本章では、森川学級 の児童が どのよ うに対象世界 と対話 してい るのか、について述 べ る。 冒頭 に述べたが、あ らためて対象世界の考 え方 について、稲垣忠彦 ・佐藤学を 引用す る。
教育実践(授業 と学習)とは、 「世界づ くり(認知内容の編み直 し‑対象 との対話)」と
「仲間づ くり(対人関係 の編み直 し‑他者 との対話)」と 「自分探 し(自己概念の編み直 し‑ 自己 との対話)」の三つが総合 され た複合的ない となみ なのである。 (稲垣 ・佐 藤.1996.p.22)
これまでに、意味の深ま りや対象世界 との対話の深 ま りは、す なわち学びの深 ま り、
と述べてきた。以下では、森川実践 における2つのエ ピソー ド記述か ら、対象世界 と の対話 とはなにか、について言及 したい。
エ ピソー ド1:対象世界‑の誘 い 2009.4.08クロツグ ミ 全5時 第2時
先生 :さぁ、 自分の考 え決 める。 こっちかこっち。 はい、近所 の人 といっぺん相談 し てみ る。相談できるかい?1か2か、決 めてや。では、まだの人訊いて、決めた ? はると ・ふゆき :まだの人
先生 :よし、1か 2か用意。耳の横。1か2か、いいか。 これ反則やで、反則技教 え てや ろ う、友達見てか ら1に しよ う、これあかん、ズバ ッとい くぞ、用意、いっせい の、言 って
はると :いっせいので
先生 :けいたそれ分か らん、1か 2か、ちょっと待 って、 どっちが多いか見て、 どっ ちが多い?1 が多い?1降ろ して。 はい、2は2人
はると :勝 った
先生 :こっちが2人で、 こっちが はると :1人
先生 :1人?29や な、ひか りいるもんね。 これは、 ここに証拠がある、
第4
章 対象世界 との対話
本章では、森川学級 の児童が どのよ うに対象世界 と対話 してい るのか、について述 べ る。 冒頭 に述べたが、あ らためて対象世界の考 え方 について、稲垣忠彦 ・佐藤学を 引用す る。
教育実践(授業 と学習)とは、 「世界づ くり(認知内容の編み直 し‑対象 との対話)」と
「仲間づ くり(対人関係 の編み直 し‑他者 との対話)」と 「自分探 し(自己概念の編み直 し‑ 自己 との対話)」の三つが総合 され た複合的ない となみ なのである。 (稲垣 ・佐 藤.1996.p.22)
これまでに、意味の深ま りや対象世界 との対話の深 ま りは、す なわち学びの深 ま り、
と述べてきた。以下では、森川実践 における2つのエ ピソー ド記述か ら、対象世界 と の対話 とはなにか、について言及 したい。
エ ピソー ド1:対象世界‑の誘 い 2009.4.08クロツグ ミ 全5時 第2時
先生 :さぁ、 自分の考 え決 める。 こっちかこっち。 はい、近所 の人 といっぺん相談 し てみ る。相談できるかい?1か2か、決 めてや。では、まだの人訊いて、決めた ? はると ・ふゆき :まだの人
先生 :よし、1か 2か用意。耳の横。1か2か、いいか。 これ反則やで、反則技教 え てや ろ う、友達見てか ら1に しよ う、これあかん、ズバ ッとい くぞ、用意、いっせい の、言 って
はると :いっせいので
先生 :けいたそれ分か らん、1か 2か、ちょっと待 って、 どっちが多いか見て、 どっ ちが多い?1 が多い?1降ろ して。 はい、2は2人
はると :勝 った
先生 :こっちが2人で、 こっちが はると :1人
先生 :1人?29や な、ひか りいるもんね。 これは、 ここに証拠がある、
ゆ うさく :ある、
先生 :はっき りと分かる証拠がある。
かず :はい、
先生 :待 って、 これ証拠 を訊いてみ よ う、座 ってでいい よ。 ち ょっ と待 って、今か ら 証拠探 しす るのに、みんながそれ を聴 いていたい と思っているか どうかだ よ。 これ意 見分かれてい るんだ よ。 しか も、2人のほ うが劣勢 なんだよ、その方がお前 ら違 うぜ、
これは 1人だぜ、つてい う証拠 を言お うとしているんだよ。それは楽 しみや な。い く よ、はい どうぞ。
ゆ うさく :①1年か2年で習 った と思 うけ ど、 「まる」
先生 :ち ょっ と、 うん
ゆ うさく :② ̲「まる」が文の終わ旦空か ら、言 ってい ること、ちょびちょびちょびむ らがクロツグ ミで、「てん」やか ら、ぴぃひ ょうぴぃひ ょうもクロツグミで、また 「て ん」やか らこっちおいで こっちおいで こっちおいで もクロツグ ミで、 こい しい よ うこ い しい よ うもクロツグ ミで、ぴぃがクロツグ ミで、つま り 「まる」までがクロツグ ミ 先生 :③ ど うい うことか分かる、今。分かったってい う人 ?分かったよってい う人す ごいな、今彼 が言 った ことがちゃん と頭ん中入 ったってい う人、説明が。 ち ょっ と訊 いてみ よ う。 どうい うこと言 ったん ?
