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従事者研修

ドキュメント内 乳幼児期の健康診査(カラー)4-1-2 (ページ 99-105)

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9.1 従事者への研修体制

 「健やか親子21(第2次)」では、「母子保健分野に携わる関係者の専門性の向上に取り組んでい る地方公共団体の割合」が基盤整備の指標となっている(基盤課題C-8p.128)。母子保健事業の中で も、乳幼児健診は、その内容が多岐にわたること、多職種の従事者が関与していること、常勤以外の職 員が比較的多いことなどから、関係者への研修の必要性が特に高い。

 母子保健に関係する研修課題は多岐にわたっている。「健やか親子21(第2次)」の指標では、評 価時のポイントに従事者への研修が示されているものがある(表9.1)。課題の優先度なども踏まえ中 期的な計画を立てて研修を実施する必要がある。

 なお、指標の内容については、参考資料1  乳幼児健診に関連した「健やか親子21(第2次)」の 指標に示す。

 1)市町村における研修体制

 乳幼児健診は、非常勤の職員等が担当する場合が少なくない状況を踏まえ、市町村においては、非常 勤職員も含めて、専門性を高める研修を受けるための予算を確保する必要がある。 中期的な職員研修 を計画し、研修会に職員を派遣し、その結果を所内の勉強会や連絡会などで共有し、業務改善に生かす PDCA サイクルに沿った研修体制が望ましい。研修対象者として、市町村の職員等だけでなく、医師や 歯科医師などを健診従事者を含める必要がある。医師や歯科医師との連絡会などで、判定結果の精度管 理や、支援の実施結果などを共有することも重要である。

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2)都道府県における研修体制

 都道府県が市町村に対して持つ役割の中で、従事者研修は重要なものの一つである。研修対象とすべ き母子保健の課題は多岐にわたるため、中期的な目標をもって研修計画を作成、実施し、評価、改善につ なげる PDCA サイクルに沿った実施が求められる。また、都道府県保健所職員等に対し、地域保健活動 の基本となる母子保健分野の研修から、個別支援のスキル向上を目指すこともできる。

 研修の基本的な内容を都道府県が作成する市町村向けのマニュアルに盛り込み、実施計画に役立て ている事例もある(表 9.2)。

表 9.2 乳幼児健診従事者に必要な研修内容(例)

職種

  必要と考えられる研修内容

小児科医師

発達障害の特徴について

乳幼児健康診査問診票の意義と判断基準について 発達障害児及び保護者への面接技法について 発達障害児の保護者への対応と支援について 発達障害児の地域生活支援について

発達障害児支援のための県内社会資源について

歯科医師

発達障害の特徴について 発達障害の治療について

発達障害児及び保護者への面接技法について 発達障害児の保護者への対応と支援について

保健師

乳幼児の一般的な発達について 発達障害の特徴について

乳幼児健康診査問診票の意義と対応について 発達障害の治療について

発達障害児及び保護者への面接技法について 発達障害児の保護者への対応と支援について 発達障害児の地域生活支援について

関係機関の取組み内容について

発達障害児支援のための県内社会資源について

保健師以外の看護職

乳幼児の一般的な発達について 発達障害の特徴について

乳幼児健康診査問診票の意義と対応について 発達障害の治療について

発達障害児及び保護者への面接技法について 発達障害児の保護者への対応と支援について 発達障害児の地域生活支援について

関係機関の取組み内容について

発達障害児支援のための県内社会資源について  

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3) 学会や関連団体等による専門的な研修

 学会や関連団体等が、それぞれの専門領域の知見やスキルに関する研修会を実施することは、乳幼児 健診の質の向上に極めて重要なことである。ここでは、「手引き」の作成にあたって本研究班とも密に情 報交換を行ってきた日本小児連絡協議会の研修を例示する。

【日本小児連絡協議会 健康診査委員会による標準的な医師研修】

(日本小児連絡協議会健康診査委員会 委員長 小枝達也)

 日本小児科学会、日本小児科医会および日本小児保健協会の合同委員会である日本小児連絡協議会 健康診査委員会(委員会)では、平成 25 年度から主に若手小児科医師を対象とした乳幼児健診の研修会 を実施してきた。その目的は、将来小児科専門医等として地域の乳幼児健診の中核的役割を担う人材を 育成するため、標準的な医師研修プログラムを確立し、実践することである。

職種 必要と考えられる研修内容

栄養士

乳幼児の一般的な発達について 発達障害の特徴について

発達障害児と食べる機能の発達と獲得について 乳幼児健康診査問診票の意義と対応について 発達障害児及び保護者への面接技法について 発達障害児の保護者への対応と支援について 発達障害児の地域生活支援について

