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年度には、RFI(Request For Information)により調査研究 13 件を開始し、平成 28 年 9 月に実施したステップゲートを経て革新的な研究開発に明確な道筋を付けた 7 件に絞り込み先導

ワークショップ、個別知財戦略

平成 27 年度には、RFI(Request For Information)により調査研究 13 件を開始し、平成 28 年 9 月に実施したステップゲートを経て革新的な研究開発に明確な道筋を付けた 7 件に絞り込み先導

研究を実施しているほか、平成 28 年度には、社会課題解決のために必要な要素技術を課題設定型

公募にて 11 件採択し、先導研究を実施している。

III-2

2. 個別テーマの研究開発成果

A. 次世代人工知能技術分野

研究開発目標 成果 達成度

【A-1】平成 27 年度採択①(先導研究→研究開発)

研究開発項目① 大規模目的基礎研究・先端技術研究開発

研究開発項目② 次世代人工知能フレームワーク研究・先進中核モジュール 研究開発研究開発項目③ 次世代人工知能共通基盤技術研究開発

【A-1-1】「人間と相互理解できる次世代人工知能技術の研究開発」

(委託先:国立研究開発法人産業技術総合研究所 人工知能研究センター(AIRC)) <拠点>

【A-1-1-1】「視覚野を中心とした適応的知能を支える神経機構の解明」

(委託先:国立研究開発法人産業技術総合研究所)

先導研究目標 研究開発成果 達成度

状況に応じて異なる行動を選択す ることが可能な適応的な脳内情報 処理に着目する。大脳皮質の神経 ネットワークを非線形システムと みなし、そのシステム同定を行う のに適した機械学習手法を検討 し、形態視、具体的には顔や物体 などの認識に関わる階層的な視覚 情報処理の諸様相を明らかにす る。

状況に応じて異なる行動を選択するこ とが可能な適応的な脳内情報処理を明 らかにするため、眼球運動制御におけ る大脳皮質の役割について調べる。

眼球運動制御において、文脈依存の運動制御は 大脳皮質、運動学習は大脳皮質より下流(小 脳)で担われることが明らかになった(投稿論 文(2))。

達成

大脳皮質における非線形システム同定 に適した機械学習手法を検討する。形 態視、具体的には顔や物体などの認識 に関わる階層的な視覚情報処理の諸様 相を明らかにする。

高次視覚野の形態の視覚認知に関与する神経細 胞集団が、視覚的ノイズによる攪乱という状況 下においては、より時間をかけて情報を処理す ることを明らかにした(投稿論文(1))。

達成

最終目標 研究開発成果 達成度

計算機を用いた情報表現のシミュ レーションと実際の脳における情 報表現を比較することで、顔や物 体などの意味表現のアーキテクチ ャから、感覚運動変換を含めた運 動制御まで、動的な状況下に適応 した情報処理を実現するメカニズ ムについて、また、脳損傷後の適 応をモータらす神経活動変化や構 造変化について、知見を提供す る。

計算機を用いた情報表現のシミュレー ションと実際の脳における情報表現を 比較することで、顔や物体などの意味 表現のアーキテクチャから、感覚運動 変換を含めた運動制御まで、適応的知 能を実現するメカニズムについて、知 見を提供する。

大脳皮質における非線形なシステム同定につい て、システムの非線形パラメータを従来手法で ある一般化線形モデルに匹敵する精度で、高速 に計算する新規な機械学習法を開発した(投稿 論文(3))。運動・行動をモニターするため、視 線検出を行うシステムについてより簡便な校正 法を開発した(特許出願)。

H29/8 現在、15%を 達成。

限られた情報から適切な情報処理を行 うメカニズムを明らかにするため、脳 損傷後の適応をもたらす、あるいは、

電気刺激による、神経活動変化や構造 変化について、知見を提供する。

脳損傷後の神経の不適切な適応反応である疼痛 の背景にある神経の変化、あるいは、電気刺激 に伴う神経の変化を捉えるための実験系を確立 した(投稿論文(6)あるいは(4、5))。

H29/8 現在、30%を 達成。

III-3

III-4

【A-1-1-2】「大脳皮質の領野間結合の双方向性を模倣した、ロバストな認識を可能とする人工視覚野」

(委託先:国立研究開発法人産業技術総合研究所、共同実施先:国立大学法人東京大学))

先導研究目標 研究開発成果 達成度

視覚野の階層的エンコードモデル 構築のため、スパクトリガードア ベレージ(STA)に基づく受容野構造 の抽出法を開発する

フーリエ基底による LASSO 手法の開発

スパースモデリング(SpM)の手法の一つに LASSO と呼ばれる手法がある。この手法は通常、実空 間において、二次誤差項に L1 正則化項をもつ最 適化問題として定義されている。提案法では、

