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実験装置

ドキュメント内 JAIST Repository https://dspace.jaist.ac.jp/ (ページ 67-76)

第 3 章 チャージアンプ

3.3 実験装置

本研究を行うにあたり、実験に使用した装置およびその構成について説明す る。本研究では、自作超高真空 nc-AFM をベースに実験を行った。チャンバー の構成は、測定室(Main chamber)試料準備室(Preparation chamber)、導入室(Load Lock chamber (LL))スパッタ室(Sputter chamber)となる(Fig. 3.7 (a))。測定室 のベース真空度は1×10-11 Torrで、試料準備室は1×10-9 Torrで、FIM/FEM用のス テージとスクリーンが併設している。真空引きにはロータリーポンプ(RP)、タ ーボ分子ポンプ(TMP)、チタンサブリメーションポンプ(TSP)、およびイオン ポンプ(IP)を使用した。通常運転状態でのUHVチャンバーの真空はIPとTSP により保持している。装置の全体写真(b)は(a)の配置に対応している。

チャージアンプを組込んだnc-AFM計測システムの全体の構成をFig. 3.8に示

す。またFig. 3.9は、測定室内のnc-AFM計測システム本体の写真である。右に

試料、左に力センサーを配置する構成である。力センサーの隣に力センサーの 振動信号検出用プリアンプを配置している。ピエゾスキャナーは探針ホルダー 受器に取り付けてあり、トライポッド式である。試料側には粗動制御用のステ ッピングモーターが組込まれている。

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前章で説明した通り、nc-AFMの力センサーはqPlusセンサーを使用し、水晶 振動子の反共振特性を打ち消すために、反共振キャンセル回路[10]を作製して組 込んだ(Fig. 3.10)。反共振特性を打ち消すには、単純に反共振特性と逆位相の 信号を加えてやればよい。写真の回路では、励振信号と逆位相の信号を生成す るコイルを通して可変コンデンサに信号を与え、可変コンデンサの容量を調節 して水晶振動子の浮遊容量由来の反共振信号と逆位相の信号を生成する。Fig.

3.11 (a)は、反共振キャンセル回路をしようして取得した力センサーの振動曲線 で、安定した共振特性が得られている。一方、Fig. 3.11 (b)は、反共振回路を使 用せずに取得した振動曲線で、反共振特性により歪んだ共振特性となる。

力センサーには、電解研磨したW探針、もしくはPt-Ir探針を0.2 ~ 0.5 mm 程度の長さに切断して取り付けた(Fig. 3.12, Fig. 3.13)。Table 3.2に計測に用い た探針をまとめた。従来のqPlusセンサーは、水晶振動子の電極を用いて電流計 測を行っていたが、本研究では探針と水晶振動子の電極は電気的に絶縁してあ る。探針の電極は、φ=0.01 mmのAu線を用いて配線を行った。Fig. 3.12 (a) は

MS1V-T1KにPt-Ir探針を取り付けた力センサーで、(b)はC-005RにW探針を取

り付けた力センサーである。写真の構成では、金線の配線により振動エネルギ ーの散逸が増大することが予想される。しかし金線の形・長さを調節すること により、従来のqPlusセンサーの感度と同等程度の特性を実現可能である。また 見かけ上のバネ定数も、5~10%程度の減少に抑えることができるとの報告があ る[11]。この金線を接続するメリットは、電流や電荷分布計測と、力センサーの 振動信号計測との間でのCross-talkを低減することにある[11]。従来の方法では、

電流と力との混線が起こって見かけ上の引力が増大したり、トンネル電流が増 大したりする。これらの影響を低減し得る力センサーの構成に見直し、力や電 流、そのほかの物理量の検出感度向上を目指した。

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Figure 3.7 (a) 超高真空 nc-AFM装置全体の概略図と(b) 装置全体の 側面写真.

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Figure 3.8 チャージアンプを組込んだnc-AFM計測システムの構成.

Figure 3.9 nc-AFM計測システムの本体. 右は試料ホルダーのための

受器で左は探針ホルダーのための受器.

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Figure 3.10 力センサー用の反共振キャンセル回路. 黒い箱型の部品

は反共振キャンセル用のコンデンサを通して水晶振動子の浮遊容量 由来の反共振信号と逆位相の信号を生成するためのコイルである.

Figure 3.11 作製した力センサーの振動特性. (a) 反共振キャンセル

あり. (b) 反共振キャンセルなし.

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Figure 3.12 探針の電解研磨[22]. (a) 電解研磨の様子. (b) (a)の赤破線 部の拡大写真. W線の研磨には2 mol/l水酸化カリウム(KOH)、Pt-Ir 線の研磨には1 mol/l塩化ナトリウム水溶液(NaClaq)をそれぞれ用 いた. 印加電圧は10 ~15 V, 60 Hzの正弦波.

Figure 3.13 作製した力センサー. (a) MS1V-T1KにPt-Ir探針を取り付 けた力センサー. (b) C-005RにW探針を取り付けた力センサー. (c) (b)の赤破線部の拡大写真. Au 線(AU005110, φ=0.01 mm, 純度 99.99 %, Goodfellow)は水晶振動子の電極と探針の電極を分離する目 的で取付けた.

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FM方式での計測は、周波数変調用のPLL回路とSPMのフィードバック制御 器を用いて行う。本研究で用いた nc-AFM 計測システムを構成する計測機器を

Fig. 3.14に示す。赤枠で示す2つの機器が、それぞれFig. 3.8に対応してPLL回

路とフィードバック制御器である。

Figure 3.14 主な計測機器. 赤枠内はそれぞれ、Fig. 3.8で示した周波

数変調部(easy PLL plus DETECTOR, easy PLL plus CONTROLLER, nanoSurf) とフィードバック制御部(RHK Model SPM 100, RHK Technology)で ある。最上段はノイズ抑制用の帯域通過フィルター(DUAL CHANNEL PROGRAMMABLE FILTER, model 3625, 0.01 Hz – 159.9 kHz, NF)で, 2段目 は信号観察用のオシロスコープ(TDS 2014B, Tektronix).

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Table 3.2 探針の材料と作製方法.

material preparing method diameter

W wire electrochemical polishing(KOH : 2 mol/l) 0.1 mm Pt-Ir wire

(Pt : 90, Ir : 10)

electrochemical polishing(NaCl : 1 mol/l) 0.05 mm

Pt-Ir coated Si cantilever

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参考文献

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