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こうして︑子どもは︿中心﹀である大人に対して︿周縁﹀に位置するもの︑つまり︑本田和子が﹃異文化としての子
ども﹄(紀伊国屋書居︑
一九 八二 年
で論じているように︑子どもは
︿異
文化
﹀
であるという認識のしかたをすでに
ブレイクが持っていたのではなかろうかと考えたいのである︒子どもは無垢であるという考えかた︑すなわち︑ピュ
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リタンであるパニヤンやハナ・モアなどが心に抱いていた︑罪にけがれた存在としての子どもという子ども観と鋭く
(胤 )白
対立する考えかたがブレイクの詩作品の特徴となっていることはこれまでも繰り返し指摘されているが︑ブレイクの
詩のなかに描かれている子どもの世界を記述説明するものとして︑﹁必要なことは︑子供の世界あるいは宇宙を大人
の眼から見た規準ゃあるべき姿のなかに閉じこめるのではなく︑そうした宇宙の独自性と始源性をトータルに捉える
北大文学部紀要
十七
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八世
紀イ
ギリ
スの
民衆
文化
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レイ
ク
ことであろう︒そしてそのとき︑子供の世界は大人にとっていわば︿異文化﹀
(瑚 )
という中村雄二郎の言葉が極めて適切なものとなる︒ の世界として現われることになる︒﹂
子どもを大人の世界に無理に封じこめるための装置としての教育を子どもに施すことを目的として書かれた十八世
紀の多くの子どものための賛歌とは異なり︑ブレイクの詩では教訓は排除され︑子どもと大人のあいだには了解と合
意が成立していて︑相
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のあいだに直接的でしかも自然なコミュニケーションがある︒﹃無垢の歌﹄のなかの﹁乳母のうた﹂はパ
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ボールド夫人の﹁子どものための散文の賛歌﹂の第二と第五の二つの賛歌を下敷きにして書かれたもので︑緑の野原で︑羊や小鳥たちのいるところで︑楽しく遊んでいる子どもたちが︑日が沈んでからは母親の胸にい
( m )
だかれてぐっすり眠るという設定の点で両者は共通している︒しかし︑ブレイクのこの詩では小鳥や羊が子どもたち
( m )
に教訓を与えるための実物教育の道具としては使われていないし︑この詩の彩飾画を見ると乳母は︑手をつなぎ輪に
︒ ︒
﹁ ﹁u
なって楽しく遊んでいる子どもたちから離れて︑木蔭で読書をしていて︑子どもたちにうるさく干渉することもない︒
だが︑離れてはいても︑詩が述べているように︑子どもたちと乳母のあいだには自然な言葉のやりとりがあって気持
( m )
が通いあい︑子どもの世界と大人の世界が互いに響き合っている︒(この詩と対になる
﹁経
験の
歌﹂
のなかの﹁乳母
のう
た﹂
では︑乳母は子どもの遊びの世界から全く離れていて︑しかも︑乳母の暗い心のなかのささやきだけが述べ
それは抑圧された性的願望のようである︒この詩のこうした側面については別に論じたい︒)
ブレイクが︑子どものための賛歌に明確な形で示されていた道徳的教訓を除去することによって︑パロディを行なっ
( m )
たと言えるのならば︑﹃無垢の歌﹂のなかの﹁煙突掃除の少年﹂(斗宮
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目指へ)の結びの一行の陳腐で場られ
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違いな教訓は何なのだろうか︒
THE CHIMNEY SWEEPER When my mother died 1 was very young, And myfath町 soldmぽwhileyet my tongue Could器carcelycry
' w e ψ' w e e p
,' w e ψ' w e
φf ,So your. chimneys 1 sweep
,
and in soot 1 sleep. There's little Tom Dacre,
who cried when 凶器head,
Thatcurled like aJamb's b昌CI,まwasshaved; so 1 said, 'Hush Tom,never mind it, for when your head's bare, You know that the soot cannot spoil your white hair.' Ar凶器ohe.was quiet,叩dthat very night,As Tom w鈴 asleepinghe had such a sight一 一
That t初 端 間dsof sweeperふDick,Joe, Ned, and Jack, Were all of them locked up in <::0街nsof black;
A誠 bycamean angel, whohad a bright key, And he opened the co愉lSand set themall free ; Then down孟greenplain le昌ping,laughing they run, And wash in a river and shiilein the sUn.
Then nakedand white
,
all their bags left behiild,
キ~KÞ<~小結辺警禁
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