●設立の経緯
卒後教育委員会設立の気運は,相模原で行われた 第31回学術集会(会長 松浦信夫)中の1997年10 月1日に開催された理事会に遡る.このとき,「若 い方々に内分泌の教育を今まで以上にする必要があ るのではないか」(理事会議事録より抜粋)という 提案がなされ,後日教育担当理事として大山建司,
西美和が指名された.
金沢で行われた第32回学術集会(会長 高橋弘昭)
中の1998年9月30日に開催された理事会で,卒後 教育委員会を発足させることが正式に決定した.さ らに,小児内分泌研究者懇談会と住友製薬が共催し てきた小児内分泌セミナーを改組し,日本小児内分 泌学会と住友製薬の共催とすること,卒後教育委員 会がこのセミナーのプログラムなどを検討すること を決定した.
1999年3月25日に東京で開催された理事会にお いて,初代委員長 大山建司,副委員長 西美和のも と,佐々木望,長谷川行洋,藤田敬之助,横谷進が 委員に指名され,正式に卒後教育委員会が設立さ れ,同年4月から活動を開始した.
●歴代委員
1999〜2001年度は,委員長・大山建司,副委員 長・西美和,委員は佐々木望,長谷川行洋,藤田敬 之助,横谷進.2002〜04年度は,委員長・大山,
副委員長・有阪治,委員は大関武彦,長谷川行洋,
松浦信夫.2005〜07年度は,委員長・大山,副委 員長・有阪,委員は神﨑晋,長谷川奉延,依藤亨.
2008〜10年度は,委員長・長谷川奉延,副委員長・
大山,委員は鬼形和道,小林浩司,田島敏広,藤原 幾磨.2011〜13年度は,委員長・長谷川奉延,副 委員長・藤原幾磨,委員は伊藤純子,鬼形,水野晴 夫,南谷幹史,室谷浩二.2014年4月〜現在は,
資料編「委員会委員名簿」参照.
●活動内容
1999年の委員会立ち上げのときから小児内分泌
である.
2010年頃より日本内分泌学会内分泌代謝科(小 児科)専門医および認定教育施設の拡充について検 討した.2011年当時,日本内分泌学会内分泌代謝 科(小児科)専門医は198名,指導医は89名,小 児科単独での認定教育施設は35施設であった.
2014年1〜3月に当時の評議員を対象に日本内分泌 学会認定専門医に関するアンケートを実施した.そ の結果,認定教育施設でないために研修を開始でき ていない内分泌専門医資格取得希望者(小児科医)
が多数いることが明確になった.本件はその後,あ
卒後教育委員会
表1 小児内分泌専門セミナーと小児内分泌入門セミナーの
趣旨と共催(2016年現在)
趣旨
小児内分泌専門セミナー
小児内分泌疾患の臨床経験が1年以上ある医師で,原則と して日本小児内分泌学会員を対象とする.各項目における 病態,診断,治療に関する最新の情報,講師の見解を含め ての講義,また小児内分泌疾患の遺伝カウンセリングにつ いて実践的に学ぶ「遺伝カウンセリングロールプレイ」を 行う.なお,症例検討として参加者は症例を提示する.専 門セミナーには,「日本内分泌学会内分泌代謝専門医(小 児科)単位付与セミナー」として,2単位が付与される.
小児内分泌入門セミナー
小児内分泌疾患の臨床経験が1年以内(小児科の臨床経験 は問わない)の医師を対象とする.臨床小児内分泌疾患を 診るうえで,基本的なことを重点的に学ぶコースである.
講師には臨床経験が豊富な先生に依頼し,最先端の知識を 提供するのではなく,教科書的な知識を整理して理解しや すいように講義してもらう.小児科の臨床経験が最低限あ れば,小児内分泌学会員ではなく,ほとんど小児内分泌の 臨床経験のない方も参加できるコースである.
