AE-8 MIN
2. 太陽活動下降期による静止軌道電子の増加 3. 磁気嵐に伴う磁気圏尾部から注入する粒子
などがあげられる。
まとめ(その2)
不具合軽減の取り組み
•
開発時は、宇宙環境条件(トータルフラックス及び最悪条 件)を明確にし設計(冗長系、柔軟性の設計、ディレー ティング及び運用モード/寿命について研究)・試験の充 実/検証の充実を図る
•
運用段階に入ったならば、宇宙環境を監視し警報等で故障 を防ぐ。
予測課題
•
太陽フレアに伴う高エネルギー粒子発生後、フラックス ピーク値の推定。
•
衛星により不具合の起きる閾値は、異なるが、閾値をこえ る急激な電子フラックスの増加と継続時間の予測
•
局所的な磁気嵐に伴う磁気圏尾部から注入する粒子
宇宙環境グループは、宇宙ステー ションと衛星プロジェクトの安全 な遂行に、貢献しています
ご静聴ありがとうございました。
補足資料
不具合原因の推移
• 宇宙天気を大きく左右する要因の1つとして、約11年の太陽活動変 化が挙げられる。
• 太陽活動下降時期(太陽変動、
CME)
と極大期(フレア、CME)
に衛星 で不具合が増加する。それにより不具合原因の割合が変わる。-Koons, et al., The Impact of the Space Environment on Space Systems, Aerospace Corp. report no. TR-99(1670)-1, 20 July 1999 -2009 preliminary study (unpublished)
何故不具合は減らないか?
• 部品: 放射線に対する感受性が高くなっている
• 微細化が進み、同時にフォールトするノードが増え、同時にエ ラーとなる論理ノードやメモリセルが増加する。微細化によっ てメモリセルは小さくなるので、記憶容量当たりでみるとエ ラーの発生率は下がる。しかし半導体チップの記憶容量やゲー ト数が増えるので、半導体チップ当たりのエラー発生率は微細 化とともに上昇する。また、蓄積電荷が小さくなり感受性が高 くなってきている。
• システム: 大型化、大電力化、運用長期化
• 1990年代末以降、静止衛星の電力が10kWレベルになった。しか し、設計検証技術・データ蓄積が遅れている。改善されつつあ ると推測される。
放射線による影響の概要
粒子 エ ネ ル ギ ー 又 は LET
代表的な影響
陽子 100keV-1MeV
1-10MeV 10-100MeV >50MeV
表面損傷
表面材料と太陽電池の損傷
放射線損傷(電離、非電離損傷の両方)、センサーへのノイズ シングルイベント効果
電子 10-100keV
>100keV
>1MeV
表面帯電
深部帯電現象(deep-dielectric charging)、センサーへのノイズ、
太陽電池の損傷 放射線損傷(電離)
重イオン >1MeV-cm2/mg シングルイベント効果
注:エネルギー及びLETは、個々の部品等により異なります。あくまでも目安です。
耐放射線設計手順
軌道条件
ミッション期間
環境条件設定
トータルドー ズの予測
1MeV電子換算 被曝算出
NIELの換算
LETフルエンス 算出
陽子フルエンス 算出
対 策 の 検 討
対 策 の 検 討
対 策 の 検 討
要
求
仕
様 放射線による
劣化率予測 劣化率予測 特性予測
耐性データ
放射線による 劣化率予測 耐性データ
劣化率予測 アレイ出力 劣化予測
感受性データ
シングルイベント
発生率予測 致命度解析
衛星内質量分布
(*2)
部品・材料の選定
他の要因による劣化率予測
(*2)
(*2) (*3)
回路設計等
NO
OK
アレイ構造 セル選定
他の要因による劣化率予測 アレイ設計 (*2)
(*2) (*2) (*2) (*3)
衛星内質量分布 部品選定 (*2)
(*2) (*2) (*3)
NO
OK
NO
OK (*1) 環境モデルマージを含む
(*2) 部品レベルの検討 (*3) アセンブリレベルでの検討 (*4) 設計マージン、環境モデル マージを含め大丈夫か?
