Clinical study on patients with Atypical Odontalgia
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【 目的 】 身体表現性障害は器質的異常が無いにもかかわらず、身体の痛みや違和感などを執拗に 訴え続ける精神疾患であり、身体疾患を模倣する疾患と定義されている。身体表現性障害患者の 治療にあたっては、訴えに対する局所への歯科的治療は無効な事が多く、治療を進める上では心 理的な把握が重要である。今回口腔内愁訴で当センターを受診し、精神科医の診察にて身体表現 性障害と診断された症例において検討を行ったので報告する。
【 対象 】 症例は平成 23 年 1 月から 24 年 3 月までの 15 ヶ月間で久留米大学歯科口腔医療センター を受診し、精神科医の診察にて身体表現性障害と診断された 18 例。
【 結果 】 平均年齢は 61.4 歳。男性は 3 名、女性は 15 名と女性が大半であった。患者の主訴は 18 例中 17 例(94.4%)が「口腔内の痛み」であった。うち 11 例(61.6%)が舌痛を訴えていた。発 症誘因は、家族間の不満や不安が最も多く 7 例で 38.9%、精神科受診歴のある患者は 1 例のみで あった。精神科紹介までの当センター診察回数は 1 〜 3 回が 18 例中 16 例(88.9%)であった。
【 考察 】 生活史聴取により患者の多くは、日常生活上の心理的ストレスが背景となり、その葛藤 が根底にある日々が持続することで口腔内に愁訴が投影されて出現していた。なお、精神科紹介 後の歯科治療等についても検討し、身体表現性障害患者への治療的対応について考察を行なう。
○津山 治己1)、武井 雄介1)、古賀 千尋2)、中村 芳明3)、楠川 仁悟1)、高向 和宜4)
1)久留米大学医学部歯科口腔医療センター、2)福岡歯科大学口腔医療センター、3)高木病院歯科口腔外科、
4)たかむきメンタルクリニック
○Haruki Tsuyama
1), Yusuke Takei
1), Chihiro Koga
2), Yoshiaki Nakamura
3), Jingo Kusukawa
1), Kazuyoshi Takamuki
4)1)Dental and Oral Medical Center, Kurume University School of Medicine 2)Oral Medical Center, Fukuoka Dental Collage
3)Dental and Oralsurgery, Takagi Hospital 4)Takamuki Mental Clinic
口腔内愁訴を呈した身体表現性障害の臨床的検討
Clinical study on Somatoform Disorders which have oral complaints
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キーワード:口腔顔面痛、精神疾患簡易構造化面接、心身医学的診断
【 緒言 】 口腔顔面領域の疼痛に心理的因子が関与する病態は決して少なくない。そこで今回、精 神疾患簡易構造化面接法である M.I.N.I.(The Mini‑International Neuropsychiatric Interview)
を用い、口腔顔面領域の痛みを有した患者の心身医学的診断を試みたので報告する。
【 対象および方法 】 対象は新潟大学医歯学総合病院歯科麻酔科診療室の受診患者のうち、本調査 に同意の得られた口腔顔面痛患者とした。患者には M.I.N.I. を用いた精神疾患簡易構造化面接を 行い、併せて抑うつ・不安の評価として HADs(Hospital Anxiety and Depression scale)、身 体感覚増幅の評価として SSAS(Somatosensory Amplifi cation Scale)による自己記入式質問票 も行った。得られた結果より、M.I.N.I. による心身医学的診断と口腔顔面痛の各疾患との関連性 の有無、および HADs, SSAS の結果との比較検討を行った。
【 結果 】 対象患者は 43 名で(男性 3 名、女性 40 名、平均年齢 50.7 ± 14.3 歳)、歯科診断名は、顎 関節症 15 名、非定形顔面痛・歯痛 9 名、舌痛症 8 例、三叉神経障害性疼痛 11 例であった。M.
