第 4 章 性能評価 29
4.4 発表会について
4.4.4 成果発表会について
ここでは,2013年12月6日に未来大学で行われた成果発表会の準備,発表,反省について 述べる.
・成果発表会の準備について
成果発表会の準備は11月上旬から開始した,主に行った準備はポスター,補助用のスライド,
発表用の原稿である.ポスターはサブポスター2枚(レシピ設計支援ツール[3]等を含む)メイン ポスター3枚を作成した.補助用のスライドは基本的に後期に行った活動について記載した.発表 会用の原稿は修正が続き,完成は発表会の前々日であった.さらに,デモ用の料理を成果発表会当 日に解凍し,展示を行った.
・発表について本グループメンバーは4名在籍していたため,前半と後半で2名ずつに分かれて発 表を行った.前半組は発表する担当者をスライド,ポスターそれぞれに分かれて発表を行った.後 半組は前半と後半の発表の組にわけて発表を行った.発表内容はプロジェクト全体の概要,目的や 各グループの概要,調理した料理の説明,アカデミックリンクとプロジェクト活動全体の総評で あった.
・反省について ここでは,成果発表会に御越し頂いた方々に記入していたただいた評価シートの 内容を用いながら,成果発表会やプロジェクト全体についての反省を記載した.また,発表技術と 発表内容の点数分布図を図4.7,図4.8に示す.
(1)発表技術点について 発表技術の最低点,最高点は3点と10点であった.分散は2.79で あり,平均点は7.13であった.中間発表会よりも点数をあげられた.評価者からの意見を以下に 記載した.
• 声も大きくスライドも見やすかった
• 声が聞き取りやすく,ジェスチャーもあり良かった
• スライドに画像が使われていてわかりやすかった
• 内容が完結にまとめられていてわかりやすい
• 声の大きさはいい
• 重要な言葉を大きく発言するなどの工夫があった
• 実際に調理したものもあってよかった
上記の意見から中間発表会と比べて,声が大きい,ジェスチャーがあってよいなどの意見があり 各メンバーが発表する際に声を大きくして発表した結果であった.そのため,中間発表会での「声 が聞こえない」という意見は改善できた.
反対に改善を加えるべきという趣旨の似た意見を記載した.
• 時々言うことを思い出すのに時間がかかっていた
• スムーズな発表を心がけたほうがいいと思います.
• スライドをスムーズにするとわかりやすい
• システム的な「プロトタイプ」があってほしかった
• スライドをもっと簡潔にした方がいい.(箇条書きを用いる等)
発表内容を準備の段階でまとめきれなかったため上記のような意見が多かったのだと推測し た.そのため,準備時間が短かったもしくは作業効率が悪かった等の理由があげられる.
(2)発表内容点について
発表内容の最低点は3点,最高点は10点であった.分散は3.07であり,平均点は6.78と中間 発表会のときと点数にあまり変化はなかった.これは,以下の意見から調理実験に関する説明不足 であったためである.
• ケチャップじゃなくて豆板醤を使う,とツールが言ってくれるの?栄養素などよりも食べや すさが必要かも 具合悪い人→食欲ないですよね ソース,マヨネーズ? 冷蔵庫にある食 材自体が個人差がありそう 料理のサンプルが美味しそうじゃないのが残念
• 野菜を食べればよいだけ?実験のレビューは? パスタ以外は作れるの? ささみと豆板醤 が何故こんなに使われるのか 食材は同じでは? 総じてスライドの内容が足りない
• 栄養バランスをコントロールできると思うが,食材はどのように選定しているのかがわから ない.
• 味と使う素材を分けて考えておいしい味を出せるアルゴリズムが考えられると思います.
• 全体を通して一貫した目標をもって行われているように感じた・味が重要なのでは….
• レシピの出力もほしい,グラム表記の他に「…何個分」などの表記もほしい
• 米やパンなどのレシピも欲しかった
• 味の調整が料理において重要だと思います
上記のような意見から使える調理食材は限られていた事実を成果発表会で説明をしていなかっ た.そのため,調理実験の過程を詳しく説明し,来訪者の方に理解してもらえるようにしなければ ならなかった.また,調理実験での準備段階等の説明も詳細に行うべきであった.調理実験は得ら れた食材配合量から本当においしい料理ができるかの確認作業であったが,試食を行ったのは本 グル―プメンバーのみであり味評価のサンプルも少なかった.本プロジェクトでは,味を栄養素に 置き換えて活動を行っており,調理工程を考慮できれば,味の評価を考慮できるとし,調理実験を 行った.しかしながら,上記のような味に関する意見もあったので来年度に引き継ぐ場合は,調理 の組み合わせについて吟味していく必要がある.
図4.7 成果技術点
図4.8 成果内容点
(※文責:駒形憲彦)
第 5 章 まとめ
ここでは,本グループの提案手法の一連の流れ,注目すべき特徴について述べる.
• 本グループの提案手法の一連の流れについて述べた.
• 数日間の食生活(食した料理)から栄養素の平均値を求めた.
• 求めた栄養素の平均値と成人男性の食事摂取基準値[14]を比較し,栄養素の過不足つまり栄 養素の偏りを求めた.
・この求められた栄養素の偏りから栄養素の目標値を設定した.
・また,行を食材,列を食材に対応した栄養素をしたデータ(食材栄養素行列と呼ぶ)と栄養素 の目標値の値をレシピ設計支援ツール[3]に入力し,栄養素の目標値に対応した食材の量(食材配 合量と呼ぶ)を出力させた.
・そのあと,得られた食材配合量から既存レシピの調理工程を参照し,新しい料理を作るための調 理工程を考案した.
・得た食材配合量と考案した調理手順を用いて,調理実験を行い,おいしい料理となっているかを 試食して味の評価を行った.