トータルドーズ
太陽電池アレイ の劣化
シングルイベント 効果 回路設計
補足放射線 太陽宇宙線 銀河宇宙線
NEILを用いた ダメージファ クターの算出
対 策 の 検 討
放射線による
劣化率予測 劣化率予測 特性予測
耐性データ (*2)
部品・材料の選定
他の要因による劣化率予測
(*2)
(*2) (*3)
回路設計等
NO
OK
衛星内質量分布 半導体デバイ
スの変位損傷 (*1)
(*4)
(*4)
(*4)
(*4)
各軌道における放射線環境
1.E+10 1.E+11 1.E+12 1.E+13 1.E+14 1.E+15 1.E+16 1.E+17 1.E+18 1.E+19 1.E+20
0.01 0.10 1.00 10.00
捕捉電子の積分フルエンス[/m2 ]
エネルギー[MeV]
各軌道における電子捕捉積分フルエンス(3年間)
LEO EOS GEO
MEO GTO
GEO 軌道傾斜角 0° 高度36,000km GTO 軌道傾斜角 18° 高度 360km~36,000km MEO 軌道傾斜角 51° 高度 10,000km EOS 軌道傾斜角 98° 高度705km
LEO 軌道傾斜角 29° 高度 600km
1.E+12 1.E+13 1.E+14 1.E+15 1.E+16 1.E+17 1.E+18 1.E+19 1.E+20
0.1 1.0 10.0 100.0
捕捉陽子の積分フルエンス[/m2 ]
エネルギー[MeV]
各軌道における捕捉陽子積分フルエンス(3年間)
MEO
GTO GEO
LEO EOS
放射線による部品・材料の影響
総照射線量 (TID:Total
Ionising Dose )
電離損傷
バイポーラTrの電流増幅率の 低下、リーク電流の増大
γ線で評価
トータルドーズ効果
変位損傷 (DD:Displacement Damage )または
非イオン化エネルギー損失 (NIEL:Non-Ionising Energy Loss )
変位損傷(格子欠陥の生成)
電荷輸送効率の低下 (CCD)、太陽電池の効率低下等
電子、陽子により評価
シングルイベント効果
1個の荷電粒子の入射により発生する誤動作
ソフト(Latch-Up, Burnout) エラー又はソフト (Upset) エラー
陽子及び重イオンで評価
トータルドーズ効果
+ - + + - + - + - -
+ + + + -
ゲート酸化膜電離 格子欠陥 正電荷捕獲 + : 正孔, - : 電子
電極
(Silicon oxide/nitride) 荷電粒子
反跳原子
ゲート絶縁膜中に電荷が蓄積することによる、MOSトランジスタのしきい電圧 (MOSトランジスタがオフからオンに変化するゲート電圧)の変化をもたらす。ただ し最近の最先端チップはゲート絶縁膜がきわめて薄くなっている。このためゲー ト絶縁膜よりもフィールド絶縁膜(隣接するトランジスタを電気的に分離する絶縁 膜)での電荷蓄積が相対的には大きな問題になってきている。」
シングルイベント効果
メモリセルはNチャンネルとPチャ
ンネルMOSFETより構成され、メ
モリ情報は回路ノード1,2の電位の 高低により記録している。空乏層 の広がっているPN接合1,2の領域に 重イオンが入射した場合、電荷の 発生と空乏層内への少数キャリア の収集が起こる。この収集電荷量 が回路の耐量を越えた場合、(c)に 示すように反転が起こる(ソフト エラー)。一方、pウエル-N基板接 合の空乏層内に電荷収集量が起こ りえる耐性を越えると、寄生的に 存在するPNPNサイリスタ構造がオ ンし、電源と基板間に大電流が流 れる状態が生じる(ラッチアッ プ)。
シングルイベントメカニズム
- 陽子と重イオンの違い -
エラー発生率の計算
線エネルギー付与(LET) (linear energy transfer)
電離性放射線が物質中を通過する際、飛程の単 位長さ当りに平均して失うエネルギーをいう。
各種の放射線のうち、 X 線、 γ 線は LET が小さい ので低 LET といい、 α 線、中性子線、その他重イ オン、核分裂破片の LET は大きいので高 LET と いう。 MeV/μm 、 MeV/(g/cm
2) や
MeV/(mg/cm
2) で表される。
南大西洋異常 (SAA)
• 地球の自転軸と磁気軸のずれ ↓
• 放射線帯が自転軸に対して非 対称
• 南大西洋上空では、放射線帯 内帯が低高度に落ちてきてい る。この領域を南大西洋異常 域(SAA : South Atlantic Anomaly)と呼ぶ。
• 地球観測衛星では、SAAで放
射線帯陽子の影響を受ける。
Single Event Lachup
シングルイベントと陽子分布
MOS-1衛星(高度909km。軌道傾斜角99度)で発生したシングルイベントと 陽子30MeV以上の等高線マップを重ね合わせた結果
NEIL ( Non-Ionizing Energy Loss)
• 入射粒子が電離によらず与える損傷。非イオン化
損失。
低軌道での電子フラックスと
不具合の発生場所
南大西洋異常( SAA )と極の角
高度800kmでの電子フラックス図、極の角(polar horn)とSAAを示す。
太陽粒子線
• 太陽高エネルギー粒子線(SPE: Solar Proton Events)は、太陽フレア とコ ロナガス噴出 (CME;Coronal Mass Ejections )により引き起こされる。
• フレアのスペクトルは可変であるため、あるエネルギー域における最悪状 態イベントは必ずしも別のエネルギー域における最悪条件ではない。
1972年8月のイベント 10~70MeVの粒子が最も多かった
1989年10のイベント 1972年8月のイベントに比べ低エネルギー領域、
高エネルギー領域が明らかに激しかった
フルエンス: 105 to 1011 cm-2 変動期間: 1日から数日