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心情

ドキュメント内 高校生の心と体~報告書.indd (ページ 32-45)

日常的な心情や感情の安定性について、 「寂しい」 「落ち込む」など9項目を示し、「よくある」

「ときどきある」「たまにある」「ない」の4段階でたずねた。日本の高校生の割合が最も高かっ たのは「落ち込む」であり、 「よくある」 「ときどきある」と回答した者の割合が 54.8%と過半数 となっている。次いで「ものごとに集中できない」「なんとなくいらいらする」で、いずれも約 45%となっている。米・中・韓に比べて、日本は「寂しい」「神経がたかぶり、心が安定しない」

「眠れない」 「物を投げたり、壊したくなる」と感じたことが最も少なかった。

米国は「なんとなくいらいらする」 「眠れない」 「物を投げたり、壊したくなる」 「誰かを殴った り、傷つけたりしたくなる」と感じたことが「よくある」 「ときどきある」と回答した者の割合が 日・中・韓に比べて突出して高い。

図 2-1 最近、感じたこと(「よくある」「ときどきある」と回答した者の割合)

54.8

45.6

45.4

37.7

32.0

26.5

14.7

13.5

9.6

39.5

57.9

69.7

46.1

36.1

59.2

28.6

23.1

26.4

49.9

47.6

43.7

42.3

39.5

37.2

17.7

23.1

17.8

38.6

57.5

31.6

46.5

36.0

35.9

17.8

9.0

10.6

0% 20% 40% 60% 80%

落ち込む

ものごとに集中できない

なんとなくいらいらする

寂しい

神経がたかぶり、心が安定しない

眠れない

物を投げたり、壊したくなる

人を責めたり、叫んだりしたくなる

誰かを殴ったり、傷つけたりしたくなる

日本 米国 中国 韓国

中国は「落ち込む」 「なんとなくいらいらする」 「ものごとに集中できない」 「寂しい」が、いず れも4割台となっており、 「神経がたかぶり、心が安定しない」が、ほかの3か国に比べてやや高 くなっている。

韓国は「ものごとに集中できない」が、米国と並んで6割弱と高く、次いで「寂しい」が 46.5%

となっている。 「なんとなくいらいらする」「人を責めたり、叫んだりしたくなる」は、4か国の 中で最も低くなっている(図 2-1) 。

男女別でみると、女子は「寂しい」 「落ち込む」 「神経がたかぶり、心が安定しない」 「なんとな くいらいらする」に対し、 「よくある」「ときどきある」と回答した割合が、日・米・韓3か国と も男子より高くなっているが、中国では男女の差があまりなかった(図 2-2~図 2-5) 。

図 2-2 (男女別)寂しい

図 2-3 (男女別)落ち込む 11.1

16.1 14.2

20.6 16.7 12.0 10.0

13.3

18.8

28.9 24.2

32.7 26.2

29.7 30.6

39.6

0% 20% 40% 60%

男子 女子 男子 女子 男子 女子 男子 女子

日本米国中国韓国

よくある ときどきある 日

米 国

中 国

韓 国

19.0 32.0 11.4

20.3 16.6 14.4 7.9

11.5

28.9

29.5 19.6

27.2 29.7

38.9 24.0

34.3

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70%

男子 女子 男子 女子 男子 女子 男子 女子

日本米国中国韓国

よくある ときどきある

日 本

米 国

中 国 韓 国

中国は「落ち込む」 「なんとなくいらいらする」 「ものごとに集中できない」 「寂しい」が、いず れも4割台となっており、 「神経がたかぶり、心が安定しない」が、ほかの3か国に比べてやや高 くなっている。

