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不 正 競 争 法 序 説
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工労働者も雇傭されて︑同じ船舶の上で働いていたのであるが︑この鉄工労働者は︑原告が以前他の船舶上で鉄工労働に従事
したことがあることを理由として︑原告等が雇傭されることに反対した︒鉄工労働者の組合のロンドン支部長であるアレンは
これを聞き直ちに雇主に対して通知して︑前記舟大工を解雇しない限り全鉄工労働者を就業させないようにすると申入れた︒そこで会社は︑原告等との契約約款に基いた解除程を行使して原告等を解雇した︒原告等は︑被告は不法に原告等を害する意
図のもとに会社に居備契約を破棄せしめ︑その上原告等を脅迫して契約を破棄させたものであると主医して訴を提起した︒一
審及び二審とも原告が勝訴したが︑貴族院ではこれを覆し被告勝訴の判決をした︒
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アメリカの原則はイギリスのそれと異って︑不法行為成立の要件として動機を考慮することを要するというのが現
在の通説となっている
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口もっとも︑裁判所によって切々繰り返されるところによれば︑動機を問題の外においた)
事件も多くみられる(担︑またクlレイは﹁邪思な動機は︑思い事件を一見に思くすることはあっても︑それ自体適法
な行為を不法とすることはできない﹂と述べている(巴︒こうして︑自分の土地から他人を閉め出すこと︑侵害者を
追い出すこと︑侵害物を移動させること︑あるいは誹段的な真実を公表することなどが︑行為者の邪思な動機にもか
かわらず免責された多くの事例がみられる︒
しかし︑法が行為の性質に限を注ぎ︑被害者の権利を侵害せんとする故芯に注芯を向けるときは︑当然行為者の勤
機が問題とされるに至る︒このことは両当事者の利益あるいは権利を考慮したときに一層明らかとなるであろう︒す
なわち︑問題の行為に合まれる当事者の法益が均衡していて︑両者の権利も何等特定の法によって規定されたもので
なく相関的なものである場合に︑行為者が有責であるか否かを決定するために︑行為者の動機はそれ自体重要な要件
となるのである
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かようにしてイギリスでは不法行為とされないところの行為︑たとえば︑単に原告の展望を妨
げたり光や空気を遮蔽したりするために塀を築造することなどは︑
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lサンスとして不法行為であるとした多くの
判例がある(臼)口名誉段損︑悪意訴追などについても同様である︒
右に述べたところから判例は更に進んで︑
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︒日く﹁故意に︑通常の過程では損害が発生するような行為をなし︑実際に他人の財産あるいは営業に損害)
を与えた場合は︑その行為に免責事由がない限り︑訴え得るものである︒﹂しかしこれは単に︑動機が不法行為責任の
要件として重要であることを強調したものである︒動機に関する真の問題は︑当事者間の利益が均衡した︑しかも相
反的なものであり︑被告の目的が原告の犠牲において達成されることが︑社会的に妥当か否かを判断する場合引合に
不 正 競 争 法 序 説
五
東 洋
法
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出 さ れ る と こ ろ に 存 す る の で あ る
︒ た と え ば 営 業 競 争 や 労 使 聞 の 紛 争 な ど は そ の 好 例 と な る で あ ろ う
︒ 殊 に 営 業 関 係 に 対 す る 侵 害 に つ い て は
︑ 動 機 は 責 任 の 決 定 的 要 素 で あ り
︑ 不 法 行 為 の 中 心 で あ る と い わ れ る
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たとえば斗己己σ
ぐ・回口岳(日﹀事件の原告はある村で理髪営業をしていた︒被告は大きな財産をもち︑同村その他で銀行を経営してい た が
︑ 原 告 に 怨 恨 を も ち
︑ 今 ま で 営 ん で い な か っ た 理 髪 居 を 原 告 の 屈 の 隣 に 開 き
︑ 二 人 の 理 髪 師 を 雇 っ て 採 算 を 無 視 し た 料 金 で 客 を と っ た
︒ こ の た め 原 告 は 非 常 な 損 害 を 蒙 っ た と い う 事 件 に お い て
︑ 被 告 の 行 為 は 不 法 行 為 で あ り
︑ 担 害 賠 償 責 任 あ り と 判 示 さ れ た
︒ す な わ ち
︑ 営 業 競 争 が 免 責 と さ れ る の は 善 意 の と き に 限 る の で あ り
︑ 専 ら 他 人 に 損 害 を加えるという動機からする営業競争は不法行為であるというのである︿立︒
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