よ うす け :ち ょびち ょびちょびではぴぃひ ょうぴぃひ ょうってい うのの終わ りは 「て ん」や け ど、「てん」では終わ ら‑んか ら、ぴぃまで続いているか ら、それは1人の人 が言 ってる
先生 :④そ うやQ̲̲̲̲領内待 ってい う人し単二すごり じゃん̲I̲そ うなんだよ、す ごいな、
れ国語の決 ま りなんだ よ、文て さ、 どこで切れ るの ?す ごいな、よく知っている、
土で切れ るよ、 とす るな らば、 これはい くつの文か らできているの ? 複数の児童 :えっ と
i=
\ヽ・.・.̲
、7‑
\ヽ一.̲
先生 :数 えてみて。1つ 目の文は どこまで、クロツグ ミ、なに しゃべ る、 これで文切 れ るな、2つ 目の文は
複数の児童 :そ こ、
先生 :す ごいな、 ここで切れ る。3つ 目は、 ここか ら ゆ うさく:7
先生 :ず っ といって ここまで文が続いてい るんやな、4つ 目の文は ゆ うさく :ある、
先生 :はっき りと分かる証拠がある。
かず :はい、
先生 :待 って、 これ証拠 を訊いてみ よ う、座 ってでいい よ。 ち ょっ と待 って、今か ら 証拠探 しす るのに、みんながそれ を聴 いていたい と思っているか どうかだ よ。 これ意 見分かれてい るんだ よ。 しか も、2人のほ うが劣勢 なんだよ、その方がお前 ら違 うぜ、
これは 1人だぜ、つてい う証拠 を言お うとしているんだよ。それは楽 しみや な。い く よ、はい どうぞ。
ゆ うさく :①1年か2年で習 った と思 うけ ど、 「まる」
先生 :ち ょっ と、 うん
ゆ うさく :② ̲「まる」が文の終わ旦空か ら、言 ってい ること、ちょびちょびちょびむ らがクロツグ ミで、「てん」やか ら、ぴぃひ ょうぴぃひ ょうもクロツグミで、また 「て ん」やか らこっちおいで こっちおいで こっちおいで もクロツグ ミで、 こい しい よ うこ い しい よ うもクロツグ ミで、ぴぃがクロツグ ミで、つま り 「まる」までがクロツグ ミ 先生 :③ ど うい うことか分かる、今。分かったってい う人 ?分かったよってい う人す ごいな、今彼 が言 った ことがちゃん と頭ん中入 ったってい う人、説明が。 ち ょっ と訊 いてみ よ う。 どうい うこと言 ったん ?
よ うす け :ち ょびち ょびちょびではぴぃひ ょうぴぃひ ょうってい うのの終わ りは 「て ん」や け ど、「てん」では終わ ら‑んか ら、ぴぃまで続いているか ら、それは1人の人 が言 ってる
先生 :④そ うやQ̲̲̲̲領内待 ってい う人し単二すごり じゃん̲I̲そ うなんだよ、す ごいな、
れ国語の決 ま りなんだ よ、文て さ、 どこで切れ るの ?す ごいな、よく知っている、
土で切れ るよ、 とす るな らば、 これはい くつの文か らできているの ? 複数の児童 :えっ と
i=
\ヽ・.・.̲
、7‑
\ヽ一.̲
先生 :数 えてみて。1つ 目の文は どこまで、クロツグ ミ、なに しゃべ る、 これで文切 れ るな、2つ 目の文は
複数の児童 :そ こ、
先生 :す ごいな、 ここで切れ る。3つ 目は、 ここか ら ゆ うさく:7
先生 :ず っ といって ここまで文が続いてい るんやな、4つ 目の文は
複数 の児童 :終わ り
先生 :ここまでや な。 と、す るな らば3か ら、ちょびちょびか らスター トした文は ど こまで続いているか とす るとす ごい よ、こんなこと気づけたんだ もん、とす るな らば、
1つの文の中には 2人以上の人なんて出て くる ?出て くるはずがない よ。だか らこれ は どっちなの ?
