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免疫抑制作用が増強されると感染症のリスクが増加することが予想されるので、本剤とTNF 阻害剤等の生物製剤や、タクロ リムス、アザチオプリン等の強力な免疫抑制剤(局所製剤以外)との併用はしないこと。なお、本剤とこれらの生物製剤及び

+MTX群

4. 免疫抑制作用が増強されると感染症のリスクが増加することが予想されるので、本剤とTNF 阻害剤等の生物製剤や、タクロ リムス、アザチオプリン等の強力な免疫抑制剤(局所製剤以外)との併用はしないこと。なお、本剤とこれらの生物製剤及び

免疫抑制剤との併用経験はない。

薬物動態

104

主要文献包装・関連情報等取扱い上の注意製剤学的事項 安全性薬理試験毒性試験 薬効薬理薬物動態臨床成績 DI

製品特性

相互作用 (外国人データ)

(1)メトトレキサート58)

本剤とメトトレキサート(15~25mg週1回投与)の併用投与によるトファシチニブのAUCの増加は3%(90%

信頼区間:-1~7%)、Cmaxの増加は3%(90%信頼区間:-6~12%)であり、トファシチニブの薬物動態に対する 影響は認められなかった。

また、本剤とメトトレキサートの併用投与により、メトトレキサートのAUCが10%(90%信頼区間:-4~23%)

減少し、Cmaxが13%(90%信頼区間:-0.1~24%)減少した。

(2)ケトコナゾール59)60)

CYP3A4の阻害薬であるケトコナゾールとの併用投与により、トファシチニブのAUC 及び Cmaxは、本剤単独 投与時と比較して、それぞれ 103%(90% 信頼区間:91~116%)及び 16%(90% 信頼区間:5~29%)

増加した。

(3)フルコナゾール59)61)

CYP3A4 及び CYP2C19の阻害薬であるフルコナゾールとの併用投与により、トファシチニブのAUC 及び Cmaxは、本剤単独投与時と比較して、それぞれ79%(90%信頼区間:64~96%)及び27%(90%信頼区間:

12~44%)増加した。

(4)タクロリムス及びシクロスポリン62)

CYP3A4の阻害薬であるタクロリムス(Tac)との併用投与により、本剤単独投与時と比較して、本剤を単回投与 したときのAUCは21%(90%信頼区間:13~30%)増加し、Cmaxは9%(90%信頼区間:1~17%)低下した。

CYP3A4の阻害薬であるシクロスポリン(CsA)との併用投与により、本剤単独投与時と比較して、本剤を単回 投与したときのAUCは73%(90% 信頼区間:62~85%)増加し、Cmaxは17%(90% 信頼区間:3~29%)

低下した。

(5)リファンピシン63)

CYP3A4の誘導薬であるリファンピシンとの併用投与により、トファシチニブのAUC及びCmaxは、本剤単独投与時 と比較して、それぞれ84%(90%信頼区間:82~86%)及び74%(90%信頼区間:69~77%)低下した。

(6)ミダゾラム64)65)

本剤(30mg1日2 回投与)とミダゾラムの併用投与によるミダゾラムのAUCの増加は4%(90% 信頼区間:

-4~13%)、Cmaxの増加は2%(90% 信頼区間:-4~9%)であり、ミダゾラムのCmax又はAUCに影響は認め られなかった。

(7)経口避妊薬66)67)

健康成人女性において、本剤(30mg1日2回投与)の併用投与により、経口避妊薬(レボノルゲストレル及びエチ ニルエストラジオール)の薬物動態に影響は認められなかった。本剤との併用時のレボノルゲストレルのAUCは 1%(90%信頼区間:-5~7%)増加し、Cmaxは12%(90%信頼区間:5~20%)増加した。本剤との併用時の エチニルエストラジオールのAUCは7%(90% 信頼区間:-1~15%)増加し、Cmaxは10%(90% 信頼区間:

