第2回言語文化セ ミナー
1.日
時平成
6年
11月 4日午前10時40分〜午後12時 10分
2.場
所本学
S‑37教
室3.テ
ーマ「 女子大生 ことば」について
4̲講
師小矢野哲夫氏 (大阪外国語大学教授) 米川
明彦氏 (梅花女子大学助教授) 佐竹
秀雄
(当
研究所教授)5.参
加者約230名 (内、外部参加者55名)
6.内
容まず3名の講師か ら次のような問題提起がなされた。
ア
.小
矢野哲夫氏は「 大学生が使用 している程度表現」 と題 して、大阪の ある大学での調査に もとづ く問題点の指摘があった。程度表現 とい うも のは、一般的には聞 き手に対 して強いイ ンパ ク トを与える表現が求め ら れ る。そのために、相手に意外感を与える表現が採用 され ることに よっ て程度表現が成 り立 っている。それが、人を驚かせた り恐れ させた りす る言葉が程度表現に多 く現れるゆえんである。 ところが、今の大学生の 程度表現は必ず しもそ うではな く、相手の予想 と現実 との落差に よる意 外感を与えることに意味があるようで、かつての程度表現 とは質を異に している。相手 も知 っている若者同士が新鮮 と感 じている表現を用いる ことで、仲間意識を確認できることの方が重要なようである。イ
.米
川明彦氏は「 若い女性の ことばの心理的・社会的背景」 と題 して、「若者語」を「 人に関す る語」「 物事に閲す る語」「 言葉に関す る語」の
3分
類すると、女性の若者 ことばには、「 人に関す る語」が最 も多 く、その中で も身体に関する語が多い こと、 しか も、それを批判的にマイナ ス評価する語が多いことを指摘 し、その心理的な背景を身体的発達段階 と関連す る心理状況にあることを示唆 された。 さらに、若い女性が新語
とができるようになっている、 とい う現代社会の様相が大きく影響 して いるであろ う、 とヽヽう話をされた。
ウ、ついで佐竹秀雄教授は、いわゆる「 女子大生 ことば」を、だれに対 し て、なぜ使 うのかを調査 した結果を報告 し、使 う相手は親 しい友達が最 も多 く、ついで親 しい男、母親の順にな っていることか ら、心理的に身 近な相手 との仲間意識に もとづいた使用実態であることが確認された。
逆に会社の上司には使 うべ きでない とい う意識がはっきり現れてお り、
いわゆ る「女子大生 ことば」がインフォーマルな言葉だとの自覚が使用 者にあることを指摘 された。 さらに使用理由の調査結果によると、気持 ちが よく伝わ リテンポがいい とい う理由が非常に多いが、それを使用語 別に集計 してみると、気持ちが よく伝わ るか らとい う理 由が圧倒的に多 く出て くる語 と、そ うでない語 との二つのタイプがみ られる。そ して、
使いた くない言葉を調査 してみ ると、後者の語群がそれにあたっている。
しか も、それ らの語が親 しい女友達に対 してだけ使われている。 という 結果 も判明 した。嫌われなが らも仲間の間では用いるとい うのが女子大 生 ことばの本質 とみ られ る、 と結論づけ られた。
その後、以上の問題提起をめ ぐって参加者に よる活発な質疑応答がなされ、
盛会裏に会を終えた。
1995年 2月25日
印刷
1"5年3月 1日
発行 編 集 者
武 庫 川 女 子 大 学 言 語 文 化 研 究 所
発 行 者
武 庫 川 女 子 大 学
西 宮 市 池 開 町
6番
46号大和 出版印刷株式会社
神戸市東灘区向洋町東2‑7‑2
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