I.N.I. による診断結果は、鑑別不能型身体表現性障害が最も多く、これらの症例では、HADs の 不安・抑うつ得点が低い傾向がみられた。なお、歯科診断と M.I.N.I. による診断結果には明らか な関連性はみられなかった。
【 考察 】 今回の調査ではまだは症例数が少ないが、HADs などの心理テストだけでは心理的因子 の関与の判定に苦慮するような患者に対して、M.I.N.I. による心身医学的診断を行うことは、口 腔顔面痛患者の治療戦略上有用であると考えられた。
○田中 裕1)、瀬尾 憲司1)、村松 芳幸2)、村松 公美子3)
1)新潟大学大学院医歯学総合研究科 口腔生命科学専攻顎顔面再建学講座歯科麻酔学分野、
2)新潟大学医学部 保健学科、3)新潟青陵大学大学院
○Yutaka Tanaka
1), Kenji Seo
1), Yoshiyuki Muramatsu
2), Kumiko Muramatsu
3)1) Department of Tissue Regeneration and Reconstruction, Division of Dental Anesthesiology, Niigata University Graduate School of Medical and Dental Sciences, Course for Oral Life Science
2) School of Health Sciences Faculty of Medicine, Niigata University 3) Niigata Seiryo University Graduate School
精神疾患簡易構造化面接法を用いた口腔および顔面領域に 対する痛患者の心身医学的アプローチ
Psychosomatic investigation of diagnosis of the patients with Orofacial pain by using of the Mini International Neuropsychiatric Interview(M.I.N.I.)
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キーワード:非定型歯痛、プレガバリン、アミトリプチリン
【 緒言 】 歯科心身症患者に薬物療法を行う際、初めは抗うつ薬の処方に抵抗を示す症例が散見さ れる。今回、疼痛に対し第一選択薬としてプレガバリンを用いたところ疼痛の軽減が見られた事 から、抗うつ薬に対する導入が容易となり、少量のアミトリプチリンを追加する事でさらに疼痛 を抑える事ができた症例を体験したため報告する。
【 症例 】 39 歳、女性。4 〜 5 日前から下顎前歯部に強い痛みを感じたため当院総合診療科受診。
「下の前歯の奥の方が痛い、夜になると痛みが増す」との訴えがあったが、X 線検査等で訴えに 相応する器質的異常所見が認められなかったため当センター受診となり病歴、疼痛の性状等から 非定型歯痛と診断した。初診時は抗うつ薬の処方に抵抗を示したため、まずはプレガバリンが末 梢性神経障害性疼痛に効果があると説明し服薬の同意を得た。その後プレガバリンによってある 程度の鎮痛効果が認められたこともあり、抗うつ薬の処方に対しても理解が得られたためアミト リプチリンを追加したところ、さらに疼痛の軽減が認められた。
【 考察 】 非定型歯痛患者に対し薬物療法を行うにあたって、抗うつ薬の処方に抵抗を示す患者の 処方開始時にプレガバリンを用いる事で、軽度の鎮痛効果と抗うつ薬に対する理解や導入が期待 できる可能性があると考えられた。
○加藤 雄一、永島 未来、石川 結子、吉田 和正、小川 智久、大津 光寛、石井 隆資、
羽村 章、岡田 智雄
日本歯科大学附属病院 心療歯科診療センター
○Yuichi Kato, Miki Nagashima, Yuiko Ishikawa, Kazumasa Yoshida, Tomohisa Ogawa, Mitsuhiro Ohtsu, Takashi Ishii, Akira Hamura, Tomoo Okada
Clinical center of Psychosomatic Dentistry, The Nippon Dental University Hospital
プレガバリンを第一選択薬としアミトリプチリンの 併用によって奏功した非定型歯痛の 1 例
A case of atypical odontalgia was improved by pregabalin as drug of fi rst alternative therapy in combination with amitriptyline
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キーワード:非定型歯痛、SSRI、ベンゾジアゼピン系抗不安薬
