X‑1;獣0
3.2 実験
3.2.1 実験装置
Fig.3‑2に連続反応システムの概略図を示す。本システムは、試料供給部、カラム型リ アクター、サンプリング部および恒温槽からなる。 500cm3の三角フラスコ中の基質溶液 はチュービングポンプにより、一定流量でカラム型リアクターへ供給した。フラスコ、お よびリアクターは一定温度に保たれた恒温槽内(37℃)に設置した。リアクターに供給され る基質溶液の温度が一定温度(37℃)になるように余熱部を設けた。用いた実験装置の仕様 をTable3‑4に示す。カラム型リアクターは市販のものを即、、サイズは内径(Ld);5mm、
長さ(Lc) ; 10cmであるoこのサイズは前節で述べた速度論モデルを用いたシミュレーショ ンにより決定した。カラムに充填する固定化酵素は、 2.2.1.1で述べた方法で同様に作成し たものである。また、カラムへの固定化酵素の充填は自然沈降により行った。この結果、
空隙率を(3‑45)式に基づき計算すると8 =0.40になった.
8=1̲a
(L5 /4)Le
恒温槽 サンプリング部
Fig. 3‑2 Schematic illustraion of column reactor system.
(3145)
Table 3‑4 Specification of column and tube pump・
カラム :柴田科学(秩)
高圧ガラスカラムGC型(内径:5rrm、長さ: 10cm、) チュービングポンプ: EYELA(秩) MICROmBEPUMPMP‑3
3. 2. 2連続加水分解実験
前述した装置を用いて、 6糖の連続加水分解実験を行った。反応は、供給液の初期基質 濃度および担体あたりの酵素濃度を変化させ、各々の条件下で流量を1.0‑9.2 cm3・min 1ま で変化させて行った。また、活性の変化についても検討するため、全ての供給液流量条件 での実験が終了した後、 1回目と同じ固定化酵素を充填したカラムを用いて、同条件下で 2回目の実験を繰り返し行った.反応条件をTable 3‑5に示す.また、実験手順を以下に示
す。
1)所定量の固定化酵素をカラム型リアクターに充填するとともに、十分に脱気した基質 溶液および超純水それぞれ300cm3程度用意し、恒温槽中に設置する。
2)リアクターや流路中の気泡を除くため、超純水をチュービングポンプにより1時間程 度流した後、流量を実験での最も大きい値に設置する。
3)ポンプによる供給液を超純水から基質溶液に変えることにより反応を開始させ、所定 の時間間隔で3.0cm3ずつリアクターからの流出溶液をサンプリングする。
4)所定時間経過後、再び供給液を超純水に変え、リアクター内に残っている糖を洗い流
すため流量3.0cm3・min‑1で1時間程度流す。
5)ポンプを次の実験流量に合わせた後、再び供給液を基質溶液に変え、反応を開始させ、
サンプリングを行う。
6) 4), 5)の操作を繰り返して、全ての流量条件下で反応を行う。
採取したサンプルは、回分反応の場合と同様に、微量試料用限外波過膜を用いて波過し た。ただし、連続反応の場合は、担体からの酵素の漏出によるサンプル中への固定化酵素
の混入がないことが確認されているため、反応停止などの操作は行わなかった。サンプル 中の各糖濃度の分析は、 HPLCを用いて測定した。分析条件は回分反応系と同様である。
また、申ラム型リアクターに充填する固定化酵素は、供給液中の初期基質濃度や酸素濃度 条件を変えるごとに、新たに調製したものを用いた。
Table 3‑5 Reaction conditionsincolumn reactor system・
初期基質濃度 1.0, 2.0, 3.0× 104 lmol・dml3]
酵素濃度 9.5, 13.5 【mg ・ cm 3‑particle】
供給液流量 1.0, 3.0, 5.0, 9.2 [9m3・minll】
担体量 1.16【g】
3. 3結果と考察
3.3.1リアクターからの流出液中の各糖濃度
Fig.3‑3(a)〜(d)に、リアクターに基質を供給し始めた時点をoとした、各サンプリング時 間での流出液中の各糖濃度をプロットで示す。白抜きのプロットは1回目の実験結果であ
り、黒抜きのプロットは2回目の実験結果である。供給液の初期基質濃度は2.0×104mol・
dm‑3、酵素濃度を13.5mg・cm 3‑particleとし、供給液流量は9.2, 5.0, 3.0, 1.0 cm3・min11と変化
させたものである。どの条件においても、若干のばらつきはあるが、定常状態に達してい ることがわかる。また、 1回目と2回目の結果がほぼ一致していることから、これら2回 の実験での酵素の活性に低下はなく、本固定化酵素は繰り返しの利用が可能であると考え
られる。
FuJP・l.LLJもLx].9LJOOOPTt!tJ00tPS
FLLJPこ.LLJもLx]dLJ.O。PてetJ00eS
5 4
5 4
1 0
