実験概要を表3-1に示す.実験ケースはブラインドが高温の場合とガラスが高温の場合の 2ケース行った. ブラインドのディテールを図3-1に示す.スラット角度は45°でスラット
間隔は21.3mmである. ブラインドとガラスの発熱については温調機を用いて制御した.図
3-2にブラインドの発熱機構の概要を示す.
ガラス ブラインド 冷却板 撮影時間 撮影Hz
case1 30 35 25 30秒 100枚/秒
case2 35 30 25 30秒 100枚/秒
case 温度[℃] PIV撮影条件
表3-1 実験概要
図3-1 ブラインドのディテール
42 3.3 CFD解析
CFD解析条件の概要とモデルの概要を表3-2,図3-3に示す.解析メッシュの作成は図3-4 のような手順で行った.2次元モデルの計算メッシュは図3-5のように作成した.LESは3次 元解析が前提となるため,解析メッシュは図3-6のように2次元メッシュをy方向に押し出 して作成した.メッシュ数は2次元モデルで37,084格子,3次元モデルで1,705,864 格子で あ る.ど ち ら も メ ッ シ ュ の 非 直 交 性(Non-Orthogonality)が 5 を 超 え て い た の で,laplacianScheme に 非 直 交 補 正 の corrected を 使 用 し て い る.LES 解 析 に つ い て は,RANS(kO)での結果を助走区間として,その後500秒の平均をとった.
壁面の温度分布は,図3-6,図3-7のように与えた.なお,ブラインドの1240mmの高さはヘ ッドレールになっており,発熱されていないため,温度が低くなっている.また,近似式の作成 には使用していない.
・・・
図3-2 ブラインドの発熱の方法 スラットのニクロム線の貼り付け方
43 表3-2 CFD解析概要
130 370 [mm]
x
z 床
冷 却 板
1265 ガ
ラ ス
ブ ラ イ ン ド
天井
図3-3 CFD解析モデル
x-z平面を100×253に分割したメッシュを作成 (格子幅5×5mm)
ブラインドをモデリングソフト(sketchUp)で作成 し,blockMeshで作成した格子に形状を取り込む
境界面第一セルを等分割 (レイヤー層4層) blockMesh
snappyHexMesh
refineWallLayer
2次元メッシュをy方向に460mm押し出し3次元化 (y方向格子幅10mm)
extrudeMesh
図3-4 メッシュ作成手順
ブラインドのモデル化 OpenFOAM (ver.2.3)
PISO法
RANS Euler法
LES 2次精度後退差分 風速・温度 2次精度TVD
乱流量 1次精度風上
風速・温度 2次精度中心差分 乱流量 2次精度中心差分 RANS LienLeschziner k-ε
kOmegaSST LES DynamicSmagorinsky
0.025秒 1.0以下 500秒 500秒 解析コード
解法
対流項差分 スキーム(RANS)
時間刻み幅 対流項差分 スキーム(LES)
乱流モデル 時間項 差分スキーム
最大Courant数 助走計算時間 平均化計算時間
44
図3-5 3次元メッシュ概要
全体のメッシュ
ガラス-ブラインド間上部のメッシュ
ガラス-ブラインド間下部のメッシュ スラット周辺のメッシュ
図3-5 2次元モデル計算メッシュ
45
case1 case2 図3-6 壁面温度の境界条件
図3-7 壁面温度の境界条件(解析モデル)
24 26 28 30 32 34 36
0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5
温度[℃]
x[m]
0 0.2 0.4 0.6 0.8 1 1.2
22 24 26 28 30 32 34 36 38
Z[m]
温度[℃]
0 0.2 0.4 0.6 0.8 1 1.2
22 24 26 28 30 32 34 36 38
Z[m]
温度[℃]
ガラス ブラインド 冷却板 近似式(ガラス) 近似式(ブラインド) 近似式(冷却板)
24 26 28 30 32 34 36
0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5
温度[℃]
x[m]
天井 床 近似式(天井) 近似式(床)
ガラス,ブラインド,冷却板温度
0 0.2 0.4 0.6 0.8 1 1.2
20 22 24 26 28 30 32 34 36 38
Z[m]
温度[℃]
22 24 26 28 30 32 34 36
0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5
温度[℃]
x[m]
天井・床面温度
46 3.4 CFD解析と実験の比較
CFD解析の結果を図3-8~図3-に示す.どの乱流モデルにおいても流れの傾向は同じであ
る.case1ではブラインドを蛇行しながら天井面に向かって上昇し,冷却板側へ流れる.また,そ のうち一部の気流はガラス面を下るような挙動を示す.これは,ガラス-ブラインドの温度差 に着目するとブラインドの方がガラスよりも高温なため,ブラインドで上昇し,ガラスで下 降する流れであるからと考えられる.温度分布をみると34℃の等温線の広がりに乱流モデ ルによる差異がみられる.特にLL,LSの低Re型k-εモデルで広がりが大きいことがわかる.
