投げ碁を用いて実験を行なった.
以下の三項目について,
• 狙った目にきちんと投げられるか
• 慣れにより技術の向上が見込めるか
• ゲームとしてきちんと遊べてなおかつ楽しいか
6.1 方法
6.1.1 1 回目の実験
投げ碁である程度ゲーム性を楽シムことができるかどうかを確かめるために,定性的な実験を 行った.
被験者は成人男性2人(25歳)で,1人は右利きもう1人は左利きだった.
実験後に2人に以下のような記述のアンケートをとった.
• このゲームは楽しかったか
• このゲームの戦略はどのようにしたか
• 直感的にプレイできたか,またその理由
• 物理シミュレーションはどうだったか,よくなければどの辺を調整したほうが良いか
• その他自由記述 実験内容は以下の通り.
実験準備
実験を行う前にLeap Motionの挙動に慣れてもらうため,事前に10回程度自由に投げて練習し てもらい,
実験1
通常の囲碁と同じようなルールで二人で投げ碁をプレイし,対局してもらった.
第6章 実験 33
実験2
その後,投げ碁での縮尺の101 に合わせて,現実世界で70cm離れた目標に向かってコインを8 回投げてもらう実験を行った.
6.1.2 2 回目の実験
1回目の実験を元にアプリケーションの修正を行い,狙い通りに碁石を飛ばせるかどうかを定 量的に測れるよう実験を行った.
被験者は成人男性(22歳)と成人女性(23歳)で,2人共に右利きだった.
実験後に2人に以下のような記述のアンケートをとった.
• このゲームは楽しかったか
• このゲームの戦略はどのようにしたか
• 直感的にプレイできたか,またその理由
• 反発係数eを変えてプレイしてもらったが,プレイ感に差はあったか.
– あれば,プレイしやすかったのは反発係数が大きい場合だったかそれとも小さい場合 だったか.
• その他自由記述
また定量的に落ちた位置を記録し,距離を測った.
実験内容は以下の通り.
実験準備
1回目と同様に実験前にLeap Motionの挙動に慣れてもらうため,事前に10回囲碁盤の上に乗 るまで投げて練習してもらった.
タスク1
囲碁盤上の目標(天元である5五)を狙って投げてもらった.
タスク2
その後,投げ碁での縮尺の101 合わせて,現実世界で70cm離れた目標に向かってコインを5回 投げてもらう実験を行った.
タスク3
通常の囲碁と同じようなルールで二人で投げ碁をプレイし,対局してもらった.
第6章 実験 34
タスク4
次に囲碁盤と碁石との間の反発係数eを0.6から0に変えて投げ碁のプレイを行い,さらにそ の後反発係数を0.99にした上で同様に投げ碁のプレイを行った.
6.2 結果
6.2.1 1 回目の実験の結果
アンケートを取った結果以下のような意見・感想が出た.
タスク1
二人とも投げ碁がゲームとして楽しかったと答えていた.
着手点などの戦略については,繊細な手が取れないのでリカバーしやすい手を狙ったといった 意見があった.物理法則の差異に関する話では,碁石の重さは今のままのでもいいと意見も重く てもいいという意見があり,ユーザによって差異があった.直感的にプレイできたかという質問 には,手の角度(特にヨーイング)が線などで示されると良かったといった意見があった.
碁石を投げるという動作に対して,一気に碁石を複数個投げたかったといった意見もあった.
タスク2
実際にコインを投げる実験では,二人とも回数を重ねるごとに狙った位置に近いところへ飛ば せるようになったが,本アプリケーションではそこまで上手くはいかなかった.
6.2.2 2 回目の実験の結果
タスク1
表は,実験1の結果である.目標に対してどれくらい離れて碁石が落ちたか座標で示している.
なおゲーム内の縮尺はメートルである.
表6.1:タスク1の結果(一人目)
1回目 2回目 3回目 4回目 5回目
1人目 7三 6五 7三 6四 5五
ユークリッド距離 2.8 1 2.8 1.4 0
タスク2
表は,実験2の結果である.目標に対してどれくらい離れてコインが落ちたかを中心からの距 離で示している.
第6章 実験 35
表6.2:タスク1の結果(二人目)
1回目 2回目 3回目 4回目 5回目
2人目 9六 8五 4八 7五 2五
ユークリッド距離 3.9 3 3.16 2 3
表6.3:タスク2の結果
1回目 2回目 3回目 4回目 5回目
1人目 11cm 9cm 10cm 2cm 4cm
2人目 10cm 15cm 17cm 7cm 3cm
アンケートの結果
アンケートをとった結果,以下のような回答を得た.
1人目の意見
普通の囲碁と違った面白さがあった.
(戦略としては)しっかりと地を取りに行くのではなく,大雑把に地を取りに行っ た.しかし,自分も相手も条件が同じなので一発逆転を狙いに行く戦略もできると 思った.
(実験4の)反発係数の差については,反発係数が少ない方が石が跳ねないので,
狙ったところに飛んだ.ただ,手の動かし方によって差が出ると思った.
2人目の意見
真面目にやるものというより,パーティーゲーム的な楽しさがあった.
戦略としては,普通のプレイでなるべく繋げられるようにしたが,思ったところ には飛ばなかった.
投げるという特性上リハビリに使えるのではないか.
反発係数の違いは,小さい方がやりやすかった.
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