1 00 200 300 400 500
Sampling time lsec]
墓 皇 皇
0 200
Sampling timo 【sec]
800
FLLJP・l。uJもLx]duOOOPTt?LJ00tPS
FuJP・I.uJもLx]duOOOPTE!LJ00eS
5 4 3
2 1 0
Hii
0 200 400 600 800 1 000
Sampling timo [$○¢]
● ● ㊤ 8
皇 皇 △ ▲
500
Sampling time lsoc]
Fig・ 3‑3 The saccharide concentrationinefnuent solution at each sampling tlme・
(a)Q=9・2 cm3'min11, (b)Q=5・O cm3・min‑1, (C)Q‑3.0 cm3・min‑1, (d)Q=1.0 cm3・min‑1
Fig.3‑4に同条件下でのリアクター内の管軸方向の各糖濃度分布を示す。グラフの横軸 はカラム入口から出口方向への距離である。プロットはリアクター出口における実験値で あり、ラインはモデルによるシミュレーション結果である。(a卜(d)は供給液流量を9.2,5.0, 3.0, 1.0 cm3・min'1と種々変化させた場合であり、リアクター内の滞在時間が長くなること に対応する。どの流量条件下においても、リアクター出口でのプロットとラインはほぼ一 致しており、 3.1で構築した速度論モデルにより、本連続反応システムを表現することが できると考えられる。また、実験ではリアクター出口の溶液中の糖濃度しか測定すること ができないが、このようなモデルを構築することにより、リアクター内の糖濃度分布に関 する情報を得ることができる。これより、供給溶液中の6糖がリアクター内を進むにつれ て消費され、代わりに4, 3, 2糖が生成し、 4糖はさらに分解され2糖になるという様子を 管の長さ方向に見ることができる。
Fup・l.LLJTOLx]JOu.OOP!JetJ8tPS
[C・∈P・10LLJTOLx].OuOOOP!JeLPOt!S
5 4 3
1 0
5 4
6 7 8
2 3 4 5
L [0m]
6 7 8
rc・∈p・lOuJTOLx1'ouooopてt2tJ00eS
[C・uP・lOLLlTOLx】.OuOOOPてeLJ8t2S
8 7 5] 6
m
【O
4L
3 2
Fig. 3‑4 Experimental and calculated of saccharide concentrationinefnuent solution.
(a)Q=9・2 cm3'min‑1, (b)Q=5.0 cm3・min‑1, (C)Q‑3.0 cm3・min‑1, (d)Q=1.0 cm3・min‑I
Fig3‑5(a)〜(d)に初期基質濃度および担体あたりの酵素濃度を変化させた場合の試料溶液 のリアクター内滞在時間と各糖濃度の関係を示す。本リアクターでは、実験条件で示した
供給液流量9.2, 5.0, 3.0, 1.0 cm3・min‑1がそれぞれ滞在時間、 4.5, 8.2, 13.7, 4lsectC=あたるo
プロットは実験値であり、ラインは本モデルによる計算値である。どの条件下においても、
滞在時間が長くなるにつれて、 6糖の出口濃度は単調に減少しているが、 4,3,2糖の出口濃 度はそれぞれ増加しており、 4糖はさらに2糖にまで加水分解されていることがわかる。
滞在時間40secとした場合は、出口溶液中に、 6,4糖はほとんど存在していないことがわ
かる。 (a)〜(C)は、供給液基質濃度を1.0‑3.0 mol・dm‑3‑1iq.と変化させた結果である.当然の ことながら、供給液中の糖濃度が高いほど、 4,6糖の出口濃度も高くなっている。 (b)と(d)
は、担体あたりの酵素濃度が13.5mg・cm‑3‑particleと9.51mg・cm 3‑particleの結果である。こ
め場合も滞在時間の変化による各糖の出口濃度に、大きな違いはなかった。一方、どの条 件下においてもシミュレーション結果と実験結果は良好に一致している。これより、本モ デルにより、種々の条件下における本連続酵素加水分解反応を良好に表現することができ ると考えられる。
[C・uJp・]ouJTOLx】.OuOOaP!Jt2LJ99eS
5 4 人■ 2
1 0
∩?LLJP・rOu寸占Lx】duOC)i‑P!JeL199t}S
5 4 3 2 1
543210
FuJP・r.uTOLx].9uOOOP!JeLJ8eS
Fig・3‑5 Experimentaland calculated resultsincolumn reactor system・
(a) Cs6 (0) =1・0 × 104mol・ dm13‑liquid, CEbn'(o) =13.5mg・cm 3‑particle
(b)Cs6 (0) =2・0 × 104mol'dm 3‑liquid, CEimm (o) =13.5mg・cml3‑particle
