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ここでは信号事象のMC サンプルを作成するため、グルイーノ質量、ウィーノの寿命を決 定する。

3.2.1 探索感度の計算

探索感度Z は信号事象をS、背景事象をBとするとS/√

Bで表せる。ここでNb は背景 事象の数、Ns は信号事象の数とし、ポアソン分布を仮定すると、Z 値は

Z =√

2(Ns+Nb)·ln(1 +Ns/Nb)−2Ns (3.1) と表せる。背景事象の数はNb = 1を仮定し、信号事象の数Nsは以下のように定義する。

Ns=Lint·σ˜g·ϵtrigger·ϵvertexing·ϵDVselection (3.2) Lintは積分ルミノシティ、σ˜gはグルイーノの生成断面積、ϵtriggerはトリガー効率、ϵvertexing

は信号事象の崩壊点の再構成効率、ϵDVselectionは信号事象が信号領域に入る確率を表す。信 号領域はDV から放出される荷電粒子が作る飛跡の数が5 本以上、この飛跡より算出する DV の不変質量が 10 GeV以上の領域を指す。探索感度はウィーノ W˜・ビーノ B˜ 質量差

∆MW˜B˜ が20、30、80 GeV、ウィーノの崩壊長cτ を1、10、100、1000 mmとし、表3.1 の値を用いた。

この他のパラメータとして、Lint=5 fb1を仮定し、σ˜g はATLAS実験で推奨されている 値を用いた[27]。生成断面積は本章の最後のページに記載する。ϵvertexing およびϵDVselection

は、図3.3の値を参考に用いた[8]。左図は崩壊点再構成率のウィーノの崩壊長依存性、右図 は信号領域内に入る信号事象の割合を縦軸に、ウィーノ・ビーノ質量差を横軸にとったグラ フを表す。信号領域では、DV の不変質量が10 GeV以上かつ5本以上の飛跡があることを

cτ [mm] 1 10 100 1000 ϵvertexing 0.005 0.1 0.24 0.1

∆MW˜B˜ [GeV] 20 30 80 ϵtrigger 0.9 0.9 0.9 ϵDVselection 0.02 0.1 0.7

3.1 探索感度計算に用いたパラメータ

要求している。このDVに消失横エネルギーが100 GeV以上または200 GeV以上あること を要求したものがDV+METに対応する。ここではMETカットを要求しないDVの紫色の 曲線の値を採用した。

3.3 崩壊点再構成効率の質量依存生と崩壊長依存性[8][28]

また、ϵtriggerについて、信号事象を含むイベントにおいて、グルイーノがウィーノに崩壊 するときにエネルギーの高いジェットが放出されること、ビーノが大きな消失横エネルギー を持つことから、ジェットおよび消失横エネルギーが関連するトリガーを候補に上げ、仮作 成したサンプルを入力として評価した結果を用いた。仮作成したサンプルを、本章の最後に 記載する表3.3に示す。ウィーノ・ビーノ質量差を変化させた時のトリガー効率結果を図3.4 に示す。表3.3は本章の最後のページに記載する。なお、これらのトリガーには稼働レート の削減(プリスケール)は考慮されていない。ウィーノ・ビーノ質量差にかかわらず、ジェッ トと消失横エネルギーがともに80 GeV以上のイベントであることを要求するトリガーであ るHLT j80 xe80においてトリガー効率が約0.95あり、他のトリガーに比べて効率が高い。

したがって、このトリガーを用いた結果を採用し、かつプリスケールを考慮して0.9という 値を用いた。

3.4 信号事象トリガー効率

3.2.2 パラメータの決定

探索感度の計算結果を示す。図3.5に各ウィーノの崩壊長における、ウィーノ・ビーノ質 量差とグルイーノ質量の関係を示す。ウィーノ・ビーノ質量差に依存して、生成するグル イーノ質量のZ 値が大きく変わることが分かる。特にウィーノ・ビーノ質量差が小さい20、

