• 検索結果がありません。

エリスロポエチン(EPO)投与条件下における血中網状赤血球に及ぼすトファシチニブの影響を検索するために、

カニクイザルにトファシチニブ又は溶媒を1日2回、16日間経口投与し、トファシチニブ2日間投与後、EPO

(100U/kg)を単回皮下投与した。EPO投与35日後まで血液学的検査(網状赤血球数、赤血球数、ヘモグロビ ン濃度)を行った。EPO誘発性の網状赤血球数増加は、EPO投与3日後ではトファシチニブ投与群125±13%に 対して溶媒投与群236±41%、EPO投与5日後ではトファシチニブ投与群192±24%に対して溶媒投与群 254±33%であった。

5. 受容体、イオンチャネル、酵素及びトランスポーターへの影響( )

83)

CEREPの広範囲なリガンドプロファイルを用い、受容体、イオンチャネル、酵素及びトランスポーターに対するト ファシチニブの影響を    で検索したところ、トファシチニブはMT3(ML2)受容体への結合阻害及び VEGFR1、CaMK2α及びLynAキナーゼの酵素活性阻害を示した。

薬効薬理 安全性薬理試験及び毒性試験

124

主要文献包装・関連情報等取扱い上の注意製剤学的事項 安全性薬理試験毒性試験 薬効薬理薬物動態臨床成績 DI

製品特性

安全性薬理試験

84)

投与量又は濃度 投与経路

試験系

試験項目 主な所見

hERG試験

心筋活動電位

大動脈弛緩

右心房拍動

血圧心拍数 等(TK)

血圧、心拍数、

心電図

中枢神経系

(心肺機能)呼吸器系

PTZ誘発痙攣

腎臓系

胃腸管系

HEK293細胞

(hERGチャネル 発現)

摘出イヌ心臓 プルキンエ線維

摘出ラット大動脈

摘 出 モ ル モット 右心房

ラット(雌)

サル(雄)

マウス(雄)

ラット(雄)

マウス(雄)

ラット(雄)

ラット(雄)

hERG電流振幅を6.4%阻害 hERG電流振幅阻害  10μM:0.8%

 30μM:3.6%

 100μM:17.8%

IC50>100μM

0.1~10μMの濃度で、静止膜電位、

活動電位振幅、最大脱分極速度、活動 電位持続時間に有意な影響はみられな かった。

1~100μMで濃度依存的な弛緩作用 を示した。

0.1~100μMの濃度で影響はみられ なかった。

用量依存的な収縮期血圧、拡張期血圧、

平均血圧の低下;体温低下;一過性の 心拍数増加

(≧10mg/kg)

心拍数の減少(30、75mg/kg)

一過性の軽度心拍数増加(300mg/kg)

100~300mg/kg の 濃 度 で 血 圧、

心電図に影響はみられなかった。

3.2~32mg/kgで 影 響 は み ら れ な かった。閉眼回数の増加(100mg/kg)

自発 運 動の減 少 、背 弯 ~ 伏 臥 姿 勢、

後肢開脚、発声(≧100mg/kg)

筋攣縮、痙攣発作、体の張り、つまみ 反射、角膜反射及び探索行動の低下、

眼瞼下垂、死亡など(≧320mg/kg)

1000mg/kgではより重症化した。

動脈血のPO2上昇(100mg/kg)

筋 攣 縮、ミオクローヌス及び 強 直 性 伸展の発現頻度に対照との有意差はな かった。

カリウム排泄増加、塩素排泄及び尿量 減少傾向(100mg/kg)

胃内容排出が阻害(68%まで低下)及び 腸運動性の低下(≧30mg/kg)

10μM

10、30、100μM

0.1、1、10μM

0.1、1、10、100μM

0.1、1、10、100μM

10、30、75mg/kg

(5日間反復)

100、300mg/kg

3.2~32、100、320、

1000mg/kg

(単回)

10、100mg/kg

(単回)

3.2、10、32mg/kg

(単回)

3、10、100mg/kg

(単回)

10、30、100mg/kg

(単回)

経口

経口

経口

経口

経口

経口

経口 in vitro

心血管系

in vitro

in vitro

in vivo

『参考情報』

2. ラットAIAモデルにおける腹腔マクロファージの脂質に関する試験(ラット)

80)

臨床試験において関節リウマチ患者にトファシチニブを投与すると用量依存的な血漿コレステロール値の上昇がみ られ、ラットAIAモデルにおいても血漿コレステロール値の上昇がみられたことから、脂質調節に対するトファシチ ニブの作用機序の検索を目的として、AIAラットにトファシチニブを経口投与した。

腹腔マクロファージを採取して、脂質量、基礎脂質量、コレステロールエステル量を測定したところ、脂質量は上 昇し、基礎脂質量及びコレステロールエステル量は用量依存的に低下した。

3. ラットAIAモデルにおけるコレステロール合成及び輸送に関する試験(ラット)