共催
小 児内分泌専門セミナー:日本小児内分泌学会,JCR ファーマ株式会社
小 児内分泌入門セミナー:日本小児内分泌学会,ファイ ザー株式会社,JCRファーマ株式会社,日本イーライリ リー株式会社,ノボ ノルディスク ファーマ株式会社,
富士フイルムファーマ株式会社
23 委員会活動の歩み 実情・希望などに関するアンケートを行った.計
42施設が女性医師受け入れ可能と回答し,この結 果を学会ホームページに公開した.
●小児内分泌専門セミナー
当初小児内分泌専門セミナーは,小児内分泌研究
者懇談会と住友製薬の共催で「小児内分泌セミナー」
として始まった.1996年に行われた第1回小児内 分泌セミナーレジメの表紙および目次(セミナーの 内容)を図1に掲載する.以下,小児内分泌専門セ ミナー20年間の歴史の概要を記す.
表2 第1回小児内分泌セミナー参加者(五十音順)
会津克哉,麻生泰二,井原健二,大竹 明,大波直子,
大野㤗宏,岡空圭輔,風張幸司,鎌先穂高,河田泰定,
川原清美,小坂喜太郎,里村茂子,澤田浩武,篠原美和,
清水貴士,新家利一,田下秀明,田中妥永子,田中紀子,
玉田 泉,中井昭夫,七尾謙治,野村洋子,桧作和子,
水野晴夫,宮崎里香,村田 敦
表4 第20回小児内分泌専門セミナー特別企画
(1)ビデオレター
各講義の合間に以下の諸先生からの20周年お祝いメッ セージをビデオレターとして放映
第1回小児内分泌セミナー参加者:井原健二,大竹 明 第 1回小児内分泌セミナー講師:大山建司,神﨑 晋,
立花克彦,田中敏章,長谷川行洋
(2)情報交換会において以下を実施 サプライズゲスト特別生出演:田中敏章 故 藤枝憲二元理事長の思い出
20周年記念ケーキ
参加者30名による東西対抗自己紹介 東軍主将:室谷浩二,西軍主将:水野晴夫
講 師にゆかりのあるクイズ(講師10名,参加者30名の合 計40名による個人戦)
表3 第9回小児内分泌卒後教育セミナー懇親会進行 2005年8月21日 司会:長谷川奉延
18:30〜
18:50〜
20:30
開会の挨拶:田中敏章 共催者挨拶:住友製薬 乾杯:藤田敬之助
各賞発表
ベスト症例検討賞 よく発言したで賞 クイズ賞 Young七條賞 ポロシャツ未着賞 学術資材申込み賞 参加者コメント(1人1分)
参加者から講師へのお礼 講師からコメント(1人3分)
中締め:大山建司
その後23:00までメインロビーで歓談可
図1 第1回小児内分泌セミナー講義レジメ集表紙と目次
表5 第1回小児内分泌セミナー〜第20回小児内分泌専門セミナーの全講義タイトルと講師
回数 期間 講義タイトル(講師)
第1回 1996年 8月1〜4日
成長(田中敏章)・GHDの診断とGH治療(横谷 進)・GH関連因子(長谷川行洋)・甲状腺(立花克彦)・カルシウム(神﨑 晋)・ 副腎(藤枝憲二)・性分化と性発達(大山建司)
第2回 1997年 8月7〜9日
内分泌総論(長谷川行洋)・成長auxology(田中敏章)・小児成人病(河野 斉)・思春期早発症(矢野公一)・思春期発来機構(郷 司克己)・IGF,IGFBP(神﨑 晋)・低身長の診かた(西 美和)・内分泌疾患の新生児マススクリーニング(立花克彦)・糖尿 病(五十嵐 裕)
第3回 1998年 8月6〜8日
正常の成長(田中敏章)・水電解質異常(横谷 進)・思春期早発症(大山建司)・性分化異常(郷司克己)・Molecular Biologyと 臨床との接点(矢野公一)・21水酸化酵素欠損症(藤枝憲二)・カルシウム代謝(神﨑 晋)・糖尿病性ケトアシドーシス(五十 嵐 裕)・著明な低身長をきたす疾患(西 美和)
