• 検索結果がありません。

年「駐留軍用地跡地利用に伴う経済波及効果等検討調査報告書」

第7章 .  跡地利用に伴う各種効果分析

参考として平成 19 年「駐留軍用地跡地利用に伴う経済波及効果等検討調査報告書」

牧港補給地区の返還後の経済波及効果の比較を行うと下記のとおりである。 

比較にあたっては、平成19年推計の「牧港補給地区の整備による波及効果」を今回推 計の「建設費による経済波及効果」、平成 19 年推計の「牧港補給地区の販売活動による経 済波及効果」を今回推計の「売上による経済波及効果」と比較した。 

平成19年推計結果については、那覇新都心地区での実績を基本として投資額、建築・

土木関連の割合および売上額(販売額)を算出した結果となっており、分析においては、

平成12 年沖縄県産業連関表(35 部門表)を使用している。使用した産業連関表は、平 成12年と平成17年という時点の違いはあるが、県の産業構造に大きな変化はない。ま た、両推計結果はともに沖縄県全体への効果であり、他地域の商業や住宅の集積地区との 競合条件を考慮しているものではなく、あくまでも土地の利活用の視点から算出している。 

今回推計結果については、平成17年の沖縄県産業連関表をもとにサービス部門をより 詳細にした 41 部門表を作成し、宿泊施設、研究施設等をはじめとした部門を整理した。 

今回は、各産業地区の設定をもとに商業施設、研究施設等の建物の建設費を想定し、住 宅のうち戸建販売については、建設同様に不動産部門に対する一時的効果として建設費に よる効果に含めた。その結果、平成 19 年推計結果では、投資効果が約 1.7 倍、今回推計 結果においてもほぼ同程度の約 1.6 倍程度の効果となっている。 

売上による効果については、平成19年推計結果においては、小売・卸売業、飲食業、

サービス業の効果をもとに想定したものである。今回推計結果については、産業地区に導 入する施設をより具体的に設定し、商業、金融・保険・不動産、運輸業、その他の公共サ ービス、その他の対事業所サービス、娯楽サービス、旅館・その他の宿泊サービスといっ た幅広い産業への直接的な効果を想定した。想定する機能にもとづいた推計の結果、平成 19年推計結果では、投資効果が約1.6倍、今回推計結果においてもほぼ同程度の約1.5 倍の投資効果となっている。 

図表 (参考)平成 19 年推計結果と今回推計結果の比較 

平成1 9 年推計結果 今回推計結果 平成1 9年推計結果 今回推計結果

牧港補給地区の 整備による経済波及

効果

建設費による 経済波及効果

牧港補給地区の 販売活動による経済

波及効果

売上による 経済波及効果

最終需要額

(百万円)

1 3 2 ,1 6 5 2 0 5 , 4 78 1. 6 11 3 ,6 7 7 89 ,5 3 0 0 . 8

生産波及効果額

(百万円)

2 2 1 ,3 8 1 3 3 6 , 0 59 1. 5 18 4 ,3 8 6 1 35 ,1 6 6 0 . 7

乗数効果

(生産波及効果額/

最終需要額)

1 .68 倍 1 .6 4倍 − 1 .6 2 倍 1 .5 1 倍 −

雇用誘発数

(人)

1 7 ,5 6 3 1 5 ,7 32 0 . 9 1 5 ,9 2 1 6 ,8 9 4 0 . 4

比較

( 今回推計結果/ 平 成19年推計結果)

比較

(今回結果/平成1 9 年推計結果)

(注1)平成19年推計結果は、「駐留軍用地跡地利用に伴う経済波及効果等検討調査報告書」の結果をもとに 民間施設建設分の効果を推計した結果。 

(注 2)乗数効果は、最終需要額(投資額)のもたらす波及効果を表したもの。この数値が大きければ大きい ほど、投資効率が良く、投資した資金が有効に活用されていることになる。 

7−2.税収効果 

1)  税収効果の枠組み 

税収効果については、前節において推計を行った経済波及効果による効果分に加え、固定 資産税による効果分を含めた効果とする。 

経済波及効果による税収効果としては、売上による経済波及効果分および建設費による経 済波及効果分について、法人および個人の効果分の推計を行うこととする。 

固定資産税による税収効果としては、土地分および建物分の 2 つの効果分について、商業 地および住宅地の効果分の推計を行うこととする。 

図表  税収効果の枠組み 

(注 1)税収係数:経済波及効果に伴う税収効果の大きさをあらわす係数 

(注 2)市効果分割合:沖縄県全体の市町村民税に占める浦添市の割合 

(注 3)産業振興地区のうち「文化産業地区」には居住施設が含まれるが、地区全体を商業地を基準として算出。 

牧港補給地区 

産業振興地区 商業業務地区

(商業地) 

