プロフィール
2. 成果の概要
1)次世代口腔がん検診口腔がんナビシステム
口腔がんにおいて死亡率の減少と機能障害の軽減のために他の臓器同様に早期発見・早期治療が必要と考え、診 療所での任意型(個別)検診を行う事が、早期口腔がんの発見につながり、口腔がんによる死亡率を減少させる一 助となると考えこのシステムを考案した。この、口腔がん検診ナビシステムは、一般開業歯科医院から個別検診にお いて寄せられた質問に対し東京歯科大学口腔外科講座(口腔外科学会認定専門医)がコントロールセンターとして 回答するもので、精査の必要性や高次医療機関への紹介をサポートする役割のほか、チェアサイドで専門医の意見 が聞ける点が特徴である(https://www.oral-cancer-navi.jp)。基幹病院まで距離があり本当に受診させるべき か否か迷うような症例の相談に特に有用性があると考えられる。今後、口腔がん対策の新たな手法としてこのシステ ムを全国に普及を目指す。
日本口腔診断学会雑誌 27(1):112, 2014.
The Quintessence 32(6):1217-1225, 2013.
日本口腔外科学会雑誌 59(Supp):286, 2013.
2)唾液腺がんの予後の予測~バイオマーカーとしてのACTN4~
ACTN4の遺伝子増幅は種々の癌で予後を予測することができると報告されてきている。そこで、唾液腺癌におけ る予後予測バイオマーカーとしてのアクチニン-4の有用性をfluorescence in situ hybridization法 (FISH法)を用
いて検討した。
FISH法により58例中14例(24.1%)にACTN4コピー数増加を認めた。ACTN4コピー数増加群は非増加群と比 べ組織学的高悪性度群(P=0.0465)と脈管浸潤陽性群(P=0.0326)で多かった。全生存期間におけるCox比 例ハザードモデルによる単変量解析で組織学的高悪性度、脈管浸潤陽性そしてACTN4コピー数増加が危険因子 として選択され、多変量解析では脈管浸潤陽性(ハザード比、7.46;P=0.0030)とACTN4コピー数増加(ハザード 比、3.23;P=0.0358)が独立した予後予測因子であった。同様に、腺様嚢胞癌を除く唾液腺癌で全生存期間を解 析したところ、ACTN4コピー数増加群は非増加群と比較して有意に短く(P=0.0112、log-rank test)、多変量解 析でも脈管浸潤陽性(ハザード比、9.00;P=0.0026)とACTN4コピー数増加(ハザード比、4.35;P=0.0187)が独 立した予後予測因子であった。
本研究により、ACTN4コピー数増加は唾液腺癌における組織学的悪性度と相関する予後予測バイオマーカーと成 り得ることが示唆された。FISH法によるACTN4コピー数解析は唾液腺癌の治療方針の決定の一助となることが 考えられる。
Cancer Med 3(3):613-622, 2014. doi: 10.1002/cam4.214.
3) 上顎広範囲にみられた多発性特発性歯根吸収の1例
多発性特発性歯根吸収は、1930 年に Mueller らによって報告された短期間のうちに多数歯の歯根吸収をきた す原因不明の疾患である。われわれは多発性特発性歯根吸収の 1 例を経験したので、文献的考察を加えてその概 要を報告した。39 歳の女性、6 ヶ月前から上顎右側臼歯部の冷水痛を発現し徐々に増悪してきたため、精査加療 目的に当院紹介となった。初診時上顎右側 567 の歯頸部全周にわたる実質欠損を認めた。歯肉に腫脹、発赤 , 排 膿などは認められなかった。組織診、細菌培養、画像検査を施行。通院加療中も歯根の外部吸収は進行し上顎右 側犬歯まで達した。組織診は線維性組織であった。エックス線写真で appl、cor、lik、appearance を上顎右側 犬歯から大臼歯の全歯牙に認めた。歯冠が破折した歯牙は抜去した。原因が不明である本疾患は局所の病理組織 学的検索や分子生物学的アプローチが今後必要と考えられた、多発性特発性歯根吸収を発症した歯牙への治療は 現在のところ抜歯のみであり、治療法の確立も必要であった、
日本口腔外科学会雑誌 59(特別):217, 2013.
4) 当科における顎矯正手術の金属製骨接合材抜去に関する臨床的検討
当科では顎矯正手術の骨接合は多くの症例でチタン製のミニプレート、スクリューを使用している。チタン製骨 接合材の体内への留置は生体親和性の高さから抜去しない施設もある。しかし、近年チタンの体内での溶出が報 告され金属アレルギーも懸念される。また長期経過後に違和感や疼痛を発現する場合もある。今回われわれは当 科におけるチタン製骨接合材抜去に関する臨床的検討を行ったので報告した。今回われわれは 2008 年 4 月から 2009 年 3 月までに顎矯正手術を施行した 122 名を対象とし、術後 2 年以内の骨接合材の抜去施行率および時期 を検討したチタン製骨接合材を使用したのは 122 名であった。男性が 37 名、女性が 85 名であった。そのうち抜 去したのは 85 名であった。術後 1 年未満が 68 名、80%、術後 1 年から術後 2 年以内に抜去していたのは 14 名、
16.4%、2 年以上が 3 人、3.5%であった。当科では患者に顎矯正手術に関する術前説明時にチタン製骨接合材の 術後 1 年から 2 年以内の抜去を提案している。10 年後に抜去する可能性を考慮すると、患者への顎矯正手術につ いての説明事項に長期経過を含める必要があると考えた。
日本顎変形症学会雑誌 23(2):104, 2013.