第4回 1999年 8月5〜7日
甲状腺機能障害(佐々木 望)・性早熟症(立花克彦)・成長ホルモン分泌不全性低身長症(田中敏章)・くる病・低カルシウム 血症(西山宗六)・性分化異常(長谷川行洋)・副腎機能不全(藤枝憲二)・糖尿病(藤田敬之助)
第5回 2000年 8月3〜5日
GHDとターナーの診断と治療(立花克彦)・思春期早発症(田中敏章)・水電解質代謝異常,Bartter症候群(横谷 進)・くる病,
低カルシウム血症(西山宗六)・糖尿病と低血糖症(藤田敬之助)・甲状腺機能障害(高橋弘昭)・性分化異常(藤枝憲二)・先 天性副腎皮質過形成(長谷川行洋)
第6回 2001年 8月10〜11日
低身長の診断と治療(立花克彦)・思春期早発症(大山建司)・くる病,低カルシウム血症(西山宗六)・水電解質代謝異常(横 谷 進)・小児Ⅰ型糖尿病とⅡ型糖尿病の臨床(松浦信夫)・甲状腺機能障害(高橋弘昭)・性分化異常と性腺機能障害(藤田敬 之助)・先天性副腎皮質過形成と急性副腎不全(長谷川行洋)
第7回 2002年 8月9〜10日
下垂体機能障害(藤枝憲二)・思春期早発症と性腺機能不全(大山建司)・カルシウム,リン代謝異常(神﨑 晋)・先天性副腎 皮質過形成と急性副腎不全(堀川玲子)・糖尿病(浦上達彦)・水,電解質異常(有阪 治)・甲状腺機能亢進症と機能低下症(猪 股弘明)・性の分化とその異常(緒方 勤)
第8回 2003年 8月22〜23日
性成熟と思春期早発症(立花克彦)・ADHとレニン―アルドステロン系の異常(有阪 治)・カルシウム,リン代謝異常(田中 弘之)・先天性副腎皮質過形成と急性副腎不全(堀川玲子)・甲状腺機能亢進症と機能低下症(松浦信夫)・低身長の診断と治療(木 下英一)・1型糖尿病,2型糖尿病(浦上達彦)・脂肪組織の内分泌学,基礎と臨床(朝山光太郎)・性分化と性腺機能不全(緒方 勤)
第9回 2004年 8月20〜21日
水,電解質異常(大関武彦)・カルシウム,リン代謝異常(田中弘之)・糖尿病(横田一郎)・先天性副腎機能不全(長谷川奉延)・ 甲状腺機能亢進症と機能低下症(鬼形和道)・思春期早発症と続発性性腺機能不全(田島敏広)・性分化と性分化異常(長谷川 行洋)・低身長の診断と治療(木下英一)
第10回 2005年 8月19〜20日
甲状腺機能亢進症と甲状腺機能低下症(鬼形和道)・カルシウム,リン代謝異常(皆川真規)・水,電解質異常(小山さとみ)・
低身長の診断と治療(田中敏章)・小児,思春期糖尿病(雨宮 伸)・思春期早発症と続発性性腺機能低下症(田島敏広)・性分 化異常症(緒方 勤)・先天性副腎機能不全(長谷川奉延)
第11回 2006年 8月25〜26日
カルシウム,リン代謝異常(大薗恵一)・甲状腺機能亢進症と甲状腺機能低下症(神﨑 晋)・水,電解質異常(花木啓一)・低 身長の診断と治療(依藤 亨)・糖尿病,低血糖症(川村智行)・思春期早発症と続発性性腺機能不全(郷司克己)・性分化異常,
原発性性腺機能低下症(位田 忍)・先天性副腎機能不全(長谷川奉延)
第12回 2007年 8月24〜25日
水電解質代謝―抗利尿ホルモンとアルドステロン系の異常(有阪 治)・副腎疾患(中川祐一)・性分化異常(堀川玲子)・小児,
思春期糖尿病(雨宮 伸)・骨代謝異常(藤原幾磨)・甲状腺機能障害(安達昌功)・性腺機能障害(大山建司)・成長障害(緒方 勤)