法人の税収係数×波及効果×市効果分割合 

商業地・住宅地 

地価平均×評価基準×負担水準×税率×面積  商業地・住宅地 

建設費×評価基準×負担水準×税率×面積  経済波及効果お

よび使用収益 

税収効果  の対象 

算出式のイメージ 

施設・住宅建設

法人県民税  法人市民税 

個人の税収係数×波及効果×市効果分割合  個人県民税 

個人市民税  固定資産税 

(土地) 

固定資産税 

(建物) 

土地の使用開始 波及効果 

波及効果 

住宅地区 

(住宅地) 

2)  法人税・個人税による税収効果 

① 税収係数の算出

税収効果を推計するための税収係数については、沖縄県「平成 22 年度一般会計予算(当 初)」、沖縄県企画部市町村課「市町村税決算(平成 22 年度)」をもとに、法人及び個人の 2 種類の税収係数を設定する。 

法人の市町村民税の内訳は、法人均等割 27.6 億円、法人税割 89.2 億円、事業所税 7.3 億円、県民税の内訳は、法人県民税 47.0 億円、法人事業税 220.0 億円、個人事業税 10.0 億円である。また、個人の市町村民税の内訳は、個人均等割 13.5 億円、所得割 342.0 億円、県民税は、個人県民税 148.0 億円である。 

法人の税収係数は、市町村民税 124.1 億円および県民税 277.0 億円の合計 401.1 億 円を、平成17年沖縄県産業連関表の県内生産額5兆9,336億円で除した 0.007とな った。個人の税収係数は、市町村民税 355.5 億円および県民税 148.0 億円の合計 503.5 億円を、平成17年沖縄県産業連関表の雇用者所得1兆9,870億円で除した0.025と なった。 

図表  市町村民税および県民税の内訳 

合計

均等割 2 7 .6 均等割 1 3 . 5

法人税割 8 9 .2 所得割 3 4 2 . 0

事業所税 7 .3

計 1 2 4 .1 3 5 5 . 5 4 7 9 .6

法人県民税 4 7 .0 個人県民税 1 4 8 . 0 法人事業税 2 2 0 .0

個人事業税 1 0 .0

計 2 7 7 .0 1 4 8 . 0 4 2 5 .0

総  計 4 0 1 .1 5 0 3 . 5 9 0 4 .6

市町村民税

県民税

法人 個人

(出典)「平成22年度一般会計予算(当初)(沖縄県)」 

「市町村税決算(平成 22年度  沖縄県企画部市町村課)」 

図表  法人及び個人の税収係数 

県内生産額 

5 兆 9,336 億円 

沖縄県の市町村民税+県民税

401.1 億円 

法人の税収係数 

0.007 

÷ =

法人の  税収係数

雇用者所得 

1 兆 9,870 億円 

沖縄県の市町村民税+県民税

503.5 億円 

個人の税収係数 

0.025 

÷ =

個人の  税収係数

(億円) 

(億円) 

② 浦添市への税収効果の算定方法

税収係数の推計に用いた平成 22 年の市町村民税は、法人および個人をあわせて合計 479.6億円となっており、県民税を含めた全体の合計金額904.6億円の約53%を占め る。ただし、平成 19 年の改正により、標準税率は1律10%、市町村民税:都道府県税 は、6:4 の比率になったことから、市町村民税による効果分を税収効果全体の 60%と設 定する。 

また、税源移譲による地方の増額効果を 1.3 倍と仮定する。さらに、沖縄県全体の市町 村民税に占める浦添市の割合は、約 10%であることから、浦添市への税収効果を下記の とおり設定する。 

図表  浦添市への税収効果の算定式 

図表  税源移譲による変化(参考) 

× ×

0.1

浦添市への  税収効果 

沖縄県全体の税収効果

0.6 1.3

×

市 町 村 民 税 効 果 分  

税源移譲  効果分 

県全体に占める 浦添市の  市町村民税割合

(億円) 

所得税 住民税 合計

300万円

0 9 ,0 0 0 9 , 0 0 0

500万円

1 1 9 ,0 0 0 7 6, 0 0 0 1 95 , 0 0 0

700万円

2 6 3 ,0 0 0 1 9 6, 0 0 0 4 59 , 0 0 0

給与収入

税源移譲前 ( 単位: 円)

所得税 住民税 合計

0 9 , 0 0 0 9 , 0 0 0

5 9, 5 0 0 1 35 , 5 0 0 1 95 , 0 0 0 1 65 , 5 0 0 2 93 , 5 0 0 4 59 , 0 0 0

税源移譲後 ( 単位:円)

(出典)財務省 HP 

(注)夫婦+子供 2人の場合(年額)。実際の額については、他の要因によって異なる。 

③ 浦添市への法人税・個人税による税収効果

地区分類ごとの税収効果の推計結果を以下にまとめる。 

法人税・個人税による税収効果については、経済波及効果による税収効果の推計を、売上 による効果および建設費による効果の 2 つに分けて推計を行った。 

図表  浦添市への税収効果 

売上

( 百万円/ 年)

