6-1 利用者へのサービス
ある程度の利用者サービスをできるだけ早く、必要なら代替施設で、再開するようにする。
―機関の一般公衆からの評価と支援を得るために。
―スタッフの精神衛生のために。
―そして、もちろん、利用者の便宜のために。
6-2 建物
―被害を受けた建物の修復可能性について、建築工学者や建築家に専門的な助言を求める。
―必要なコストの見積を取る。
―修復を行うための財政的支援の申請を開始する。
―建物のある部分または全体が修復不可能と判断される場合、代替施設を探すか、新しい建物の 建設の検討などを始める。
6-3 蔵書
水損資料の乾燥を継続する。冷凍乾燥や真空乾燥などの技術的設備がもし利用可能で手ごろな金 額であれば、実施を検討する。そうでない場合は、予め冷凍し安定した状態にしておいた資料を、処 理可能な数量に分けて、空気乾燥させる。資料をいったん乾燥させた後は、個々の問題については、
修復専門家に専門的な助言を求める。専門家による処置が必要な資料がたくさんある場合には、優先 順位を決めて、優先順位が低い資料は時間と資金ができた場合に処理すべき資料として箱詰めにし ておく。
専門家による処置が必要な資料すべてについて、かかるコストと時間を相対的に判断し、可能なら ば代替物を検討する(新たな副本の購入、またはマイクロフィルムやデジタル化による代替による)
か、もしくは、処置を行うより廃棄することを検討する。
6-4 保険
実際にコストが明らかになったら、保険業者と交渉する。被災に対応する間に作成された文書と写真 による記録を用いる。
6-5 災害の分析
―防災システムや災害対応計画の成功と失敗について評価するために、報告会を開く。批判的で あるとともに現実的でなければならない。災害が全国的規模である場合には、計画した対応の多 くが実施不可能であるだろう。
―将来、事故が起きた時の対応をより良いものにするための基礎となるものとして、写真、ビデオ、チ ームリーダーの報告、全スタッフとの討論を活用する。討論に続き、その記録は将来の訓練と災害 対応に活用可能な情報源として整理する。
―詳細を記した、正式報告書を作成し、機関の上級管理職と財政当局、保険業者、再建・改築のた めの寄付をしてくれる可能性のある人に提出し、また、将来の参考とする。
―災害対応計画を経験に照らして書き直す。
―同業の専門家の意識喚起を図るよう努める。起こったこととその機関の対応の詳細を、例えば、雑 誌記事に書く、会議でペーパーを発表するなどして、広く他の図書館や文書館にも入手可能とす るよう検討する。詳細はウェブサイトにも掲載する。
付録
機関が緊急時に備えて集め維持すべき道具と必需品の例。車輪付きの容器に保管しておく。これら の物品のいくつかには「有効期限」があり、更新、取替が必要である。
救出チームの保護に必要な道具
保護服:オーバーオール、つなぎの作業服、ビニールのエプロン
ゴム長靴(全サイズ)
ゴム手袋(全サイズ)
安全ヘルメット
マスク(ほこり、ガスから保護するため)
保護用のゴーグル
応急手当に必要なもの
作業要員を組織するチームメンバーを識別するためのバッジ
作業に必要な道具
懐中電灯
携帯用ランプ(ヘッドライト)
電気延長ケーブル(電力供給が安全な場合、照明、ポンプ、扇風機等を動かすため)
排水・乾燥器具(大きな装置は、リースか、借用しなければならないだろう)
排水ポンプ(手動)
水洗い式または乾燥式真空掃除機
ホース(資料洗浄用、消火用ではない)、霧吹き
電気扇風機
除湿機
モップとバケツ
資料梱包、ラベル貼付、資料移動に必要な器具、材料
ポリエチレン製の箱
ポリエチレン製のシート(予め切り分けてあるものとロールの両方)
ポリエチレン製の袋(多種類のサイズ)-資料保管用とごみ処分用の両方