【 緒言 】 従来より非定型歯痛に対する第一選択薬は三環系抗うつ薬とされてきたが、当科では SSRI とベンゾジアゼピン系抗不安薬の併用療法で、良好な結果を得ている。今回、最近経験し た 2 症例を報告する。
【 症例 1 】 30 代女性、主訴:「歯を抜いた周囲から下あご全体が痛い」現病歴:高校時代、左下 7 抜髄根充後、金属冠が装着され以後、体調不良時に挺出感が出現した。X‑2 年、同歯の鈍痛が 出現し約 1 年に亘り、感染根管治療が行われたが症状は完全にとれず抜歯が行われた。抜歯後の 治癒は良好であったが、以後、間欠的に同部から下顎骨、顎下部にかけて鈍痛が出現するように なった。当科受診時、訴えに見合う異常所見認めず、非定型歯痛と診断し、フルボキサミン 50
㎎/ 日とブロマゼパム 2㎎/ 日の投与を開始した。投与 2 週後から効果を認め、3 月後には症状消 失、さらに 3 月後には離脱可能になった。
【 症例 2 】 30 代女性、主訴:右上中切歯周囲の鈍痛、現病歴:両側上顎中切歯の捻転に対し、担 当医からメタルボンドでの歯列矯正を勧められ、X‑4 か月、有髄歯であった右上中切歯を抜髄 根充された。以後、同歯の鈍痛や違和感を意識するようになり、同歯科からの紹介で当科受診。
診察時、訴えに見合う異常所見認めず、心理テストでうつ傾向を認めたため、非定型歯痛と診断 し、パロキセチン 10㎎とロフラゼプ酸エチル 1㎎の投与を開始した。パロキセチン 30㎎で症状 消失し、現在、漸減中で ある。
○阿部 圭吾、山崎 裕、秦 浩信、坂田 健一郎、村田 翼、北川 善政
北海道大学大学院歯学研究科 口腔診断内科学教室
○Keigo Abe, Yutaka Yamazaki, Hironobu Hata, Kenichiro Sakata, Tsubasa Murata, Yoshimasa Kitagawa
Oral Diagnosis and Medicine, Graduate School of Dental Medicine, Hokkido University
非定型歯痛に対する SSRI とベンゾジアゼピン系抗不安薬の 併用療法
Two cases of atypical odontalgia treated with selective serotonin reuptake inhibitor and benzodiazepine
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舌痛症は、心理情動因子に起因し、それに見合うだけの器質的変化がないものと定義されてい る。したがって、臨床の場では全身的・局所的病変がないこと、あるいはうつ病など内因性精神 障害を否定する必要がある。今回われわれは、うつ病の加療中にカンジダ性舌炎と診断されるも、
心理的アプローチを要した 1 例を経験したので報告する。
【 症例 】 68 歳、女性
【 主訴 】 舌痛
【 既往歴 】 うつ病、当院精神神経科にて加療中
【 現病歴 】 以前より、食欲不振や舌痛を生じていたが自然軽快していた。その後、抑うつ気分・
舌痛が出現。近医内科にて抗不安薬の処方を受けていたが症状悪化したため、平成 13 年 3 月当 院精神神経科初診。うつ病の診断で内服加療中、平成 23 年 4 月舌痛増悪したため、同月近医歯 科より紹介受診。
【 経過 】 初診時よりカンジダ性舌炎を疑い保湿および抗真菌剤による含嗽を開始、その後細胞診 でカンジダを同定した。同年 12 月初旬当科再診時、過呼吸および舌疼痛増悪あり。精神神経科 より家庭内不和によるうつ症状の増悪と診断され、12 月下旬舌疼痛加療および休養目的で入院。
入院中は精神神経科医師による薬物療法を主体とした加療および当科での抗真菌薬による含嗽と 口腔ケアを行った。心気的な訴えが多いものの、入院により休養がとれ、早期に心理的安定化を 認め 1 月中旬に退院。器質的疾患による舌痛においても、心理的アプローチが重要と考えられた。
○上野 繭美1)、江川 正義1)、吉川 浩郎2)、吉野 綾2)、関根 浄治1, 2)
1)島根大学医学部附属病院 歯科口腔外科 オーラルメディシン外来、2)島根大学医学部 歯科口腔外科学講座
○Mayumi Ueno
1), Masayoshi Egawa
1), Hiroo Yoshikawa
2), Aya Yoshino
2), Joji Sekine
1, 2)1)Division of Oral Medicine, Department of Oral and Maxillofacial Surgery, Shimane University Hospital 2)Department of Oral and Maxillofacial Surgery, Shimane University Faculty of Medicine