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5.1 ナノ粒子作製手順

ナノ粒子合成の手順をFig.5.1に示す。Tab.5.1に分量条件を示す。

Tab.5.1 分量条件

薬品名 組成式 分量 分量[mmol]

オレイルアミン C18H37N 1.5 ml 0.5 オレイン酸 C18H34O2 1.6 ml 0.5 コバルト(Ⅱ)アセチルアセトナト Co(acac)2 285.5 mg 0.7 白金(Ⅱ)アセチルアセトナト Pt(acac)2 118 .0mg 0.3 1.2-ヘキサデカンジオール C16H34O2 387.7mg 1.5 今回の実験では金属源として白金(Ⅱ)アセチルアセトナート(Platinum acetylacetonate:Pt(acac)2 )(SIGMA-ALDRICH製:99.99%)とコバルト(Ⅱ)アセチル アセトナート(Cobalt acetylacetonate:Co(acac)2 )(SIGMA-ALDRICH製:99.9%)を、

還元剤として1,2-ヘキサデカンジオール(SIGMA-ALDRICH製:95%)を用いた。

配位子としてオレイン酸(東京化成工業株式会社製:85%)、オレイルアミン(東京 化成工業株式会社:70%)を使った。

Fig.5.1に粒子作成手順のフローチャートを示す。

① 計量計によりCo (acac)2を0.7mol(285.5mg)、Pt(acac)2を0.3mol(118.0mg)を計 り、三つ口フラスコの中に入れた。マイクロピペットで配位子兼溶媒である オレイルアミン0.5mmol(1.5ml)とオレイン酸0.5mmol(1.6ml)を取り、加えた。

② オレイン酸の発火点が363°Cと低いので酸素を取り除くために、三つ口フラ スコに栓をしてロータリーポンプを用いて三つ口フラスコ内部を排気し、窒 素置換した。その後Co(acac)2とPt(acac)2を溶媒中でイオン化させるために

150°Cまで上昇させ15分加熱した。温度は温度調節器によりマントルヒータ

ーの温度を制御することにより制御した。

③ 空気が入らないように窒素ガスの勢いを強くしてから三つ口フラスコのふた を開けて、還元剤である1-2ヘキサデカンジオールを387.7mg加え、ナノ粒 子を還元した。

④ 窒素ガスの勢いを弱め、攪拌しつつ250°Cまで昇温し30分加熱した。この過 程でCoPt微粒子が成長していく。

⑤ マントルヒーターから三つ口フラスコを離し、溶液を室温まで戻した。

⑥ 作製した溶液に対してへキサン20mlとナノ粒子のヘキサンに対する溶解度 を高めるために、オレイン酸50μl、オレイルアミン50μlを加えた。その後エ タノールを加えて4000rpmで遠心分離を行った。そして上澄液を取り除き残 った沈殿物を最終的にヘキサン中に保存した。

5.2 ナノ粒子合成中の化学反応

Fig5.2 に(a)オレイルアミン、(b)オレイン酸、(c)1.2-ヘキサデカンジオールの構

造式を示す。

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5.2.1 金属源のイオン化

溶媒中で金属源である Co (acac)2、Pt(acac)2を 150℃まで加熱すると、以下の 反応式のようにイオン化する。

Co(acac)2→Co2++2(acac) -Pt(acac)2→Pt2++2(acac)

-5.2.2 金属イオンの還元反応

還元剤である 1.2-ヘキサデカンジオールは以下のように反応することで電子 を排出する。

(𝐶𝟏𝟏𝐻𝟏𝟏− 𝐶𝐻𝑂𝐻 − 𝐶𝐻𝟏𝑂𝐻) → (𝐶𝟏𝟏𝐻𝟏𝟏− 𝐶𝐻𝟏− 𝐶𝐻𝑂) + 𝐻𝟏𝑂 2(𝐶𝟏𝟏𝐻𝟏𝟏− 𝐶𝐻𝟏− 𝐶𝐻𝑂) → (𝐶𝟏𝟏H𝟏𝟏− 𝐶𝑂 − 𝐶𝑂 − 𝐻𝟏𝟏𝐶𝟏𝟏) + 2𝐻𝟏 + 2𝑒𝟏 金属イオンがその電子を受け取り還元される。