複数 の児童 :1人 先生 :1人、
ゆ うさく :よっ Lや‑
先生 :⑤す ごい こと気付いたね、 こ うい うのがあってね、読みってい うのは変わって い くんだ よ。す ごいね、 よく気が付いた。それでね、みんな うなずいて納得、つてい うのがす ごい。その証拠 をちゃん と受 け入れ られ る、すぼ らしいね。そ うした ら、 こ れ はカギ括弧つけるな らどこにつ けるの ?ここつ けて、ぴぃ、までつ ける。そ うい う こと、 じゃこれは、クロツグ ミなのか人なのか、訊 きたい、クロツグ ミか人か。はい、
まだの人、はい、クロツグ ミってい う人。全員や。 はい、人や とい う人。 まず今 日は この ことが分かった、これだけで もす ごい、さあ、今 日はこれで終わ ります。あ とで、
明 日はここか らもっ と内容 に入 ってい くねん、今 日はこれがクロツグ ミってい うのが 分かった(ママ)。 これは誰が言 っているの ?
ゆ うさくの下線①
「 1
年か2
年で習った と思 うけ ど、『まる』」、下線②「 『
まる』が 文の終わ りやか ら、言 っていること、ちょびち ょびちょびか らがクロツグ ミで、『てん』やか ら、ぴぃひ ょうぴぃひ ょ うもクロツグ ミで、また 『てん』やか らこっちおいでこ っちおいで こっちおいでもクロツグ ミで、こい しい よ うこい しいよ うもクロツグ ミで、
ぴぃがクロツグ ミで、つま り 『まる』 までがクロツグ ミ」 とい う発言は、対象世界で ある 「クロツグ ミ」の詩 に対 して、 これまでの児童の考 え方 とは違 った視点を与 える きっかけ となっている。 これまで、児童は本文に書かれている鳴 き声な どを根拠 に 自 分の意見を出 し合 ってきていた。 ここで、ゆ うさくが文の 「てん」や 「まる」に気付 いた ことによって、それまでの考 えが変わった児童 も少 しいることが教師の下線③ 「ど
うい うことか分か る、今。分かったってい う人 ?分かったよってい う人す ごいな、今 彼 が言 った ことがちゃん と頭ん中入 ったってい う人、説明が」下線④ 「そ うや。納得
複数 の児童 :終わ り
先生 :ここまでや な。 と、す るな らば3か ら、ちょびちょびか らスター トした文は ど こまで続いているか とす るとす ごい よ、こんなこと気づけたんだ もん、とす るな らば、
1つの文の中には 2人以上の人なんて出て くる ?出て くるはずがない よ。だか らこれ は どっちなの ?
複数 の児童 :1人 先生 :1人、
ゆ うさく :よっ Lや‑
先生 :⑤す ごい こと気付いたね、 こ うい うのがあってね、読みってい うのは変わって い くんだ よ。す ごいね、 よく気が付いた。それでね、みんな うなずいて納得、つてい うのがす ごい。その証拠 をちゃん と受 け入れ られ る、すぼ らしいね。そ うした ら、 こ れ はカギ括弧つけるな らどこにつ けるの ?ここつ けて、ぴぃ、までつ ける。そ うい う こと、 じゃこれは、クロツグ ミなのか人なのか、訊 きたい、クロツグ ミか人か。はい、
まだの人、はい、クロツグ ミってい う人。全員や。 はい、人や とい う人。 まず今 日は この ことが分かった、これだけで もす ごい、さあ、今 日はこれで終わ ります。あ とで、
明 日はここか らもっ と内容 に入 ってい くねん、今 日はこれがクロツグ ミってい うのが 分かった(ママ)。 これは誰が言 っているの ?
ゆ うさくの下線①
「 1
年か2
年で習った と思 うけ ど、『まる』」、下線②「 『
まる』が 文の終わ りやか ら、言 っていること、ちょびち ょびちょびか らがクロツグ ミで、『てん』やか ら、ぴぃひ ょうぴぃひ ょ うもクロツグ ミで、また 『てん』やか らこっちおいでこ っちおいで こっちおいでもクロツグ ミで、こい しい よ うこい しいよ うもクロツグ ミで、
ぴぃがクロツグ ミで、つま り 『まる』 までがクロツグ ミ」 とい う発言は、対象世界で ある 「クロツグ ミ」の詩 に対 して、 これまでの児童の考 え方 とは違 った視点を与 える きっかけ となっている。 これまで、児童は本文に書かれている鳴 き声な どを根拠 に 自 分の意見を出 し合 ってきていた。 ここで、ゆ うさくが文の 「てん」や 「まる」に気付 いた ことによって、それまでの考 えが変わった児童 も少 しいることが教師の下線③ 「ど
うい うことか分か る、今。分かったってい う人 ?分かったよってい う人す ごいな、今 彼 が言 った ことがちゃん と頭ん中入 ったってい う人、説明が」下線④ 「そ うや。納得