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(注)総理府広報室「国民生活に関する世論調査J(19925月)による。

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(ノマプル経済時代)

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経済・・・パプル景気→崩壊

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所得と余暇…再び共に増加・パターン①→所得の横這い(または減少)・

パターン②(または③)、有給休暇制度は変化なし 0余暇意識・・・積極的活用増加

0

観光…圏内、海外共に増加 目的型観光

0

満足度・・・満足

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4 .

まとめ

以上、所得の増減や余暇時間の変化および余暇意識などが日本人のマスツー リズムの動態に及ぽした影響について概観した。

要点を整理して図示すれば表

‑16

のようになる。

‑16

所得・余暇・余暇意識と観光

高度成長前期 高度成長後期 1次石油危機 安定成長期 パプル経済期

(55~63) (64~70) (7l ~75) (76~88) (89~92)

所 得 増 力日 大いに増加 増 力日 微 増 増加→横這い 余 暇 時 間 減少→微増 微 構 増 加 横 這 い 増 力日

オリンピック・万博 高速交通網 円 高 労働基準法 その他要因 高度成長政策 海外渡航自由化 自家用車 海外格安パック 官庁・銀行の週

海外パック 円 高 テンミリオン 休2

気晴らし 生活志向 ←・臥 志 向

族家

効率志向 余暇に満足

量 大衆観光萌芽 急 増 増 加 横 這 い 増 力日

圏内 慰安→見物

質 団体旅行 団体→家族 自家用車利用 安・近・短 目 的 型 量 観光なし 観光増加 急 増 プ ー ム 海 外 優 位 海 外

質 ヒジネス 男性中,心 女性・ファミリ一、近場

‑123

松 鷹 彰 弘

a.所得・余暇と観光量との関係…所得と余暇が共に増加する場合(パター ン①)には、程度の差はあるがいずれも(高度成長期、 1次石油危機、パプル 経済期)国内観光量の増加がみられた。所得の増加はあっても余暇の増加がな い安定成長期(パターン④)には国内観光量の増加がみられない。経験値は乏 しいが、逆に余暇が増加して所得が横這い(パターン②)の場合も量的拡大の 可能性は小さいと考える。

b .

海外旅行量…海外旅行の場合は、所得・余暇要因よりも円高、および円 高を活用したパッケージ旅行商品、割引航空チケットの状況、戦争や動乱など の要因の影響度が高い。

C.特徴的な四つの旅行現象…一般に、①団体旅行から家族旅行、②夏・冬 の高まりと春・秋の低下、③レクリエーション活動の増大、④乗用車利用の増 大が近年特徴的な(国内)旅行現象だといわれている。四現象の相関関係は、

小論での考察を基に、次のような説明が可能である。

国民の生活意識における家族志向は高度成長期の生産第一主義や仕事・職場 志向の反省から環境重視の考えなどと共に一般的になったものだが、

6 0

年代末 からは観光旅行にこれが顕著に現われる。安定成長期に入って週休

2

日制の普 及が停滞し、有給休暇の取得状況も変わらず、夏休み(盆休み)と年末年始休 暇(正月休み)だけが普及した。このため夏・冬の比重が高まった。また、安 定成長期には国内観光における安・近・短の傾向が強まるが(後述)、道路網の 発達と自家用車の普及が家族単位の自動車旅行を促進した。自動車旅行の行動 圏は鉄道・航空機利用の場合と比べ狭いので、(遠い)観光地よりも(近くの) レクリエーション地が選ばれた。

4  ‑1 .

