66 立野=女子馨堺町門沙門生徒の赤血球沈降速度に辞する生物統計學的考察
査に於ては・内地人と非内地及び外國人の差違,年齢の影響,室内の温度,漁度の影 響及び寄宿,通學別に親た生活状態の差違等と赤沈速度との關係に就て調査したので あるが;年齢による影響はユ6歳より19歳迄に於ては年齢の進むにつれて赤沈速度 は減少する傾向が認められ(2時平滑は17歳以後に於てこの傾向が見られた),室内 の温度に就ては採血時並びに測定時室内の温度の上昇は赤沈速度を促進し,漁度はむ
しろ毒沈速度を邊延するが如きであるが明らかでない。其他に当ては影響は認められ
ない。
4)結核の早期診噺に重黒占を置く健康診断に出ては赤血球沈降速度測定,等温測憲 Mantoux氏「ツベルクリン1反慮槍査, X線楡査等が共に行はれる場合が多V・が,
是等各回査成績相互の關係に就ては,胸部X線所見に攣化あるものが必ずしも赤沈 速度大なりとは限らなV・。併じ一般に赤沈速度大なるときは胸部X線所見に攣化あ
る場合が多く,Mantoux氏反磨強陽性のものが必ずしもX線所見不良なりとは限ら なV、が・一般にMantOux氏反懸強陽性のものには胸部X線所見不良なものが多V、
と認められて居る。これ等の關係に就ては,本調査に於ても同様の結果が得られ,だ。
下学と赤沈速度との聞には一般に關係がなV・ものと認められて居るが,本調査に於 ては赤沈反回槍三三の四温を測定したのではなく,赤沈速度丁丁日とは一二日乃至十 日位前後して測定した四温成績ではあるが,これと赤沈速度との聞には矢張丁丁は認 められなかつk,o
伺,本調査資料よりMantoux干反慮,胸部X線所見,赤沈速度の三者の開係を 観ると,次のやうな結果が得られた。帥ち,MantOUX氏反慮の輕度陽性者は赤沈速度 の如何に拘らす,胸部X線所見の不良のものがなく,Mantoux反町中等度陽性者は 赤沈速度の促進せるもの即ち,Md十q(略1時間値13 mm,2時聞値32 mm)以 上のもののみに胸部X線所見の不良なものが認められ,Mantoux氏反慮彊度陽性の
ものに潤ては赤沈速度の大小に拘らす胸部X線に著明な攣化のあるものが認められ た。それ故集皆野診に於てMantoux氏反鷹槍査威績と赤沈反慮槍査成績とのみよウ 被槍者の健康状態を判定せんとする場合は,MantOUX氏反慮強度陽性者及び赤沈速 度13mm以上の中等度陽性者に就て,特に精下しなければならなV・ものと推考せら
れる。
立野=女子讐學專門學校生徒の赤血球沈降速度に陣する生物統計学的考察 67
名に就て,昭和12年5月20日より同年7月8臼迄の期間に赤血球沈降速度を
測定した。その結果を総括すれば次の通りであるQI.赤血球沈降速度の度数分布曲線は・一般に歪度大であって・これの代表値とし ては,中央値及び四分偏差が,統計田上適當と考へられる。而して生徒については24 時間値のみ正規曲線を示すも,肺結核患者は正規曲線を示すものは認められないQま た下野とも,その歪度は時聞の経過と共に減少する傾向が認められる。
κ2一一Testに依りて示さる域nく,生徒の沈降慣と肺結核患者の沈降慣との闇には,
明かに差が存する。
而して,臨床上特に重要干せられる1時下値はKraus−Wichmanpも正常値の限界 と認めた13mmが爾者の境界となってみる。
但し,これ等正常値はそれの範園内のものが直ちに健康者・正常値範圃外のものが 直ちに結核患者と断定し得る性質のものではなV(が,正常胃内のものに於ては範園外 のものよりも結核患者を含む蓋.然性が明かに小である。
1[.赤沈速度に回する諸要因の影響については,
t)内地入及び非内地入外野入の差違による影響ほ潮られない・
・)年齢の増加するに從って,赤沈速度は減少する傾向が観られる。
ハ)寄宿通町による生活状態の差違は影響を與へない。
二)採血時の室澄の上昇は生艦内血液の赤沈速度を増加するやうに影響し,燃度 はむしろ速度を減少するかの如きであるが明かではなV・。
ホ)測定時の室温の,k昇は,赤沈速度を増加するやうに作用するが,漁度の影響 は30分値のみについて減少する作用が認められる。
而して以上の事實と部分相開及び多元相關より考察するに,沈降速度は從來の如く 軍に測定時の室温のみならす,採血時の室温をも考慮に入れるべきと推考せられる。
故に赤血球沈降速度は嚴密を要する場合は,探呼時の氣禦購及び年齢をも考慮に 入れなければならないものと考へられる。
皿.赤沈速度と州民,Mant・・x氏「ツベルクリン.反憲X.線所見相互の關係Ilc
・つV・ては,
イ)赤沈速度と里雪との間には有意の相關が認められない。
n)赤沈速度と胸部X線所見との聞には有意の道下が認められる。
ハ)赤沈速度とMantoux氏反慮との間に關係の存することが認められる。中央値 によりて見るに,輕度陽性が最:小,次は陰性,強度陽性,疑陽性,中等度陽性の順序 一第 10 巷157_
68 立野匙女子門中門門學校生徒の赤』血球沈降速度に馴する生物統計學的考察
を示す規則性が存する。・
二)赤沈速度,Mant・ux氏「ツベルクリン」反磨及び胸部X線所見三者相互の關係 に就ては,赤沈速度正常値上限以下のものにありてぼMantoux氏画一張陽性者のみ にX線所見不良なるもの親られ,正常値上限以上のものにては中等度陽性者にありて もX線不良のものが見られ,陰性者及び輕度陽性者には赤沈速度の如何に拘らす不良 のものは見られなV・。
二三に臨み終始御懇篤なる御指導と御校閲を賜りたる恩師吉岡博人教授陣に長谷川鎮一郎.
教授に深甚の謝意を表し,本調査に御援助賜りし校長吉岡彌生先生,吉岡正明博士並に御助
:ヵ戴きし島津丈代助教授並に軸踏歌子學姉に厚く感謝し,結核患者に相する碗究中直接御指 導賜りし岡目遣博士並にその間御鞭捷と御助言を賜りし恩師軍団胤次教授,田澤錬こ博士に 深謝す。』
樹,本調査IC助力戴きし教室員諸氏に感謝す。
(本論丈の大要は昭和12年10月東京女島學會総會の席上に於て演述せしものなV>
引 用.文 麟
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一第10怨158一
立野二女子一葦都門學校生徒の赤血球沈降速度に關する生物統計學的考察 69
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一一?10 毬9159一