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第 1 章 では式 1.4 を用いて 22 Na から放出される陽電子の最大飛程を 0.20 g/cm 2 と求めた。

付録 2. 放射線のエネルギーと ADCcount の線形性

 22Naは陽電子を放出し、さらにその陽電子が電子と対消滅して0.511 MeVのガンマ線を放出する。

137Csは崩壊により0.6617 MeVのガンマ線を放出する。これらを、シンチレーターLYSO1600

クセルMPPCを用いて測定したときの、放射線のエネルギーとADCcountの線形性を調べた。

 図1と同じように測定機器を接続し、青い点線の囲いの中に図2のパターンEを作った。ただし、

MPPCSerial No.:9027を使用し、バイアス電圧、スレッショルド電圧は、付録1の実験とは異な

る。

 ここで、図5MPPCSerial No.:9027)のゲインを測定した際の、ADC分布である。バイアス

電圧を変化させてペデスタルと1 p.eADCcountを測定すると、図6a、図6bのようになった。こ

れによりバイアス電圧の大きさが1.0 Vのときは、ペデスタルは119 ADCcount1p.e43.2 ADCcountである。よって、次の式によってADCcountから光子数を求めることができる。

A[p.e]=(B[ADCcount]-119)/43.2 MPPC9027、バイアス電圧1.0V) (※)

なお、MPPCには個体差があるため、素子ごとに測定する必要がある。

図5 MPPCSerial No.:9027) のゲイン測定の際のADC分布

  図6a バイアス電圧とペデスタルの関係    図6b バイアス電圧と1p.eの関係

 図7aと図7bは、バイアス電圧1.0 Vでの、22Na137CsADC分布である。これにより、0.511 MeVガンマ線の光電効果ピークは1545±3 ADCcount0.6617 MeVガンマ線の光電効果のピークは

1842±5 ADCcountとなった。また、ペデスタル(つまりエネルギー0 MeV)は119±1 ADCcount

なので、ガンマ線のエネルギーとADCcountの関係は図8のようになる。

図7a 22NaADC分布   図7b 137Csの分布

 図8 放射線のエネルギーとADCcountの関係

0 1 2 3 4 5 6

85 90 95 100 105 110 115 120 125

バイアス電圧[V]

[ADCcount]

0 1 2 3 4 5 6

0 50 100 150 200 250

f(x) = 43.2x + 0.1

バイアス電圧[V]

1p.e[ADCcount]

0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 0.9 1 0

500 1000 1500 2000 2500 3000

f(x) = 2652x + 132

放射線のエネルギー[MeV]

ADCcount

 次に、式(※)を用いて、0.511 MeVのガンマ線がLYSOに入射し光電効果を起こしたときに生じ る光子数を求める。ゲインの測定の際にはゲート用信号はクロックジェネレーターからとったので、

MPPCの信号を分岐していないが、今回の実験ではMPPCからの信号をシグナル用信号とゲート用信号 に分岐したため、式(1)を使うためには、得られたADCcount2倍してやる必要がある。そのよう にして求めると、0.511 MeVのガンマ線がLYSOに入射し光電効果を起こしたときに生じる光子数は

69程度となる。

 同様の設定でLYSOの自己放射線を測定し、図8の結果によってADCcountをエネルギーに変換する と図9のようになる。なお、ペデスタルは取り除いてある。176Luはベータ崩壊によって176Huに崩壊

する。β崩壊は3体崩壊なので、ベータ粒子のエネルギーは連続スペクトルになる。176Luの崩壊エ

ネルギーは1.193 MeVなので、ベータ粒子の最大エネルギーは1.193 MeVとなるはずであるが、今 回の実験では最大エネルギーは1.0 MeV程度と測定された。ベータ線のスペクトルの形は核種によっ て多少異なるが、その平均エネルギーは最大値のおよそ1/3になる[大塚、西谷 2007 63]という。最大

エネルギー1.193 MeV1/30.4MeVであり、実験で平均エネルギーは0.42MeVとなったので、

確かにおよそ1/3になっている。

        エネルギー[MeV]

 図9 LYSOの自己放射のエネルギー 

付録

3.22Na

ADC

分布で

1.275 MeV

ガンマ線の光電効果のピークが確認できな

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