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まずは営業形態を確認することで,主要な顧客層について検討する。表Ⅳ-1 によれば,

西海岸に立地する雑貨販売店では,アンティーク品を専門に扱う店舗番号9を除いて,8件 の店舗でアクセサリ類が販売されており,若年層の観光客を中心に土産品として人気があ るという。これら店舗はいずれも門司港レトロ地区を訪れる観光客を主要な顧客としてい る。このことは営業日の設定にも反映されており,不定休としている店舗も含めて,観光 客の来店が見込まれる土休日を中心に営業が行われている。

港町の雑貨販売店では,アクセサリ類を販売する店舗は,店舗番号16の1件にとどまる。

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表 IV-1 門司港・新市街地における新規開業店舗の経営内容と経営者属性および開店理由(2017年)

出身地 居住地 前職 門司港・現物件での開店理由

1 2007 O J Z 3 下関 下関 新海運ビルから望む関門海峡の景色 が気に入る.

2007年に新海運ビル3階で開業,2015 年に2階へ移転.

2 2009 O J Z * 門司

(門司港)

その他 経営者の出身地である門司港に支店

(姉妹店)として開店.

経営者は三重県・亀山市に在住.同所 に創業20年の1号店を構える.

3 2013 O J Z 5 門司

(大里)

門司

(大里)

かねてから門司港には愛着があり,

自宅からバスに乗って訪れることが 多かった.

自作のアクセサリのほか,自身の愛用 する生活雑貨を販売したいとの思いか ら出店.

4 2014 O J P * 戸畑 門司

(大里)

主婦 開業前は小倉で商品を出品.テナン ト募集の貼り紙に目がとまり,新海 運ビルのオーナーと知り合う.

1980年代後半までは,門司港・西海岸 1丁目に立地する海運会社に勤務して いた.

5 2014 O J Z 5 八幡 小倉 会社員 北九州市内の雑貨イベントに参加し た際に,他の参加者から新海運ビル の存在を教えられた.

アクセサリ制作は独学による.2014年 4月に新海運ビル1階にて期間限定店 舗を出店,同10月,常設店(同ビル2 階)として再開.

6 2015 O J 5 小倉 小倉 会社員 新海運ビルが好きで,雑貨店の顧客 としてよく訪れていた.新海運ビル のオーナーと偶然知り合い,門司港 の集客力に期待して出店した.

東京都・銀座のショッピングセンター 内店舗に出品している.

7 2016 O パンの 製造販売

3 小倉 小倉 看護師 起業セミナーに通い,周辺に事業構 想を打ち明けていたところ,現在の 店舗を紹介される.

看護師時代は趣味で.一念発起して東 京都内の製パン専門教育機関で技術や 経営ノウハウを習得のうえ起業.

8 2017 O J P * 八幡 八幡 絵画

講師

門司港には日帰り観光を目的として ときどき訪れており,新海運ビルが 気に入ったため.

本業は絵画教室の講師.八幡で開講し ている.短期契約でテナントを借り個 展を開設.

9 2007 O A 3 小倉 小倉 会社員 定年退職を機に,かねてから親しみ を感じていたという門司港に出店.

開店当初は観光客向けにアクセサリを 販売.本来の趣味とのズレを感じアン ティーク中心へ.

10 2011 O J G 6 門司

(門司港)

門司

(大里)

会社員 定年退職を機に,経営者の出身地で ある門司港に出店.

会社員時代は日本各地に転勤.趣味が 高じて本業へ.売り上げの中心は観光 客によるガラス工芸体験.

11 2008 S C 6 北九州 市内

港湾都市であり,観光地でもある門 司港に魅力を感じて出店を決めた.

趣味が高じて本業へ.2017年より一日 体験陶芸教室を開始.自作の商品と交 流のある陶芸作家の作品を販売.

12 2008 G A Z 4 門司

(門司港)

門司

(門司港)

1999年,門司港レトロ地区の複合商 業施設「海峡プラザ」の開業にあわ せて1号店を出店.戸建て物件の現 物件に2号店として出店.

