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「恵みの森ライブ」「恵みの森モニタリングシステム」

 さまざまな環境(混交林・林縁・草原・ため池)がモザイク状に分布する6.5ヘクタールの「恵みの森」

の中に、ネットワークカメラと環境センサー(気温・湿度・日射量)の機能を備えたフィールドサーバー を9台設置し、移りゆく里山の景観や生物多様性の変化を長期的にモニタリングできる「恵みの森モニ タリングシステム」を構築した。これら9点の定点観測ポイントの他に、移動式のネットワークカメラ と環境センサー(土壌水分、大気中のCO2濃度、降雨量、風向、風速、気圧)を目的に応じて導入し、

ピンポイントのモニタリングを可能にした。これらのシステムの一部は、選択実習「フィールドサーバー と携帯端末」と課外活動の中で受講生と一緒に作り上げた。高度な技術を要する作業については、業者 に委託して整備した。その結果、ライブ映像を閲覧するWebサイトの「恵みの森ライブ」サイト(図 5-9)、長期的なモニタリングによって得られた画像・環境データを自動的に集積する「データベースシ ステム」、それらのデータを閲覧するための「データ閲覧サイト」を整えることができた。なお「恵み の森ライブ」は一般公開サイト、「データ閲覧サイト」は受講生のみ利用できる内部公開サイトとして、

構築した。

 「恵みの森ライブ」ページでは、「ライブストリーム」ボタンを押すと1台のカメラで「恵みの森」の リアルタイムの映像が動画で楽しめるようにした(図5-10)。残り6台のカメラについては、30分間隔で 静止画を撮影し、その最新の映像を公開している(図5-11)。リアルタイムの動画公開は1台であるが、

設定を変えれば7つの定点ポイントのいずれの場所においてもカメラ1台のライブ中継が可能である。30 分間隔で撮影した画像データは「データベースシステム」に集積しており、履修登録した学生や教員は 過去にさかのぼって「データ閲覧サイト」で自由に閲覧し、また、期間を指定して画像データのダウン ロードをすることができる(図5-14)。環境データ(気温・湿度・日射量・土壌温度)を定期的に計測 したデータについても、「データベースシステム」で管理している。これら集積した環境データについ ては、履修登録学生と教員は時系列のグラフを「データの閲覧サイト」で閲覧でき、かつ画像データと 同様にデータをダウンロードできる(図5-15)。

 その他にも、森の中のさまざまな場所でイベント的に発生する多様な事象を記録するため、移動式の ネットワークカメラを使って定点撮影を行える環境も整えた。例えば、コナラの展葉をモニタリングす る場合は、一定の間隔で静止画像を撮影し、その映像を高速再生した動画を作成することで、10数日に わたる植物の芽吹きの動きをわずか数分でリアルに観察できる(図5-12)。また通常、野鳥の子育てを 直接観察することは難しいが、巣箱の中にカメラを設置すれば、リアルタイムで観察することも可能で ある(図5-13)。このように、画像・環境データの収集(ネットワークカメラ・環境センサー)、データ の集積(データベースシステム)、データの閲覧・公開(データ閲覧サイト)の機能を持った「恵みの 森モニタリングシステム」の構築によって、森の生態系サービスの再生と活用に関するさまざまな活動 が里山の景観や生物多様性に与える変化を長期的にモニタリングできるようになった。これは、里山生 態系サービスの管理を担っていく学生にとって極めて重要な教育素材として機能している。

フィールドサーバーの設置 林縁環境に設置されたフィールドサーバー

図5-9 「恵みの森ライブ」Webサイト

図5-10 「恵みの森ライブ」~リアルタイムのカメラ映像~

図5-11 「恵みの森ライブ」~コマ撮りカメラ映像~

図5-12 コナラ芽吹きの映像

図5-13 シジュウカラ子育ての映像

図5-14 恵みの森モニタリングシステム~ネットワークカメラのライブ映像~

図5-15 恵みの森モニタリングシステム~気温・湿度・日射量のモニタリングデータ~

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