4 2 5 7 8 9

建設費

(百万円)

7 7 2 9 4 0

売上

( 百万円/ 年)

4 0 5 0 8 1

建設費

(百万円)

2 3 3 2 4 9

売上

( 百万円/ 年)

5 6 6 8 1 1 4

建設費

(百万円)

4 1 5 7 8 7

売上

( 百万円/ 年)

6 3 7 9 1 2 9

建設費

(百万円)

9 0 12 6 1 9 2

売上

( 百万円/ 年)

3 1 3 9 6 3

建設費

(百万円)

7 0 9 8 1 4 9

売上

( 百万円/ 年)

2 3 3 29 4 4 7 6

建設費

(百万円)

3 0 0 34 2 5 1 8

文化産業地区

(立地面積2 0ha)

地区分類

健康・医療産業地区

(立地面積20ha)

住宅地区

(立地面積6 9ha)

商業業務地区

(立地面積1 8ha)

合計

(立地面積160ha)

経済波及効果による税収効果額

(個人・法人市民税)

直接効果額

直接効果額+

1 次効果額

直接効果額+

1 ・2 次効果額

リゾートコンベンション産業地区

(立地面積33ha)

図表  沖縄県全体への税収効果 

売上

( 百万円/ 年)

5 4 1 73 1 1 ,1 4 0

建設費

(百万円)

9 8 6 37 0 5 1 9

売上

( 百万円/ 年)

5 0 9 64 3 1 ,0 3 3

建設費

(百万円)

2 9 4 41 3 6 2 9

売上

( 百万円/ 年)

7 2 4 87 0 1 ,4 6 3

建設費

(百万円)

5 2 2 73 3 1 ,1 1 7

売上

( 百万円/ 年)

8 1 0 1 , 01 6 1 ,6 5 9

建設費

(百万円)

1 ,1 5 3 1, 61 8 2 ,4 6 5

売上

( 百万円/ 年)

4 0 1 50 5 8 1 0

建設費

(百万円)

8 9 5 1 , 25 6 1 ,9 1 4

売上

( 百万円/ 年)

2 ,9 8 5 3, 76 5 6 ,1 0 5

建設費

(百万円)

3 ,8 5 0 4, 39 1 6 ,6 4 4

経済波及効果による税収効果

(個人・法人市民税)

直接効果額

直接効果額+

1 次効果額

直接効果額+

1 ・2 次効果額

商業業務地区

(立地面積1 8ha)

合計

(立地面積160ha)

リゾートコンベンション産業地区

(立地面積33ha)

文化産業地区

(立地面積2 0ha)

健康・医療産業地区

(立地面積20ha)

住宅地区

(立地面積6 9ha)

地区分類

3)  固定資産税税による税収効果 

① 固定資産税(土地)の推計方法

固定資産税については、固定資産評価基準をもとに、地価評価額の 7 割を目処として評 価し、商業地の負担水準を7割、住宅地については、負担水準を1/3 とする。地価評価 については、2008 年を基準とし、平成 20 年度現在の税率 1.4%を用いる。 

図表  固定資産税(土地)の推計式 

(注)負担水準とは個々の宅地の課税標準額が評価額に対してどの程度まで達しているかを示すもの。 

② 固定資産税(建物)の推計方法

建物の固定資産税については、総務省「固定資産評価基準」に従い再建築費価格を基準 として評価する方法が採用されている。再建築費価格とは、評価の対象となった建物と同 一の建物を、評価の時点においてその場所に再度新築した場合に必要とされる建築費を基 礎として、評価額を求める方法である。固定資産評価基準では建物の「構造」および「用 途」別に評点項目ごとの標準評点数が設定されている。 

ただし、今回の推計にあたっては、一般的な評価額の範囲が建設費用の 50%〜70%の 範囲であることから、商業地の評価基準については、5割を目処として、平成20年度現 在の税率 1.4%を用いる。 

また、住宅地の評価基準については、建設費用の 6 割を目処として、平成 20 年度現在 の税率1.4%を用いる。ただし、平成20年度の税制に基づき、新築の建物は120㎡ま での部分に対して一般の住宅は 3 年間、固定資産税の負担水準を 1/2 とする。 

沖縄振興開発金融公庫「平成14年度マイホーム新築資金利用者調査結果」によると、

住宅面積 1 ㎡あたりの建築費 193,000 円(参考データ集)である。本地区の住宅地にお ける建ぺい率/容積率を、浦添市の標準的な低層住宅地の建ぺい率/容積率である、50%

/100%と想定する。 

評価基準 0.7  商業地の

地価平均

負担水準 0.7 

×

商業地の  固定資産税

住宅地の  固定資産税

× ×

税率  0.014 

評価基準 0.7  住宅地の

地価平均

負担水準 1/3 

× × ×

税率 

0.014

関連したドキュメント