実空間に替えて、フーリエ空間において、二次 誤差項に L1 正則化項をもつ最適化問題(フーリ エ LASSO)を定式化した。V1 単純型細胞を始めと する受容野はフーリエ基底によってよく表現で きると考えられる。これにより、周波数空間に 構造をもつ受容野の STA 画像に対して、よりス パースに記述できると期待される。

達成度 100%

テストデータによる実験

単純型細胞の空間的神経応答特性を模擬した模 型として、ガボールフィルタを真の受容野と仮 定してランダムな刺激をフィルタに作用させ た。その後発火応答と反応刺激を人工データと して得た。この人工データから STA を計算し、

STA を入力してフーリエ LASSO を適用した結果、

真の受容野を STA より精確に復元できることを 確認した。

達成度 100%

サルの神経生理学データへの適用

サルの神経生理学データに適用した結果、デー タ量を 30 分の1にした状況においても、STA を 大幅に上回る性能があることが分かった。

達成度 100%

最終目標 研究開発成果 達成度

低次視覚の神経応答特性の再現に 基づく、次世代の脳型人工知能の 設計原理の探索

時 空 間 特 性 を も つ 単 純 型 細 胞 に 対 し て、 3 次元(空間二次元+時間一次元)へ 拡張した提案手法を適用し、検証する

実データ解析に向けて、人工データの作成を行 い、提案手法の拡張を適用することで、予備的 結果を得つつある。

H29/8 現在、30%を 達成。

複雑型細胞の実データに、提案手法を 適用し、検証する

複雑型細胞における時空間分離性や両眼視差特 性についての調査研究を進めている。

H29/8 現在、5%を 達成。

視覚二次野や高次の視覚野を対象とし た解析手法に展開する。

ターゲットとする実データについて、実験グル ープとの議論を進めている。

H29/8 現在、5%を 達成。

III-5

III-6

【A-1-1-3】「複雑な運動を少ない経験から学習・獲得し、滑らかに動作する脳型人工知能の開発」

(委託先:国立研究開発法人産業技術総合研究所、再委託先:国立大学法人電気通信大学)

先導研究目標 研究開発成果 達成度

大脳基底核・補足運動野・前運動 野からなるシーケンス生成の数理 モデルを構築する。小型ヒューマ ノイドロボットに 10~20 種類程度 の様々な運動のシーケンスを教示 する。その過程でそれらのシーケ ンスに共通するプリミティブが抽 出され、かつプリミティブのシー ケンスとして運動が獲得されるこ とを検証する。最後に教示したシ ーケンスが正しく再生されること を確認する。

大脳皮質モデルによる運動プリミティ ブの抽出

大脳皮質運動野階層に見たてた深層畳込ネット ワークに対して、Tanji & Shima (1994)の実験 で用いられた運動シーケンスと同等の腕軌道を 入力とし、シーケンスの抽象表現が深層学習器 によって獲得されるかどうかを検討した。Tanji

&Shima (1994)と同様の内部表現(運動プリミテ ィブ)が階層的に獲得されることを確認した。

達成

大脳皮質基底核ループによる運動シー ケンスの生成

大脳基底核モデルを組み合わせて大脳皮質基底 核ループを構成することで、深層学習器で獲得 したプリミティブを時空間的に出力し、実際に 運動シーケンスを生成することに成功した。

達成

実機のロボットを用いた検証

小型ヒューマノイドロボット NAO を用いて、シ ーケンス生成のデモンストレーションを行っ た。正しく動作し、指示したシーケンスを生成 することに成功した。

達成

最終目標 研究開発成果 達成度

構築した全脳学習アーキテクチャ を改良し続けるとともに、与える データを大規模化し、より複雑な 運動データからのプリミティブ抽 出と運動生成を行う。特に、内部 シミュレーションによる新動作の 獲得ならびに状態空間のコンパク トな表現による新動作獲得の高速 化を目指す。

計算機を用いた情報表現のシミュレー ションと実際の脳における情報表現を 比較することで、顔や物体などの意味 表現のアーキテクチャから、感覚運動 変換を含めた運動制御まで、適応的知 能を実現するメカニズムについて、知 見を提供する。

大脳皮質における非線形なシステム同定につい て、システムの非線形パラメータを従来手法で ある一般化線形モデルに匹敵する精度で、高速 に計算する新規な機械学習法を開発した(投稿 論文(3))。運動・行動をモニターするため、視 線検出を行うシステムについてより簡便な校正 法を開発した(特許出願)。

H29/8 現在、15%を 達成。

限られた情報から適切な情報処理を行 うメカニズムを明らかにするため、脳 損傷後の適応をもたらす、あるいは、

電気刺激による、神経活動変化や構造 変化について、知見を提供する。

脳損傷後の神経の不適切な適応反応である疼痛 の背景にある神経の変化、あるいは、電気刺激 に伴う神経の変化を捉えるための実験系を確立 した

(投稿論文(6)あるいは(4、5))。

H29/8 現在、30%を 達成。