この現象は小野らの研究より,LLが正方形キャビティ内で過大に上下の温度の広がりを評 価してしまうという結果に一致する.
case2では,下部からガラス-ブラインド間へ流れた気流がガラスに沿って上昇し,その後,
室内側へ流出し,冷却板で下降することがわかる.また,下部では一部ブラインドに沿って上 昇する気流が見られた.一方,上部では,ブラインドに沿って下降する気流が見られた.
図3-15の上下温度分布をみると乱流モデルによる差異は少ない.しかし,実験値と比較を
するとcase1では室内側の上部,case2ではガラス-ブラインド間の下部と室内側の上部で差
異が確認された.これの原因として考えられることは以下の2点である.
図3-17にガラス-ブラインド間の高さ中央でのz方法風速分布を示す.case1ではkOと LESが近い値となっている.また実験値にも近い.一方でLLはガラス面を下降する気流速度 が過大になっている.case2については実験とCFD解析で概ね一致している.
1. 実験において,各部位の温度が2次元的になっていない
2. CFD解析において計算メッシュが粗く,十分な精度がでていない.
47 LS LL
kO LES
U[m2/s]
0 0.15
U[m2/s]
0 0.15
図3-8 case1 風速プロファイル
48 LS LL
kO LES
U[m2/s]
0 0.12
U[m2/s]
0 0.12
図3-9 case2 風速プロファイル
49 LS LL
kO LES
T[℃]
24.3 36.3
T[℃]
24.3 36.3
図3-10 case1 温度分布
50 LS LL
kO LES
T[℃]
25.7 36.6
T[℃]
25.7 36.6
図3-11 case2 温度分布
51
図3-12 case1ガラス-ブラインド間風速分布・ベクトル図(左:LS,右:LL)
上部
中央部
下部 0 0.1 U
[m2/s]
52
図3-13 case1ガラス-ブラインド間風速分布・ベクトル図(左:kO,右:LES)
上部
中央部
下部 0 0.1 U
[m2/s]
53
図3-14 case2ガラス-ブラインド間風速分布・ベクトル図(左:LS,右:LL)
上部
中央部
下部 0 0.12 U
[m2/s]
54
図3-15 case2ガラス-ブラインド間風速分布・ベクトル図(左:kO,右:LES)
上部
中央部
下部 0 0.12 U
[m2/s]
55 0 0.2 0.4 0.6 0.8 1 1.2
27 28 29 30 31 32 33 34 35
z[m]
室内側空気温度[℃] 0
0.2 0.4 0.6 0.8 1 1.2
28 29 30 31 32 33 34 35
z[m]
ガラス-ブラインド間空気温度[℃]
空気温度(実験値) LES
kO LL
0 0.2 0.4 0.6 0.8 1 1.2
26 27 28 29 30 31 32 33 34
z[m]
ガラス-ブラインド間空気温度[℃] 空気温度(実験値) LES
kO LL
0 0.2 0.4 0.6 0.8 1 1.2
27 28 29 30 31 32 33 34 35
z[m]
室内側空気温度[℃] case1
case2
図3-16 上下温度分布の比較
56 -0.08
-0.06 -0.04 -0.02 0 0.02 0.04 0.06
0 0.02 0.04 0.06 0.08 0.1 0.12
風速[m/s]
x[m]
実験値 LES kO LL
-0.02 0 0.02 0.04 0.06 0.08 0.1 0.12 0.14
0 0.02 0.04 0.06 0.08 0.1 0.12
風速[m/s]
x[m]
実験値 LES kO LL case1
case2
図3-17 ガラス-ブラインド間高さ中央の比較
57