NDIS 3429 : XXXX
4 適用範囲(箇条 1)
5.6 探査方法(箇条 7)
5.5.3
探査装置の点検(6.3,附属書C
及び附属書D)
探査装置の点検は,装置製造者又は代理者が実施する定期点検並びに試験技術者が実施する特別点検及 び日常点検を規定し,さらに日常点検は,試験開始時点検,試験中点検及び試験終了時点検を規定した。
定期点検は,探査装置の機能及び性能を確認し,必要な性能を満足しているかを確認するためのもので ある。定期点検の頻度は製造者などによって推奨される頻度が異なることから,この規格においては定期 的に実施するという記述とした。また,装置製造者又は代理者は,定期点検において,製造者などが保有 する標準となる試験体を用い,装置の変化を継続的に確認できるようにしなければならない。
特別点検は,製造者出荷時,修理後又は定期点検後の性能を基準として,そこからの変化を見ることで 性能を保証することを目的にしている。そのために,日常点検に用いてる各初期値を得るために行う。
日常点検は,探査装置の動作を確認し,特別点検で得られた初期値からの変化を見ることで,試験結果 に問題がないことを確認するために行うものである。特別点検及び日常点検の方法は,附属書
C
を参考に 実施し,所定の性能を満足していることを確認する。解説図
3―電磁波レーダ法による探査フロー 5.6.1
事前調査(7.1
)鉄筋探査を行うに当たって事前調査を行い,対象とするコンクリート構造物の構造形式,形状・寸法,
配筋などの測定条件を確認し,計測計画を立案することが精度の良い鉄筋探査を行ううえで重要である。
コンクリート材料には,鋼繊維補強コンクリートのように電磁波レーダによる鉄筋探査の妨げとなるよ うな材料が使用されている場合もあるため,コンクリートの配合なども確認できると良い。
また,配管などの埋込み金物がある場合には,鉄筋と誤って判別する恐れがあるため,事前に埋込み金 物の有無を確認しておくことが重要である。補修・補強が行われている場合は,構造物の形状・寸法が変 更されていることがあるため,資料を収集して確認を行う。
5.6.2
探査位置の選定(7.2
)探査位置は,コンクリート構造物の構造形式や形状・寸法を考慮し,鉄筋探査の目的に応じて適切な箇 所を選定する。また,事前調査による鉄筋の間隔やかぶり厚さなどの情報から適切な探査装置を選定し,
鉄筋位置の推定 事前調査
探査位置の選定
探査面の処理
基準線の設定 予備調査
配筋マップの作図
走査線の設定
走査(測定)
比誘電率の算定 鉄筋位置の推定
仕上げ材がある場合
かぶり厚さの推定
報告書の作成
かぶり厚さの推定(参考値)
必要とされる探査断面(走査線)数を計画するとよい。
5.6.3
予備調査(7.3
)a)
探査面の処理探査を良好に実施するため,探査面(コンクリート表面)の金属や水分など,測定に影響を与える ものが存在する場合にはこれらを除去する。探査面にモルタルやタイルなどの仕上げ材がありこれら を除去できない場合には,鉄筋位置の推定は可能であるが,仕上げ材とコンクリートとの比誘電率が 異なるため,かぶり厚さの推定は困難であるため参考値とすることとした。特に雨掛り部にあるモル タル仕上げは,含水状態の影響が大きいために比誘電率が変化しやすく,かぶり厚さの推定では誤差 が大きくなるため注意が必要である。
電磁波レーダ法は,電磁波が誘電率の異なる物体の境界面で反射する性質を利用した手法であるが,
探査面に金属が存在する場合には,電磁波は金属面で反射してしまいコンクリート内部へは伝搬しな い。また,脱型直後や雨天直後など,コンクリート内に水分が多く含まれている場合,測定が困難に なったり,比誘電率が異なることにより測定誤差の要因となったりする場合がある。
探査面が平滑ではない場合や土砂などの堆積がある場合,探査装置のエンコーダ(車輪)の滑りや 空転により距離測定に誤差を生じることがある。このため,探査面に測定に影響をあたえるものが存 在する場合にはこれらを除去する必要がある。
b)
予備調査1)
基準線の設定探査面の探査範囲内に予想される鉄筋の軸方向にあわせて,直交する
2
本の基準線(X,Y軸)を定め,マーキングする。