関係機関の取組み内容について

発達障害児支援のための県内社会資源について

保育士

乳幼児の一般的な発達について 発達障害の特徴について

乳幼児健康診査問診票の意義と対応について 発達障害の治療について

発達障害児及び保護者への面接技法について 発達障害児の保護者への対応と支援について 発達障害児の地域生活支援について

関係機関の取組み内容について

発達障害児支援のための県内社会資源について

心 理 職 臨床心理士 児童心理司など

発達障害の特徴について

乳幼児健康診査問診票の意義と対応について 発達障害児及び保護者への面接技法について 発達障害児の保護者への対応と支援について 発達障害児の地域生活支援について

発達障害児支援のための県内社会資源について 母子保健推進員など 乳幼児の一般的な発達について

発達障害の特徴について

(広島県保健福祉部「乳幼児健康診査マニュアル」より引用)

 

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(1)研修内容

 委員会では、研修講師と委員会の委員が、研修参加者からの評価データに基づいて毎回内容を検討 し、自由記載欄の記述から具体的な改善点を把握し研修プログラムの改善を行ってきた。

 研修内容は、次の通りである。

① 乳幼児健診全般に対して医師が取り組む姿勢や考え方をまとめた講義(30 分)

② 乳幼児の年齢別に、具体的な医師の診察法や保健指導に関する講義および診察場面のビデオ供覧

(各 40 分):研修講師が、対象となる親子の同意を得て、実際の診察場面のビデオを作成し、供覧しな がらそのポイントを解説した。

③ 乳幼児健診に必要な歯科の知識と乳幼児の予防接種に関する講義(各 40 分)

プログラム例を表 9.3 に示す。

(2)評価および考察

 全国 4 か所の会場に計 660 名が参加した。アンケート集計から、30 歳代以下の若手医師は第 1 回、

第2回では7割を超えていたが、第3回、第4回ではその割合が減少し、一方で、日本小児科学会認定 専門医を取得した小児科医の割合が増加した。参加者の背景から、経験のある小児科医も含めたピア レビュー的な評価が得られた可能性がある(表9.3)。

表 9.3 プログラム例

第4回 乳幼児健診を中心とする小児科医のための研修会 プログラム(ビデオ供覧あり)

10:00〜10:30「総論」平岩幹男(Rabbit Developmental Research)

10:30〜11:10「1か月児健診」佐藤紀子(総合母子保健センタ−愛育病院母子保健科・小児科)

11:10〜11:50「4か月児健診」平岩幹男(Rabbit Developmental Research)

11:50〜12:30「1歳6か月児健診」秋山千枝子(あきやま子どもクリニック)

13:30〜14:10「3歳児健診」吉永陽一郎(吉永小児科医院)

14:10〜14:50「5歳児健診」小枝達也(鳥取大学地域学部地域教育学科)

15:00〜15:40「乳幼児健診に必要な歯科の知識」渡部 茂(明海大学歯学部口腔小児科学分野)

15:40〜16:20「乳幼児の予防接種−スケジュールと実際」渡辺博(帝京大学医学部附属溝口病院小児科)

 

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実施日程 実施場所

第1回 平成25年5月12日 10:00〜16:20

 東京都(国立成育医療研究センター) 186 名 166 名(89%)・

40 名(24%)  

30 歳代以下 142 名(86%)

参加者数 アンケート集計 アンケート回答数・

うち小児科専門医 参加者の年齢

第2回 平成25年10月20日 10:00〜16:20

 京都市(京都商工会議所) 229 名 168 名(73%)・

53 名(32%)  

30 歳代以下 127 名(76%)

第3回 平成26年5月11日  10:00〜16:20

 札幌市(北海道大学学術交流会館) 107 名 86 名(80%)・

37 名(43%)  

30 歳代以下 51 名(59%)

第4回 平成26年10月19日 10:00〜16:30

 福岡市(リファレンス駅東ビル) 138 名 120 名(87%)・

50 名(42%)  

30 歳代以下 66 名(55%)

表9.4 研修の実施状況

図9.1「5」または「4」の回答者割合

 アンケートは、1)研修会全体の評価として、テーマ、演題内容、スライドの内容、実技ビデオの 内容などのほか講習時間や開催場所などに関する設問と、2)演題別評価として各演者の演題別に設 問を設け、「1.興味が持てなかった 〜 5.とても興味深かった」のスケールで評価した。 その結果、

1)研修会全体の評価の中で、演題内容、スライドの内容、実技ビデオの内容については、回を追う ごとに「5.とても興味深かった」の回答が増加し、「4」と「5」を合わせた割合は、第4回では演題 内容(91.7%)、スライドの内容(90.8%)、実技ビデオの内容(94.2%)となった(図9.1)。

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