2~18%)減少した。

(8)メトホルミン68)

本剤(30mg1日2回投与)とOCTの典型的基質であるメトホルミン(500mg単回投与)の併用投与によるメト ホルミンのAUCの減少は2%(90%信頼区間:-3~3%)、Cmaxの減少は7%(90%信頼区間:-13~-1%)、

腎クリアランスの増加は0.2%(90%信頼区間:-3~4%)であり、メトホルミンのAUC、Cmax又は腎クリアランス に影響は認められなかった。

使用上の注意の詳細については6~15ページをご参照ください。

[用法・用量に関連する使用上の注意](抜粋)

関節リウマチ

3. 免疫抑制作用が増強されると感染症のリスクが増加することが予想されるので、本剤とTNF阻害剤、IL-6阻害剤、T細胞選択的 共刺激調節剤等の生物製剤や、タクロリムス、アザチオプリン、シクロスポリン、ミゾリビン等の強力な免疫抑制剤(局所製剤以外)

との併用はしないこと。なお、本剤とこれらの生物製剤及び免疫抑制剤との併用経験はない。

潰瘍性大腸炎

4. 免疫抑制作用が増強されると感染症のリスクが増加することが予想されるので、本剤とTNF 阻害剤等の生物製剤や、タクロ リムス、アザチオプリン等の強力な免疫抑制剤(局所製剤以外)との併用はしないこと。なお、本剤とこれらの生物製剤及び 免疫抑制剤との併用経験はない。

薬物動態

105

JAK

JAK

ゼルヤンツのJAK阻害作用

ゼルヤンツがJAKに結合することにより、STAT が活性化されず、シグナル伝達が阻害される。 遺伝子転写が抑制され、それ以降の炎症性 サイトカインの産生等が抑えられる。

細胞核

細胞質

JAK1 JAK3

細胞膜

:リン酸

:サイトカイン

:STAT SH2ドメイン

関節リウマチ、潰瘍性大腸炎における サイトカインループとJAK Pathway

複数のサイトカインがJAK Pathwayを利用しており、そのシグナル 伝達により、核内で遺伝子転写が活性化され、炎症性サイトカイン の産生が亢進し、さらなる炎症の持続と組織破壊が引き起こされる。

JAK JAK

遺伝子転写 炎症性疾患では炎症性

サイトカインが過剰に産 生されている。

1 炎症性疾患において重要な役割

を果たすいくつかの炎症性サイ トカインは、JAK Pathwayを 介してシグナルを伝達する。 2

免疫細胞の遊走が 抑えられる。 7

ゼルヤンツが JAK 活性化部位に結合 し、シグナル伝 達 を阻害する。 5

遺伝子転写の誘導・ 活性化が抑えられる。 6

新たな免疫細胞が動員され、 さらなる炎症の持続と組織 破壊が引き起こされる。 4

シグナル伝達により遺伝子転写が 活性化され、炎症性サイトカインの 産生が亢進する。

3

シグナル伝達 兼STAT 転写活性化因子

ゼルヤンツは、JAKファミリーに高い選択性を示す阻害剤であり、JAK1、JAK2、JAK3を阻害し、

TyK2 も軽度に阻害する69)。細胞内では 2 分子の JAK が介在してシグナル伝達が行われるが、

ゼルヤンツは特にJAK1又はJAK3に会合するヘテロ二量体受容体によるシグナル伝達を低濃度で 阻害する69)。JAK1及びJAK3の阻害により、IL-2、IL-4、IL-7、IL-9、IL-15及びIL-21を含む 数種類の共通のγ鎖を有するサイトカイン受容体を介したシグナル伝達を阻害する。これらのサイトカ インは、リンパ球の活性化、増殖及び機能発現に不可欠であることから、これらのシグナル伝達の阻害 により免疫反応を様々な形で抑制できると考えられる。また、JAK1 に対する阻害作用により、