3. 学外共同研究
担当者 研究課題 学外研究施設
研究施設 所在地 責任者
柴原 孝彦 光学口腔粘膜観察装置の開発 株式会社松風 京都市 田村 雅巳
髙木多加志 硬組織用超音波切削機器 OSADA FALCON の改良
長田電気工業株式会社 東京都 品川区
君島 栄一
須賀賢一郎 口唇口蓋裂児の哺乳支援 聖マリア学院大学 久留米市 松原まなみ 野村 武史 新規蛍光診断機器「VELscope」の口
腔癌切除マージンの設定について
British Columbia 大学歯学 部
Vancouver, Canada
Zhang L Pah C
4. 科学研究費補助金・各種補助金
研究代表者 研究課題 研究費
柴原 孝彦 次世代口腔がん検診システム・アルゴリズムの開発 文部科学省科学研究費補助金・基盤研究 (C) 髙木多加志 顎変形症患者の手術前後の三次元形態分析と予
測精度に関する研究
文部科学省科学研究費補助金・基盤研究 (C)
恩田 健志 口腔癌特異的分子標的治療薬の開発 文部科学省科学研究費補助金・基盤研究 (C)
5. 研究活動の特記すべき事項
受賞
受賞者名 年月日 賞名 テーマ 学会・団体名
林 宰央 2013. 7.20 ポスター発表優秀賞 顎関節症様症状を伴った 線維筋痛症の1例
第26回日本顎関節学会学術大会
別所 央城 2014. 1.23 優秀ポスター発表賞 口腔がん検診ナビシステム 第32回日本口腔腫瘍学会学術大会 学会・研究会主催
主催者名 年月日 学会・研究会名 会場 開催地
髙野 正行 2013.11.10 第1回日本顔面再建先進デジタルテクノ ロジー学会総会・学術大会
東京歯科大学水道橋病院 東京都 千代田区 シンポジウム
シンポジスト 年月日 演題 学会・研究会名 開催地
髙野 正行 2014. 1.26 Orthognathic surgery with advanced and effective technology
54th Annual Convention37th National Conference on OMS
Quezon, Philipine
学術学会に相当しない団体が開催するセミナー・研究会・カンファレンス等における発表・講演
講演者 年月日 演題 会合の名称 開催地
柴原 孝彦 2013. 5. 9 個別検診べーシック −口腔がん検診の 目的と実際−
千葉市歯科医師会公演 千葉市
柴原 孝彦 2013. 6. 6 口腔がん個別検診 −アドバンス口腔粘膜 の診方−
千葉市歯科医師会公演 千葉市
柴原 孝彦 2013. 6.11 口腔がん検診 ベーシックコース 江戸川区歯科医師会公演 東京都 江戸川区 柴原 孝彦 2013. 6.19 身に付けよう口腔がんを疑う目 京橋歯科医師会 東京都
中央区
柴原 孝彦 2013. 7.11 口腔外科における基本術式 東京都卒後研修センター 東京都 千代田区 柴原 孝彦 2013. 7.24 口腔がん検診について 江東区歯科医師会 東京都
江東区 柴原 孝彦 2013.10. 5 周術期口腔管理 青森市歯科医師会学術講
演会
青森市
柴原 孝彦 2013.11.16 歯科診療室における感染症対策 千葉県保険医講習会 千葉市 柴原 孝彦 2013.12. 8 口腔癌の診断 がんプロフェッショナル公
開講座
東京都 千代田区 柴原 孝彦 2014. 2.18 口腔がんを知ろう 東京都歯科医師会学術講
演会
東京都 千代田区 髙野 正行 2013. 9.21-22 Le Fort I 骨切りの骨接合 ジョンソンエンドジョン
ソン MOJ premium meeting
東京都 千代田区
髙野 正行 2013.10.19-20 1) Osteotomy of the mandibular body
2) Subapical and segmental oste-otomy
3) Postoperative management
AOCMF Focused Work-shop on Osteotomy
東京都 千代田区
髙野 正行 2013.11.13 感染防御とスタンダードプリコーション 東京都エイズ診療従事者 講習会
東京都 千代田区 髙野 正行 2014. 1.20 感染防御とスタンダードプリコーション 東京都エイズ診療従事者
講習会
東京都 千代田区 髙野 正行 2014. 1/25-26 Orthognathic surgery with
ad-vanced and effective technology
フィリピン口腔顎顔面外 科学会
Manila, Philipine 髙野 正行 2014. 3. 8-9 Le Fort I 骨切りの骨接合 ジョンソンエンドジョン
ソン MOJ premium meeting
東京都 千代田区
6. 教育に関する業績、活動
共用試験
氏名 年月日 種別 役割 開催地
髙野 正行 2014. 2.23 平成25年度東京歯科大学 第4学年OSCE 評価者 東京都千代田区 髙木多加志 2014. 2.23 平成25年度東京歯科大学 第4学年OSCE 評価者 東京都千代田区 山本 信治 2014. 2.23 平成25年度東京歯科大学 第4学年OSCE 評価者 東京都千代田区 高久勇一朗 2014. 2.23 平成25年度東京歯科大学 第4学年OSCE 評価者 東京都千代田区 菅原 圭亮 2014 .2.23 平成25年度東京歯科大学 第4学年OSCE 評価者 東京都千代田区 須賀賢一郎 2014. 2.23 平成25年度東京歯科大学 第4学年OSCE 課題責任者 東京都千代田区 渡邊 章 2014. 2.23 平成25年度東京歯科大学 第4学年OSCE 補助係 東京都千代田区 別所 央城 2014. 2.23 平成25年度東京歯科大学 第4学年OSCE 補助係 東京都千代田区