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ドキュメント内 2­1­2 調査手法 (ページ 45-49)

(3)事例③

 事例③における影響事項の特徴は、「既存建物の耐震性」が低いこと、「住民の負担額」

が小さいこと、「管理組合の体制」への評価が低いことである。

表3­17 事例③における改修設計者の業務フローと改修工事内容

:業務が行なわれた時期および期間 設計工事監理

耐震診断合意形成支援 施工者選定 評定・助成金取得

0 (年) 1 2 3

計画全体の期間

通常業務

付随業務

後半期 前半期

設備

耐震補強工事

住みながら改修 改修形式

1階共用部の壁3枚増設、柱1本補強

1階共用部の外装改修

設備更新(専有部への侵入あり)

内外装

 業務フローから、設計業務と耐震診断に長期間を要していることがわかる。改修設計者は 耐震診断の結果を受けて、初期の設計では建替え案や全階における補強案を提示したが、専 有部での工事に対する反対や予算の問題により、最終的には”将来の全面的な改修に向けて の1ステップ”という位置づけで、1階のみの部分補強を行なっている。そのため設計内容 の変更が多く、設計業務に多くの時間を要している。耐震診断に時間がかかった要因として は、マンションがSRCとRCの混構造で、脆弱箇所が複数存在していたためと考えられる。

 合意形成支援業務の実務内容は、基本構想の資料作成および説明、改修計画書の作成およ び説明のみにとどまっている。この事例のように、「既存建物の耐震性」が低く、かつ「管 理組合の体制」が十分に整っていないケースにおいて全階における補強工事の実施への合意 を得るためには、徹底した合意形成支援業務が必要になると思われる。具体的には、耐震改 修計画の初期段階から改修設計者が管理組合に向けて住民アンケートや住民説明会の実施を 促し、住民が補強の重要性や改修計画の内容について十分に理解できるよう努めることが有 効だと考えられる。

-39-表3­18 事例④における影響事項の評価結果

ⅰ 0ⅱ 0

ⅰ 0ⅱ 2

ⅲ 0ⅰ 0

ⅱ 4ⅲ 0

ⅰ 0

ⅱ 0

ⅲ 0

ⅰ 0ⅱ 0

影響事項

マンションの規模

点数 評価

既存建物の耐震性

工事の範囲 住民の負担額 管理組合の体制

改修設計者の 専門・得意分野

建物調査 意匠設計 構造設計 建築再生 コンサル

0 2

4 0 0

中 中

○◎

(4)事例④

 事例④における影響事項は、「マンションの規模」が小さいこと、「住民の負担額」が小 さいこと、「管理組合の体制」への評価が低いこと、「改修設計者の専門・得意分野」が意 匠設計であることが特徴として挙げられる。

表3­19 事例④における改修設計者の業務フローと改修工事内容

:業務が行なわれた時期および期間 設計工事監理

耐震診断合意形成支援 施工者選定 評定・助成金取得

0 (年) 1 2 3

計画全体の期間

通常業務

付随業務

後半期 前半期

設備

耐震補強工事

住みながら改修 改修形式

共用エントランス柱間を鉄骨ブレース補強 共用エントランスホールの柱増打ち 地下駐車場の構造壁増設

1〜3階共用廊下にスリット補強

内外装

 業務フローから、全ての業務において比較的短期間で終了していることがわかる。「マン ションの規模」が小さかったことで全体の統制がとりやすく、「住民の負担額」も小さかっ たため、耐震改修計画の進行がしやすかったと考えられる。共用部のみで十分な補強が行な えたため、工事も短期間で実現されている。「管理組合の体制」への評価は低いものの、耐 震改修の実現のため協力的な住民が多かったとの改修設計者の意見もあった。例として、地 下駐車場の構造壁増設工事に伴い乗用車を別の場所に移動する必要があった際にも、一時的 な移動のための別の駐車場の確保を、理事会員の方を中心に管理組合側が自ら行なった。ま た、共用エントランス部分のブレース補強を磨りガラスでカバーするなど、改修設計者が意 匠面への配慮を徹底したことで、補強部分の仕上がりのイメージに対する住民の合意が得ら れたことも、スムーズに計画が進められた一因と考えられる。

-41-表3­20 事例⑤における影響事項の評価結果

ⅰ 0ⅱ 1

ⅰ 0ⅱ 0

ⅲ 0ⅰ 2

ⅱ 4ⅲ 2

ⅰ 2

ⅱ 0

ⅲ 0

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