中部地区 医療・バイオ系シーズ発表会
エンテロウイルス 71 感染と病原 性発現の分子的基盤
講 師 清水博之先生(国立感染症研究所ウイル ス第二部第二室室長)
日 時 平成25年10月25日(金) 18:00〜19:30 場 所 基礎研究棟2階会議室
担 当 生体感染防御学 大原義朗教授
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学 術 金沢医科大学報 157 号/2014.1
大学院医学研究セミナー
【講師紹介】
1988年東京大学医学部卒業後、同 第二内科入局。1994年より米国Case Western Reserve大 学、 さ ら にTufts 大学へ留学。2002年東京大学循環器 内科助手、助教授(准教授)を経て、
2008年より徳島大学大学院ヘルスバ
イオサイエンス研究部循環器内科学分野教授。
【主な研究分野】
循環器病学、特に動脈硬化の発症と進展に関し、斬 新な観点から研究を進める第一人者である。特に近年、
動脈を取り巻く脂肪組織に着目し、動物実験の知見を 基盤にした臨床研究を精力的に展開し、世界の注目を 集めている。
【セミナーの内容】
講演では、①実験動物における動脈周囲の脂肪組織 が、動脈に惹起される動脈硬化病変に強く影響するこ と、②冠動脈疾患患者において心周囲の脂肪組織の定 量結果が、古典的冠危険因子とは独立して冠動脈硬化 症の重症度と相関していること、などが紹介された。
豊富な自験成果を基に、生活習慣病によって促進され る動脈硬化に新たな切り口から迫る研究内容として、
その意義や今後の展望も含めわかりやすく紹介された。
【セミナーの成果】
仮説を検証するための動物実験と、それから得られ た知見の意義を検討する臨床研究、といった研究展開 の流れが紹介され、出席した大学院生にとって有意義 であった。また大学院進学を目指す医学部学生、関連 する職種の病院コメディカル、基礎研究者からも質疑 が交わされ有意義な内容となった。
(循環器内科学 梶波康二記)
【講師紹介】
1969年Biochemistry Laboratory, Miriam Hospital副所長、1982年Uniformed Services University of the Health Sciences准教授、1987年同教授兼学部 長、1995年Washington University教授
【主な研究分野】
眼組織の酸化ストレスによる眼疾患に関する研究で は世界的な権威で、眼病理でも多くの優れた研究があ る。
【セミナーの内容】
前眼部における酸化ストレスと眼疾患に関する最新 知見について講演された。角膜内皮細胞、水晶体、硝 子体は眼内酸素を消費または還元する役割を果たして おり、硝子体切除術により硝子体中アスコルビン酸が 減少すると水晶体への酸素曝露が増加し、核白内障を 発症する。白内障と硝子体の同時手術の際、線維柱帯 部酸素濃度が上昇し、線維柱帯が障害され、房水流出 障害を生じ、緑内障発症リスクが上昇する。フックス 角膜内皮ジストロフィや水疱性角膜症では、内皮細胞 の酸素消費減少により眼内酸素濃度は上昇する。また、
人種差があり、黒人は白人より眼内酸素濃度が有意に 高く、黒人の開放隅角緑内障リスクが白人の約6倍で ある要因として、高い眼内酸素レベルが関与している 可能性がある。眼内酸素濃度をコントロールすること が、眼疾患の発症予防にきわめて重要であることを強 調された。
【セミナーの成果】
前眼部の酸素濃度上昇が角膜疾患、白内障、緑内障 発症に大きく関与していることを非常にわかりやすく 講演された。講演終了後には英語での活発な討論があ り、大学院セミナーとして十分な成果が得られた。
(眼科学 佐々木 洋記)
生活習慣病によって動脈と脂肪組織に 生じる慢性炎症とイメージングへの応用
講 師 佐田政隆先生(徳島大学大学院ヘルスバイ オサイエンス研究部循環器内科学分野教授)
日 時 平成25年11月1日(金) 18:00〜19:30 場 所 病院本館4階C42講義室
担 当 循環制御学 梶波康二教授
A New Flow: How the Anterior Segment can be Exposed to or Protected from Oxidative Damage
講 師 David C. Beebe先生(Janet and Bernard Professor of Ophthalmology and Visual Sciences,Washington University) 日 時 平成25年11月5日(火) 18:00〜19:30 場 所 病院本館4階C41講義室
担 当 視覚機能病態学 佐々木 洋教授
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学 術 金沢医科大学報 157 号/2014.1
大学院医学研究セミナー
【講師紹介】
東京都立大学理学部卒業、1975年米 国メモリアル・スローン・ケタリング 癌研究所研究員、1980年米国モネル視 覚研究所研究員、1981年東京慈恵会医 科大学微細形態学助手、1988年同講師、
1996年千葉大学真核微生物研究センタ ー助教授、2007年同准教授。
【主な研究分野】
微生物の微細形態学。
【セミナーの内容】