第13回 2008年 8月22〜23日
水電解質代謝異常(横谷 進)・先天性副腎過形成と急性腎不全(向井徳男)・糖尿病(井原健二)・低身長の診断と治療(依藤 亨)・ カルシウムリン代謝異常(難波範行)・甲状腺機能障害(原田正平)・性分化異常と原発性性腺機能不全(長谷川奉延)・思春期 早発症と続発性性腺機能不全(有阪 治)
第14回 2009年 8月21〜23日
水電解質代謝の内分泌学的調節とその異常(横谷 進)・1型と2型糖尿病(小林浩司)・先天性副腎疾患―スクリーニングから 分子基盤まで―(田島敏広)・成長障害の基礎と臨床(緒方 勤)・性分化異常症の基礎と臨床(長谷川奉延)・性成熟の異常(大 山建司)・カルシウム,リン, 骨代謝およびその異常(藤原幾磨)・甲状腺機能異常症の分子基盤(鬼形和道)
第15回 2010年 8月20〜22日
水,電解質の調節機構とその異常(小山さとみ)・2型糖尿病とのつきあい方(小林浩司)・甲状腺機能異常症(南谷幹史)・カ ルシウム,リン代謝(難波範行)・副腎皮質ホルモン産生異常:応用編(長谷川奉延)・成長障害と成長促進治療(横谷 進)・
あまり教わらない成長曲線,骨年齢の話(立花克彦)・性分化疾患(大山建司)・思春期発来の異常(郷司克己)
第16回 2011年 8月19〜21日
専門医として成長障害を診る(伊藤純子)・何が変わったのか1型糖尿病の臨床(菊池信行)・甲状腺ホルモンの合成と作用機 構(鬼形和道)・病態生理からみたカルシウム,リン代謝の考え方(難波範行)・性成熟の異常(大山建司)・先天性副腎皮質過 形成症:revisited(長谷川奉延)・症例から学ぶ性分化の仕組みと異常(室谷浩二)・骨年齢とは?(佐藤真理)・CCS(小児がん 経験者)の内分泌合併症をどのように診療するか(横谷 進)
第17回 2012年 8月24〜26日
小児内分泌科医は低身長をどう診療するか?(水野晴夫)・水,電解質代謝異常 低Na血症も高Na血症も任せてください (小 山さとみ)・小児内分泌科医が理解しておくべき骨系統疾患(難波範行)・甲状腺機能異常up to date(鬼形和道)・低血糖に強く なる!(依藤 亨)・症例から学ぶ思春期の仕組みと異常(室谷浩二)・ターナー症候群の包括的診療(横谷 進)・遺伝カウン セリングロールプレイ 完全型アンドロゲン不応症 (長谷川奉延,井ノ口美香子)
第18回 2013年 8月23〜25日
小児内分泌専門医が診る成長障害(伊藤純子)・先天性副腎過形成症―新生児期から成人まで―(濱島 崇)・思春期発来異常 の 正しい 診断と 正しい 治療(水野晴夫)・エビデンスに基づく小児バセドウ病の診療(南谷幹史)・小児内分泌専門医 に必要な臨床分子遺伝学の知識(室谷浩二)・2型糖尿病をうまく治療しよう(菊池信行)・小児内分泌学と社会の接点(横谷 進)・ 遺伝カウンセリングロールプレイ 古典的21水酸化酵素欠損症 (長谷川奉延,井ノ口美香子)
第19回 2014年 8月22〜24日
思春期が早すぎる,遅すぎる(水野晴夫)・小児内分泌学と社会との接点2014version(横谷 進)・内分泌腫瘍について一緒に 学ぼう(室谷浩二)・小児内分泌科医が福島から学ぶべきこと(南谷幹史)・必ず出会う骨系統疾患の診断と治療(藤原幾磨)・
専門医が診る小児生活習慣病(菊池 透)・ヒトの成長:AuxologyとGenetics(緒方 勤)・遺伝カウンセリングロールプレイ 骨 形成不全症 (長谷川奉延,室谷浩二,井ノ口美香子)