(C)Cs6 (0) =3・0 × 1014mol●dm‑3‑liquid, CEbw(o) =13.5mg・cm13‑particle
(d)Cs6 (0) =2・0 × 104mol●dm‑3‑liquid, CEbw (o) ‑9.51mg・cm‑3‑particle
3. 3. 2 反応速度に及ぼす各操作因子の影響
3.1で構築した本加水分解システムに関する速度論モデルの安当性が実験的Iに示された ため、このモデルを用いて種々の操作因子条件下でのシミュレーションを行い、本連続加 水分解システムの最適運転条件について検討する。
シミュレーションを行う操作因子の条件をTable3‑6に示すo使用する酵素量を15.7mg、
時間あたりの処理量を2.0×10‑7mol・mh‑1で一定とし、基質濃度と供給液流量、あるいは 担体粒径すなわち担体総表面積を変化させた場合について検討を行った。
Table3‑6List of operational factors fo,r simulation・
基質濃度 供給液流量 酵素濃度 担体粒径総表面積総酵素量
lmol・dml3] lcml3・min‑lHmg・cm‑3‑particle] lpm] lm2] lmg]
case 1 2.0 × 104 1.0 13.5 25 0.24 15.7
case 2 2.0 × 10 4 1.0 13.5 50 0.12 15.7
case 3 2.0 × 10̀4 1.0 13.5 100 0.06 15.7
case 4 1.0 X IOl4 2.0 13.5 50 0.12 15.7
Fig.3‑6(a)〜(C)に担体の粒径の異なるcase1‑3におけるリアクター出口溶液中の各糖濃度
のシミュレーション結果を示す。担体の総表面積が大きいほど反応量が大きくなっている ことがわかる。これは、 2.2.3.6と同様で、反応が担体表面近傍で起こっているため総表面 積が大きいほど関与する酵素量が多くなり反応速度が大きくなるためと考えられる。次に、
基質濃度と流量の影響を考察する。 cas62,4におけるリアクター出口溶液中の各糖濃度の シミュレーション結果をFig.3‑7(a),(b)に、担体内の半径方向の各糖濃度分布を、 (C),(d)に 示す。 (a)と(b)を比較すると基質濃度がcase2の1/2倍であるcase4では、各糖濃度の変化 が小さくなっている.このとき(C)と(d)を比較するとcase4では小さな濃度勾配が担体表面 近傍にのみ存在していることがわかる。これはThiele数が基質濃度に反比例するため、基 質濃度が小さくなるとTbiele数が大きくなり、担体内部へ拡散せずに担体表面近傍の酵素
しか反応に関与せず反応速度が小さくためなると考えられる。
5432‑0
【Tu!uJ・10∈TOLx]01t>JAOJJLt2一OM
0 1 2 3 4 5 6 7 8
L [0m】
Fig・3‑6 Effect of particle diameter of support particle.
(a) easel ; Cs6 (0) =2・0 × 104mol●dm‑3, Dp‑25pm, Q‑1・0cm3・min‑1・
(b) case2 ; Cs6 (0) =2・0 × 1014mol●dm‑3, Dp=50pm, Q=1・Ocm3・min‑1・
(C) case3 ; Cs6 (0) =2・0 × 104mol●dm 3, Dp‑100pm, Q‑1・0cm3・min‑1.
[L・utuJ・lOLLJL・OLx]OleJJAOとLtPJOM
【opでtrd‑?tJJp・LoLUP・OLx].OuOOGIP. LJtILJOCN?S 5 4
1 0
5 4 3 2 1
8 7 5] 6
m [O 4L
3 0 2
(¢) 蔦 " メヤ32 Rメメ籃 .r 耳耳耳璽
̲̲‑̲̲̲lr一 坪 メ 2 粐粨6リネB4ネネ爾
10 15
r[〃m]
[L・u!uJ・lO∈TOLx]01tu^OJILelO≡
5 4 3 2 1
543210
【〇一〇で邑よ・∈P・一〇き・OLx】.OUOOOP. SLJOODS
7 8 5] 6
m [O
4L
3 0 2
(d)
ノ ′
)510152025
Fig.3‑7 Effect of saccharide concentrations and flow rate・
(a) case2 ; Cs6 (0) =2・0 × 104mol・dm‑3, Dp=50pm, Q=1・0cm3●min‑1・
(b) case4 ; Cs6 (0) =1・0 × 104mol・dml3, Dp‑50pm, Q=2・0cm3●min 1・
(C) case2 ; Cs6 (0) =2・0 × 104mol・dm‑3, Dp‑50pm, Q=1・Ocm3'min‑1・
(d) case4 ; Cs6 (0) =1・0 × 104mol●dm‑3, Dp‑50pm, Q‑2・0cm3●min‑1・