第 4 家畜市場の利用促進の取組み
2 家畜市場の現地調査結果
現地調査の概要(北海道)
1 日 時 平成26年10月 2 場 所 北海道 3 概 要
家畜市場の担当者から家畜市場の経営概要について説明を受けた後,家畜市場における利用促進対 策のアンケート調査の回答書に基づき,現在の実施状況等について説明を受けるとともに,今後の対 応策について意見交換を行った。その後,家畜市場の施設を見学した。
⑴ 家畜市場の概要
家畜市場は,毎週月曜日,第 1 土曜日,第 4 土曜日に開催している。
取扱っている畜種等は,月曜日の一般市場で経産牛,初生牛,第 1 土曜日の肥育牛特別市場で肥 育牛,第 4 土曜日の肉用素牛特別市場で肥育素牛を取引している。
平成25年の取引頭数は, 9 千頭で,減少傾向が続いていたが,前年より増加した。これは,肥育 牛及び肥育素牛(乳雄,交雑種)が増加したためであり,26年も増加している。
⑵ 利用促進対策
家畜市場の事務室において,アンケート調査の回答書について説明を受けるとともに,今後の利 用促進対策,要望事項等について意見交換を行った。
①開催日の調整は,特に行っていないが,地区内にホクレンの家畜市場があり,毎週火曜日に一般 市場が開催され初生牛が多く取り扱われるため,本市場の初生牛入場頭数が激減している。逆に ホクレン市場では,ホル肥育素牛を取扱っていないため,本市場では増加している。
②共進会は,数年前まで年 2 回開催し生体取引を行っていたが,現在は,頭数の確保ができないた め開催していない。
③利用者表彰は,組合員を対象に総会等で表彰している。
④市場手数料等は,定額の入場料と定率(販売1.5%,肥育の購買1.0%,肥育素牛の購買1.3%)の 販売,購買手数料を徴収しており,また,第 1 土曜日(肥育牛特別市場)では事故積立金0.5%,
第 4 土曜日(肉用素牛特別市場)では事故積立金0.3%を追徴している。
⑤出荷者である家畜商とは,年 1 回,農協については 2 年に 1 回懇談会を開催し,出荷依頼をして いる。
⑥購買者対策としては,府県の大口購買者と特別市場開催日前日の懇談,運送業者(と畜場直行牛 の運送)の紹介,一時繋留等を行っている。
⑦購買代金については,原則現金であるが,高額な金額となるため,取引後の銀行振込を認めてい る。
⑧購買後の事故等については,事故積立金を徴収して対応しているが,全廃棄(白血病等)につい
ては出荷者負担としている。事故の発生状況は,月間,一般市場で全廃棄 3 〜 4 頭,肥育牛市 場で一般の損傷10頭前後,素牛市場で 4 〜 5 頭である。
⑨防疫対策としては,車両消毒槽(消毒薬:ビルコン)でタイヤの消毒,踏込消毒槽(消毒薬:消 石灰)で長靴の消毒を行っており,来場者の受付簿については,来場者が固定しており,事前に 氏名,連絡先等が登録されているため作成していない。
また,道外からの購買者用に長靴を用意し,保管場所も特定している。
⑩提出を義務付けている証明書は,IBRを含む 5 種混合ワクチンである。
⑪組合の経営内容は,預託事業に係る手数料等で黒字を確保している。また,市場業務以外にホル スタイン登録事務代行や売却証明書発行事務を行っている。
⑫大口購買者は,道外では大阪府,奈良県,群馬県である。
⑬利用促進を図る有効な対策は,検討しているが有効な対策が見つからないため,現在のサービス を地道に行っていき,減少を食い止めるしかない。また,子牛の供給源である酪農を振興して飼 養頭数の増加を図ることが前提となる。
⑭昨年から肥育素牛が高値で取引されているため,素牛生産者の生産意欲が増しており,市場への 出荷増に繋がっている。
⑶ 施設の概要
訪問当日は,セリが開催されていないため,セリ状況や防疫対策の実情を確認できなかったが,
担当者の案内で施設等を見学した。
・繋留場所の床は,近くで採取される火山灰土を敷きつめており,糞尿で汚れた部分を取り除き,
定期的に新しい土を追加している。また,繋留場所内を噴霧消毒機で消毒している。
・セリシステム,セリ場の電子表示板,応札器は,平成24年度に更新した。
・冬期間は凍結するので,出入口の車両消毒槽には消石灰を散布している。
・家畜衛生管理マニュアルは,作成していないが,道庁が定めたマニュアルにより家畜保健衛生所 から防疫対策の指導を受けている。