韓国は「ものごとに集中できない」が、米国と並んで6割弱と高く、次いで「寂しい」が 46.5%

となっている。 「なんとなくいらいらする」「人を責めたり、叫んだりしたくなる」は、4か国の 中で最も低くなっている(図 2-1) 。

男女別でみると、女子は「寂しい」 「落ち込む」 「神経がたかぶり、心が安定しない」 「なんとな くいらいらする」に対し、 「よくある」「ときどきある」と回答した割合が、日・米・韓3か国と も男子より高くなっているが、中国では男女の差があまりなかった(図 2-2~図 2-5) 。

図 2-2 (男女別)寂しい

図 2-3 (男女別)落ち込む 11.1

16.1 14.2

20.6 16.7 12.0 10.0

13.3

18.8

28.9 24.2

32.7 26.2

29.7 30.6

39.6

0% 20% 40% 60%

男子 女子 男子 女子 男子 女子 男子 女子

日本米国中国韓国

よくある ときどきある 日

米 国

中 国

韓 国

19.0 32.0 11.4

20.3 16.6 14.4 7.9

11.5

28.9

29.5 19.6

27.2 29.7

38.9 24.0

34.3

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70%

男子 女子 男子 女子 男子 女子 男子 女子

日本米国中国韓国

よくある ときどきある

日 本

米 国

中 国

韓 国

図 2-4 (男女別)神経がたかぶり、心が安定しない

図 2-5 (男女別)なんとなくいらいらする

また、心情や安定性についての9項目を因子分析した結果、二つの因子が抽出された。因子1 は「落ち込む」 「寂しい」 「神経がたかぶり、心が安定しない」などで、 「憂鬱な気分」と名付けら れる。因子2は「誰かを殴ったり、傷つけたりしたくなる」「物を投げたり、壊したくなる」「人 を責めたり、叫んだりしたくなる」で、「他責的・他罰的な感じ方」と名付けられる(表 2-1)。

この2つの因子得点の平均値を国別でみると、図 2-6 のとおり、 「憂鬱な気分」の因子得点が最 も低いのは韓国で、中国と米国はやや高い。 「他責的・他罰的な感じ方」の因子得点が最も高いの は米国で、最も低いのが日本である。

10.1 17.0 8.6

19.7 15.3 15.4 5.7

9.2

16.3

20.3 14.2

28.6 21.6

26.5 24.6

32.8

0% 20% 40% 60%

男子 女子 男子 女子 男子 女子 男子 女子

日本米国中国韓国

よくある ときどきある

日 本

米 国

中 国

韓 国

14.5 23.9 23.4

38.1 16.6

15.4 5.3

9.1

23.1

28.9 38.2

39.2 24.5

30.8 19.0

30.4

0% 20% 40% 60% 80%

男子 女子 男子 女子 男子 女子 男子 女子

日本米国中国韓国

よくある ときどきある

日 本

米 国

中 国 韓 国

表 2-1 心情についての因子分析

因子1 憂鬱な気分

因子 2 他責的・他罰的な

感じ方

・落ち込む .821 .141

・寂しい .793 .125

・神経がたかぶり、心が安定しない .766 .301

・なんとなくいらいらする .684 .395

・ものごとに集中できない .637 .271

・眠れない .532 .299

・誰かを殴ったり、傷つけたりしたくなる .219 .863

・物を投げたり、壊したくなる .267 .859

・人を責めたり、叫んだりしたくなる .282 .823

固有値 3.243 2.605

寄与率 36.0% 28.9%

因子抽出法:主成分分析、回転法:Kaiser の正規化を伴うバリマックス法、抽出基準は固有値 1.0 以上

図 2-6 心情についての因子得点の平均値

2 ストレス

「最近一年間、ストレスを感じたことがあるか」に対し、「よくある」と回答した者の割合は、

米国 42.6%、日本 33.4%、韓国 32.5%、中国 17.4%の順となっている。 「ときどきある」を合わ せると、日・米・韓の高校生の 75%以上が、この一年間にストレスを感じたことになる(図 2-7) 。 男女別でみると、日・米・韓3か国は、男子より女子のほうがストレスを「よく」感じている が、中国は男女の差がほとんどなかった(図 2-8) 。

