DALYetal・く24・25)およびBARNAetallI(8)はコムギ果さび病でみられるPO活性の増加およびPIの変化を抵
ー36一
抗反応時に生じる随伴現象であるとしたPPOはコムギ果さび病の抵抗性では変化しないといわれている(19)
またIAAOと抵抗性との関係については報告がみあたらない.このようにポリフェノ−ルを酸化する酵素とさ び病抵抗性との関係ほ否定的な結果も報告されている.
勝冠1号菓でほ抗菌性の増加(第3章)あるいはPAち活性およびPIパソドの増加(第4章)がいずれも不
親和性レ・−・スの接種菓にのみ特異的に認められている.しかしPAL活性の増加に.ともなう反応生成物の変化あ るいはPIバンドと反応する基質がェソバク菓中に存在しないなどの点を考え.ると,第4章で論及したように本 病の抵抗性発現に,これらの酵素が関与しているとはいい難い小 ところが,第5章で明らかに.したように.勝冠1 号菓に不親和性レ←−・ス226を接種すると,dβ彿0γ0の蛋白質が接種後14時間頃から合成され,その蛋白質は抵 抗性発現に.関与している..そこで本章では第2章第1節および第■5章第1節で用いたような人為処理により本来 の抵抗性を転換させた後PAL,PIおよび抗菌性の変化を調べ,勝冠1号其の抵抗反応発現との関係について検 討し,かつ蛋白質合成の役割について考察を加える,
第1節 蛋白質合成と酵素活性との関係
自然条件下ではさび病の抵抗性とPO活性の増加あるいはPIバンドの出現またほ強さの増大との間には正の 相関が認められている(2・38凧叫叫129・181・182)一.このことから・一般に.POは抵抗性発現の一因と考えられている.しか
し,Sγβ遺伝子をもつコムギ品種の果さび病抵抗性でほ,接種薬をェチレソまたはBeSで処理すると上述の相
関性ほ消失する(8・25〉
第4章第3節で明らかに.したように勝冠1考案に.おいても不親和性レース226を接種するとPAL活性の増加 およびPIバソドが増加する しかし,この現象は自然条件下の結果であるそこで本節では第5草で述べた蛋 白質または核酸合成阻害剤,あるいは第2章のような人為処理を用いて抵抗性を転換させ,抵抗反応発現と酵素 の因果関係について検討するり
第1項 実 験 法
PAL活性の測定ほ第4章第2節第1項1‖と同様の方法を用いた.PIの検出は第4章第3節第1項1.に.従っ
た.
BcS,ピュ.ロマイシ∵/およびコルジセピソはそれぞれ5×10 ̄¢,2.5×10 ̄4および2.5×10 ̄ⅧⅠの水溶液を茎
部切り口より接種前4時間あるいは接種後12時間から4時間ずつ与えた.
重複接種は第2章第1節第1項1.の方法によ、つた∴菌体発育および過敏感え死ほノ接種後48時間に.常法により 測定した.
