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実施医療機関への伝達に関する留意事項と補足

安全性情報の実施医療機関への伝達に関して、以下の GCP 運用通知及び事務連絡 Q&A で留意すべき事 項を取り上げ、これらを補足した。必要に応じて製薬協としての解釈/運用を追記した。

GCP 運用通知: 平成 20 年 10 月 1 日付薬食審査第 1001001 号付「「医薬品の臨床試験の実施の基準に関す る省令」の運用について」

事務連絡 Q&A: 平成 21 年 2 月 5 日付「治験副作用等の定期報告及び治験審査委員会の会議の記録の概要 の作成等に関する Q&A について」

GCP 運用通知

(副作用情報等)

第 20 条 治験依頼者は、被験薬の品質、有効性及び安全性に関する事項その他の治験を適正に行うため に必要な情報を収集し、及び検討するとともに、実施医療機関の長に対し、これを提供しなければならない。

2 治験依頼者は、被験薬について法第 80 条の 2 第 6 項に規定する事項を知ったときは、その発現症例一覧 等を当該被験薬ごとに、当該被験薬について初めて治験の計画を届け出た日等から起算して半年ごとに、そ の期間の満了後 2 月以内に治験責任医師及び実施医療機関の長に通知しなければならない。

3 治験依頼者は、前項に規定する事項のうち当該被験薬の治験薬概要書から予測できないものを知ったと きは、直ちにその旨を治験責任医師及び実施医療機関の長に通知しなければならない。

4 治験依頼者は、被験薬の品質、有効性及び安全性に関する事項その他の治験を適正に行うために重要 な情報を知ったときは、必要に応じ、治験実施計画書及び治験薬概要書を改訂しなければならない。この場 合において、治験実施計画書の改訂について治験責任医師の同意を得なければならない。

<第 1 項>

1 治験依頼者は、治験薬の安全性を継続的に評価する責任を有する。

2 治験依頼者は、被験者の安全に悪影響を及ぼし、治験の実施に影響を与え、又は治験継続に関する治験審 査委員会の承認を変更する可能性のある情報を、治験に関与する全ての治験責任医師、実施医療機関の長に 速やかに通知すること。

<第 2 項><第 3 項>

1 治験依頼者は、被験薬について法第 80 条の 2 第 6 項の規定に基づく薬事法施行規則(昭和 36 年厚生省令 第 1 号。以下「施行規則」という。)第 273 条第 1 項第 1 号、同項第 2 号イ及びロに掲げる副作用・感染症症例(以 下「副作用等症例」という。)並びに施行規則第 273 条第 1 項第 2 号イ(1)から(5)までに掲げる当該被験薬等の 副作用等症例であって治験薬概要書から予測できるものを知ったときは、その発現症例一覧等を当該被験薬ご とに、当該被験薬について初めて治験の計画を届け出た日等から起算して半年ごとに、治験責任医師及び実 施医療機関の長に通知すること。

なお、その通知は、期間の満了後 2 か月以内に行うこと。

2 治験依頼者は、第 20 条第 2 項に規定する事項のうち当該被験薬の治験薬概要書から予測できないものを知 ったときは、直ちに治験責任医師及び実施医療機関の長に通知すること。

なお、治験薬概要書から予測できる副作用等症例のうち規制当局より要請があったものについては、直ちに当 該副作用等症例を治験責任医師及び実施医療機関の長へ通知すること。

3 (略)

<第 4 項>(略)

事務連絡 Q&A Q19

これまで、GCP 省令第 20 条の規定に基づき、規則第 273 条第 1 項第 2 号ハ及び二の措置報告及び研究 報告について、治験依頼者から治験責任医師及び実施医療機関の長に通知することが求められていたが、

改正 GCP 省令により、これらの通知は不要となったのか。

A19

措置報告及び研究報告は、従来どおり、治験依頼者から直ちに治験責任医師及び実施医療機関の長に通知す る必要がある。

<まとめ>

• 未承認成分の治験及び用法・用量又は効能・効果の一変治験ともに個別症例報告の実施医療機関へ の伝達対象は同一である。

• 個別症例報告の伝達対象は、国内外の未知の重篤な副作用である。

• 「既知の死亡・死亡につながるおそれ」の個別症例報告は、実施医療機関への伝達は不要である。

• 措置報告及び研究報告は、従来どおり、直ちに実施医療機関へ伝達する必要がある。

• 全ての治験で、6 ヵ月ごとの定期報告の伝達が必要となる。

• 定期報告の伝達対象は、国内外の未知の重篤な副作用、及び既知の重篤な副作用(既知の入院等も 含む)である。

• 定期報告の伝達期限は、6 ヵ月の期間満了後、2 ヵ月以内である。

3-1 治験における個別症例報告の実施医療機関への伝達

<留意事項と補足>

1) 規制当局への報告対象と実施医療機関への伝達対象の相違

平成 20 年 2 月 29 日の施行規則第 273 条と GCP 省令第 20 条の改正により、規制当局への報告対象 と実施医療機関への伝達対象が一致しなくなった(別添 1 参照)。改正前は、規制当局へ報告した個別 症例を、実施医療機関にも伝達するという枠組みであったため、改正された施行規則第 273 条と GCP 省令第 20 条が施行される平成 21 年 4 月 1 日以降は十分に留意する必要がある。

