「飲料水の浄水・配水に関する技術およびシステム」、「下 水処理における新しいコンセプト、プロセス」、「海水淡水化の発展」、の各テーマについてプ ロジェクトが実施された。また、第 7 次枠組みプログラム(2007 年~2013 年)では、「水処 理におけるナノテクノロジー」のテーマが実施されている。上記のうち膜分離活性汚泥法に 関するプロジェクトについては第 6 次枠組みプログラムで約 1300 万ユーロの予算が投入され 4 件のプロジェクトが実施されるなど重点的に実施されている。以下に 4 プロジェクトの概 要を示す。下記の 4 プロジェクトでは、MBR ネットワークを構築し、相互に情報共有、発信 を行っている。

米国では水処理膜の初期から開発が積極的に行われている。政府による研究開発施策とし ては内務省が中心となり、大学を中心とした研究機関への研究費の拠出を行なっている。1996

年 か ら 実 施 さ れ て い る 研 究 開 発 プ ロ ジ ェ ク ト ( Desalination and Water Purification Research Program)では米国および世界全体での飲料水需要増加に対応するために、効率的、

効果的、実現可能な海水淡水化・再利用の技術開発を目的として行われた。2010 年からの研 究開発として、新たに約 130 万ドルの研究資金が拠出され、特に海水淡水化における環境負 荷削減、省エネルギーに関する技術開発が行われている。

中国では 1986 年以降本格的に国家科学技術計画を策定し、科学技術に関する国家プロジェ クトを推進している。第 11 次 5 カ年計画の期間に策定された、「十一五国家科学技術計画体 系」では、科学技術重大専門プロジェクトとして、「水質汚染の抑制と管理体制の確立」が示 されている。中国では 2011 年より第 12 次 5 カ年計画が実行されている。同計画においても 環境対策の中で水質汚濁防止が重視されていることから、今後も重点分野とされることが予 想される。

韓国では 2007 年 7 月に「水産業育成 5 ヵ年細部推進計画」を発表し、「現在 11 兆ウォン程 度の国内水関連産業の規模を 2015 年までに 20 兆ウォン以上に育て、世界 10 位圏に入る企業 を2つ以上育成する」という野心的な計画を打ち出している。国内水関連産業を育成する具 体的な方法として、水関連分野の研究開発支援による国際競争力向上の促進も積極的に行わ れている。特に、2006 年に開始された海水淡水化関連技術開発プロジェクト「SEAHERO」は、

期間 5 年 8 ヶ月、予算規模 1600 億円の大規模なプロジェクトとなっている。「SEAHERO」が終 了する 2011 年以降に新たなプロジェクトとして、エコイノベーションプロジェクトが 2011 年~2020 年の期間で実施される予定であり、プロジェクトでは水処理膜を海水淡水化用途だ けでなく、工業排水処理、下水処理、再生処理への適用についても研究がなされる予定とな っている。

第3節 水処理関連技術に関する標準化動向

排水再生利用分野での市場拡大が期待される MBR については、現状では国際標準化には至 っていないものの、欧州、中国、日本において標準化に向けた動きが見られる。

EU では、下水処理に用いる MBR に着目し、2004 年に EU 委員会に MBR 検討委員会を設置し、

フレームワークプロジェクトの一貫として標準化に向けた検討を進めた。本検討の主導権は ドイツが握っているとされ、2008 年 11 月には CEN(欧州規格)合意文 CWA15897 として公表 している。この合意文書は 3 年後(2011 年 11 月)に、①廃止、②有効期間の延長、③上位 の基準等に向けた検討、のいずれかを選択することとされていたが、2012 年 2 月時点で関連 する情報は得られていない。

中国では、MBR について国家標準、業界標準(化学工業分野、環境保護分野)等、7 種類の 規格、基準類を制定している。中国での MBR 関連規格・基準類は、政府の関連部署が各々の 立場から別々に作成しているものとの見解もある。特に中空糸 MBR については流入水質、管 理パラメーター、放流水質に関する詳しい規定が定められているが、平膜についての標準化 は見当たらない。なお、これら規格を定める過程では、大学、公的機関が参画している。

我が国では 2009 年に「下水道への膜処理導入のためのガイドライン(第 1 版)」を策定し ている。ガイドラインは、地方公共団体が下水道への膜処理技術導入あたって検討すべき事 項や留意事項を示したものであり、以下の検討項目を含んでいる。

膜処理技術の概要や下水道への膜処理技術導入の意義等

MBR を主として新設の下水処理場に導入する場合の検討事項

MBR を既設の下水処理場に導入する場合の検討事項

膜処理技術を再生水利用のために導入する場合の検討事項

同ガイドラインは 2011 年 3 月に、国の実施した実証事業(A-JAMP)や研究開発の成果、国内 外における最新の知見をもとに、維持管理情報とコスト情報を充実させた第 2 版が出されて いる。また NEDO は、2010 年から MBR の国際標準化への対応に向けた基礎調査を開始してい る。

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