30 GeVで大きく変わっており、ウィーノの崩壊長によってもZ値が変動していることが分

かる。

図3.6 にグルイーノ質量とウィーノの崩壊長の関係を示す。これは図3.5 においてグル イーノ質量とウィーノの崩壊長をよりわかりやすく表したものである。cτ=100 mmで最も Z 値が高い。

6.665562.924741.320050.6106790.2910640.1430530.07269540.03829520.02065270.0113625 28.901814.29877.398983.919562.096841.123030.6039910.329240.1811240.1007770.0569330.03263120.01898810.0111626 66.265134.128718.575110.46126.000693.457041.989681.146210.6568030.3755970.2158630.1250090.07318850.04318130.02564920.0154124

Gluino Mass [GeV]

500 1000 1500 2000 2500

Mass Difference [GeV]

0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

1

10 1 10

ATLAS Work in Progress : 1 mm

τ Wino c

47.306924.018512.83967.072933.952562.21211.236690.6943730.3898850.2197690.1251290.0720470.04203560.02475010.0146833

172.62991.572951.684230.438518.434711.32837.012794.359992.69091.643290.9952970.5989610.3599590.2160230.1296990.07844810.04756970.02896530.01769090.0108316 373.234201.107115.62369.61643.301227.483917.688511.50877.483444.838693.106431.974781.244070.7751020.4783850.2948780.1810690.1111450.06822890.04190730.0257221

Gluino Mass [GeV]

500 1000 1500 2000 2500

Mass Difference [GeV]

0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

1 10 102

ATLAS Work in Progress : 10 mm

τ Wino c

79.946941.462922.763612.95847.529884.403322.575151.506460.8748160.505440.2925680.1702140.09993860.05906610.03512120.02111710.0127583 284.309152.44287.143652.115132.154620.210512.8558.248025.275763.347832.106161.311770.8108760.4971270.3029930.1850950.1129620.0690610.04228610.0259310.0159 608.764330.492191.651116.55173.353247.218330.906520.515913.66369.087326.024243.965892.589361.669311.061710.6703720.4191340.2605590.161320.09963640.0613725

Gluino Mass [GeV]

500 1000 1500 2000 2500

Mass Difference [GeV]

0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

1 10 102

ATLAS Work in Progress : 100 mm τ

Wino c

47.306924.018512.83967.072933.952562.21211.236690.6943730.3898850.2197690.1251290.0720470.04203560.02475010.0146833

172.62991.572951.684230.438518.434711.32837.012794.359992.69091.643290.9952970.5989610.3599590.2160230.1296990.07844810.04756970.02896530.01769090.0108316 373.234201.107115.62369.61643.301227.483917.688511.50877.483444.838693.106431.974781.244070.7751020.4783850.2948780.1810690.1111450.06822890.04190730.0257221

Gluino Mass [GeV]

500 1000 1500 2000 2500

Mass Difference [GeV]

0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

1 10 102

ATLAS Work in Progress : 1000 mm τ

Wino c

3.5 ウィーノ・ビーノ質量差とグルイーノ質量の関係。赤色に近くなるにつれてZ が大きくなる。

以上の探索感度の結果に従い、Z 値がおよそ5 となるパラメータで、本章の最後に記載 する表3.5に示すサンプルを作成した。ウィーノが崩壊した後の終状態はbクォーク以外の クォークに崩壊する場合、bクォークのみに崩壊する場合、レプトンに崩壊する場合の3種類 を作成した。崩壊点再構成効率がbクォークに崩壊する場合に低くなることがRUN1におけ る解析で判明しており[29]、この場合でも再構成効率をあげる最適化を行うために作成した。

また、ウィーノが崩壊するときにoff-shellのヒッグス粒子またはZ 粒子が放出されるが、将 来的にこれらの崩壊分岐比を調べることも視野に入れ、レプトンに崩壊する場合のサンプル も作成した。さらに、多重衝突事象(パイルアップ)を含むサンプルと含まないサンプルの両 方を作成した。信号事象の飛跡再構成および崩壊点再構成に焦点をあてるため、生成したグ ルイーノは全てウィーノに崩壊するよう設定した。これらのサンプルは後章で記述する信号 事象の飛跡、崩壊点再構成の評価を行うときに使用した。