[補足]

平成 21 年 4 月 1 日以降は、治験責任医師及び実施医療機関の長への伝達対象となる個別症例は未 知・重篤な副作用等症例のみとなり、当局報告対象の既知・重篤(死亡・死亡のおそれ)の症例の伝達 は不要となる。

また、一変治験では、規制当局内で市販後副作用報告を活用することで治験としての「未知の外国症 例」を規制当局に報告する必要はないが、実施医療機関には直ちに伝達することが求められる。付録

<製薬協資料 1>の平成 21 年 10 月 29 日の臨床評価部会総会における質疑応答 7 も参照されたい。

2) 個別症例報告の実施医療機関への「直ちに伝達」の期限

平成 9 年 3 月 27 日の新 GCP 施行に伴い、個別症例報告の「直ちに伝達」は、「情報入手日から 1 ヵ

月以内」に実施すべきという運用が定着している。また、機構の適合性調査においても、情報入手から 1 ヵ月以上経過して個別症例報告を伝達していることについて、照会事項や GCP 実地調査結果の「改 善すべき事項」の対象となっている。

平成 21 年 4 月 1 日に施行される GCP 省令第 20 条第 3 項並びに当該項の GCP 運用通知では、「直 ちに伝達」することのみが規定されているが、新たに定期報告制度を導入したことを踏まえて、個別症 例報告の医療機関伝達のあり方を改めて明確にする必要がある。

[補足]

製薬協臨床評価部会は、平成 19 年 9 月 19 日の「治験のあり方に関する検討会報告書」に基づく治験 の安全性情報の規制改正(個別症例報告の見直しと新たな定期報告)の導入を関係各署と協議する 過程で、規制当局への報告と実施医療機関への伝達の両方を課題に取り上げた。

実施医療機関への「直ちに伝達」について、これらの協議のポイントを以下にまとめる。

• 個別症例報告の実施医療機関への「直ちに伝達」については、平成 21 年 4 月 1 日から導入され る定期報告の伝達も併用することで、「情報入手日から 1 ヵ月以内」に限定されるものではない。

• GCP 省令第 20 条とこれに関する GCP 運用通知では、これまで「直ちに伝達」と規定しており、「治 験のあり方に関する検討会報告書」ではこの規定を見直すことは直接の課題には取り上げられて いない。このため、「治験のあり方に関する検討会報告書」に基づく治験の安全性情報の規制改 正として、GCP 省令第 20 条の「直ちに伝達」を変更することは難しい。

• GCP 運用通知で「直ちに伝達」について、内容に応じた伝達期限を示すと、それに対する更なる微 細な解釈を招く懸念がある。

製薬協の解釈/運用

「直ちに」伝達の具体的な方法は、各社の手順で規定されるものであるが、上記を踏まえた伝達方法を 別添 2 に示した。被験者の安全性に係わり治験継続に影響があるような緊急伝達以外は、情報内容 に応じて 1 ヵ月以内、1~3 ヵ月ごとにレベル分けした伝達が可能である。

3) 「既知の死亡・死亡につながるおそれ」のある症例について

平成 20 年 2 月 29 日の GCP 省令第 20 条の改正前は、個別症例報告として実施医療機関への伝達 が求められていた。今回の改正で実施医療機関への「直ちに伝達」の対象外となり、今後は当該情報 が伝達情報としてどのように反映されるかを明確にしておく必要がある。

[補足]

個別症例報告としては実施医療機関へ伝達されないが、6 ヵ月ごとの定期報告の実施医療機関への 伝達には、「既知の死亡・死亡につながるおそれ」を含む全ての重篤な副作用情報が発現状況一覧

(別添様式)にまとめられ、これが実施医療機関へ伝達されることになる。つまり、今後は発現状況一 覧(別添様式)としてのみ、伝達される情報となる。

4) 個別症例報告の実施医療機関伝達:共通ラインリストの活用

GCP 省令では、個別症例報告の伝達対象と期限について述べているが、どのような様式で伝達する かは規制していない。その結果、治験依頼者ごと、実施医療機関ごとに様々な伝達様式が作成され、

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