1. 第2章に関する実験
1. 1 発現ベクターの作成 1. 1. 1 インサート DNAの作成
まず、pNL4-3 spNef2をテンプレートとしてPCRを行い、目的領域を増幅した。
PCRの組成およびプログラムを以下に記す。
DNA (50 ng/mL) 2 µL
10×pfu buffer 10 µL
dNTP (10 mM) 3 µL
F primer (10 µM) 1 µL
R primer (10 µM) 1 µL
Pfu polymerase (2.5 U/mL) 2 µL
dH2O 81 µL
total 100 µL (50 µL×2)
95 ˚C 2 min 95 ˚C 20 sec
55.5 ˚C 30 sec 30 cycles 68 ˚C 30 sec
68 ˚C 30 sec
4 ˚C ―
反応終了後、PCR product 5 µLに6×Loading dye contg. BPBを1 µL加え、2 % agarose gel (20 mL)に135Vで30 min電気泳動した。その後EtBr soln. 10 µLを加えた1×TAE bufferにゲルを浸して10 min染色した。PCR productのサイズを確認後、PCR Purification Kitを用いてPCR productの精製を行った。
精製したPCR productを制限酵素で処理 (37 °Cで3 hrインキュベーション後、65 °C
で20 minインキュベーション)した。その組成を以下に記す。
PCR product 25 µL
Enzyme 1 µL
10×NEB buffer 3 5 µL
BSA 5 µL
dH2O 14 µL
total 50 µL
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反応終了後、サンプル50 µLに6×Loading dye contg. BPBを10 µL加え、1 % agarose gel (50 mL)に135Vで30 min電気泳動した。その後EtBr soln. 10 µLを加えた1×TAE bufferにゲルを浸して10 min染色した。その後目的のバンドを切り出してQIAquick® Gel Extraction Kit を用いて抽出しインサートDNAとした。
1. 1. 2 ベクターの作成
ベクターを制限酵素で処理(37 °Cで3 hrインキュベーション後、65 °Cで20 minイン キュベーション)した。。
反応終了後、サンプル50 µLに6×Loading dye contg. BPBを10 µL加え、1 % agarose gel (50 mL)に135Vで30 min電気泳動した。その後EtBr soln. 10 µLを加えた1×TAE bufferにゲルを浸して10 min染色した。その後目的のバンドを切り出してQIAquick® Gel Extraction Kit を用いてDNAを抽出し、ligation反応のベクターとして用いた。
1.1.3 Ligationおよびtransformation
作成したインサートとベクターをモル比10:1としてLigation mixtureを調製し、16 °C で12 hr反応させライゲーションを行った。Ligation mixtureの組成を下記に示す。
ベクター 2 µL インサート X µL T4DNA Ligase buffer 2 µL
T4DNA Ligase 1 µL
インサートをそれぞれベクターとモル比で1:10となるよう調整し、dH2Oで全量を20 µL とした。
反応終了後、Ligation product (1 µL )をOne Shot® TOP 10 Chemically Competent E.coli ( 25µL)に加え、氷上で30 minインキュベーションし、42 °C 30 secヒートショックを与え た。次に氷上で2 minインキュベーションし、S.O.C mediumを250 µL 加えて37 °C 225 rpmで1 hr振盪培養した。その後、培養液125 mLをLB-Amp agar plateに播き、コロニ ーが形成される (約12 hr ~)まで37 °Cで培養した。
96 well plateに50 µg/mL Ampicillinを含むLB-mediaを50 µL /well加え、形成された コロニーをオートクレーブ済みの爪楊枝でピックして37 °Cで2 hr培養した。その後cPCR を行いクローニングした。cPCR の間、培養コロニーに 50 µg/mL Ampicillinを含む LB-mediaを 50 µL /well 加え、37 °Cでインキュベーションした。cPCR mixture の組成と PCR programは、1.2.1に準ずる。
反応終了後、PCR product 5 mLに6×Loading dye contg. BPBを1µL加え、2 % agarose gel (20 mL)に135Vで30 min電気泳動した。その後EtBr soln. 10 µLを加えた1×TAE bufferにゲルを浸して10 min染色した。PCR productのサイズを確認し、ポジティブクロ