-.006

.040 .059

-.117 -.263

.358

.094

-.188 -.300

-.200 -.100 .000 .100 .200 .300 .400

因子1 因子2

日本

米国 中国

韓国

表 2-1 心情についての因子分析

因子1 憂鬱な気分

因子 2 他責的・他罰的な

感じ方

・落ち込む .821 .141

・寂しい .793 .125

・神経がたかぶり、心が安定しない .766 .301

・なんとなくいらいらする .684 .395

・ものごとに集中できない .637 .271

・眠れない .532 .299

・誰かを殴ったり、傷つけたりしたくなる .219 .863

・物を投げたり、壊したくなる .267 .859

・人を責めたり、叫んだりしたくなる .282 .823

固有値 3.243 2.605

寄与率 36.0% 28.9%

因子抽出法:主成分分析、回転法:Kaiser の正規化を伴うバリマックス法、抽出基準は固有値 1.0 以上

図 2-6 心情についての因子得点の平均値

2 ストレス

「最近一年間、ストレスを感じたことがあるか」に対し、「よくある」と回答した者の割合は、

米国 42.6%、日本 33.4%、韓国 32.5%、中国 17.4%の順となっている。 「ときどきある」を合わ せると、日・米・韓の高校生の 75%以上が、この一年間にストレスを感じたことになる(図 2-7) 。 男女別でみると、日・米・韓3か国は、男子より女子のほうがストレスを「よく」感じている が、中国は男女の差がほとんどなかった(図 2-8) 。

-.006

.040 .059

-.117 -.263

.358

.094

-.188 -.300

-.200 -.100 .000 .100 .200 .300 .400

因子1 因子2

日本

米国 中国

韓国

図 2-7 最近一年間、ストレスを感じたことがあるか

図 2-8 (男女別)最近一年間、ストレスを感じたことがあるか

ストレスを感じる要因は、4か国とも、「勉強のこと」「進学や進路のこと」「友だちとのこと」

が上位となっている。中でも「勉強のこと」について、米国は 84.6%、中国は 77.0%と回答した 割合が特に高かった。4か国で比較してみると、日本は「勉強のこと」「進学や進路のこと」「容 姿」 「健康のこと」の割合が4か国中最も低い。米国は「勉強のこと」 「お金のこと」 「恋人とのこ と」 「健康のこと」などが日・中・韓に比べて高い。韓国は「進学や進路のこと」の割合が4か国 の中で最も高い。中国は「先生とのこと」がほかの3か国よりやや高くなっている(図 2-9) 。 男女別でみると、女子は、 「進学や進路のこと」 「友だちとのこと」 「容姿」の割合が男子より高 くなっており、また、日・米の女子は、 「親とのこと」でも男子よりストレスを感じている(図 2

-10~図 2-13) 。

33.4

42.6

17.4

32.5

42.3

36.5

48.9

45.9

18.5

15.9

24.5

14.3

5.2

3.7

6.6

7.1

0% 20% 40% 60% 80% 100%

日本

米国

中国

韓国

よくある ときどきある あまりない ない

25.6 40.9 26.5

57.5 17.0

17.9 23.8

41.7

41.7

42.8 39.0

34.3 42.7

54.9 46.2

45.6

0% 20% 40% 60% 80% 100%

男子 女子 男子 女子 男子 女子 男子 女子

日本米国中国韓国

よくある ときどきある 日

米 国

中 国

韓 国

図 2-9 どのようなことでストレスを持っているか(複数回答)

57.5

42.1

39.9

37.7

26.0

17.7

16.1

10.8

9.7

7.8

2.7

11.1

84.6

52.5

41.5

38.4

41.4

29.0

19.8

10.1

23.7

22.1

5.5

8.0

77.0

52.3

41.8

36.7

32.2

19.4

6.2

13.1

10.7

14.2

4.8

3.7

64.5

58.0

38.2

24.9

40.6

16.6

12.7

6.1

17.1

11.2

2.2

2.9

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90%

勉強のこと

進学や進路のこと

友だちとのこと

親とのこと

容姿(身長、スタイルなど)