81)

脂質量の変化をさらに検討するために、AIAラットの免疫処置後の試験7 ~18日にトファシチニブ(2mg/kg又は 10mg/kg1日2回)を11日間経口投与した。[13C]コレステロールの静脈内持続投与及び薬物動態(PK)測定の ために、ラットにカニュレーションを施した。試験14日に、ラットに[13C]コレステロールを持続投与してコレステ ロール逆輸送を測定した。コレステロール合成についても評価するために、重水を試験14日に単回腹腔内ボーラス 投与し、その後、飲料水に毎日加えた。

その結果、AIAラットにおける血漿中の総コレステロール(TC)及びコレステロールエステル(CE)及びコレステロール エステル化率は無処置ラットに比し、有意に低下した(p<0.05、Dunnet検定)。また、AIAラットの血漿中の HDLコレステロール(HDLc)、アポリポ蛋白(ApoA1)及びリン脂質(PL)も無処置ラットに比し有意に低下したが、

ハプトグロビン(コレステロールエステル化に負の影響を及ぼす急性期蛋白)は有意に上昇した(p<0.05、

Dunnet検定)。免疫処置後の試験14日(投与7日後)には、トファシチニブ投与群では溶媒を投与したAIAラット と比較して、血漿コレステロール値(大部分はHDLc)及びApoA1が用量依存的に上昇した。トファシチニブ

(2mg/kg及び10mg/kg1日2回)投与により、血漿中CEはそれぞれ26%及び37%増加し、パラオキソナーゼ 活性(HDL機能性のマーカー)も上昇した。さらに、トファシチニブ(2mg/kg及び10mg/kg)により、 での コレステロールエステル化率は、用量依存的にそれぞれ19%及び28%上昇し、無処置ラットと同程度のレベル となった。中性ステロール及び胆汁酸としてのコレステロールの排出はAIAラットでは変化がなかったが、トファ シチニブ群では増加した。しかし、トファシチニブ投与は組織から血漿コンパートメントへのコレステロール排出 には影響しなかった。

4. 循環血中網状赤血球への影響(サル)

82)

エリスロポエチン(EPO)投与条件下における血中網状赤血球に及ぼすトファシチニブの影響を検索するために、

カニクイザルにトファシチニブ又は溶媒を1日2回、16日間経口投与し、トファシチニブ2日間投与後、EPO

(100U/kg)を単回皮下投与した。EPO投与35日後まで血液学的検査(網状赤血球数、赤血球数、ヘモグロビ ン濃度)を行った。EPO誘発性の網状赤血球数増加は、EPO投与3日後ではトファシチニブ投与群125±13%に 対して溶媒投与群236±41%、EPO投与5日後ではトファシチニブ投与群192±24%に対して溶媒投与群 254±33%であった。

5. 受容体、イオンチャネル、酵素及びトランスポーターへの影響( )

83)

CEREPの広範囲なリガンドプロファイルを用い、受容体、イオンチャネル、酵素及びトランスポーターに対するト ファシチニブの影響を    で検索したところ、トファシチニブはMT3(ML2)受容体への結合阻害及び VEGFR1、CaMK2α及びLynAキナーゼの酵素活性阻害を示した。

薬効薬理 安全性薬理試験及び毒性試験

125

主要文献包装・関連情報等取扱い上の注意製剤学的事項 安全性薬理試験毒性試験 薬効薬理薬物動態臨床成績 DI

製品特性

毒性試験

1)~4)85)~89)

a) 投与6日まで明らかな毒性変化がみられなかったことから、7~10日に300mg/kg/日、11~14日に1000mg/kg/日に増量した。

b) 20mg/kgでは毒性変化がみられなかったことから、投与8日目に500mg/kgに増量した。

c) 十分な曝露量を得るため、約7時間間隔の1日3回投与又は約12時間間隔の1日2回投与を実施した。

d) 投与133日以降、100mg/kg/日から75mg/kg/日に減量した。

用量(mg/kg/日)又は濃度 投与経路、期間

動物・対象(n)

試験 試験成績

単回投与毒性

反復投与毒性

復帰突然変異試験

遺伝子突然変異試験

染色体異常試験

不定期DNA 合成試験 小核試験

がん原性

概略の致死量 500mg/kg

概略の致死量 3mg/kg超 毒性徴候の発現用量 200mg/kg

300mg/kg/日以上の用量は最大 耐量を上回ると考えられた。

200mg/kg/日以上の用量は最大 耐量を上回ると考えられた。

無毒性量:100mg/kg/日

無毒性量:10mg/kg/日 無毒性量:10mg/kg/日

10mg/kg/日において、ごく軽度 から軽度の赤血球パラメータ、リン パ球数及びリンパ球サブセット(ヘ ルパー T 細胞、細胞傷害性 T 細胞 及びNK細胞)の減少がみられた。