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ーン3 µLに50 µg/mL Ampicillinを含むLB-media 3 mLを加えて37 °C 225 rpmで振盪 培養 (12 hr~)し、QIAprep® Spin Mini prep kitを用いて目的プラスミドを精製した。ま た、精製したクローンの一部はグリセロールストックとして-80 °Cで保存した。
1. 2 Transfection
細胞培養はP2実験室で行った。HEK293細胞を2.5×105 cells/2 mL/wellとなるように 12 well plateに播き、37 °C 5 % CO2で一晩インキュベートした。1 µg/wellのNef発現ベ クターにsf DMEM 200 µL、Lipofectamine LTX Plus Reagent 1 µLを加え、室温で15 min インキュベートした後、Lipofectamine LTX 2.5 µLを混合して室温で25 minインキュベ ートした。その後、HEK293細胞を播いたplateに調製した溶液をそれぞれ添加し、37 ° C 5 % CO2で48 hr培養した。実験に用いたNef発現vectorを下記に示す。
・pNL4-3 spNef2
・pJR-CSF spNef2
pNL4-3 spNef2およびpJR-CSF spNef2は以前作成したプラスミドである。
1. 3 Western Blot解析
1. 3. 1 細胞回収及びタンパク定量
まず、Transfectionした細胞の培養上清を除去し、PBS (-) 1 mLを添加して再度上清 を除去した。次にPBS (-) 1 mLを加えて2~3 minインキュベートした後、ピペッティン グによって細胞を剥がして回収した。回収した細胞はPBS (-) 1 mLで懸濁し、遠心 (15,000 rpm, 30 sec)して上清を除去する操作を2回繰り返した。その後、Protease Inhibitorを含 むTriton X-100 Lysis buffer 30 Lで細胞を懸濁し、氷上で30 minインキュベートし細胞 の可溶化を行った。可溶化後、遠心 (15,000 rpm, 10 min)し、上清を20L回収してcell lysateとした。続いて下記に示すBCA法によってcell lysateのタンパク定量を行った。
Cell lysate 5 μLに8倍希釈となるようにTriton X-100 lysis bufferを35 μL加えた。ま た、検量線用のstandardとしてBSA濃度が0, 0.0625, 0.125, 0.5, 及び1 mg/mLとなる ようにBSA soln. (1 mg/ml in Triton X-100 lysis buffer)をTriton X-100 lysis bufferによ って連続2倍希釈し、各々40 μLとした。次に、Reagent A とReagent Bを50:1の割合で 混合した溶液を1 mL/sample加え、37 °Cで30 min インキュベートした。その後、96 well plateに100 μL/wellアプライして570 nmの吸光度を測定し、検量線を作成して各サンプ ルのタンパク質濃度を求めた。そしてcell lysate:2×ib:BPB:2-ME = 10:9:1:1のと なるように2xib, BPB, 2-MEの混合溶液を調製してcell lysateに加えた後、100 °C で5 minインキュベートすることによってSDS化を行った。
使用したIncubation bufferの組成は以下の通りとなる。
・2×Incubation buffer
125 mM Tris-HCl (pH6.8), 4 % SDS, 20 % Glycerol in Milli-Q grade water
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1. 3. 2 SDS-PAGE、western blotting、および発現量の定量化
タンパク量として10 μgに相当するSDS化サンプルに1×ibを加えて20 μLに調製した 後、polyacrylamide gel (Super Sep TM Ace 5-20 % 13 well)を用いて500 V, 20 mA, 70~90
minでSDS-PAGEを行った。泳動後、セミドライ型トランスウェスタン電気泳動装置を用
いて500 V, 0.8 mA/cm2, 70 minでタンパク質をPVDF膜に転写した。polyacrylamide gel はCBB-R250に浸して12 hr染色後、脱色液に浸し8 hr程度脱色した。また、PVDF膜は
5 %スキムミルクに浸して1 hrマスキングした後、抗体反応に用いた。
マスキング後、TBS bufferで3回洗浄し、Immunoenhancer Aで1000倍希釈した一次 抗体を処理し、4 hr室温で反応させた。続いて、0.5 % Tween in TBS bufferで5回洗浄し た後、Immunoenhancer Bで2000倍希釈した二次抗体を処理し、室温で1 hr反応させた。