日本人のマスツーリズムの特徴

所得と余暇時間の改善と余暇活動や観光の発展段階との関連については、欧 米先進国の事例などを参考に一般に次のような説明が行なわれている。

①  高度成長期(あるいは好況時)には短時間に多くの費用を払って(受動 的に)遊ばせてもらう「所得多消費型

J

や「遠出型」が中心となる。

②  安定成長期(不況時)には「時間消費型」や「日常型

J

となり内容も多

‑124‑

様化する。

③  将来的には自己実現のための活動から自主的コミュニティ形成のための 活動へと変化してゆく。

経済が高度成長から安定成長に移行したころから、日本でもこれからは長期 滞在型観光など時間消費型レジャーの時代だと言われてきた。しかし現実には 安定成長期に入って

1 2

年もの問、労働時間は短縮どころか年によっては増加す ることさえあり、とくに長期滞在観光に必要なまとまった休暇を取得するため の有給休暇については、何んらの進展がないまま現在に至っている。

一方で、高速道路網の整備、トンネルと橋による北海道・本州・四国・九州 の結合、新幹線や航空網の拡充などに加えて自家用乗用車の普及も大いに進み、

観光に際して交通手段については多くの選択肢が提供された。観光は余暇活動 の中で最も参加希望率の高い活動だが、物価の高い日本では、カネのかかる余 暇活動でもある。所得の伸び鈍化と余暇時間の停滞の中で、短い時間と限られ た所得を有効かつ合理的に使い最大限楽しもうという「効率型観光

J

とでもい うべき傾向が安定成長時代に浸透する。これは多くのビジネスマンにとって経 験豊富な出張旅行と軸をーにするものでもあった。しかし観光の質に直結する 宿泊施設には、比較的多くの費用が割かれている。国民の大半はそうした観光 旅行のスタイルに一応の満足をし、休暇制度の改善などの意見をもっ者は必ず

しも多数派ではなかった。

それが結果としての勤勉につながった面もあってか、日本に集中的に貿易黒 字が蓄積され、国際的経済摩擦を生み、外国為替市場では円高が急速に進行す る。 85年からの円高と、それを背景にした旅行業者の海外パッケージツアーの 割引競争で、近場の海外観光地の旅行費用が国内観光地と同等、あるいはむし ろ割り安となった。

7 0

年代以後の海外旅行者の主役は

2 0

歳代の女性であったが、

主婦となった海外旅行リピーターの希望もおそらくあって、海外旅行でも家族 旅行の比重が高くなる。海外旅行はブームといわれる状況となり、高成長が続 いている。

最近の圏内宿泊観光は「目的型観光j と呼ばれる。観光から得られる「楽し み」は、多様であるが、その中から目的を絞り、目的に合った施設とサービス

‑125 ‑

彰弘

を持つ観光地を選択するというアプローチは、効率型観光のー側面であろう。

パプル経済後の経済の停滞で観光が「安・近・短

J

になったと言われるが、安・

近・短は安定成長期以来一貫した日本人の圏内観光の動向である。

同じ日本人が、海外旅行では「高・遠・長」の観光(海外観光地では日本人 の観光消費額は他国からに比べ大きい)を行なうので、日本人は所得多消費型 の海外旅行と経済型の圏内観光を使い分けていると考えられる。

所得や余暇の中・長期的展望では、実質所得の横這いと余暇の増大(パター ン②)の可能性が最も大であるが、国民の多くはすでに余暇生活に満足してい るので、現状をベースに、円高時には海外旅行が選択されるなど、海外旅行に も効率型の傾向が強くなるだろう。余暇が増大しただけでは圏内観光の長期滞 在化は、コスト的に困難だろう。

松鷹

4  ‑2 .

沖縄観光の枠組み変化

図‑17は、圏内観光量、海外旅行者数、沖縄観光入込数の推移を80年を100と して対比したものである。

圏内観光・海外旅行と沖縄観光 (80年=100) 図‑17

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一 国 内 観 光 一海外旅行 山沖縄観光 300 

200 

100 

‑126 ‑

海外旅行と沖縄観光は

8 4

年までは非常によく似た伸びを示している。両者に は次のような共通点があった。

① 海 外 旅 行 は63年までは事実上禁止され、 64年の渡航緩和以来急増した。

沖縄への観光も71年までは海外旅行であり、しかも旅券・査証の取得に制限が あった。

7 2

年の本土復帰以来急増する。

②  海外旅行の増大には、パッケージツアーの普及が大きく作用した。国内 観光では自家用車の利用が増加して旅行業に対する依存度が低下するが、沖縄 については航空機を利用し、遠隔地でもあるため絶好のパッケージツアーの対 象となり、地元も受け入れに積極的であった。