3.02298 24.6641 42.5363 24.6641 5.13718

1.22067 12.0835 21.4875 12.0835 2.1939

0.512999 6.17704 11.4137 6.17704 0.96521

0.22616 3.22627 6.23887 3.22627 0.438124

0.104885 1.70063 3.4554 1.70063 0.20642

0.05082 0.89862 1.91557 0.89862 0.100817

0.0256405 0.478232 1.06139 0.478232 0.0510668

0.0134584 0.258832 0.591617 0.258832 0.0268572

0.141754 0.330422 0.141754 0.0144717

0.0786631 0.185594 0.0786631 0.0443725 0.105442 0.0443725 0.0254101 0.0606322 0.0254101 0.0147788 0.0353488 0.0147788

0.0208036 0.0123388

τ [m]

10c log

3.5 3 2.5 2 1.5 1 0.5 0 0.5 1 1.5

Gluino Mass [GeV]

500 1000 1500 2000 2500

1

10 1 10 ATLAS Work in Progress

Wino-Bino Mass difference : 20 GeV

28.9018 172.629 284.309 172.629 10.0766

14.2987 91.5729 152.442 91.5729 4.60306

7.39898 51.6842 87.1436 51.6842 2.16669

3.91956 30.4385 52.1151 30.4385 1.03873

2.09684 18.4347 32.1546 18.4347 0.507447

1.12303 11.3283 20.2105 11.3283 0.253099

0.603991 7.01279 12.855 7.01279 0.129655

0.32924 4.35999 8.24802 4.35999 0.0685902

0.181124 2.6909 5.27576 2.6909 0.0370741

0.100777 1.64329 3.34783 1.64329 0.0204217

0.056933 0.995297 2.10616 0.995297 0.0114722

0.0326312 0.598961 1.31177 0.598961

0.0189881 0.359959 0.810876 0.359959

0.0111626 0.216023 0.497127 0.216023

0.129699 0.302993 0.129699

0.0784481 0.185095 0.0784481 0.0475697 0.112962 0.0475697 0.0289653 0.069061 0.0289653 0.0176909 0.0422861 0.0176909 0.0108316 0.025931 0.0108316

0.0159

τ [m]

10c log

3.5 3 2.5 2 1.5 1 0.5 0 0.5 1 1.5

Gluino Mass [GeV]

500 1000 1500 2000 2500

1 10 102

ATLAS Work in Progress

Wino-Bino Mass difference : 30 GeV

66.2651 373.234 608.764 373.234 24.6641

34.1287 201.107 330.492 201.107 12.0835

18.5751 115.623 191.651 115.623 6.17704

10.4612 69.616 116.551 69.616 3.22627

6.00069 43.3012 73.3532 43.3012 1.70063

3.45704 27.4839 47.2183 27.4839 0.89862

1.98968 17.6885 30.9065 17.6885 0.478232

1.14621 11.5087 20.5159 11.5087 0.258832

0.656803 7.48344 13.6636 7.48344 0.141754

0.375597 4.83869 9.08732 4.83869 0.0786631

0.215863 3.10643 6.02424 3.10643 0.0443725

0.125009 1.97478 3.96589 1.97478 0.0254101

0.0731885 1.24407 2.58936 1.24407 0.0147788

0.0431813 0.775102 1.66931 0.775102

0.0256492 0.478385 1.06171 0.478385

0.0154124 0.294878 0.670372 0.294878

0.181069 0.419134 0.181069

0.111145 0.260559 0.111145

0.0682289 0.16132 0.0682289

0.0419073 0.0996364 0.0419073 0.0257221 0.0613725 0.0257221

τ [m]

10c log

3.5 3 2.5 2 1.5 1 0.5 0 0.5 1 1.5

Gluino Mass [GeV]

500 1000 1500 2000 2500

1 10 102

ATLAS Work in Progress

Wino-Bino Mass difference : 80 GeV

3.6 グルイーノ質量とウィーノの寿命の関係。色がZ値を表す。

ドキュメント内 学位論文 Experimental Particle Physicsyushu University (ページ 35-39)

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