RI治療後の妊娠で最も心配なことは RI 治療後の妊娠で最も心配なことは 胎児甲状腺機能亢進症である
B. 抗甲状腺薬で寛解が得られない 抗甲状腺薬で寛解が得られない 得られる見込みが低い
得られる見込みが低い と判断する方法は?
と判断する方法は?
治りにくいバセドウ病は 治りにくいバセドウ病は
治りにくいと判断するタイミングは
治りにくいと判断するタイミングは
寛解しにくいと考えられている症例は 寛解しにくいと考えられている症例は
バセドウ病薬物治療ガイドライン バセドウ病薬物治療ガイドライン 予後因子予後因子 ⅡⅡ.ステートメント.ステートメント
¾¾ 治療開始時に、血清治療開始時に、血清
FT3、 FT3
、FT4が高値のもの、甲 FT4
が高値のもの、甲 状腺腫が大きいものは寛解に入りにくい状腺腫が大きいものは寛解に入りにくい
¾¾ 治療中治療中
T3/T4 T3/T4
比が高値を持続するもの、比が高値を持続するもの、TRAb TRAb
値値 が低下してこないか、あるいは変動するものは が低下してこないか、あるいは変動するものは寛解に入りにくい 寛解に入りにくい
¾¾ 若い患者のほうが寛解率は低い傾向にある若い患者のほうが寛解率は低い傾向にある
¾¾ 喫煙、精神的ストレスは寛解に入りにくくさせる喫煙、精神的ストレスは寛解に入りにくくさせる 因子である
因子である
寛解が難しいと考える時点は 寛解が難しいと考える時点は
¾¾ このためには、投与期間と寛解率との関係を知るこのためには、投与期間と寛解率との関係を知る 必要がある
必要がある
RCT RCT
が必要が必要¾¾ 患者をあらかじめ決められた投与期間群にランダ患者をあらかじめ決められた投与期間群にランダ ムに割り付ける
ムに割り付ける
¾¾ 決められた期間服薬した後に患者の状態にかかわ決められた期間服薬した後に患者の状態にかかわ らず、投薬を中止してその後の経過を観察する
らず、投薬を中止してその後の経過を観察する 海外からの
海外からの
4 4
つのつのRCT RCT
を紹介しますを紹介します0 10
20 30
40 50 60
Allannic 1990
Garcia-Mayor 6
58
% M
18 M
38
%
再発率(%)
ATD後
観察期間 2年
投与期間と再発率の関係 投与期間と再発率の関係
6 6 ヶ月から ヶ月から 24 24 ヶ月まで ヶ月まで
P<0.05
1992 12
M
41
%
24 M 35
% NS
2年
1994 6 M
46
%
12 M
54
% NS
1年
Weetman
投与期間と再発率の関係 投与期間と再発率の関係
18 18 ヶ月と ヶ月と 42 42 ヶ月 ヶ月
再発率(%)
0 10 20 30 40 50 60
Allannic 1990
P<0.05
38%
58% 6 M
18 M
NS
29%
36% 18
M 42 M
Maugendre et al
1999まとめ まとめ
どの時点で抗甲状腺薬で
どの時点で抗甲状腺薬でのの寛解は難しいと判断するか寛解は難しいと判断するか
¾¾ 実際には二年以上(長期間)実際には二年以上(長期間)
ATDを続けて寛解に入る ATD
を続けて寛解に入る 例も多いが、例も多いが、
RCT RCT
の結果からの結果からは、治療期間がは、治療期間が1.5 1.5
年を年を 超えても寛解率が高まることを示すエビデンスはない。超えても寛解率が高まることを示すエビデンスはない。
薬物治療ガイドラインでは 薬物治療ガイドラインでは
¾¾
ATD ATD
をを1.5 1.5
--2 2
年間続けた時点で年間続けた時点でATD中止を検討する ATD
中止を検討する 段階にいたらないものについては、段階にいたらないものについては、
ATDを続けるのか、 ATD
を続けるのか、それとも他の治療法に切り替えるのか患者にイン それとも他の治療法に切り替えるのか患者にイン
フォームドコンセントを行うことが勧められる。
フォームドコンセントを行うことが勧められる。
患者の選択は 患者の選択は
抗甲状腺薬
抗甲状腺薬ののメリットメリットを取る人が多いを取る人が多い
¾¾ ATDATDを長期に服用し続けることによる副作用はないを長期に服用し続けることによる副作用はないので、ので、ATDATD により甲状腺機能が安定していれば、
により甲状腺機能が安定していれば、薬を続けたい薬を続けたい
¾¾ 手術や手術やRIRI治療のように永続的な甲状腺機能低下症や合併症治療のように永続的な甲状腺機能低下症や合併症 をおこすことがない
をおこすことがない
¾¾ 治療を続けていれば寛解する可能性がなくはない治療を続けていれば寛解する可能性がなくはない
手術治療を選ばない理由 手術治療を選ばない理由
¾¾ 入院治療が必要、合併症が心配入院治療が必要、合併症が心配
薬で問題なく生活が出来ているので 薬で問題なく生活が出来ているので
Ablative
Ablativeな治療が必要なとき、な治療が必要なとき、RI治療が選択される理由RI治療が選択される理由
¾¾ カプセルを飲むだけの簡単な治療法でカプセルを飲むだけの簡単な治療法であり、あり、外来でも出来外来でも出来るる
¾¾ 手術のように治療直後の合併症はない手術のように治療直後の合併症はない安全な治療法で安全な治療法であるある
¾¾ 治療後も発癌性などの問題はなく、妊娠も可能治療後も発癌性などの問題はなく、妊娠も可能であるである
内科医が考える
バセドウ病の手術適応と そのタイミング
まとめ
バセドウ病の手術適応
絶対適応
1.悪性腫瘍合併例
2.抗甲状腺薬が使用できない場合で手術治療を選ばざるを得ない場合
妊娠中の場合
放射性ヨード治療を拒否する場合
相対的適応
1.抗甲状腺薬が使用できない場合
バセドウ病眼症の合併例
18歳未満例
将来妊娠を希望するTRAb高値例
2.抗甲状腺薬で寛解が得られない場合、得られる見込みが低い場合
バセドウ病眼症の合併例
18歳未満例
甲状腺腫の大きい例
3.抗甲状腺薬治療から手術治療への変更が薦められる場合
将来妊娠を希望する患者で、甲状腺機能のコントロールにMMI3T以上必要な場合
バセドウ病の手術適応のタイミング
抗甲状腺薬を1.5-2年間続けた時点で抗甲状腺薬治療中止を検討 する段階にいたらないものについては、抗甲状腺薬を続けるのか、そ れとも他の治療法に切り替えるのか患者にインフォームドコンセントを 行い、その結果手術治療を希望するもの
その際、下記のものは寛解に入りにくいということを説明する
治療開始時に、血清FT3、FT4が高値のもの、甲状腺腫が大きいもの は寛解に入りにくい
治療中T3/T4比が高値を持続するもの、TRAb値が低下してこないか、
あるいは変動するものは寛解に入りにくい
若い患者のほうが寛解率は低い傾向にある
喫煙、精神的ストレスは寛解に入りにくくさせる因子である