IL-6 やⅠ型IFNなど他の炎症誘発性サイトカインを介したシグナル伝達も抑制すると考えられる。

69)Meyer, D. M. et al.:J Inflamm 7:41, 2010

監修:産業医科大学 医学部 第1内科学講座 教授 田中 良哉 先生 70)Tanaka, Y. et al.:Ann Rheum Dis 71(Suppl 2):i70, 2012より作図 71)Mavers, M. et al.:Curr Rheumatol Rep 11(5):378, 2009より作図

細胞内に着目した、新しい作用機序

主要文献包装・関連情報等取扱い上の注意製剤学的事項 安全性薬理試験毒性試験 薬効薬理薬物動態臨床成績 DI

製品特性

薬効薬理

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JAK

JAK

ゼルヤンツのJAK阻害作用

ゼルヤンツがJAKに結合することにより、STAT が活性化されず、シグナル伝達が阻害される。

遺伝子転写が抑制され、それ以降の炎症性 サイトカインの産生等が抑えられる。

細胞核

細胞質

JAK1 JAK3

細胞膜

:リン酸

:サイトカイン

:STAT SH2ドメイン

関節リウマチ、潰瘍性大腸炎における サイトカインループとJAK Pathway

複数のサイトカインがJAK Pathwayを利用しており、そのシグナル 伝達により、核内で遺伝子転写が活性化され、炎症性サイトカイン の産生が亢進し、さらなる炎症の持続と組織破壊が引き起こされる。

JAK JAK

遺伝子転写 炎症性疾患では炎症性

サイトカインが過剰に産 生されている。

1 炎症性疾患において重要な役割

を果たすいくつかの炎症性サイ トカインは、JAK Pathwayを 介してシグナルを伝達する。

2

免疫細胞の遊走が 抑えられる。

7

ゼルヤンツが JAK 活性化部位に結合 し、シグナル伝 達 を阻害する。

5

遺伝子転写の誘導・

活性化が抑えられる。

6 新たな免疫細胞が動員され、

さらなる炎症の持続と組織 破壊が引き起こされる。

4

シグナル伝達により遺伝子転写が 活性化され、炎症性サイトカインの 産生が亢進する。

3

シグナル伝達 兼STAT 転写活性化因子

ゼルヤンツは、JAKファミリーに高い選択性を示す阻害剤であり、JAK1、JAK2、JAK3を阻害し、

TyK2 も軽度に阻害する69)。細胞内では 2 分子の JAK が介在してシグナル伝達が行われるが、

ゼルヤンツは特にJAK1又はJAK3に会合するヘテロ二量体受容体によるシグナル伝達を低濃度で 阻害する69)。JAK1及びJAK3の阻害により、IL-2、IL-4、IL-7、IL-9、IL-15及びIL-21を含む 数種類の共通のγ鎖を有するサイトカイン受容体を介したシグナル伝達を阻害する。これらのサイトカ インは、リンパ球の活性化、増殖及び機能発現に不可欠であることから、これらのシグナル伝達の阻害 により免疫反応を様々な形で抑制できると考えられる。また、JAK1 に対する阻害作用により、

IL-6 やⅠ型IFNなど他の炎症誘発性サイトカインを介したシグナル伝達も抑制すると考えられる。

69)Meyer, D. M. et al.:J Inflamm 7:41, 2010

監修:産業医科大学 医学部 第1内科学講座 教授 田中 良哉 先生 70)Tanaka, Y. et al.:Ann Rheum Dis 71(Suppl 2):i70, 2012より作図 71)Mavers, M. et al.:Curr Rheumatol Rep 11(5):378, 2009より作図

細胞内に着目した、新しい作用機序

主要文献包装・関連情報等取扱い上の注意製剤学的事項 安全性薬理試験毒性試験 薬効薬理薬物動態臨床成績 DI

製品特性

薬効薬理

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非臨床試験