• 検索結果がありません。

2.4 将来計画

2.4.2 将来計画

 MTDは、大量ソースを搭載できるドリフトチェンバーと超伝導ソレノイドを 組み合わせた巨大な検出器となっている。その概念図を図2.4.2に示す。

 搭載するソースの厚みは,15mg/cm2と40mg/cm2の二候補がある。15mg/cm2 の場合はMTD1 台あたり搭載できるソース量が12kgとなり,1年間の運転で得 られる質量感度が天然Nd で0.8eV,濃縮Nd(150Nd,60%) では0.2eV までとなる。

ソースの厚みが薄い場合には,ベータ線のエネルギー損失が少なくて済むためエ ネルギー分解能が良くなり,また線によるコンプトン事象が起こる頻度も少なく なる利点がある。最大でニュートリノ有効質量を20meVまで探索可能である。し かし,1 台あたりのソース量が少ないためMTDの台数を増やさなければならな いことになる。

 一方で40mg/cm2の場合はソース量が32kgとなり,1 年間の運転で天然Ndで 0.5eV,濃縮Ndで0.1eV までとなる。ソースが厚くなるためエネルギー分解能が

2.4.2: MTD検出器の概念図

悪くなり,ニュートリノの有効質量も50meVまでしか探索ができないが,MTD の台数が減らせる利点がある。ソースの厚みによって,エネルギー分解能を良く してMTDの台数を増やすか,エネルギー分解能を悪くしてMTDの台数を減ら すかという兼ね合いは,どの程度の性能を要求するかによって変わってくる。

3 円筒型比例計数管を用いた信号読み出 し機器の動作試験

 DCBA-T3では、ワイヤーピッチの微細化(6mm→3mm)に伴いDCBA-T2.5 と比べ、得られる信号が小さくなることから新たな信号読み出し機器の開発が必 要である。

 本研究では、市販のガス検出器用信号読み出しボード64ch RAINER V1 MODEL RPR-010をDCBA-T3で使用する読み出し機器の候補として検討を 行った。

 ここでは円筒型比例計数管(Tube chamber)と組み合わせた信号読み出し機器 の動作確認試験および、読み出し機器を用いた場合にT3チェンバーで期待され る信号の大きさの見積もりについてのべることとする。

3.1 円筒型比例計数管および信号読み出し機器について

 今回使用する円筒形比例計数管は、Tube Chamberという名称で呼ばれている。

Tube chamberの外観を図3.1.1.に概念図を図3.1.2に示す。陽極は直径20ミクロ ンのステンレス、陰極はアルミパイプでできており、内径26mm、ガスにはT3 チェンバーの動作試験、並びにDCBA-T3にて用いる予定のHe85%、CO215%の 混合ガスを使用する。また後段の読み出し機器に高電圧がかかるのを防ぐため に、出力の前にパルス信号を分離するためのコンデンサーが入っており、高電圧 電源と比例計数管との間にある抵抗はパルスが電源の方ではなく,プリアンプの 方へ行くようにする働きを担っている。

3.1.1: Tube Chamber 外観

3.1.2: Tube Chamber概念図

 信号の読み出しには、林栄精器のガス検出器用読み出しボード64ch RAINER V1 MODEL RPR-010を使用する。

 このボードは信号読み出し用のICであるAmp-Shape-Discriminator(ASD)、 ADC(AD9212)、 TDC(FPGA 内に実装)などの機能を搭載しており、ボード 1枚で64ch分の検出器信号をデジタル化し、SiTCPによりイーサネット経由で PC へ転送することが可能になっている。外観を図3.1.3、その仕様を図3.1.4〜

3.1.6に示す。

3.1.4: 64ch RAINER V1 MODEL RPR-010ボードブロックダイアグラム

3.1.5: 64ch RAINER V1 MODEL RPR-010ボード仕様一覧

3.1.6: 信号読み出し用ICASDチップ)仕様

関連したドキュメント