◆ 登記の意義
◆ 合体の態様
◆ 申請人及び申 請期間
建物の合体とは,互いに主従の関係にない数個の建物が,増築工事等 により構造上1個の建物となることをいう。数個の建物を合体して1個 の建物とした場合には,合体後の建物の表題登記と合体前の建物の表題 部の登記の抹消(以下「合体による登記等」と総称する。)を申請するこ とになる(法49条1項,令5条1号)。なお,合体前の建物がいずれも表 題登記がない建物であるときの登記の申請については,法47条1項に規 定する新築による建物の表題登記の申請の例による(法49条2項)。
合体の態様として,次の6通りがある(法49条1項)。
(1) 合体前の二以上の建物が表題登記がない建物及び表題登記がある建 物(所有権の登記がある建物を除く。以下同じ。)のみであるとき (2) 合体前の二以上の建物が表題登記がない建物及び所有権の登記があ
る建物のみであるとき
(3) 合体前の二以上の建物がいずれも表題登記がある建物であるとき (4) 合体前の二以上の建物が表題登記がある建物及び所有権の登記があ
る建物のみであるとき
(5) 合体前の建物がいずれも所有権の登記がある建物であるとき (6) 合体前の三以上の建物が表題登記がない建物,表題登記がある建物
及び所有権の登記がある建物のみであるとき
(1) 建物の合体があった場合における登記の申請は,①合体前の建物が 表題登記がない建物であるときは,その所有者から,②合体前の建物 につき表題登記のみがされているときは,表題部所有者から,③合体 前の建物につき権利に関する登記がされているときは,所有権の登記 名義人から,建物の合体後1月以内に,合体による登記等を同一の申 請書をもってすることを要する(法49条1項,令5条1号)。
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-◆ 所有権の登記 の申請
◆ 申請書の添付 書類
(2) この登記の申請は,合体前の建物の所有者等が異なる場合には,そ のいずれかの者からすることもできる(平成5・7・30民三5320号通 達第六・二・(1))。
(3) 二以上の建物が合体して1個の建物となった後,合体前の表題登記 がない建物の所有者から合体後の建物について合体前の表題登記がな い建物の所有権に相当する持分を取得した者は,その持分の取得の日 から1月以内に合体による登記等を申請しなければならない(法49条 3項)。
(4) 二以上の建物が合体して1個の建物となった後,合体前の表題登記 がある建物の表題部所有者又は合体前の所有権の登記がある建物の所 有権の登記名義人となった者は,その者に係る表題部所有者について の更正の登記又は所有権の登記があった日から1月以内に合体による 登記等を申請しなければならない(法49条4項)。
(1) 合体による登記等を申請する場合において,合体前の建物が表題登 記がない建物である建物と所有権の登記のある建物であるときは,申 請人は,同一の申請書をもって,表題登記がない建物の所有者のため に合体後の建物の登記名義人とする所有権の登記をも併せて申請する ことを要する。
合体前の建物が表題登記のみがされている建物と所有権の登記があ る建物であるときは,申請人は,表題部所有者のために,同様の申請 をすることを要する(法49条1項後段,令5条1号)。
(2) 所有権の登記の申請に当たって納付すべき登録免許税の額は,合体 後の建物の価額に,所有権の登記がない建物の所有者又は表題部所有 者が合体後の建物につき有することとなる持分の割合を乗じて計算し た金額を課税標準として,これに1000分の4の税率を乗じて得た金額 である(登免税法10条1項・2項,同法別表第一・一・(一)参照)。
(1) 資格証明書
申請人が法人であるときは,その代表者の資格証明書を添付しなけ
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ればならない(令7条1項1号)
(2) 代理権限証書
代理人によって登記を申請するときは,代理権限証書を添付しなけ ればならない(令7条1項2号)。
(3) 建物図面,各階平面図
合体による登記等の登記の申請書には,合体後の建物の位置を明ら かにするための建物の建物図面及び合体後の建物の各階ごとの平面の 形状を明らかにする各階平面図を添付しなければならない(令別表13 項・添付情報欄イ,ロ)。
(4) 所有権証明書
申請人の適格を確認し,所有者を正確に登記する趣旨から表題部の 所有者となる者の所有権証明書を添付しなければならない(令別表13 項・添付情報欄ハ)。
① 持分割合を証する書面
合体前の各建物の所有者が異なる場合には,所有権を証する書面 として,合体前の各建物の所有者が合体後の建物について有するこ ととなる持分の割合を証する書面を添付することを要する(令別表 13項・添付情報欄ハ)。この書面が合体前の各建物の所有者の作成に 係る証明書である場合は,後記(7)により印鑑証明書を添付する登記 名義人以外の作成者の印鑑証明書をこれに添付することを要する。