Co2++2e-→Co Pt2++2e-→Pt 5.3 成膜手順

5.3.1基板洗浄手順

10×10 mm2の石英基板をアセトンに浸けて5分間、15分間超音波洗浄を行っ

た。エタノールで 5 分間超音波洗浄を行い、窒素ブローでエタノールを吹き飛 ばした。その後有機物の洗浄を狙いオゾン処理を30分間行った。

5.3.2 触媒溶液の作製

エタノールを溶媒とし 0.01wt%の酢酸 Mo 溶液、ヘキサンを溶媒とし

0.01wt%のCoPt微粒子溶液を作製した

酢酸Mo とCoPt 微粒子をそれぞれ溶媒の入ったビーカーに入れ、2 時間超音 波分散行ったものを触媒溶液とした。

5.3.3 触媒の製膜

触媒の成膜にはディップコート法を用いた。ディッピング装置の概略 Fig.5.3 に示す。ディッピング装置は、ナノディップコータ(株式会社あすみ技研製;

ND-0407-S1)を用いた。基板をクリップで挟み、その下に溶液の入ったビーカを

置く。制御部を操作し引き上げ速度、高さ、停滞時間を制御し引き上げた。触

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媒の成膜は基板を触媒溶液に10分間浸けた後、引き上げ速度 600 mm/s で引き 上げた。引き上げの後に、電気炉で大気中で400 °C 5分間のアニール処理を行 った。

5.4 ACCVD手順

CNTはACCVD法を用いて成長させた。Fig5.4にACCVD条件、Fig.5.5にCVD 装置概略図を示す。

(a-1) 触媒を成膜した基板をチャンバ内の基板ホルダにセットし、ロータリーポ

ンプ(a)でチャンバ内を約1.0 Pa まで排気した。その後、チャンバからロー タリーポンプ(a)のバルブを閉じる。

(a-2) 2 つのエタノールの流量計のバルブをオープンにし、切り替えバルブ①を

チャンバへ接続し、三方向バルブ②をコールドトラップへ接続する。チャ ンバ内に流れてくるエタノールをストップバルブ(イ)の開き具合を調整して 流量計の目盛を200 ccm とする。

(a-3)三方向バルブ①をコールドトラップへと接続し、三方向バルブ②をにする。

コールドトラップへと流れるエタノールの流量をストップバルブ(ア)を調整

して 200ccm としてエタノールを流し続けた。チャンバの外を流れるパス

はロータリーポンプ(b)にて排気した。

(a-4)ロータリーポンプ(a)でチャンバ内のエタノールを排気した。H2を 20 ccm、

Arを200 ccm流し、基板ヒータを1000 °Cまで昇温した。

(b)そのままの状態で30 min 還元した。

(c-1) H2、Arを止めてロータリーポンプ(a)で350Pa まで排気した。その後、チャ

ンバからロータリーポンプ(a)のバルブを閉じる。

(c-2)三方向バルブ①をチャンバへ接続しチャンバ内へ30 min 間エタノールを流

し続けた。

(d-1)チャンバ内にエタノールを保持したままヒータを室温まで降温した。

(d-2)室温まで降温した後、三方向バルブ②をコールドトラップと接続しロータ リーポンプ(b)で約10 Pa まで排気した。

(d-3)チャンバ内の圧力を大気圧にし、試料を取り出した。

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Fig.5.1 CoPt微粒子合成手順 1,2-hexadecanediol(C16H34O2)

Ethanol(C2H5OH) hexane(C2H5OH)20ml Oleicacid 50ml

Oleyl amine 50ml N2保護下で撹拌しながら 溶液を150℃まで温め、15分間維持

N2保護下で撹拌しながら 溶液を250℃まで温め、30分間維持 溶液を室温まで冷ます

遠心分離(10分間,4000rpm) 上澄み液を取り除く

hexane(C6H14) 20ml FePtがhexane中に蓄えられる

三口フラスコ

Oleyl amine(C18H37N) Oleic acid(C18H34O2)

Fe(acac)3 Pt(acac)2

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(a) オレイルアミン

(b) オレイン酸

(c)1.2-ヘキサデカンジオール

Fig5.2 試料の構造式

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(a) ディップコート装置簡略図

(c) ディップコート手順 (d)

Fig.5.3 ディップコート法の概略図 引き上げ速度

600 [μm/s]

触媒溶液

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Fig.5.4 CVD条件 時間

全圧 C2H5OH

H2 Ar

min Pa ccm ccm ccm 温度 1000 ℃

時間 還元

CNT 成長 10

3k 0 20 200

30 3k 0 20 200

30 350 200 0 0

10 350

0 0 0

昇温 降温

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Fig.5.5 CVD装置概略図

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