無毒性量:2mg/kg/日

10mg/kg/日で8例中3例にリン パ腫が認められた。

陰性

陰性

細胞毒性を示す濃度において代謝 活性化系存在下でヒト培養リンパ球 の染色体異常を誘発。

陰性

陰性

200mg/kg/日までの用量で 発がん性は認められなかった。

75mg/kg/日以上の雄で良性ライ ディッヒ細胞腫、30mg/kg/日以 上の雌で褐色脂肪腫、75mg/kg/

日の雌で良性胸腺腫、10mg/kg/

日の雄で良性血管腫の発生頻度 上昇が認められた。

500、1000、2000 0.5、1、3

40、200、1000 10、30/300/1000a)

100 20/500b)、50、200

1、10、100

1、10、100

10、50、100c)

0.5、2、10c)

10~5000μg/プレート

16~5000μg/mL

41.8~2400μg/mL

125、250、500

62.5、125、250 25、75、200

10、30、75(雄)

10、30、100/75(雌)d)

経口 静脈内

経口 経口、14日間

経口、14日間 経口、6週間

(4週間回復)

経口、6ヵ月間

経口、1ヵ月間

(1ヵ月間回復)

経口、39週間

経口、6ヵ月間

経口、2年間

遺伝毒性

in vitro in vitro

in vitro in vivo/

in vitro in vitro

用量(mg/kg/日)又は濃度 投与経路、期間

動物(n)

試験 無毒性量(mg/kg/日)

受胎能及び 初期胚発生

胚・胎児発生

胚・胎児発生

出生前及び出生 後の発生並びに 母体の機能

幼若動物受胎能及び 初期胚発生

幼若動物 1ヵ月経口  2ヵ月回復性

局所刺激性

(局所リンパ節試験)

光毒性

血液適合性

有色ラット光毒性

ラット

(雌雄各20匹/群)

妊娠ラット

(20匹/群)

妊娠ウサギ

(20匹/群)

妊娠ラット

(25匹/群)

幼若ラット

(雌雄各20匹/群)

幼若ラット

(雌雄各16匹/群)

(雌雄各8匹/群)

マウス

(雌2匹/群) 線維芽細胞マウス

ヒト血液 有色ラット 皮膚及び眼

(雌5~6匹/群)

1、10、100

1、10、30、100、300

10、30、100

1、10、50

1、10、100

1、10、100

10、20、33%

0.061~1000μg/mL

0.005~0.5mg/mL

10、30、100 雄:交配前28日経口

間を含む63日間 雌:交配前14日以上 間、交配期間中

(最長2週間)及 び妊娠7日まで 妊娠6日から妊娠経口

17日まで 妊娠7日から妊娠経口

19日まで 妊娠6日から分娩経口 後20日又は妊娠 24日(未分娩)まで

雄:50日間経口 雌:35日間

経口、1ヵ月間 回復、2ヵ月間

経皮、4日間

経口、7日間

生殖発生毒性その他

親動物 雄(一般毒性) : 10 親動物 雌(一般毒性) : 100 親動物 雌

(受胎能及び初期胚発生) : 1 親動物 雄(授胎能) : 100

母動物(一般毒性) : 30 胚・胎児発生 : 30

母動物(一般毒性) : 100 胚・胎児発生 : 10

母動物(一般毒性) : 50 出生児(生存率及び成長) : 10

雌雄(一般毒性) : 100

(受胎能及び初期胚発生) : 100雌雄

免疫系への影響(10mg/kg/日以上 でのリンパ組 織のリンパ球 枯 渇、 1mg/kg/日以上での循環血中リン パ球数減少等)及び血液学的変化

(1mg/kg/日以上での用量依存的 な好酸球数の減少、10mg/kg/日 以上ないし100mg/kg/日での赤 血球数、網状赤血球数及び好塩基球 数の減少)は、成熟ラットで影響が認 められたのと同程度又はより高い曝 露量で認められた。これらの変化は、 いずれも休薬により回復又は回復傾 向を示した。

接触感作性示さず

光毒性示さず

溶血性及び沈殿析出性示さず

皮膚及び眼に光毒性認められず in vitro

in vitro

(雌雄各3匹/群)ラット

(雌雄各10匹/群)ラット

(雌雄各2匹/群)サル ラット

(雌雄各5匹/群)

(雌雄各1匹/群)サル ラット

(雌雄各10匹/群)

(雌雄各15匹/群)ラット

サル

(雌雄各3、5匹/群)

サル

(雌雄各4匹/群)

        、

CHO-K1-BH4

細胞 ヒト培養リンパ球

ラット肝細胞 ラット(雄4~6匹/群)

(雌雄各6匹/群)ラット

rasH2マウス

(雌雄各25匹/群)

ラット

(雌雄各60匹〔低・

中用量〕又は70匹

〔高用量〕/群)

Salmonella typhimurium Escherichia coli

安全性薬理試験及び毒性試験

126