第2項 BeS処理によるPAL活性の変化
第5章第1節で・エソバク菓のBcS処理が抵抗性の発現を阻害し,不親和性レ・−・ス226が勝冠1号菓中におい て親和塑の発育を示すことを明らかに.したしたがって,もしPAI」活性の増加が抵抗性発現に・関与するのであ ればBcS処理接種実においてはその活性は低下しようりそこで本項では,PAL活性の変化をBeS処理に・よっ て検討した
勝冠1号の初生薬を4時間BcSで処理したのちレ1−ス226を接種し,菌体発育を親和型に・しても,接種彼16 時間および同28時間のPAL活性が水処理接種区のそれぞれ約1い2,1.5倍の値を示した..また無接種菓の丑eS
・−37・−・
処理区でも,同水処理区よりつねに.高い値であった(第15表−1)
第15表 冠さび菌接種菓のPAL活性におよぼすBcS処理の影響
(1)接種前4時間に処理
a:接種後48時間に測定 R:不親和塾 S:親和塾
さらに接種後12時間から4時間BeSを与えて親和型に.し,吸収直後および吸収後12時間にそれぞれPAL 活性を測定すると,BcS吸収直後(接種後_16時間)では水処理区の約1.8倍に,BeS吸収後12時間のBeS処 理区においては水処理区の約2.9倍に増加した(第15表−・2)
第3項 抵抗反応の阻害とペルオキシダーゼアイソザイム(PI)の変化
レ−・ス226接種菓では2種のPIが特異的に・増加するので(第4葦瀞3節),本項では,人為処理に・より感準塑 を変化させてからPIを調べ,抵抗反応発現とPIの関連性を検討した
1..各種薬剤処理とPIの変化 接種前の勝冠1号菓に.BeS,ピュロマイシソおよびコルジセピソを4時間与 え,レース226接種後28時間の試料につき,ベンチジンおよび0−ジアニシジンとの反応を調べた(第16表)∴
レ−ス226接種時に・みられたPIの増加は,BcSおよびピュ.ロマイシソ処理に.より抵抗反応を阻害した接種菓 でもみられた一方,コルジセピンにより抵抗反応を阻香した菓では,バンド10および11番の活性が低下し,
12番は出現しなかったなお,コルジセピソ処理により過敏感細胞の出現が阻害された
第16表蛋白質および核酸合成阻害剤の処理に.よる抵抗反応の阻害とPI活性
ベンチジン 0・−ジアニシジン 菌体発育型乱l過敏感え死8
処 理
10 1 11 1 12 l ?U へ∂ 3 3 2 ¢ O 1 0 1 1 0 0 2 1 2 2 1
仙 R S S S S 仙 ≠⁝仙 山⁝≠一
a:接種後48時間に測定 R:不親和型 S‥親和型 b:PIバンドの番号 c:バンドの強さ(第8表参照)接柾後28時 間に制定
・−38・−
2..温度・切断処理とPIの変化 500C,20分の乾熱処理または500C,5分の乾熱処理後の茎部切断は抵抗
反応を阻害し(第2章第1節),また500C,20分の乾熱処理に.より抵抗反応と過敏感え.死を分離できるから(148),
これらの方法を併用して,PIの変化を調べた(第17表).
500Cで5分乾熱処理をし,レ・−ス226接種直後に.茎部を切断して抵抗反応を阻害した場合,また,同処理菓 を接種後12時間に切断して抵抗反応を発現させた場合,いずれもPIバンド10,11,12番ほ出現した.また,
500Cで20分乾熱処理して,レ・−・ス226に.よる過敏感え死を発現させた状態で抵抗反応だけを阻害すると,PI のバンド11番の活性が低下し,同12番はみ.られなかった.なお,乾熱処理した無接種菓のPIほ無処理業と同 一→であった,
第17表 冠さび簡接種菓のPIバンドに.およぼす温度処理後の切断の影響
a:500c b:接種後48時間に測定 R;不親和型 S:親和塾 c:PIバンドの番号 d;バンドの強さ(第8表参照)
接種後28時間に測定
3..重複接種・湿熱処理とPIの変化 抵抗反応および過敏感え死とPIの関連をさらに確認するため,人為 処理により親和性の菌に抵抗反応を発現させた菓のPIの変化を調べた(第18表).
レース226を接種12時間後(抵抗反応決定直後:第2普第1節参照)に・500C,15秒の湿熱処理で第1次菌 の発育を停止させてから,親和性レ−ス203を第2次接種すると,過敏惑え死のみられない菓でも,PIバンド 10,11,12番が不親和性レース226の接種菓と同様に.出現した… なおベンチジンの場合,レース226按秤後に湿 熱処理して同菌の発育を停止させた菓では,バンド10および11番のPI活性が増加した
節18表 不親和性菌接種後の温度処理案におけるP王バンドと過敏感え.死の関係
a:500c,15秒 b:接毯後48時間に測定 R‥不親和型 S:親和塾 c:PIバンドの番号 d:バンドの強さ(第8表参
照)按檻後28時間に測定
ー・39一
策4項 考 察
勝冠1号菓に不親和性レー・ス226接種前あるいは同接種後12時間からそれぞれ4時間BcSを与え,菌体発育 を躍病型にしたところ,BeS処理区におけるPAL活性は無処理の接種区よりつねに・高かった(第15表)..とく に・接種後12時間からBeSを与えると,接種後28時間のPAL活性は無処理按都区の2倍以上に達した.