9 0

年では

65%

がパッケージ客、

旅行業利用客は80%である(1

③ 

7 5

年の海洋博で沖縄の海の美しさが広く認知されるが、ホテルやゴルフ 場などの施設がハワイやカリプ海などの海外有名リゾート地を模倣したコンセ プトで作られ、海外観光地のようなイメージで宣伝された(20)。これが海外旅行 ブームの余禄を受けることになった。

8 5

年の円高以降、海外旅行者数はプーム的上昇を示すが、沖縄観光は圏内観 光量を少し上回る程度にとどまった。これまで沖縄観光のセールスポイントの 一つであった、海外より安く行ける海外リゾート地的雰囲気を持つディステイ ネーションのコンセプトは行き詰ったと考える。これにつながるプロジェクト は早期に方向転換した方がよいのではないか。圏内観光旅行の長期滞在化を示 すデータは皆無に近く、沖縄観光も平均滞在日数の年々の短縮や

1

人当たり実 質観光消費額の低下などから、効率型観光の対象であることは明らかである(19)。 目的型観光との関連では、

1

人の観光者にあれもこれもと地元が勧めるのは徒 労に終わるであろう。沖縄県「観光要覧

J

(平成

3

年版)は

9 0

年の調査結果とし て、沖縄での17種類の観光目的(内スポーツ7種類)を掲載している。その一 つ一つの品質を向上させる、たとえばダイビング目的の観光者に対しては、時 間と費用がダイビングを楽しむことに最大限に配分されるようなシステムを作 ることが、日本人のツーリズムの「マス

J

の部分と取り組むことになると考え る。

‑127 ‑

松 鷹 彰 弘

[註]

(1) 前田勇編著『観光概論』、第l講現代観光の構図、学文社、 1978年。 (2)  総理府『観光白書j (各年)による。総理府内政審議室が推計したもので単

位は延べ人数、内訳には観光と兼観光(業務、家事・帰省のついでに l泊以 上付け加えて観光を行なった場合をいう)が含まれている。

(3)  観光基本法…観光に関する施策は広範囲にわたるため48年、内閣に観光事 業審議会が設置されるが、 54年5月に同審議会から観光事業振興のための法 制化が必要であるとの提言があり、政府は56年に「観光事業振興基本要綱」

を閣議決定するにいたった。その後、自由民主党をはじめとする各党から法 案についての政策発表などがあったのち、 63年6月に議員立法として「観光 基本法」が可決、同年6月20日法律第107号として公布施行された。

観光基本法ではその前文において「観光は、国際平和と国民生活の安定を 象徴するものであって、その発達は恒久の平和と国際社会の相互理解の増進 を念願し、健康で文化的な生活を享受しようとするわれらの理想とするとこ ろである。また、観光は、国際親善のみならず、国際収支の改善、国民生活 の緊張の緩和等国民経済の発展と国民生活の安定向上に寄与するものである

…」と述べている。同法は、一般的な観光振興を目的としていることのほか に環境の保護・保全さらに国際親善の促進などにも重点をおいている。また、

この法律は政府における観光政策の実現化と具体化をはかることから、毎年 観光に関して講じた施策および次年度において講じようとする施策について 国会へ報告することを義務づけている。

( 4 )  

海外観光旅行の自由化…日本では観光を目的とする海外渡航は、戦時中か ら戦後を通じて約30年間事実上禁止されていた。すなわち1963年までは外貨 事情を理由に海外観光旅行のための外貨持ち出しは認められず、業務用渡航 にも強い制限を課していたのである。しかし経済の発展に伴って日本は62年 10月大幅な貿易・為替の自由化を行い、 64年には1MF14条固から8条国へ 移行し、 65年にはOECDに加盟するなど国際社会に復帰したため、 64年に は1人1年1回500ドル(日本国内で円により支払う船舶または航空運賃は別枠) の範囲内で観光旅行のための外貨持ち出しが認められることとなり、海外旅

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