4. 大規模風洞による飛砂量分布実験
4.1 実験施設と測定装置
以降に実験に使用した主要な装置を示す.
(1) 吐出し型風洞
実験に使用した吐出し型風洞を図-4.1 に示す.測定断面は,底面に 10cm の厚さ に砂を敷いた状態で1m×1mとなる.計測部分の長さは 20mであって片面はガラス張 りとなっている.計測部の終端には金網(網目約 0.1mm)で囲った集砂室を設けて ある.主な仕様は表-4.1 に示す通りで,発生させることが可能な風速の範囲は 3~
30m/sである.風速と送風機のファン回転数,操作盤の目盛との関係はおよそ 表-4.2
のとおりとなっている.
飛砂風洞装置の諸元
図-4.1 吐出し型風洞[堀田,1985]
測定部断面(送風域) :1×1m 〃 の長さ :20m
風速 :3~30m(可変)
底質試料の厚さ :10cm 測定部の1側面はガラス張り
表-4.1 吐型飛砂風洞の主な仕様[久保田ら,2006a」
風速 3~30m/s
分布 ±2%(有効断面内)
乱れ率 1%以内
送風機 1段軸流ファン 風量 1800m3/min.
駆動モータ 直流モータ 50~1200r.p.m.
表-4.2 風速,送風機ファン回転数,操作盤目盛の関係[久保田ら,2006a」
風速(m/s) 6~8 13 18~19 26 ファン回転数(r.p.m.) 350 600 900 1100 操作盤目盛 30 53 75 90
(2) 風速計
風の測定には日本カノマックス社製の多点風速計(熱線風速計)1560 を使用した.
熱線風速計14 基の高さを違えて鉛直分布を測定した.この風速計アレーの設置状況 を図-4.2に示す.
55 50 45 40 熱線風速計
プローブの配置
砂面から の高さ (cm)
65 60
15 10 5 0 35 30 25 20
図-4.2 熱線風速計プローブ配置図[保坂ら,2012]
(3) 鉛直分布型捕砂器
飛 砂 量 の 鉛 直 分 布 の 測 定 に は , 図 -4.3 に 示 す 鉛 直 分 布 型 捕 砂 器 を 使 用 し た . 幅 10cmの捕砂する入り口が19箇所あり,砂面から高くなるほど移動する飛砂が減るた め捕砂される飛砂量は小さくなることから,計量の精度を確保するために上方ほど 入り口の高さを大きくしている.捕砂口の背後にはプランクトンネットを設置し,
入ってきた砂がネット内に溜まる構造となっている.
図-4.3 鉛直分布型捕砂器[久保田ら,2007]
(4) 圧電飛砂計
本研究では前述のとおり高濃度飛砂計測用に4mmのカバーを装着したものを使用 した.圧電飛砂計による飛砂量の算出は,センサ ー部に飛砂が衝突する個数を求め,
砂を球形と仮定して密度2.702g/cm3(実験砂の密度)を乗じることとした.
35 40
5 10 15 20 25 30
Vertical distribution of Sand entry
Sand entry 65
0
Elevation from sand surface (cm)
45 50 55 60
品名 phantom V7.1
総画素数 最大800×600画素
撮影速度 最速160000コマ/秒
シャッター速度 最短2マイクロ秒
レンズ ニコン
照明 メタルハライドライト150W
(5) 高速度カメラ
飛砂速度の測定のため高速度カメラで飛砂運動を撮影し,その映像から飛砂の水 平速度を解析するものとした(藤澤ら(2009)または Fujisawa and Kubota(2010)による 平衡状態の飛砂に対する飛砂水平速度の解析方法).用いた高速度カメラの外観と主 な仕様を図-4.4,表-4.3に示す.この高速度カメラは外部からのデジタル電圧信号 を,撮影と同じタイミングで取り込むことが可能である.そこで,圧電飛砂計から のアナログ出力を,AD変換器を通してデジタル化し,パーソナルコンピュータおよ び高速度カメラ本体に同時に収録して映像と同期させた.
図-4.4 高速度カメラ[久保田ら,2007]
表-4.3 高速度カメラの主な仕様[久保田ら,2007]