お金のこと

兄弟姉妹とのこと

先生とのこと

恋人とのこと

健康のこと

性のこと

その他

日本(N=1291人) 米国(N=1202人) 中国(N=2150人) 韓国(N=1580人)

図 2-10 (男女別)進学や進路のこと 39.1

43.8

50.2

48.8 44.4

58.2

53.9

66.0 日本

米国

中国

韓国

男子 女子

図 2-11 (男女別)友だちとのこと 30.1

29.9

39.2

26.9

47.5

49.2

43.9

47.9 日本

米国

中国

韓国

男子 女子

図 2-9 どのようなことでストレスを持っているか(複数回答)

57.5

42.1

39.9

37.7

26.0

17.7

16.1

10.8

9.7

7.8

2.7

11.1

84.6

52.5

41.5

38.4

41.4

29.0

19.8

10.1

23.7

22.1

5.5

8.0

77.0

52.3

41.8

36.7

32.2

19.4

6.2

13.1

10.7

14.2

4.8

3.7

64.5

58.0

38.2

24.9

40.6

16.6

12.7

6.1

17.1

11.2

2.2

2.9

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90%

勉強のこと

進学や進路のこと

友だちとのこと

親とのこと

容姿(身長、スタイルなど)

お金のこと

兄弟姉妹とのこと

先生とのこと

恋人とのこと

健康のこと

性のこと

その他

日本(N=1291人) 米国(N=1202人) 中国(N=2150人) 韓国(N=1580人)

図 2-10 (男女別)進学や進路のこと 39.1

43.8

50.2

48.8 44.4

58.2

53.9

66.0 日本

米国

中国

韓国

男子 女子

図 2-11 (男女別)友だちとのこと 30.1

29.9

39.2

26.9

47.5

49.2

43.9

47.9 日本

米国

中国

韓国

男子 女子

ストレスへの対処法について、4か国とも、 「寝る」 「音楽を聴いたり、映画をみる」 「我慢する」

といった他者に頼らない項目の割合が高かった。設問ごとに比較すると、日本は「寝る」が最も 高く、米国は「我慢する」が突出して高く、中国は「音楽を聴いたり、映画をみる」が高かった。

そのほかには、日本は「誰かに話す」 、米国は「運動する」 「ものや人にあたる」 、中国は「ゲーム をする」 「食べる」 「本などを読む」 、韓国は「友達と遊ぶ」の割合がそれぞれ4か国の中で最も高 くなっている(図 2-14) 。

図 2-14 ストレスを感じた時に、どうするか(複数回答)

56.4

55.8

42.4

39.4

30.5

24.4

19.7

17.4

10.5

8.1

5.9

46.9

60.9

60.3

31.9

21.6

30.7

17.9

32.8

12.8

13.2

10.3

41.7

62.6

37.8

37.3

37.2

31.8

22.5

24.2

21.8

7.0

5.7

32.9

39.1

49.0

29.1

22.1

21.1

24.4

15.0

5.5

6.8

4.9

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70%

寝る

音楽を聴いたり、映画をみる

我慢する

誰かに話す

ゲームをする

食べる

友達と遊ぶ

運動する

本などを読む

ものや人にあたる

その他

日本(N=1291人) 米国(N=1202人) 中国(N=2150人) 韓国(N=1580人)

図 2-13 (男女別)親とのこと 32.4

32.4

38.5 23.6

41.8 42.5

35.2 25.9 日本

米国

中国

韓国

男子 女子

図 2-12 (男女別)容姿(身長、スタイルなど)

17.3

28.6

29.3

33.4 32.8

49.9

34.6

46.8 日本

米国

中国

韓国

男子 女子

ドキュメント内 高校生の心と体~報告書.indd (ページ 32-45)

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