なお,合体前の各建物の所有者全員が申請人である場合には,その 申請書が持分の割合を証する書面を兼ねるので,申請書に印鑑証明 書の添付があることをもって足りるとされている(平成5・7・30 民三5320号通達第六・四・(4))。
② 一般的な所有権を証する書面
通常の建物の表題登記の申請と同様に,所有権を証する書面(合 体後の建物を構成することとなる合体前の建物についての準則87条 1項の書面~建築基準法6条の規定による確認及び同法7条の規定 による検査のあったことを証する書面,建築請負人又は敷地所有者 の証明書,国有建物の払下げの契約書,固定資産税の納付証明書そ
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の他申請人の所有権の取得を証するに足る書面)を添付しなければ ならない(令別表13項・添付情報欄ハ)。しかし,合体前の建物が既 登記の建物である場合には,表題部所有者又は所有権の登記名義人 であることによりその者の所有権を証明することになるから,その 建物に係る当該書面の添付を要しないとされている(平成5年度全 国首席登記官会同における質疑応答第六・二・9)。そこで,合体の 態様によって次のように添付すべき所有権証明書の内容が異なって くる。なお,増築工事等を行って合体を行った場合には,その増築 部分に係る所有権証明書を添付しなければならない。
所有権証明書 合体の態様
準則87条1項の書面 持分割合を証する書 面<注1>
表題登記のみされてい る建物と表題登記がない 建物の合体の場合
添付を要する(既 登記部分は不要)。
添付を要する(印 鑑証明書付)。 所有権の登記がある建
物と表題登記がない建物 の合体の場合
添付を要する(既 登記部分は不要)。
添付を要する(印 鑑証明書付)。<注2
> 表題登記のみされてい
る建物と表題登記のみさ れている建物の合体の場 合
添付を要しない。 添付を要する(印 鑑証明書付)。
所有権の登記がある建 物と表題登記のみされて いる建物の合体の場合
添付を要しない。 添付を要する(印 鑑証明書付)。<注2
> 所有権の登記がある建
物と所有権の登記のある 建物の合体の場合
添付を要しない。 添付を要する(印 鑑証明書付)。<注2
>
増築工事等を行って合体を行った場合には,その増築部分に係る所 有権証明書を添付しなければならない。
<注1> 合体前の各建物の所有者等が異なる場合に添付する。この書 面が合体前の建物の所有者の作成に係る合意を証する書面である ときは,その作成者に係る印鑑証明書をも添付する必要がある。
なお,合体前の建物の所有者全員が申請人となる場合には,申請
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書に所有者の持分割合が記載され,これが持分割合を証する書面 を兼ねるので,重ねて持分割合を証する書面の添付を要しない。
この場合には,申請書に印鑑証明書を添付することで足りる。
<注2> 合体前の建物の所有権の登記名義人が申請人となる場合にお いて,持分の割合についての合意を証する書面を添付するときは,
その申請人については,令16条2項又は令18条2項の規定により 印鑑証明書を添付するので,合意を証する書面に重ねて印鑑証明 書を添付することを要しない。
(5) 住所証明書
虚無人名義の登記を防止すると共に,正確な住所を登記する趣旨か ら,表題部所有者となる者の住所証明書を添付しなければならない(令 別表13項・添付情報欄ニ)。また,法49条1項後段の規定により併せて 申請する所有権の登記があるときは,登記名義人となる者の住所証明 書が必要となるが(令別表13項・添付情報欄リ),先の住所証明書を兼 用することとなる。
· 申請書に,住民票コード(住民基本台帳法7条13号)を記載し た場合は(申請人の住所に括弧書きで併記(例えば「住民票コー ド12345678901」)),添付書類として住所証明書(住民票の写し等)
を添付することを要しない(令9条,規則36条4項)。 (6) 登記識別情報又は登記済証
所有権の登記名義人が申請する場合には,所有権の登記名義人の登 記識別情報又は登記済証を添付しなければならない。この場合におい て,登記名義人が同一である所有権の登記がある建物の合体による登 記等の申請であるときは,合体に係る建物のうちいずれか1個の建物 の登記識別情報又は登記済証を添付すれば足りる(令8条1項2号・
2項2号,令附則2条3項)。なお,新法(現行法)の施行日(平成 17・
3・7)以前の「所有権の登記」に関しては,すべて「登記済証」を 添付することになる。
· 書面申請において登記識別情報を提供するときは,登記識別情 報を記載した書面を申請書に添付して提出することになるが,こ の場合には,登記識別情報を記載した書面を封筒に入れて封をし,