GNSS + TS採用値
2.3 本章のまとめ
4.5.1 平静時再現のための MMS 計測
4-12
4.5 災害廃棄物の暫定排出量計測への適用
平成 30 年 7 月豪雨災害のような大規模な浸水被害が発生すると,被災した家屋等から一 斉に災害廃棄物が排出される.その際に,一時仮置場や暫定仮置場の指定などの廃棄物処理 の対応が遅れると,指定場所以外の仮置場が発生し復旧を妨げる恐れがある.平成 30 年 9 月 18 日に倉敷市が策定した平成30 年 7 月豪雨に伴う倉敷市災害廃棄物処理実行計画では,
「被災直後から発生している街中の災害廃棄物等の回収や身近な仮置場の早期解消による 被災住民の生活環境保全上の支障をなくすこと」が目標として記されている.この事からも,
災害直後から災害廃棄物の量を把握し,適切な仮置場を指定することは重要であると考え られる.
図 4-16
は道路脇に積み上げられた災害廃棄物の状況である.図 4-16 災害廃棄物の暫定仮置場
4-13
図 4-17 岡山市国ケ原地区における災害ゴミ蓄積状況と平静時の状況 計測地点
赤線:計測コース
2018.07.12
2019.03.05
4-14
4.5.2 暫定排出量算出アルゴリズム
前節までに取得したデータを基に,平静時と災害時に取得した MMS データから災害廃 棄物の体積を算出するアルゴリズムを構築した.アルゴリズムの概要を
図 4-18
に示す.図 4-18 暫定排出量算出プログラムのアルゴリズム
(a) 前処理として,平静時 MMS データと災害時 MMS データから災害ゴミの暫定仮置き場 の点群データを抽出する.
(b) 各データについて,繰り返し処理を開始する.
(c) TIN を生成する.
(d) TIN の各三角形に対して面積計算を実施する.
4-15 (e) 三角形の標高値を算出する.
(f) (d),(e)の値を使用して三角柱の体積を算出する.
(g) (f)にて算出した体積を足し上げて各データの体積値を算出する.
(h) 繰り返しの終了
(i) 二つの体積を差し引きして,災害ゴミの体積を算出する.
図 4-19
は当アルゴリズムをプログラム化し,災害廃棄物の体積算出を試みた状況である.平静時に取得したデータが上段,災害時に取得したデータが下段である.平静時に奥深くま でレーザデータが取得できているのに比べ,災害時には災害廃棄物が前面に出ているため に奥まで密な計測が出来ないことがみてとれる.しかしながら,本事例では密ではないもの の災害ゴミの裏側にも点群が存在したため体積算出が可能であった.
図 4-19 取得した 2 時期の点群データの状況
4-16
当時の現況を再現することは難しいため計算結果の検証は困難であるが,算出された災 害廃棄物の体積は 411m3であった.この結果は,平静時に MMS データを取得しておけば,
災害発生時に MMS 計測を実施することにより,道端に集積された災害廃棄物の体積が算 出可能であることを示唆している.