・次に,本グループの特徴について述べた.
本グループの提案手法の特徴点は栄養素の目標値を設定する過程が一番の特徴である.そのため,
数日間の料理名から栄養素の過不足を判定し,栄養素の偏りを抽出する過程が本グループの最大の 特徴である.
次に従来手法と比較して本グループとの違いについて述べる. 既存の提案手法で,クックパッ ド株式会社の運営するレシピコミュニティサイトのクックパッド[4]や楽天株式会社が経営してい る楽天レシピ[5],株式会社ウィットが運営しているダイエットサポートサイトのあすけん[6],江 崎グリコのすぐわかる栄養成分ナビゲーター[7]がある.さらに,google playの簡単!栄養チェッ ク[10]や栄養計算機[11]といったAndroidアプリがある.クックパッド[4]や楽天レシピ[5]に ついてだが,これらのWEBサイトは専門知識をもたない不特定多数の一般の人々が自ら考案した レシピを投稿し,他の人々が評価を行うサイトであり,栄養素の具体的な数値を考慮していない.
そのため,本グループの提案手法と異なる点は栄養素の数値を考えた料理のレシピを提案していな い点である.
あすけん[6]ついて述べる.このWEBサイトは栄養素の数値も考慮し,その数値を視覚化するた めにグラフなどの表示をすることが出来る点が利点である.さらに,サイト自身が栄養素の数値か ら利用者の健康管理を行える.しかしながら,このあすけん[6]が用いている食事摂取基準値[14]
は30〜40代の女性のデータを用いている.この点が本グループの提案手法と異なる.
栄養成分ナビゲーター[7]について このソフトウェアを使用すると食品に対応した栄養素の数値 データを抽出できる.さらに,グラム数に対応した食品の栄養素における数値データを抽出でき る.しかし,ほしい栄養素の数値を考慮した食材の最適な組み合わせを提示することができない.
そのため,栄養素の目標値に対して最適な食材配合量を提示できない点が本グループの提案手法と 異なる点である.
簡単!栄養チェック[10]について述べる.これは毎日の栄養管理アプリで,食品を10種類に分
類し,食した食品にチェックをいれていくだけで栄養バランスを把握し栄養管理ができるAndroid アプリである.バランスの良い食生活を維持していくために簡単かつ単純に自身の栄養管理を行え る.
栄養計算機[11]について述べる. このAndroidアプリは40種類以上の栄養素について,毎日 の摂取量を管理により健康促進が期待できる.使い道は多種多様で,カロリーや糖質制限を行いな がら栄養管理を行える.各食材の100gあたりの栄養素量だけでなく,食材1個あたりの栄養素 量閲覧が可能となっているアプリであった.また,注目している栄養素が多く含まれる食材順にラ ンキングを表示が可能である.
クックパッド[4]は栄養素の数値を考慮していない.そのため,栄養素の数値を考慮したレシピ を提案しないため,本グループの提案手法とはその数値に関する点が異なる箇所である.楽天レシ ピ[5]は使用している食事摂取基準値[14]のデータが異なる点である.栄養成分ナビゲーター[7]
は栄養素の目標値に対して最適な食材配合量を提案しない点が異なる点である.簡単!栄養チェッ ク[10]や栄養計算機[11]ような従来における提案手法は栄養素の過不足を提案できる.しかし,
本グループの提案手法と異なる点は,摂取すべき料理を提案するなどの具体的な解決策を提示する ものではない.したがって,本グループの提案手法は,栄養素の目標値に適した食材配合量を出力 する点が従来手法と違う点である.
次に,本グループの提案手法において良い点,悪い点を述べる.
• 良い点について
数日間の食生活に関する料理を入力し,その料理に含まれる栄養素から平均値を算出した.その 平均値と食事摂取基準値[14]との比較を行い,栄養素の偏りを抽出し,そこから栄養素の目標値 を設定した.また,その栄養素の目標値に適応し栄養素のバランスが整った食材配合量を出力でき た.そのため,使用者の栄養素バランスを整える手法が確立できたのが良い点であった.
• 悪い点について
栄養素の目標値を定めて,その目標値に適応した食材配合量を出力までに時間を要する点であ る.まず,レシピ設計支援ツール[3]を使用する際には,栄養素の目標値は正規化する必要性があ る.そのステップは食材栄養素行列のデータ作成の際に栄養素の目標値を定めた時には,目標値に 含まれている栄養素の数を抽出する必要があるからである.また,栄養素の目標値に応じて食材栄 養素行列も正規化しなければレシピ設計支援ツール[3]に入力データとして扱えないためである.
さらに,正規化した栄養素の目標値と食材栄養素行列を入力データとしてもレシピ設計支援ツール [3]の計算量が元々多いため結果(食材配合量の出力)にも時間を要するからである(長い時には 2時間以上計算した).そのため,食材配合量出力までのステップ中で時間短縮が出来る箇所を発 見し,少しでも効率よく作業を行う必要がある.
もう一つの悪い点は,レシピ設計支援ツール[3]は食材栄養素行列(正規化後)と栄養素の目標 値(正規化後)を入力データとして,その値に対応した食材配合量のみを出力する点である.本プ ロジェクトでは,味を栄養素に置き換えて活動しており,味の評価自体はレシピ設計支援ツール[3]
上では行っていない.そのため,味を考慮するには調理工程が最も重要となる.しかしながら,現 在調理工程は似たような食材配合量が使われている既存のレシピを参考に考案している.しかし,
まだそれが出力された食材配合量に対して最も最適な調理工程か不確定である.そのため,レシピ 設計支援ツール[3]を拡張して調理工程(料理のレシピ)を提案する機能を追加する必要がある.
結論として,実際に利用してもらうまで実装できていない.発表会等でもらった意見の通り,利