一方,各種の人為処理匿より感染型を転換させて1抵抗反応とPlの関連を調べたところ,BcSおよびピュロ マイシソ処掛こより抵抗反応を阻讃してもPIバンド11番の減少および同12番の消失はみられなかった(第16 表)また,温度処理によって抵抗反応を阻害し,え死だけ起こして. みると,500C,20分処理菓ではPIバンド 12番が消失したが,500C,20分,0時間切断菓の同バンドは不変であった(第17表).さらに,湿熱処理の整 復接種に・より,え死をともなわずに・抵抗反応を誘導すると,親和性菌のレー・ス203の場合にほ本来みられないPI バンド11番の強さが増加し同12番が新たに出現した(第18表)−.
以上の諸結果に基づき,PALおよびPIは抵抗反応に関与するdβ%0γ0合成の蛋白質にほ含まれない単な る随伴現象であると結論する,また,PIの増加ほ過敏感え死とも第1義的にほ関係しないと解される..
第2節 蛋白質合成と抗菌性物質の生成
前章までに抵抗反応発現に蛋白質合成が関与する点を明らかに・した.勝冠1号菓組織内にぶけるレース226の 菌体発育の阻屠は抗菌性物質の生成に基づくものと考えられるので(第3章),本節では,蛋白質合成と抗菌性 物質生成との関連性について実験的に凝付けたい検討にあたってほ,まず蛋白質合成の阻害と抗菌性の変化を
調べる またe工OSS−prOteぐtionの原因ほ第1次菌接種に・よって誘導された抗菌性物質の生成によるものと考 えられているから(18・77・79),蛋白質合成阻害後の第2次接種菌の発育を調べ,わい班別)における抗菌性物質の生成 阻屠の指標とする.
第1項 実 験 法
5×10 ̄8MのBeS水溶液をレ・−・ス226接種後12時間から4時間与え,同48時間後の葉肉切片優出液中の抗
菌性を調べたぃ浸出液および抗菌性区分の分離は第3茸第1項1・および同輩第4項の方法により調製した.第 1次接種(レ・−・ス226)と第2次接櫨(レ−ス203)の時間間隔は・20時間とし,第2次菌接種後48時間に常法
に.より菌体の発育を観察した..
第2項 抗菌性増加におよぽす−BcSの影響
蛋白質合成の阻嘗に・ともなう抗菌性の変化を調べた(第19表)りその結果,レ−・ス226を接種した実の無処理
および水処理区の浸出液およびフラク■=ンヨンA水溶液上ではレー・ス226の発芽管長はいずれもイオツ交換水上よ
りも著しく短かったところが,レ・−・ス226接種のBcS処理区では夏胞子の発芽管長はイオン交換水上と同様で あった‖ また,他の健全区.でも発芽管長ほ閲暑されなかった.
第3項 eross・prOteetionにおよぽす■BeSの影響
わいわ肌)における抗菌性物質生成について推察するため,重複接種菓をBeS処理し菌体発育を調べ,蛋白質 合成阻凛剤による抵抗性誘導過程の阻害について検討した(第20表)り それによると,水処理菜では,レ・−ス 226の前接種により,レー・ス203の感染菌糸の伸長および成熟吸儲頑形成が顕著に阻害されたが,BeS処理案で は,レ・−ス203は単独接種の場合と同様に生育し,親和性本来の発育型を示したい