大卒後,旅行会社で添乗員として勤務 し,海外の仕入先を開拓.経営者は 2009年より門司港の雑貨イベントを企 画運営.

13 2011 O A Z 6 門司

(門司港)

門司

(門司港)

2007年,新海運ビルにて開業.5年 間の営業を経て,戸建て物件の現物 件に移転.

来店客の駐車場確保のため,2017年9 月に移転.2018年に営業再開予定.

14 2011 O Z F 3 その他 門司

(門司港)

1980年代(観光開発前)から門司港 を訪れるたびに憧れを強めていた.

知人からの紹介をうけて,観光客の 往来が多い立地に出店.

千葉県・船橋市出身.1980年代から両 親の実家のある福岡県・行橋市で曳船 会社に勤務.1995年から行橋市を拠点 に服飾雑貨店を経営,門司港のほか博 多にも展開.

15 2013 O F * 小倉 門司

(門司港)

デザイナー 店舗は日本国内で美術学校を設立す るための準備拠点の位置づけ.物件 所有者から紹介をうけて出店.

美術大学進学のため上京.卒業後にフ ランスへ留学し,以降は約35年間アー ティストとして活動していた.

16 2014 R J F 6 八幡 八幡 港に近い市街地で営業したいとの思 いから物件を探していたところ,現 物件の共同経営者から紹介をうけて 出店.

現物件での開業以前は小倉の同業店舗 に勤務.左記の共同経営者は門司港出 身(在住)の美容師.

業種:■=雑貨販売店,●食料品販売店

開発前の土地利用(1980年):O=事務所,S=サービス業,G=小売業,R=飲食業

営業日:数字は週あたりの営業日数.*=不定休

前職:●は当該店舗の開店以前から同業を経営,従業していたことを示す.

聞き取りによる調査結果が得られた店舗のみのデータを示している.

経営者が過去に取材を受けている場合には,適宜,地元Web新聞の記事を参照・補足した.

表内の「―」はデータなし.

(2017年9月の現地調査および各店のブログより作成)

出身地・居住地:北九州市内については,合併前の旧5市(門司・小倉・戸畑・八幡・若松)による地域区分を用いた.

        門司区(旧門司市)内については,とくに居住経験をとおした門司港市街地との関係性を検討する目的から,

        括弧内に市街地の別を示した.

地区

主要 商品

 

経 営 者

備  考

西    

   

主要商品(雑貨販売店):J=アクセサリ,A=アンティーク・骨董品,Z=小物類,C=陶芸品,P=絵画,G=ガラス工芸品,F=衣料品

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店舗番号11~15では,家具や生活雑貨を含めたアンティーク品,独自にデザインされたT

シャツなどの衣料品が販売されている。このうち,アンティークを販売する 2 店舗では店 頭に小物類が陳列され観光客の目を引き付けているものの,あくまで販売商品の中心は海 外から集められた家具や生活雑貨などの輸入雑貨が占める。販売商品の傾向に加えて,訪 問客の傾向に関する店舗への聞き取りからも,港町では観光客のみならず地域住民を顧客 対象としていることが確認されている。

さらに,前述のとおり西海岸地区では新海運ビル,九港ビルという 2 つのオフィスビル に,賃貸テナントとして店舗が入居している。これに対して港町地区では,低層建築物の1 階に単独店舗が構えられている。各店舗の立地は,門司港レトロの中核を担う門司港駅付 近と門司港レトロ観光線をまたいだ旧日銀通り沿線地区の2つに分けられる(図Ⅳ-3)。い ずれの店舗も観光開発以前においても確認される小規模な敷地に立地し,開発以前は企業

図 IV-3 門司港新市街地における新規開業店舗の分布(2017年)

聞き取りによる回答が得られた店舗を抜粋して示した.

図中の数字は表Ⅳ-1の店舗番号にそれぞれ対応している.

(2017年9月の現地調査により作成)

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の事務所をはじめとして,港湾の従業者を顧客とする飲食,サービス業によって利用され ていた。これらの敷地は,門司港レトロ事業や国道沿線のマンション開発の対象から免れ てきたものと考えられる。

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