・施設が老朽化しているため,施設改善経費に対する補助が要望された。
現地調査の概要(関東A)
1 日 時 平成26年11月 2 場 所 関東地方 3 概 要
家畜市場において,組合役員から利用促進対策についてアンケート調査の回答書に基づき,説明を 受けるとともに,今後の利用促進対応策等について意見交換を行った。その後,担当者の案内で場内 の施設を見学するとともに,セリ状況,車両消毒対応等について説明を受けた。
⑴ 家畜市場の概要
家畜商組合として開設している家畜市場は,毎月 5 と 0 の付く日( 5 ,10,15,20,25,30日)
に開催し,取扱っている畜種は,乳用種,肉用種,交雑種の成牛,子牛,スモールとなっている。
平成25年度の取引頭数は,23千頭(成牛2.4千頭,スモール20.6千頭)で前年よりわずかに増加 し,本年も前年同期を上回っている。
⑵ 利用促進対策
家畜市場の事務室において,組合役員からアンケート調査の回答書に基づき,補足説明を受ける とともに,今後取組むこととしている方策,要望について意見交換を行った。
①組合として重点的に取組んでいる事項は,利用しやすい市場の形成と家畜衛生対策の実施であ り, 1 頭の出荷であっても利用しやすい市場作りを行い,出荷者を増やしていく,出荷頭数が増 えれば購買者も増えてくる。
②集荷対策として,県外からの集荷に努めており頭数も増えている。近隣県が多いが関東地域一円 からも搬入されている。
③購買者は,県内が主体であるが,北海道,神奈川県,新潟県から,遠くは三重県からも来ている。
ホルのスモールの大口購買者(北海道)は,上場頭数の 2 割を購入している。
④開催日の調整は,県内にある黒毛和種子牛市場と調整しているが,畜種では競合していない。
⑤手数料の改定は,積算等を含めて見直し,これに消費税 8 %を加算した。(出荷者:スモール2,500 円,成牛3,000円,購買者:スモール500円,成牛700円)
⑥出荷者対策としては,健康な牛を出荷するように要請しており,出生報告,異動報告については,
個体識別番号を用いて家畜改良センター情報で確認している。確認できない牛については,受付 禁止としている。
⑦購買者対策としては,購買代金の予納金の送金(銀行振込)を認めており,年々増加している。
また,上場牛一覧については,時間,労力がないため作成していない。
⑧購買後の事故等の対応は,組合が調停し当事者で負担している。事故の共済制度については,経 理処理の繁雑性,今後の見込み等から検討していないが,牛ウイルス性下痢・粘膜病(BVD-MD)
については,セリ場で発見できない疾病なので,役員会で対応策を検討している。
また,購買後のトラブル防止として,組合負担で毎月抜取りのDNAによる親子鑑定検査を行い,
検査結果を掲示している。
⑨健康な牛を売買するために,家畜衛生対策に積極的に取組んでおり,出入口を 1 か所に制限し,
車両消毒槽の侵入口幅を拡張(本年 8 月)した。使用している消毒薬は,タナベゾールで,セリ 終了後の繋留場所消毒にも使用している。
⑩提出を義務付けている証明書は,人工授精証明書,受精卵移植証明書であり,ワクチン証明書に ついては,100%予防できるものではないため要求していない。
⑪口蹄疫発生時の対応等については,組合内部だけでは対応できないので,県庁,家畜保健衛生所 の指示に従って対応することとしている。
⑫組合の経営内容は,黒字を保っているが,収入は手数料収入が主体で増加が難しいので,経費削 減に努めており最低限の職員で運営している。
⑶ セリ,施設の状況
①訪問当日の取引頭数は,240頭(通常時より100頭少ない)で,出荷者30人,購買者40人であり,
双方とも固定した業者である。出荷者は,家畜商で,農家から委託されるか,家畜商が購入した 牛を搬入している。
②繋留場所は,おが屑を敷いており,セリ終了後は,汚れた部分を除去した後,動力噴霧器で消毒 している。
③車両消毒槽の改修に併せて,敷地内の舗装,積み降ろし用プラットホームの改修を行った。
⑷ 要望事項
市場の施設は,老朽化しており,改修,補修が不可避となっているが,経費が高額となるため実 行できないので,国等の補助を要望する。
出荷頭数を維持するためにも,肉用牛,酪農の振興対策を行って,頭数減少を抑えてほしい。