図3.1.6: 信号読み出し用IC(ASDチップ)仕様
図3.2.2: ASDテストボードのブロックダイアグラム
ASDテストボードにはTest INと本入力INのコネクタがあり、Test INではテ ストパルス入力用に1pFのコンデンサーが入っているが、本入力INにはテスト パルス用のコンデンサーは入っていない。そのためテストパルスを本入力INに 入力するにあたっては、約3.67pFのコンデンサーにつないだ後に、本入力INへ 入力を行った。
ファンクションジェネレーターを用いて、400mVで立ち下がり時間20nsの階 段関数のテストパルス(青)をコンデンサーを通したのちに本入力にいれたとき の、アナログ出力波形(マゼンダ)とデジタル出力波形(黄)は図3.2.3のように なった。
図3.2.3: アナログ出力波形とデジタル出力波形
テストパルスの入力波高をかえて、出力波高をみたものが図3.2.4である。
図3.2.4: 入力波高(横軸)VS出力波高(縦軸)
入力波高が120mVを超えたあたりから、出力波高が飽和しているのがわかる。
以上のことから入力電荷量が440fC程度の大きさまでであれば、このASDチップ のプリアンプが正常に作動する(飽和しない)ということが確かめられた。
次にテストパルスの入力波高を50mVに固定して、立ち下がり時間のみを変え てみたものの、アナログ出力波形の例が図3.2.5〜3.2.7である(波形と色の対応 関係は図3.2.3と同じになっている)。
図3.2.5: テストパルスの立ち下がり時間20ns(青)、アナログ出力波高140mV(マゼンダ)
図3.2.6: テストパルスの立ち下がり時間40ns(青)、アナログ出力波高80mV(マゼンダ)
図3.2.7: テストパルスの立ち下がり時間120ns(青)、アナログ出力波高65mV(マゼンダ)
横軸をテストパルスの立ち下がり時間、縦軸をアナログ出力波高とすると、図
3.2.8のグラフのようになった。なお縦軸は片対数になっている。
図 3.2.8: 立ち下がり時間(横軸)VS出力波高(縦軸)
グラフから出力波高は立ち下がり時間が入力時定数より十分小さいとき200mV 程度になることが予想される。
ここで、入力電荷量と出力波高の関係を調べるために、ファンクションジェネ レーターの後のコンデンサーを通ったあとの入力波形(ASDチップに入る直前の もの)をみてみるとテストパルスの大きさが、5Vで、立ち下がり時間が、20nsで ある場合、図3.2.9のようになった。
図3.2.9: 入力波形(マゼンダ)
この波形を使用して、入力電荷量を見積もるために電圧vs時間の関係から電流 vs時間の波形に直した。
図3.2.10: 入力波形(電流vs時間)
図3.2.10の波形から入力電荷量を求めたところ、入力パルス(5V)のとき入力
電荷量は
1.8239× 10−11[C] (3.2.1) となった。
このことから、入力パルス(50mVp-p)のときの入力電荷量は、
1.8239× 10−13[C] (3.2.2) になる。
182[fC]の入力電荷量のとき出力波高は、ASDチップの増幅率が1.1mV/fCで あるから
182× 1.1=202[mV] (3.2.3)
これは立ち下がり時間と出力波高のグラフから予想される出力波高と一致する。
以上よりASDチップの増幅率は正しいことが確認できた。