後述のように走査線を探査範囲より長く設定する必要があるため,基準線は解説図
4
のように,探査範囲よりも大きく設定すると良い。ただし,探査範囲が部材端部や隅角部など基準線を探査範 囲より大きく設定することが困難な場合は,部材の形状寸法を考慮して基準線の位置を工夫するな ど,なるべく大きく設定できるようにする。また,スラブと壁,柱と梁などの隅角部では探査装置 がコンクリート表面に当たってしまうため,電磁波が送受信できない範囲では測定できないことに 留意する必要がある(解説図
5
参照)。2)
走査線の設定電磁波レーダ法は,鉄筋からの反射波画像が放物線状になることを利用し,反射時間が最短とな る位置から鉄筋位置を判別することから,鉄筋位置の探査には鉄筋前後の画像が必要とされる。仮 に探査範囲の端部に鉄筋が存在した場合,鉄筋範囲内のみを走査対象とすると探査範囲端部に存在 する鉄筋を見逃す恐れがある。このため走査線は,走査線内に探査範囲を含むよう走査線および測 定起終点を設定する。ただし,測定範囲が部材端部などの場合は,測定起終点が探査範囲の縁端と なることがあるため,探査装置の向きなどを工夫して端部まで測定できるようにする。
3)
鉄筋位置のマーキング走査線に沿って走査を行い,測定長と走査線長が探査装置の距離測定誤差の範囲内であることを 確認する。測定長が誤差範囲外の場合は,鉄筋位置の探査結果に誤差を生じるため走査をやり直す 必要がある。鉄筋の探査結果から鉄筋位置をマーキングする。
解説図
5―隅角部における探査不可範囲(例)
c)
鉄筋位置の作図および走査線の設定鉄筋位置のマーキング点を結び,配筋マップを作図する。配筋マップから配筋状態を確認し,かぶ り厚さ測定のための走査線を,解説図
6
のように鉄筋間の中間かつ測定対象鉄筋に直交するよう走査 線を設定する。これは,走査線に平行な鉄筋近傍で走査した場合に,鉄筋の影響を受け,鉄筋の判別が難しくなる ためである。
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基準線(X 軸)
基準線(Y 軸) 走査線
鉄筋位置 探査範囲
解説図
4
―予備調査 探査起点探査終点
壁
スラブ 探査装置
電磁波送受信範囲 探査不可鉄筋
5.6.4
比誘電率の算定(7.4)比誘電率の算定方法は,複数の方法が提案されており,ここでは
3
つの方法を附属書F
(カーブフィッ ティング法),附属書G(鉄筋径法),附属書 H(実測法)として参考に示した。また,その他検証された
方法を用いて算定を行なってもよいこととした。比誘電率は,コンクリート中の含水率によって変化する。そのため,コンクリート打込み材齢,構造物・
部材の向きなどによって含水率が異なり,比誘電率も異なることから,このように含水率が異なると考え られる部位で比誘電率を算定する。
5.6.5
走査方法(7.5
)走査の際に最も注意すべき点は,アンテナを探査面から浮かせたり,探査面上を滑らせたりせずに,探 査面に対して平行に走査することにある。
探査装置はエンコーダ(アンテナ車輪部)により水平距離を測定し,等間隔で電磁波を送信している。
アンテナを探査面から浮かせたり,滑らせたりして車輪が無回転となった場合,距離計測が行なわれずに 電磁波が送信されないままアンテナが移動してしまい鉄筋が探査されなかったり,測定距離が実際の走査 距離に対して短くなって鉄筋位置の計測に誤差を生じたりする原因となる。逆にアンテナが浮いた状態で 車輪が空転した場合には,アンテナが移動していなくても電磁波が送信されてしまい,鉄筋の判別が困難 になったり,実際の走査距離に対して測定距離が長くなったりして鉄筋位置の推定に誤差を生じる原因と なる。
また,アンテナは前進,後退いずれの方向に移動させても計測距離が加算されるため,一方向に移動さ せなければ鉄筋位置の計測に誤差を生じ,同じ鉄筋を複数回検出する原因となる。
このため,走査終了時に探査装置の走査距離と走査線の実測距離との比較を行い,その距離の差が誤差 範囲内であることを確認することとした。走査距離が誤差範囲外の場合は,そのデータの使用を中止し,
走査をやり直すこととしている。