その後、0.5 % Tween in TBS bufferで5回洗浄を行った。洗浄後、SuperSignal West Pico Substrateを3.5 mLずつ加え、ルミノールイメージアナライザーLAS-mini 4000を用いて Nefタンパク質を検出し、そのバンド強度をFujifilm Image Gauge Softwareを用いて定 量化して発現量の比較を行った。
その後、PVDF膜をTBS bufferに浸して2回洗浄した後、WB Stripping Solution Strong に置換して10 min振とうし、抗体を剥離させ、5%スキムミルクを含むTBS bufferでマス キングした。その後、同様に一抗体反応と二次抗体を用いた検出を行い、バンド強度を定量 化し内部標準とした。
1. 3. 3 抗体
本論文中の実験に用いた一次抗体を以下に記す。
Bicistronic assay
Aniti-FLAG-antibody Invitrogen
Anti- V5-antibody Invitrogen
Anti-actin (Ab-1) Mouse mAb (JLA20) CALBIOCHEM
pNL4-3spNef2の各種5’UTR欠損変異を用いたdeletion assay
Rabbit anti-Nef serum NIH AIDS Reserach & Reference Reagent Program Anti-actin (Ab-1) Mouse mAb (JLA20) CALBIOCHEM
二次抗体として用いた抗体を以下に記す。
POD-conjugated goat anti-mouse IgG(H+L) Jackson Immuno Research POD-conjugated Goat anti-rabbit IgG Jackson Immuno Research
59 1. 4 Luciferase assay
1. 4. 1 細胞回収及び定量
Transfectionした細胞の培養上清を除去し、PBS (-) 1 mLを添加して再度上清を除去し た。次に、1 x Cell Culture Lysis Reagent 250 µLで細胞を懸濁し回収及び可溶化を行っ た。回収した細胞を遠心 (15,000 rpm, 10 min)し、上清を200L回収してcell lysateとし た。次に可溶化液を20 µL/wellずつ96 well plateに分注した。その後ARVOの分注器に よってLuciferase substrateを50 µL/well加え、ルシフェラーゼの発光を1 sec x 10回連 続的に測定した。また、h-Coelenterazinesを50 µL/well加え発行を1 sec x 10回連続的に 測定した。
1. 5 定量的PCR
1. 5. 1 細胞からのmRNAの回収
RNeasy Mini Kitを用いてmRNAの回収を行った。まず、回収細胞をBuffer RLT 350 µLで細胞を懸濁し破砕した。2 mlのコレクションチューブにセットしたQIA shredderス ピンカラムにライセートを添加し、15,000 rpm で 2 min 間遠心を行った。ライセートに
350 µLの70 %エタノールを添加し混和し、RNeasyスピンカラムにサンプルをアプライし
13,000rpmで15 sec遠心した。ろ液を除去し、700 µLのBuffer RW1をRNeasyスピン カラムに添加し13,000 rpmで15 sec間遠心し、ろ液を除去した。そこに500 µLのBuffer RPE を添加し13,000 rpmで 15 sec間遠心し、ろ液を除去した。次に 500 µL のBuffer RPEを添加し、13,000 rpmで2 min遠心した。RNeasyスピンカラムを新しい2 mlコレ クションチューブに移し15,000 rpmで1 min間遠心して完全にEtOHを除去した後、1.5 mlコレクションチューブにセットし、RNaseフリー水30 µLを添加して13,000 rpmで1 min遠心操作を行い、RNAを溶出した。
1. 5. 2 RT-PCRによるcDNAの作製
SuperScriptTM III First-Strand Synthesis System for RT-PCR を用いて mRNA から cDNAを作製した。
RNA(50 ng) X µL
50 ng/µL Random hexamers 1 µL
10 mM dNTP mix 1 µL
DEPC-treated water
total 10 µL
以上をDEPC-treated waterで全量が10 µLとなるように調整し、65 ˚Cで5 minイン キュベート、その後氷中で冷却し、RNA/primer Mixを作製した。
次に以下の組成で溶液を混合し、cDNA Synthesis Mixを作製した。
10 x RT buffer 2 µL