生物は大きく二つのドメイン、即ち原核生物と真核 生物に分けられ、真核生物は細胞内に多彩な細胞内小 器官を持つ。この小器官は真核生物への原核生物の共 生の結果生じたと考えられる。今回は原核生物と真核 生物それぞれについて電子顕微鏡技術の解説が行わ れ、特に液化プロパンによる凍結置換法による検体作 製と、細胞全体を超薄連続切片法で観察し、三次元全 構造情報を解析する「ストラクトーム解析」の有用性が 例示された。これにより、固定の影響の少ない形状の 観察や細胞内小器官の定量が可能になる。さらに演者 らが最近、深海より採取した新種の単細胞生物は、原 核生物と真核生物の中間のいわば「准核生物」という 新しいドメインとして認知されるべき生物であること が、ストラクトーム解析により明らかにされた。
【セミナーの成果】
生物の研究に最新の電子顕微鏡技術を駆使すること で、真の形状の観察、立体的構造の解明や定量的計測 が可能であり、さらには生物進化の道筋まで科学的思 考が広がることが示された。医学と生命科学をつなぐ 有意義なセミナーであった。 (皮膚科学 望月 隆記)
【講師紹介】
1979年大阪大学工学部石油化学科 卒業、1984年大阪大学大学院工学研 究科石油化学専攻博士後期課程修了、
同年より日本学術振興会奨励研究員、
1985年摂南大学薬学部助手、この間 Virginia Commonwealth University
で研究に従事、1990年大阪大学理学部助手、1994年同 講師、1996年同大理学研究科助教授、2002年鹿児島大 学大学院理工学研究科教授、現在に至る。2006年から 株式会社スディックスバイオテック代表取締役(兼業)。
2011年東久邇宮文化褒賞。
【主な研究分野】
ヘパリン、細菌細胞表層の高分子複合糖質、並びに 糖鎖チップ、糖鎖固定化ナノ粒子、ウィルスの高感度 検出法について研究。
【セミナーの内容】
インフルエンザウィルスの感染機序から詳しく解説 され、隅田先生が開発した画期的な高感度診断法につ いて講演された。従来の簡易検査キットに比し約100 万分の1という微量のインフルエンザウィルス量を唾 液から検出する方法を確立し、そのシステムの開発に 成功した。ウィルスは細胞表面の糖鎖(糖分子が複数個 つながった分子)にまず吸着する。その性質を活用した ナノテクノロジーの技術は、インフルエンザの発症前 でも感染を確認できるため、早期治療や感染防止に役 立つと注目を集めている。また、この方法はインフル エンザ以外のウィルスでも有用であることが証明され、
幅広い応用が期待されている。
【セミナーの成果】
呼吸器外科の周術期管理においてウィルス感染は重 要な課題であり、最新の知見を織り交ぜで講演してい ただき、若い研究者に示唆に富む内容であった。
(呼吸器外科学 佐久間 勉記)
微生物と電子顕微鏡
講 師 山口正視先生(千葉大学真菌医学研究セ ンター准教授)
日 時 平成25年11月8日(金) 18:00〜19:30 場 所 病院本館4階C42講義室
担 当 環境皮膚科学 望月 隆教授
糖鎖とナノバイオテクノロジーを用い たウイルスの高感度検査診断システム
講 師 隅田泰生先生(鹿児島大学大学院理工学研究 科教授・㈱スディックスバイオティック代表取締役)
日 時 平成25年11月11日(月) 18:00〜19:30 場 所 病院本館4階C42講義室
担 当 先進呼吸器外科学 佐久間 勉教授
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学 術 金沢医科大学報 157 号/2014.1
大学院医学研究セミナー
【講師紹介】
1984年 大 阪 大 学 医 学 部 卒 業、1989
〜1991年 米国Harvard大 学Brigham
and Women's病院および米国Stanford
大学心臓血管内科に内科研究員として 留 学。1992年 医 学 博 士。2004年 大 阪 大学院医学系研究科加齢医学助教授、
2005年同医学部附属病院教授。2007年同大学院医学系研
究科内科系臨床医学専攻内科学講座老年・腎臓内科学教 授。
【主な研究分野】
高血圧の発症メカニズムと治療の体系化。高血圧に よる臓器障害の成因と治療。血管の老化機序解明と治 療の開発。日本高血圧学会の「高血圧治療ガイドライン 2009」の総取りまとめ役として活躍された。
【セミナーの内容】
楽木教授による高血圧の分子生物学のセミナーは 毎年、恒例となっているが、本年度は長寿社会におけ る血圧と認知症の関連に関する研究や高血圧治療から 最近の高血圧にまつわる生化学、遺伝学研究の成果に 至る幅広い知見を紹介された。ヒト高血圧関連遺伝 子に関して、約26万人を対象とした遺伝子解析から、
ATP2B1を 含 め、 欧 米 人 で28種、 東 ア ジ ア 人 で9種、
南アジア人で6種の遺伝子が血圧と関連すること、こ れらの遺伝子とそのタンパク質を解析することにより、
個々人の遺伝子に合わせた予防・治療法の選択、また 新たな新薬開発が可能となることを話された。高血圧 治療のワクチンの開発やサルコペニア抑制を目的とし た降圧薬使用の意義等についても分かりやすく説明さ れた。
【セミナーの成果】
本セミナーは非常に分かりやすい内容で、長寿社会 における高血圧研究の重要性を示す内容であり、大学 院生をはじめとする参加者に研究への興味と有用な視 点を与えるものであった。 (高齢医学 大黒正志記)
高血圧の分子生物学
講 師 楽木宏美先生(大阪大学大学院医学系研究科内科 系臨床医学専攻内科学講座老年・腎臓内科学教授)
日 時 平成25年11月29日(金) 18:00〜19:30 場 所 病院本館4階C41講義室
担 当 高齢医学 森本茂人教授
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