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25 mM MgCl2 4 µL
0.1 M DTT 2 µL
RNaseOUT™ 1 µL
SuperScript™ III RT 1 µL
total 10 µL
RNA/primer Mixに10 µL/sampleのcDNA Synthesis Mixを加え、25 ˚Cで10 min、
50 ˚Cで50 min及び85 ˚Cで5 minインキュベートすることで逆転写及び逆転写酵素の不 活化を行った。その後1 µL/sampleのE. coli RNase Hを加え、37 ˚Cで20 minインキュ ベートした。
qPCR における Nef のスタンダードとしてはpNL4-3 spNef2 のDNA を dH2O で109 copies/µL に調整し、その後連続 10 倍希釈を行う事で 108 copies/µL, 107 copies/µL, 106 copies/µL, 105 copies/µL, 及び104 copies/µLのDNA溶液を作成、これをqPCRにおける Nef定量用のスタンダードとして用いた。
1. 5. 3 qPCRによるmRNAの定量
RT-PCRによって得られたcDNAにおいて、SsoFastTM Evagreen® Supermixを用いた qPCRを行った。ActinのmRNA量も同時に定量し、内部標準とした。その組成及びプロ グラムを以下に示す。
SsoFast EvaGreen supermix 10 µL
F primer (10 µM) 1 µL
R primer (10 µM) 1 µL
DEPC treated water 6 µL
DNA template 2 µL
total 20 µL
Primerは下記のものを用いた。
Nef cDNA 検出用の F primer として Nef2sp_qPCR_F2 および R primer として Nef2sp_qPCR_R3を用いた。
Actin cDNA検出用のF primerとしてXAHR-17およびR primerとしてXAHR20を用 いた。
61 1. 6 Actinomycin D処理および細胞回収
Actinomycin DはDMSOに溶解させ、5 mg/mLのstock solnを作成した。
Transfection後48 hrインキュベートしたHEK293細胞を0.25 % trypsinで処理し回収し た後、遠心し12 well Plateにまきなおした。その後ActinomycinDを5 µg/mlとなるよう 処理し、0 hr、3 hr、および6 hr後に細胞を回収した。回収した細胞よりRNeasy Mini Kit を用いてmRNAを回収した。
1. 7 コンセンサス配列の探索及び類似RNAの合成
Nef mRNAの446 nt付近がIRES様活性と発現に重要である示唆が得られた。次に注目す
るstem loopを含む領域をHIV Sequence Alignment
(shttp://www.hiv.lanl.gov/content/sequence/NEWALIGN/align.html)から探索した。次に この領域内でのコンセンサス配列をこれまで検討してきたNL4-3株が含まれるウイルスタ
イプsubtypeBからコンセンサス配列を求めた。
Simple Consensus Maker (http://www.hiv.lanl.gov/content/sequence/CONSENSUS /SimpCon.html)を用いて相当配列より 8532 nt から CGCTTGAGACTTACTCTTGATTG の 23 残 基 の 見 出 し た 。 こ れ を RNAfold を 使 い 2 次 構 造 を 予 測 し た と こ ろ 、 TTGAGACTTACTCTTGAの19 ntでstem loop構造を形成することが示された。このと き見出されたコンセンサス配列を基にRNAを合成し、今後の検討に用いた。また、Negative
Controlとして同じ配列を高次構造を形成しないよう並び替えた Randam配列のRNA を
合成した。コンセンサス配列由来のRNAをConB、Randam配列をConB Rdmと称する。
1. 8 合成RNAとの共形質移入
HEK293 細胞に以下の条件でtransfectionを行い、Nefタンパク質を発現させた。細胞
培養はP2実験室で行った。
HEK293細胞を1×106 cells/well (2 mL)となるように6 well plateに播き、37℃, 5% CO2
で一晩インキュベートした。pNL4-3 spNef2 0.5 µgをConBまたはConB Rdm を1.0 µM、
0.5 µM、及び0.25 µMの条件で混和したサンプルにserum free DMEM 200 µL、PLUSTM Reagent 1.0µLと混合し、室温で15 minインキュベートした後、LipofectamineTM LTX 2.5 µLを加えて室温で更に25 minインキュベートした。その後HEK293細胞を播いたplate に調製した溶液をそれぞれ混合し、48 hr培養した。